萩尾望都のレビュー一覧
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おお、はぎおもとだ、となんとなく購入。なんでしょうね、この方の独特の世界観とかセリフまわしとか…と今更語るのもあれなんですが。やっぱり面白いし、すげえ。
最後の話の海岸で男の子とばあちゃんがおどるところで号泣したのですが、貸したほかの人とかは「???」って感じだったみたい。男の人には伝わりにくいのかな。
しかしああいうばあちゃんいるよな、ぼけてるまではいかないけど話してるとなかなか要領えない人っつうか。そこんとこも「ああー、いるいるこういうばあちゃんwwwwww」っておもってすげえと思ってしまいました。そんなばあちゃんの着飾ったかんじとか。はでなおばさんとか。ちょっと難しいじいさまとか。なんであんなうまく描けるんだろう。しかも皆かわいいんだよなあ。 -
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「トーマの心臓」の原型で、短編なのでストーリーがわかりやすかった。他の話の一つに、自分の家にある塔の妖精たちと仲良しで幸せだったのに両親を失ったばかりか恋人の心も失った少女の話があった。彼女は街に出て数年を暮らすうちふとしたことから虚しさを嘆く。モノローグはほんとに小さなコマなんだけど(文庫なので)、現実から逃げるように故郷を離れたときのまま、何ら変わるところのなかった自分に気づいてつらかったのだと思う。ここは電車の中だったのにもらい泣きしてしまった。お話は家のあった村に帰って幼なじみと再会するというハッピーエンドで、やきもきしていた妖精たちもほっとしたことだろう。
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Posted by ブクログ
とにかく細かく描写を延々と綴ります。
私たちの日常でありがちな、主語の無い会話のイライラ
「やめる?」「何を?」「旅行を?」「二人の関係を?」「何を?」
早く言えといった、一瞬の不信や迷いや怒りを入れ込んで行きます。
そこにただの絵物語ではない、実はよくある悲劇なのだと感じさせます。
萩尾望都の世界は、そこに実在していない人物が普通に現れ、
少女漫画を読みなれていない人には、
「これ何?」「この人誰?」「何でこの人、急に葉っぱが生えてるの?」と、
ストーリーや登場人物の迷子になるかもしれないけど、
これが物凄くパニックしている精神状態に迫力を加えます。
じれったいくらいに現実を知らなかったイアンが、現実を知るシーン
「さあ、代償を払え」
主人公のジェルミに義兄のイアンが殺人の告白を迫るシーン
とにかく台詞がかぶります。
会話と口には出していない思考や雑念が同時に、
しかも、この順番でこれは同時に読め。と指図もされた様なコマ割りの緊迫シーンは迫力です。
わあー。萩尾さんやってのけた。
親自身が抱えているトラウマをそっくり子供は押し付けられる。
生物として未熟で親に依存して育つしか選択のない子供は、
親の感情に引きずられ、支配され、呪いをかけられるようなもの。
親はそうして自分の人生の供養を子供にさせる。
この漫画の登場人物は、カウンセラーを含め、実は誰も正論を言っていない。
私もそう言う。私でもそうすると共感します。
しょうもないカウンセラーの言うしょうもないカウンセリングシーンは、
実際にネットやメディアでよく見る感じでリアルなダメさのえぐり出しに、
萩尾さんのアンテナが冴えます。
インターネットで正論を持って糾弾が大好きになってしまった想像力のない人達にも読んで貰いたい。 -
Posted by ブクログ
表題作の半神は、結合双生児の物語。
知性を持っているが、老人のようは姉と
美貌をもっているが、赤ん坊のような妹。
合わせ鏡の二人の葛藤、とはいえ、知性を持つのは
姉だけなので、もっぱら姉の心の動きで物語は進む。
そして二人が離れる時が。
なんとも切ない気分になる物語。
収録されている作品全ていいけど、
最後の作品がすごい。
その町は1年立つごとに、力を持った少女を中心に、
町の大人たちの力を使って、1年前に戻ることを
もう何年も繰り返している。
そのまま時が流れつづければ核戦争で滅びる運命にあるからだ。
子どもたちには知られないように繰り返されてきた儀式を、
主人公たちはのぞきに行って知ってしまう。
自分には、大きくなって天文学者になることも、
好きな女の子より背が高くなることもない。
子どものまま永遠に時間がとまってしまうのは、
とても残酷だ。 それでも皆を生かすため時間を繰り返す…。
こんな作品を描ける萩尾希望都さん、
漫画家というだけでなくSF作家です。