萩尾望都のレビュー一覧
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やっと見つけた…
『マンガは哲学する』で紹介されていた。
表題作の「半神」は本当に一人称の死と三人称の死を見事に描き出している。これはマンガだからなし得るものだと改めて感じる。
他の作品でも時間や存在を難しいこと問題に取り上げることなく、SFの中でうまく紛れ込ませることで、どこか不思議で怖い感じを与えていると思う。
ただ、本質かと言えば、そうではない。「偽王」のようにどこか尻切れとんぼになってしまったり、「スロー・ダウン」のように現実と幻の差をあたかもあいまいにしたかのように見せかけていたり、金曜の集会でなぜか大人たちが時間が戻ることをわかっていることなど…
紙面があればもっと書けたのだろうか -
Posted by ブクログ
他の本と併読をおすすめ 「母と娘はなぜこじれるのか」
「母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか
(NHKブックス)」を読んでからこちらを読むことをおすすめします。
著者の斎藤さんが、母娘問題にゆかりのある方と対談していきます。
角田さんの小説は同じ日に読み終わったばかり、
萩尾望都さんの「イグアナの娘」はマンガもドラマも見、
信田さよ子さんの「母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き」も
読んでいたので対談の背景を知った上ですっと読んでいきましたが、
今、実際困っている人は、「母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか (NHKブックス)」、
「母が重くてたまらない―墓守 -
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母と娘の間には
母と娘の間にある問題がクローズアップされてきている。
母は娘を支配しようとし、娘はそれに応えるために必死になる....
その問題を5人の女性と対談形式で齋藤環が論じる。
一番興味深かったのが水無田気流氏との対談。
現代の育児の負担というものが女性に過剰に負担を強いているという論調であるがこの点は非常によくわかる。
保育園が見つからない、見つかっても子供が病気になれば休まなければならない、夫は帰って来ない、孤独感を募らせていく......
これは現代の母親には感じるものがあるのではないだろうか。
ある程度の社会基盤がある人ならば公的サービスを受けられる(それがあることを知ること -
Posted by ブクログ
うーむ。
なるほど……。と言おうかなんと言おうか。
女性が生む性だからなのか、産む性で有ることを社会的に期待されているからなのか、母、祖母、とさかのぼり、もしかしたらミトコンドリア・イブにまでたどり着く呪詛を感じる。すげーわ。
社会や人情、世間の常識に照らし合わせて間違っているとしても、本人が辛いならば「辛い」って言うのは当たり前なんですよ、と言うことを切々と語っているなぁと。
そして何より、逆もありき、と言うのが新しかった。端から見てどんなに辛そうでも、本人が大丈夫ならばそれでいいい。
本人にとっては、本人が感じていることが真実なのだし、それを大切にしてほしいと思いました。 -
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ネタバレ親になったら読み返したいです。
現在は「子供」側の立場に近いので「そうだよね~」という印象なのですが、親になっても忘れないようにするために読み返したいです。
『イグアナの娘』「子供を愛したいけど愛せない親と、そんな親を愛したいけど愛せない子供」の話。
『カタルシス』
面倒臭さから親の言うことを聞いてばかりいた少年が、友達の葬式に行くことを止められて行かなかったことを悔やみ、自立をめざす。
都合の悪いことは全部忘れる母親、都合の悪いことは全部母親のせいにする父親。
『午後の日差し』
自分に恋してる年下の男性の愛を自分にしらんぷりしていたら、その男性は何事にもはっきりとした性格の自分の娘 -
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2巻からは完全にSF。宇宙人がたくさんやってくるわけだし。
楽器の意味もだいぶん理解できてくる。それにしても萩尾望都のSF世界にはいつも秩序を正すための大きな組織が必ず出てきて、その存在の絶対感たるや、安心感をあたえてくれるから好きだ。ニキ好き。
アリアドを閉ざした扉の記憶から解放するアベル。
アリアドの楽器となることを享受しているアベル。
それから、ラストの終わり方!
とても可愛かった。
この話は、日本が舞台だし、少年たちと不思議の宇宙と、萩尾望都らしい美男子アリアドと音楽が加わった、壮大なスタンドバイミーみたいな。昔、夢中になって読んだ児童文学みたいな要素を感じた。 -
Posted by ブクログ
日本が舞台の萩尾望都作品はあまり読んだ事がないので新鮮。逗子の海にヨット。とても萩尾望都らしい!アベルがマリサを助けるくだりから、日本版メッシュのような連作になるのかと思いきや、アリアドが出てきてから物語が大きく舵を切る。そしてそれはもちろん最初からそう決まっていた。(しびれる)
逗子に帰ってからのアベルは、萩尾望都特有の感情的な美少年然としている。なにせ感応力の持ち主。一巻ではまだ全貌は分からず、どこまでSFなんだろうといった感じ。楽器?どういうこと?といった感じ。
それにしてもアベルとベリンモンの共存の具合がなんとも絶妙。
普通の人間より複雑で、おそらく我が強く、潜在能力として超能力も持っ -
Posted by ブクログ
フランス中世の激動の時代を生きた王女を描いた作品。
デュマの原作を映画化したものも有名ですが、特に一つを原作としたわけではないようです。
妖艶というか伝説的なモテっぷりで歴史に名を残している恋多き女性なので、萩尾さんが?と最初に知ったときには意外でした。
でもそう‥激動する様子がはっきりしているので、案外描きやすいかも。
美少年がまわりにたくさんいるし‥?!
カトリックとプロテスタントが激しくせめぎあう中、国同士の関係も王家の婚姻も大きく動く時代。
大勢の兄がいるマルゴ王女は、末娘。
子供の頃は何も知らずに穏やかに暮らしていました。
姉はスペインのフェリペ2世に嫁いで行きます。
父王アンリ