宮城谷昌光のレビュー一覧
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ネタバレ斉の僖公の死後、その長男襄公の時代となるが、弟である公子糾、公子小白にそれぞれ仕えることとなった管仲と鮑叔。襄公に疎まれ、その施政を批判し亡命の道を選び後日に備える小白と鮑叔。そして糾と管仲は襄公に従い、道を分ける。その後、暴政を極めた襄公は殺され国が乱れる中で、糾と小白は斉の都・臨?へ急行する。先に着いた方が国を治める立場になるその競争は手に汗を握る迫力があります。小白を途中待ち伏せして弓を引く管仲。しかし小白は九死に一生を得て、臨?を抑える。丁度、無政府状態のイラクを誰が制圧するのか、という状況を思い出しますし、少人数の小白と鮑叔が大部隊の糾と管仲に勝る結果も八甲田山彷徨の2つの部隊にも似
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タイトル通り、楚漢戦争期(秦末期~前漢初期)に活躍した名臣たちの列伝。
取り上げられているのは張良、笵増、陳余、章邯、蕭何、田横、夏侯嬰、曹参、陳平、周渤の10名。あくまで列伝なので、物語調というよりは丹念に事跡を追いながら、その人となりを概観していく。
しかし本書を読んでいくと、一番くっきりと浮かび上がってくるのは、著者の劉邦像である。
彼を取り巻く様々な人々を通して、劉邦の人物像が手に取るようにわかる。
各列伝で重複して書かれる歴史的事実も多く、やや退屈な面もなくはないが、それゆえにこの時代の空気、劉邦・項羽の軍勢のカラーがかなりしっかり掴める一冊。 -
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ネタバレ荀子の考え方を整理してみると、自分を作り変えるには、3つの方法があると言う。
一、学問(これは知識と言ってよい)
二、見聞(これは体験と言える)
三、正しい人との親交(交際のこと)
上の2つはすんなり入るが、3つめについてだ。人間と言うのは、他人は見えていても、自分は見えないものである。自分を見たければ他人を通して自分を見るほかない。だから交際が大切なのである。ただし、自分を映す鏡である他人が歪んでいたり、汚れていたりすれば、自分の正確な像はつかめない。それゆえ荀子は正しい人に親しみなさいと言ったのである。
次に、『忍激のの二字は、これ禍福の関なり』という。出典は『呻吟語』である。我慢するこ