萩尾望都のレビュー一覧
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宇宙大学入学をかけた最終試験。10人一組のはずが1人多い。閉ざされた宇宙空間と爆発物の仕掛けられた試験会場である宇宙船の中で11人の53日間にも及ぶ共同生活がはじまった。
さまざまな星から集まった受験生ということがあり、鱗に肌が覆われていたり、王様だったり、両生体だったりと個性的。
2度の爆発によるタンクの故障、軌道から外れた宇宙船、船内気温の上昇による伝染病と古典的かつ、正統派SF作品に仕上がっている。
続編は大学入学後のタダとフロルのカップルメインと見せかけて試験で同じグループだった王様のマヤ王。
王という地位を賭けた陰謀にはめられ逃亡の身となったマヤ王と彼を守るタダとフロル。宇宙規模の -
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主人公のタダトス・レーンは、宇宙大学への入学をめざす少年です。最終試験は10人で一組のチームを組んで宇宙船白号に乗り込み、たがいに協力しあって53日間を過ごすことが求められます。ところが、タダのチームのメンバーが11人いることが明らかになります。だれが、いったいなんの目的で、最終試験にもぐり込んだのか、メンバーたちのあいだに疑心暗鬼が芽生え、追い討ちをかけるようにさまざまな事件が生じていきます。事件が進展するに連れて、タダが幼少期に、この宇宙船白号にかかわっていたことが明らかになります。
タダは「11人目」ではないかという疑いをかけられながらも、フロルベリチェリ・フロルというメンバーと交流を -
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ネタバレさすが……さすが萩尾望都先生です。しっとりした雰囲気がブラッドベリにピッタリじゃないですか! しかもこんなにページ数が少ないのに原作の雰囲気壊さないまままとめてるー!! すげえよ! これが職人技か!!
「みずうみ」の奇麗さがたまらーん。
「びっくり箱」はたしか原作は男の子だったはず。でもドーナ可愛いしいいや!
「万聖節」10月のじっとりした霧の匂いが漂ってくる!!
小説の漫画化としてはすごい再現度じゃないでしょうか。ブラッドベリの文章と、萩尾先生の童話的な絵の相性があやしすぎて頭グラグラする。そのグラグラに酔っていたい、と思えるような短篇集です。 -
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「おじさまはアブサント酒がお好み いつも作って差し上げる」
ピカデリー7時のお嬢様が作っていたのはまさかの芋焼酎。。
イメージーー!萩尾さーーん!
笑ってしまった。
台詞は確認してないので違うかも。
人の名前が覚えられないという。でもキャラクターの名前の付け方、いつもぴったりじゃないですか、、と思ったら、やっぱり言葉には敏感なのだ。「サーボ」という名前の、音の響きに恍惚となってしまう敏感さ。小鳥の巣のテオは、やっぱりテオでしかない。脇ながら見逃せない、重要な立ち位置となったのは、名前のおかげだったりするのだろうか。
名は体を表す。
実在の名前でなくたって、トーマスでなく「トーマ」になって本 -
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ネタバレこれはもう、「怖い、実に怖い」としか言えないくらいの恐怖を覚える内容です。まぁ怖がってばかりでも進まないんだけどさ。
大雑把なあらすじをすると、小松左京「お召し」にインスパイアされた、基本設定を少し変えた物を、ベテランSF漫画家がマンガにしました!
突然隔絶された2つの世界。もとは1つだった世界が、突然「18歳未満の人間しかいない世界」と「18歳以上の人間しかいない世界」に分けられてしまった。しかも、その世界の分け方には、年齢以上の法則性があるらしい。
大人と子供の世界が分断された。突然、子供を失った親は、冷静でいられるのか。突然、大人を失った世界に生きる子供は、生きる術を身に着けること