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楚王の死去を知った伍子胥は呉王・僚を討つ。公子光は呉王闔廬となり、その子・終累は太子となった。子胥は闔廬の命で呉の外交を任されている季子のもとを訪れる。季子は「斉に対して呉は事を構えずと伝えるべし」と述べ、子胥がその使者となった。斉に入った子胥は、その足で孫武と、孫武のもとに預けた褒小羊を迎えにいく。孫武の献策により、次々と敵を懐柔していく闔廬。いよいよ、子胥の悲願でもある楚との決戦が迫ってきた!
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Posted by ブクログ
本巻でひときわ輝きを放っていた登場人物は、孫子こと孫武だろう。 後宮の貴妃を兵にみたてて訓練するという、あまりにも有名なエピソードは読んでいて心が躍った。 無名の彼がその兵法により世に出ていくさまは痛快だ。 「人の幸と不幸は、人とのめぐりあいで変わる。」『右[示右]の帰郷』より。 「人はおなじ感情...続きを読むをもちつづけることは、そうとうにむずかしい。」『子胥の外交』より。 「目のまえに倒れている者を救うことは、たしかに人助けにはちがいないが、視界の外にいる者たちを救うのが為政者のつとめである。無形の形がみえるか、無声の声がきこえるか、それが人の上に立つ者の良否となる。」『子胥の外交』より。 「自大の叫びは、世の顰蹙を買うだけであろう。」『孫子の兵法』より。 「復讐心は、他人を殺すが、それが返ってきて、おのれを殺すもととなる。」『孫子の兵法』より。 「理を極限まですすめてゆくと、非常識とかわりがなくなる、ともいえる。」『春景色』より。 「人の思考と行動を解く鑰は、多くの人がみのがす細事にあります。」『女兵』より。 「人を試すことは、おのれが試されることになる。」『女兵』より。 「ものごとには多面があり、人はどうしても一面しか視ず、そこから事象の深奥を洞察しようとする。視点を移して、ほかの面を視ることは、かんたんなことであるようにみえるが、じつは至難である。つまり、他人の意見はほかの面を映す鏡となるので、他人の話をきくことも大切なのである。」『女兵』より。 「他人の晦さは、自身の幸せ、であるとはいえ、国も人もおなじで、謙虚さ、慎重さを忘れてはなるまい。」『季子の死』より。 「強くなることを急ぎすぎると、かえって弱くなり、大きくなることを急ぎすぎると、かえって小さくなる、ということもあるのです。」『季子の死』より。 「失敗を失敗のままおわらせることを、ほんとうの失敗というのです。(中略)ほんとうに努力した者は、たとえ失敗しても、そこに成功への鑰をみつけているはずです」『鍾吾と徐』より。 「他人のためになにもしないで、おのれだけが助けられる人は、この世にいません」『神出鬼没策戦』より。 「計画が精密すぎると、かえって窮地におちいることがあるのです」『神出鬼没策戦』より。 「すさまじい努力をしても、時と人にめぐまれなければ、花は咲かぬ。」『神出鬼没策戦』より。 「大事をなすためには、小事をおろそかにしてはならない。」『呉軍と越軍』より。
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