萩尾望都のレビュー一覧

  • 半神

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    やっと見つけた…
    『マンガは哲学する』で紹介されていた。
    表題作の「半神」は本当に一人称の死と三人称の死を見事に描き出している。これはマンガだからなし得るものだと改めて感じる。
    他の作品でも時間や存在を難しいこと問題に取り上げることなく、SFの中でうまく紛れ込ませることで、どこか不思議で怖い感じを与えていると思う。
    ただ、本質かと言えば、そうではない。「偽王」のようにどこか尻切れとんぼになってしまったり、「スロー・ダウン」のように現実と幻の差をあたかもあいまいにしたかのように見せかけていたり、金曜の集会でなぜか大人たちが時間が戻ることをわかっていることなど…
    紙面があればもっと書けたのだろうか

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    2014年08月01日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    他の本と併読をおすすめ 「母と娘はなぜこじれるのか」 

    「母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか
    (NHKブックス)」を読んでからこちらを読むことをおすすめします。

    著者の斎藤さんが、母娘問題にゆかりのある方と対談していきます。

    角田さんの小説は同じ日に読み終わったばかり、
    萩尾望都さんの「イグアナの娘」はマンガもドラマも見、
    信田さよ子さんの「母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き」も
    読んでいたので対談の背景を知った上ですっと読んでいきましたが、
    今、実際困っている人は、「母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか (NHKブックス)」、
    「母が重くてたまらない―墓守

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    2014年06月14日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    母と娘の間には
    母と娘の間にある問題がクローズアップされてきている。
    母は娘を支配しようとし、娘はそれに応えるために必死になる....
    その問題を5人の女性と対談形式で齋藤環が論じる。

    一番興味深かったのが水無田気流氏との対談。
    現代の育児の負担というものが女性に過剰に負担を強いているという論調であるがこの点は非常によくわかる。
    保育園が見つからない、見つかっても子供が病気になれば休まなければならない、夫は帰って来ない、孤独感を募らせていく......
    これは現代の母親には感じるものがあるのではないだろうか。
    ある程度の社会基盤がある人ならば公的サービスを受けられる(それがあることを知ること

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    2015年03月18日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    うーむ。
     なるほど……。と言おうかなんと言おうか。
     女性が生む性だからなのか、産む性で有ることを社会的に期待されているからなのか、母、祖母、とさかのぼり、もしかしたらミトコンドリア・イブにまでたどり着く呪詛を感じる。すげーわ。

     社会や人情、世間の常識に照らし合わせて間違っているとしても、本人が辛いならば「辛い」って言うのは当たり前なんですよ、と言うことを切々と語っているなぁと。
     そして何より、逆もありき、と言うのが新しかった。端から見てどんなに辛そうでも、本人が大丈夫ならばそれでいいい。
     本人にとっては、本人が感じていることが真実なのだし、それを大切にしてほしいと思いました。

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    2014年04月17日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    実母とうまくいっていない長女の私にも娘がいるので、娘とはうまくやっていきたいと常に思ってます。

    なので、心に留めておこうと思うこともありながら、女同士はやっぱり難しく永遠のテーマなのかなぁとも思う。

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    2014年04月06日
  • 王妃マルゴ -La Reine Margot- 2

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    無邪気な子供時代は終わり、ますます美しくなるマルゴ。キスにときめけば妖艶さも増すというもの。人間関係はややこしくなるばかりだけど。
    一方で周囲は不穏な状況もあって、一体どうなってしまうのだろうと目が離せなかった。

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    2014年04月04日
  • 王妃マルゴ -La Reine Margot- 1

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    萩尾望都さん初の歴史・コスチュームものということで手に取りました。

    歴史は正直詳しくないので、登場人物が増える度に頭の中は「?」が増えていく状態でしたが、テンポよく紡がれる会話で先へ先へと読み進めることが出来ました。歴史に詳しいともっと楽しめるのかも。

    幼いころから美しいと自覚してて、恋愛や結婚に興味津々のマルゴにはヒヤヒヤしました。

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    2014年04月04日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    結構、衝撃的でした。でも、よく考えてみたら。後輩にこういう親子関係の子いたなぁ・・・その子の弱さのせいだと思って、埒が明かない感じに嫌気がさしちゃって疎遠になっちゃったけど、切りたくても切れないのか・・・全然わかってあげられなくて、悪かったな。。。

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    2014年03月26日
  • イグアナの娘

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    ネタバレ

    親になったら読み返したいです。

    現在は「子供」側の立場に近いので「そうだよね~」という印象なのですが、親になっても忘れないようにするために読み返したいです。


    『イグアナの娘』「子供を愛したいけど愛せない親と、そんな親を愛したいけど愛せない子供」の話。

    『カタルシス』
    面倒臭さから親の言うことを聞いてばかりいた少年が、友達の葬式に行くことを止められて行かなかったことを悔やみ、自立をめざす。
    都合の悪いことは全部忘れる母親、都合の悪いことは全部母親のせいにする父親。

    『午後の日差し』
    自分に恋してる年下の男性の愛を自分にしらんぷりしていたら、その男性は何事にもはっきりとした性格の自分の娘

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    2014年02月19日
  • 海のアリア 2

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    2巻からは完全にSF。宇宙人がたくさんやってくるわけだし。
    楽器の意味もだいぶん理解できてくる。それにしても萩尾望都のSF世界にはいつも秩序を正すための大きな組織が必ず出てきて、その存在の絶対感たるや、安心感をあたえてくれるから好きだ。ニキ好き。
    アリアドを閉ざした扉の記憶から解放するアベル。
    アリアドの楽器となることを享受しているアベル。
    それから、ラストの終わり方!
    とても可愛かった。
    この話は、日本が舞台だし、少年たちと不思議の宇宙と、萩尾望都らしい美男子アリアドと音楽が加わった、壮大なスタンドバイミーみたいな。昔、夢中になって読んだ児童文学みたいな要素を感じた。

