萩尾望都のレビュー一覧

  • マージナル 1

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    男性ばかりが暮らす世界となった2999年の地球を舞台にしたSF長編作品です。

    ただ一人の女性である「聖母」(ホウリ・マザ)が人びとの前にすがたを現わす日に、目もとに青い刺青をもつ青年グリンジャが「都市」(シティ)を訪れ、マザの暗殺計画を実行に移します。都市を抜け出し砂漠を旅する途中で、グリンジャは行き倒れになっていたキラという少年を救います。その後、死にぞこないのアシジンと名乗る青年にキラの身柄を売りわたしたグリンジャでしたが、キラが盗賊にさらわれ、アシジンとともにキラの救出に向かいます。

    『スター・レッド』と同様に、特殊な来歴と能力をもつ登場人物がその来歴ゆえに過酷な運命に翻弄されるとい

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    2021年09月08日
  • 半神

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    短編作品10編を収録しています。

    表題作「半神」は、腰のところでつながった状態で生まれてきた双子の少女ユージ―とユーシーの物語です。美しいけれどもなにもできないユーシーをうしなったことがきっかけで、ユージーのアイデンティティが揺らぎ出します。

    「偽王」は、旅をつづける青年エジカが、国を追放され「贖罪者」となった、かつて王だった男と出会う物語です。狂気のなかにあった彼は、エジカについて旅をつづけるなかで、辛い過去の記憶を呼び覚まされてしまいます。

    「真夏の夜の惑星」は、SFものの短編です。舞台は異なるものの、『ゴールデンライラック』に収録されている「ばらの花びん」を思い起こさせる内容ですが

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    2021年09月04日
  • スター・レッド

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    23世紀のニュー・トーキョー・シティで生活をしているレッド・星(せい)は、火星に移住したあと見捨てられた人びとの子孫です。赤い瞳に白い髪をもつ火星人たちは、超能力をつかうことができ、その力を怖れる地球人たちに迫害されていました。

    正体をかくして生活していた星でしたが、エルグという青年に赤い瞳を見られてしまいます。しかし、彼女が火星人であることを見抜いたエルグは、星に協力して火星に潜入しますが、彼女に不審をおぼえた情報局のペーブマンがそのあとを追います。やがて星は、火星に暮らしている火星人たちに出会いますが、彼らが未来を占ったところ、星は災いをもたらすというお告げが示され、星は彼らのもとからも

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    2021年08月31日
  • 花歌舞伎徒然草 はなのかぶきよもやまばなし

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    著者が思っていたよりずっと歌舞伎の世界と関わりが深かったんだと知れて興味深かった。(「三國傳來玄象譚」観てみたい…)
    自分も観た好きな舞台、「野田版桜の森の満開の下」や「切られの与三」の、萩尾望都さんのイラストが見られたのも嬉しい。

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    2021年08月28日
  • ポーの一族 秘密の花園 1

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    ネタバレ

    1888年、「ランプトンは語る」に繋がる話。
    アランはずっと熟睡中です。。
    わがまま放題のアランをエドガーが宥めたり、甘やかしたりするのが見たいのに残念~。
    ユニコーンの現代を描いた後に過去を描くのは何か伏線があるからだよね??
    アランが蘇るのか気になる。

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    2021年08月22日
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)

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    モーさま萩尾望都さんの伊ナポリ東洋大学とボローニャ大学での戦後少女マンガ史講演手塚治虫先生リボンの騎士から各年代の代表的作品と大奥までを解説。
    自作「半身」「柳の木」「イグアナの娘」解説となかなか興味深いお話がたくさん。当然ながら大泉サロンで袂を分けた竹宮惠子さん増山法恵さん少女マンガ革命についてはスルーしておりますwwww

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    2021年08月18日
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)

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    萩尾望都が語る少女漫画の歴史。萩尾望都が高く評価している作品は何かとか、手塚治虫はどんなところがすごいかといったことがインタビュー形式で書かれていてとてもわかりやすかった。「半神」などの作品が掲載されているのもうれしかった。

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    2021年07月25日
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)

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    ■少女マンガの岸辺で――まえがきにかえて 矢内裕子
    ■Ⅰ章 イタリアでの少女マンガ講義録
    ・少女マンガの歴史
    ・自作についての解説「半神」「柳の木」「ローマへの道」「イグアナの娘」
    ・質疑応答――イタリア人聴講者からの質問
    ・ドナテッラ・トロッタ氏によるインタビュー
    ■Ⅱ章 少女マンガの魅力を語る
    ・少女マンガは生きている
    ・私の創作作法
    ■Ⅲ章 自作を語る 『なのはな』から『春の夢』へ

    □萩尾望都氏との初対面 ジョルジョ・アミトラーノ
    □イタリアの秋 矢内裕子
    □著者あとがき
    □解説 中条省平

    この数年萩尾望都界隈が滾っている。
    個人的には「残酷な神が支配する」で凄まじい漫画に対面させて

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    2021年07月24日
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)

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    萩尾氏のナポリ大学での講義内容他。
    テーマは 日本における少女漫画史。

    漫画については私もあれこれ考察することはあるけれど、「日本における女の子の社会的在り方」に対しての自由への渇望であるとの見方は、「なるほどーーーー」と感じ入りました。
    なぜ我々はあらゆるジャンルを漫画に求めるのか。コマの間に何を探って読んでいるのか。なぜBLが確固たるジャンルとして座を占めているのか。
    窮屈な日本においてなんだって許される世界が少女漫画!
    すごいなー、この「みんなと同じ形」を重んじる日本において、よくこのジャンルが存在を許されたなと感動すら覚える。
    ある意味「少女漫画」は少女にしか理解できない謎世界だが、

