宮城谷昌光のレビュー一覧
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ネタバレ第105回直木賞受賞作品。
春秋戦国時代の鄭国の公女、夏姫を巡る物語。
1ページ目から、十歳を過ぎたばかりで実の兄が寝所に忍んできて…という衝撃的な描写で始まり、幼い頃から「あれは童女ではない」と言われるほど妖艶な魅力を持っていた絶世の美女だが、それゆえ男たちに翻弄され続け、しかも関わる者はみな不幸になっていく。
といっても、稀代の悪女が男たちを手玉にとっていく話ではなく、歴史に翻弄された一人の美女の生き様を描く、という筋書きでもない。
実際に活躍するのは、夏姫の生国で小国に過ぎない鄭、嫁ぎ先の陳、大国である晋と楚などの王侯や武将たちであり、夏姫は時折登場して男たちの耳目をひく、という程 -
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遂に崩れゆく漢王朝、もはや首の皮一枚でつながっている状態。傀儡として生かされる皇帝。
何進が意外といい人だけれども絵にかいたような「いい人止まり」。乱世では生き残れないなあ。
董卓ははじめこそ辺境のまなざしでを持ち王朝を冷やかに見ていたのに、王朝の権威に満足してしまっているのでがっかりだ。どちらにせよ、彼が決定的に漢王朝を破壊したのはいうまでもない。
袁紹と袁術の確執、どちらもパッとしない。
曹操は負けて強くなる、まだ駆け出したばかり。人を見抜く力とひきつける力、魅力たっぷり。
劉備と趙雲の出会い、しかし彼らの活躍はもうすこし先かな。
孫堅は武功をたててゆくが……
ここまで来てしまえば安心 -
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項羽の死で終わった。 途中は結構いろいろ華やかで最後に作者も語っているが、劉邦は突出した才能の持ち主ではなかったが、人を引きつける魔力というものがあったようだと言うことは否定できないことで本当に中心核のような人物であったことは間違いないです。 現在の世の中ではそんな人はいることはいるが事象を間違えた方に引っ張ってしまう人が多い。成功に導いた人の一人かもしれない。ただ本位は断片しか書かれていないが、2代目皇帝の時には皇后の呂氏の専横が酷かったようだ。まあ中国だからやることが普通じゃない。項羽もそうだけど、それは現代にも通じる。 毛沢東の文革などを見ても明らか。 ただそこで終わっちゃったので盛り上
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ネタバレ後漢の初代皇帝 光武帝の話だ。劉秀あざなは文叔という。劉秀の頃、漢の帝室は退廃し、漢の皇帝の外戚の族から台頭した王莽の世であった。2百十余年つづいた漢王朝はこの男によって余命を絶たれた。新という王朝名は、王莽が新野に領地をもっているためにつけられた。略奪王朝である新王朝は紀元後九年に誕生したのだ。王莽の伯母が漢の元帝の皇后であり、その伯母は弟の子である王莽を信用して引き立てたという。王莽は、劉氏を危険な族とみなし、些細なことを理由に劉氏一族の覆滅を図っていった。劉秀もその一族の中のひとりであったが、嫡流にいたわけでなく、いわば住み込みの身のような者であり、幼い頃は、他の裕福な族に養子にやられて