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    2014年02月02日
  • 海のアリア 1

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    日本が舞台の萩尾望都作品はあまり読んだ事がないので新鮮。逗子の海にヨット。とても萩尾望都らしい!アベルがマリサを助けるくだりから、日本版メッシュのような連作になるのかと思いきや、アリアドが出てきてから物語が大きく舵を切る。そしてそれはもちろん最初からそう決まっていた。(しびれる)
    逗子に帰ってからのアベルは、萩尾望都特有の感情的な美少年然としている。なにせ感応力の持ち主。一巻ではまだ全貌は分からず、どこまでSFなんだろうといった感じ。楽器?どういうこと?といった感じ。
    それにしてもアベルとベリンモンの共存の具合がなんとも絶妙。
    普通の人間より複雑で、おそらく我が強く、潜在能力として超能力も持っ

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    2014年02月02日
  • A―A’

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     記憶と傷をめぐって綴られる『A-A'』の緊密・厳格な構成、突きはなしの残酷さには圧倒されます。萩尾望都の短編では『半神』と双璧をなす、と言えるのではないでしょうか。全作品中でも最も好きな掌編です(アデラド・リーが綾波レイのモデルだという噂は本当なのかな)。
     短編好きとしては最後の『きみは美しい瞳』もたまらないものがあります。

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    2014年01月31日
  • 王妃マルゴ -La Reine Margot- 1

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    1巻はマルゴの少女時代です。
    宗教戦争を背景にした宮廷の権力者たちの不穏なパワーゲーム。一部の過激な人たちの暴走が争いを煽り、事態をこじらせます。
    戦争と処刑、暗殺に復讐。
    かなり血生臭いです。
    まだ幼く可憐なマルゴ。
    この陰謀と愛憎渦巻く宮廷劇の中で、男たちを籠絡する魅惑の美女へと成長していくのでしょう。
    その見事な妖女の生き様というものを期待してます。

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    2014年01月07日
  • ゴールデンライラック

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    ネタバレ

    幼なじみの少年少女の人生を時代とともに描き出す。
    最初と最後の対比が美しい。
    まるで1本の映画を見るような気持ち。

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    2013年12月28日
  • バルバラ異界 1

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    ネタバレ

    夢の幻想と、少女を取り巻く謎がいい雰囲気を出している。
    少女が大量に空から降ってきて水風船のように地面に落ちて割れる表現がぞっとした。
    菜々実さんの人生を振り返って嘆くところがリアリティがあって感情移入した。

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    2013年12月15日
  • 王妃マルゴ -La Reine Margot- 1

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    フランス中世の激動の時代を生きた王女を描いた作品。
    デュマの原作を映画化したものも有名ですが、特に一つを原作としたわけではないようです。

    妖艶というか伝説的なモテっぷりで歴史に名を残している恋多き女性なので、萩尾さんが?と最初に知ったときには意外でした。
    でもそう‥激動する様子がはっきりしているので、案外描きやすいかも。
    美少年がまわりにたくさんいるし‥?!

    カトリックとプロテスタントが激しくせめぎあう中、国同士の関係も王家の婚姻も大きく動く時代。
    大勢の兄がいるマルゴ王女は、末娘。
    子供の頃は何も知らずに穏やかに暮らしていました。
    姉はスペインのフェリペ2世に嫁いで行きます。
    父王アンリ

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    2013年11月28日
  • マージナル 1

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    管理している側と、管理される側が、隣同士で存在しているのがいい。
    キラの発生とか、細部まで丁寧に書かれているのは流石です!

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    2013年08月27日
  • A―A’

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     一角獣種という架空の生き物を通して、まざまざと見せつけられる。
    「ありのままの不器用なあなたでいいのよ」という肯定感。そう肯定されなければ死んでしまうというくらいの不器用さだ。
     子供じみている、バカバカしいと思いながらも、それは、甘く優しく魅力的に映る。

     SFと言う舞台だから見られる夢である。
     現実でこれを描いたら、さすがに夢が覚めてしまう。

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    2013年06月15日
  • 11人いる!

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    SF漫画では傑作と名高く、ずっと前から気になっていたのですが文庫版をついに手に取りました。20年近く前の作品とは思えないほど楽しく読めました。

    閉塞された空間、誰が11人目なのか分からない不信感、次々と船員たちを襲うトラブル。そんな中、破天荒で熱くなりやすい可愛いフロルが円滑油となって良い味出してます。
    中島らもさんのあとがきも秀逸。

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    2015年04月30日
  • 残酷な神が支配する 10

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    終わったのか??
    ここまできたら、どこかで終わらせないと、終わらないから、
    終わらせた感があります。
    「子供は親の神への供物であり 親の人生の供養として存在するんだ」
    「親の親のそのまた親も 誰かの子供であり生贄だったんだ」
    親を選んで生まれてくる子ども
    その親を選んだ子も、その子に選ばれた親も現世での修行でしょうか

    とにかく、長編読破した!!満足!!!

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    2013年03月24日