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    2021年07月24日
  • 海のアリア 2

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     ヒロインのひとりが体育祭でブルマーを穿いているのを見て、「昔のマンガなのだな」(1989〜91連載)と改めて思う。異国が舞台なら、こういう所感は湧かないのだろう。
     宇宙レベルまで広げられた風呂敷が綺麗にクルクルたたまれてゆく。
     音楽を絵で表す絶妙の描写力。萩尾望都と同時代に生きる悦び。

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    2021年07月14日
  • 訪問者

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    ネタバレ

    「トーマの心臓」の前日譚。9歳のオスカーのパパ、グスタフは売れない写真家でママ、ヘラとはケンカばかりだった。ある雪の日グスタフは夫婦喧嘩の末ヘラを射殺する。オスカーがグスタフの本当の子ではないと打ち明け離婚を切り出したからだ。真実を悟ったオスカーは警察に疑いの目を向けられるグスタフをかばい、グスタフはオスカーと犬のシュミットを連れて旅に出発する。グスタフの精神が不安定な中オスカーは必死で旅を続けるが、シュミットの死によりグスタフはオスカーの本当の父親が校長を務めるギムナジウムに彼を残し南米へ旅立つ。
    「たとえあなたが裁きをおこなえる神様でも子どものいる家にきてはいけないんだよ」「ぼくは悪い子だ

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    2021年07月11日
  • 私の少女マンガ講義(新潮文庫)

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    萩尾望都が2009年にイタリアの大学で行った講演(質疑応答含む)の記録と、自作や創作にまつわるインタビューをまとめたもの。
    講演では萩尾望都視点による日本の少女マンガ史の概観が述べられており、そこに挙げられた作品など萩尾望都史観とでもいうべきものが伺われて面白い。
    後半のインタビューもコマ割りに現れる個性の話などいろいろ興味深い。しかし、何十年も前に読んだと思われる漫画のコマ割りがさっと頭に浮かぶ萩尾望都の記憶力は凄い。

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    2021年06月28日
  • スター・レッド

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    1978年s53「週刊少女コミック」連載。第11回ファン投票星雲賞コミック部門受賞。白い髪赤い瞳火星生まれ主人公の壮大な萩尾望都さまスペースオペラ物語。なかなかの難解さでしたが、これが当時の少女マンガに連載させていたことにビックリ。

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    2021年06月25日
  • トーマの心臓

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    大泉サロン関連本初読み1974年S49週刊少女コミック連載開始。初回読書アンケート最下位で打ち切り危機を
    乗り越えての誕生秘話。独ギムナジウム(寄宿学校)が舞台。ユーリに想いがあったトーマがある冬の朝死亡する、黒髪のユーリ、両親がいないオスカー、トーマにソックリマザコン転入生エーリク。人間の愛をキリスト教と絡めて問う少女マンガを超えたまるで小説のような作品同じギムナジウム竹宮惠子さん少女マンガ革命少年愛「風と木の詩」とは世界観違いを感じました。





     

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    2021年06月02日
  • ポーの一族 4

    ネタバレ 購入済み

    ホラーな場面あり

    パンパネラが人を襲う(・・獲物を狩るわけだから非難できないのかな)場面がはっきりあってかなり怖いです。

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    2021年03月10日
  • ポーの一族 秘密の花園 1

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    アーサーとの関係が親密になるにつれエドガーの心も揺れている.アランの眠りのために身動き取れないエドガー,どうなるのだろう.

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    2021年03月02日
  • ねこだのみ 1

    購入済み

    猫がいっぱい

    猫好きのためのバイブルのような本ですね。度のお話も好きですが個人的には萩尾望都
    先生のレオ君がいち押しです。。

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    2021年02月24日
  • トーマの心臓

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    物語も、言葉も、描線も、聞こえるはずのない音楽も、全てが美しい。トーマのか与えた愛、エーリクの愛、オスカーの愛、そして神への愛。
    愛、というのは永遠のテーマであり語り尽くされることも描き尽くされることもなく、完全なる定義はきっとあたえられない。でも、『トーマの心臓』は、愛というものに1つの輪郭と答えを与えている。それは完全ではなく、あくまで1つの輪郭に過ぎないのだけど。

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    2021年01月26日
  • 残酷な神が支配する 2

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    1巻に続き無料版を読んだ。
    ジェルミ可哀想すぎる。
    親父狂ってるよ
    奥さんの浮気は本当なの?被害妄想?
    イアンがやっぱいい人でよかった
    これから真実に気がつくのかな

    サンドラはだめな母親
    母親のために犠牲になるジェルミがみててつらい。
    ジェルミが真実言ってもサンドラは信じなそう…
    続きが気になる。

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    2021年01月07日
  • 残酷な神が支配する 1

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    ネタバレ

    100de萩尾望都をみて興味が出て、無料版を読んでみた。
    めちゃくちゃこわい話しなんだけど…
    主人公の男の子が、母親と再婚した男に無理矢理犯されて、そのあとも母親にそれをバラすみたいに脅したり、母親と別れると脅したり(母親は再婚相手にベタぼれ)して関係を続けさせられる話。
    全寮制の寮に入ったけど、寮まで迎えにきた。
    外面はいい地位がある人なのがこわい。
    義理の兄さんが今後なにか助けてくれるのかな…

    母親が弱くて、男に振られるとすぐ自殺未遂するような
    こういう親をもつ子供は大変だよな…と思った。
    最初から息子が目的で結婚したのかな?

    というか男の子ってことになにか意味があるの?
    義父から性的

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    2021年01月07日