宮城谷昌光のレビュー一覧
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三国志の一つ「蜀」国の名臣列伝。
関羽、張飛、諸葛亮、趙雲、李恢、王平、費禕の七名。
関羽、張飛、諸葛亮、趙雲の四名は、彼らから見た劉備評を描いたというような内容。評伝のようなものか。個人の列伝という意味では、李恢、王平、費禕の三名になりますか。
劉備の後、諸葛亮の後を支えた三名の功臣の中で、興味深かったのは王平。
渋く活躍した人ですね。五虎大将軍や諸葛亮のような活躍はなくとも、いぶし銀のような縁の下で支えたタイプの活躍をした人です。絢爛豪華な武将・知将が退場しても、彼のような存在がいたからこそ、劉禅の下で蜀漢は存在したのだと思います。
その筆頭は、蒋琬であり費禕。彼らの後任が続かなかった -
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関羽・張飛・諸葛亮・趙雲・李恢・王平・費褘~関羽:劉備より年上!張飛・諸葛亮・趙雲:常山国真定国で義勇兵に応募し袁紹を嫌い公孫瓉に付いて劉備を知り一度は帰郷したが40歳を前に劉備の元に参じ、二度劉備の嫡子を救い、劉備亡き後の蜀を諸葛亮を助けて空城の計で曹操軍を斥ける・李恢:益州牧劉璋に用いられたが南下する劉備に太守董和び使いだと伊って近づき度胸を買われて曹操に敗れて救いを求めに来た馬超に使いして劉璋に成都を譲らせることに成功、劉備亡き後と蜀を諸活用と共に支える・王平:曹操軍の校尉で一隊を任されていた益州出で劉備に魅力を感じ、偵探に出て退路を塞がれ投降し禅将軍に採用され学はないが実績を活かし魏を
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宮城谷昌光による『三国志入門』。現在彼の『三国志 』を読んでいる途中である。
高校の寮時代、娯楽室にあった横山光輝の『三国志』を読んだ。三国志のイメージは最初に読んだ漫画が大きく、曹操が狡猾、孫権はおこちゃま(周瑜が凄腕)、劉備は優柔不断。北方謙三の『三国志』は脇役が生き生きと描かれていた。
さて、本書は最初の二十数頁で概要を著し、第三章「英雄たちの真実」に二百頁足らずを費やしている。第四章では、官渡の戦い、赤壁の戦い、夷陵の戦い、五丈原に闘いについて書かれ、第五章では三顧の礼、死せる諸葛、生ける仲達を走らすなどの三国志のことばについて説明している。第六章では、その後の三国志、司馬氏が統一を -
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古代中華の世界を静謐な筆で著してきた著者が、平成五年から産経新聞夕刊文化面に連載を始めた『史記の地平』。一年が過ぎ連載が終了するとその評判から、新潮社の雑誌「波」に『史記の風景』として連載が引き継がれた。
一話原稿用紙三枚に、司馬遷の『史記』から話を引くという独特な手法を用いている。
「管仲と晏嬰」では、生きた時代が違う二人に対話をさせている。『列子』には、晏嬰が長生きの秘訣を問うと、自分の思った通りに生きれば良いと答える。管仲が葬式はどうすれば良いかと問うと、六種類あり、火で焚く、水に沈める、土に埋める、野晒しにする、谷に棄てる、石棺に 斂める、そのどれでもよくその人のめぐり合わせだ、と晏嬰 -
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学生時代以来20年以上ぶりにこの方の小説を読んだ
期待していたほどのものではなく、後半の盛り上がりにかけ、あっさりしすぎている気がした
多分、せっかくの背水の陣や鴻門の会などの有名な話についての描写がかなり軽すぎるからじゃないか。歴史小説は、司馬遼太郎のように小説部分と著者の時代考察が良い塩梅で混ざっているものと、藤沢周平のように物語としての小説のみから成り立ち、登場人物の生活や感情の機微に焦点を当てられ、歴史の大きな流れや考察は背景として留めているものに分かれる。宮城谷昌光は明らかに司馬遼太郎的なのである。
読んでみて思うのは、おれは藤沢周平的なもののほうが好きだな。 -
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「第3章 殷(商)の湯王と周の文王」が特に興味深かった。海音寺潮五郎の「中国英傑伝」の「乞食公子」を読んで重耳の小説を書こうと決意し、春秋左氏伝や史記を熟読、年表も作成し筆を取ったものの、更に昔を知らないと書けないと感じ、夏や商について勉強、それが「天空の舟 小説・伊尹」執筆に繋がったとのこと。ここまでこだわるからこそ、宮城谷昌光さんの小説には深みがあるんだろう。また、そのお陰で「天空の舟」だけでなく「沈黙の王」や「太公望」といった「重耳」より前の時代の作品も我々は読む事ができる。大いに感謝。湯王が征伐した葛氏が諸族に分かれて名乗った氏が諸葛氏という説も紹介されている。どこかで読んだ気もするが