萩尾望都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とにかく細かく描写を延々と綴ります。
私たちの日常でありがちな、主語の無い会話のイライラ
「やめる?」「何を?」「旅行を?」「二人の関係を?」「何を?」
早く言えといった、一瞬の不信や迷いや怒りを入れ込んで行きます。
そこにただの絵物語ではない、実はよくある悲劇なのだと感じさせます。
萩尾望都の世界は、そこに実在していない人物が普通に現れ、
少女漫画を読みなれていない人には、
「これ何?」「この人誰?」「何でこの人、急に葉っぱが生えてるの?」と、
ストーリーや登場人物の迷子になるかもしれないけど、
これが物凄くパニックしている精神状態に迫力を加えます。
じれったいくらいに現実を知らなかった -
Posted by ブクログ
表題作の半神は、結合双生児の物語。
知性を持っているが、老人のようは姉と
美貌をもっているが、赤ん坊のような妹。
合わせ鏡の二人の葛藤、とはいえ、知性を持つのは
姉だけなので、もっぱら姉の心の動きで物語は進む。
そして二人が離れる時が。
なんとも切ない気分になる物語。
収録されている作品全ていいけど、
最後の作品がすごい。
その町は1年立つごとに、力を持った少女を中心に、
町の大人たちの力を使って、1年前に戻ることを
もう何年も繰り返している。
そのまま時が流れつづければ核戦争で滅びる運命にあるからだ。
子どもたちには知られないように繰り返されてきた儀式を、
主人公たちはのぞきに行って知っ -
Posted by ブクログ
読んだのはこの文庫ではなく古い作品集の17巻なので、収録が少し異なる。
「A-A'」「4/4カトルカース」「X+Y」の一角獣種もののみ
久々に読み返してみた。深い。
「A-A'」は内容的には望都先生が何度か書いているテーマな感じで、心惹かれます。短いのに静かに深い。
が、この1981年の漫画を今読むと、クローンって方が気になる。
遺伝子・記憶を登録して、3年後に死亡すると直ぐに登録当時の年齢のクローンが現れる。
3年で16歳まで成長させれるっていうのがすごい。その後普通に成長できるんだろうし、オリジナルがいないのだから、オリジナルとして暮らせるんだろうし、、、、でも、なん