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Posted by ブクログ
矢張り偉人は偉人だと感じた本です。管仲は言わずもがなで、彼を推挙した鮑叔の言動も「人間わざとはおもわれない」(下巻P269)です。何と言うかもう人の交わり、情感の所在、全てが飛び抜けていて、歴史――過去の出来事であるのにファンタジーとしか思えないほど。
中には幾つか不透明になる所もありましたが。幾つかの説話を持ってこられて鮑叔像が混乱したり(苦笑)。重要なのは血のつながり云々というよりも姓氏の方なのかとか疑問もあったり。まあこれは己の不勉強さ故なのですが。
あ、この本で存外注視されていた文姜の存在がとても気になります。彼女の一生はとても興味深いです。
Posted by ブクログ
斉の僖公の死後、その長男襄公の時代となるが、弟である公子糾、公子小白にそれぞれ仕えることとなった管仲と鮑叔。襄公に疎まれ、その施政を批判し亡命の道を選び後日に備える小白と鮑叔。そして糾と管仲は襄公に従い、道を分ける。その後、暴政を極めた襄公は殺され国が乱れる中で、糾と小白は斉の都・臨?へ急行する。先に着いた方が国を治める立場になるその競争は手に汗を握る迫力があります。小白を途中待ち伏せして弓を引く管仲。しかし小白は九死に一生を得て、臨?を抑える。丁度、無政府状態のイラクを誰が制圧するのか、という状況を思い出しますし、少人数の小白と鮑叔が大部隊の糾と管仲に勝る結果も八甲田山彷徨の2つの部隊にも似ています。上巻では文章に気品を感じながらも、短い文章にやや性急さを感じたのが、下巻ではテンポを感じました。読み終わって恒公とともに中国を制覇する管仲の優れた政治能力以上に、斉の恒公(小白)に弓を向けた管仲を推挙し、自らの身を引く鮑叔の爽やかさがこの小説の一番の魅力だと思います。管仲の晩年は明らかなのに比べ鮑叔の死亡の年も分からないという史実は象徴的な気がします。
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