萩尾望都のレビュー一覧
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11月になると開きたくなる短編集、もう何度読み返しただろう。
ヨーロッパのひんやりとした晩秋の空気が、どのお話の背景にも流れている気がする。
表題作は『ローマの心臓』のプロットとか。実は『トーマの心臓』、初めて読んだときはよくわからなかったのだけど(当時高校生)、後から「11月のギムナジウム」を読んであれはそういうことだったのか〜となんとなく理解できたという思い出がある。だからこのお話には感謝している。ただ「11月の〜」が「トーマの心臓」の縮小版かというとそうではなく、お話としては別物。ユーリのバックグラウンドとか、トーマの死因とか、オスカーとユーリの関係性とか、各キャラクターの性格とかは違 -
購入済み
懐かしい・・・
まだ『BL』という言葉が無く『少年愛』というカテゴリーだった70年代のマンガ。あぁなつかしい・・・
萩尾望都先生の作品は紙の本で揃えたのですが、本作だけ持ってなかったので電子で購入しちゃいました!
自分は70~80年代の作品が一番好きです。
同じ寄宿学校ものでは、『トーマの心臓』という名作がありますよね。
トーマに瓜二つのエーリクとオスカーは登場するけど続きという訳ではなく、全くの別物の話ですが。
すごく深い内容で、でもラストはあったかい気持ちになれる素敵な作品。こちらもおすすめです。
超有名な『ポーの一族』も言うまでもなく素晴らしい作品ですが、
個人的には『11人いる!』『スター・レッド』『 -
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ネタバレ" でも竹宮先生が一度だけ、萩尾先生がいない時に「モーサマが怖い」って言ってた覚えがあります。萩尾先生は、例えば棚とかカップとか、見たものをぱっと覚えてすぐに絵にできるんですよ。特技というか才能、ですね。見たらすぐにそれを漫画に落とし込んで描ける。" p.343
" 例えば竹宮先生は「本当は構造的にこの階段はこうは見えないんだけど、漫画としてはったりがほしいから、このように描いてほしい」とか、そんな風です。かたや萩尾先生の場合、どんぶらこっこと川を流れる桃を描くとなり、「桃の点を打って」と、まだ来たばかりのほとんど素人のようなアシスタントに指示を出した時があった -
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ネタバレ萩尾望都作品を読むのは2作目。
面白かった。
2999年世紀末の地球の話。複雑そうに見えて、わりと分かりやすいストーリー。
最初に「マザ」とかいうなかなかグロいシステムを見せてくるので、最後はどう片を付けてくるのかと興味津々で読んだ。最後は超能力の力技という感じもあるが、納得(無理やり感はあるがOK)。センザイ・マスターが生きていて良かった。
ディストピアものは個人的に好きで、でも結末に希望はあってほしいので、満足した。地球の人間の命と運命がたった一人の権力者の「気分」で変わるという、希望のなかの皮肉が好き。全体を通しての、冷淡と無垢のバランスも良かった。
個人的に好きだったキャラ、グリンジ -
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萩尾望都先生の作品が大好きで読んでみました。当時の少女漫画家の立場や時代がとても細かく描かれていました。そして大泉時代の話がこんなに知れるなんて…!とファンとしての喜びはありつつ、ひとりの人間として辛い期間を過ごされていたのだなと感じると、少し自分と重なる部分もあり(烏滸がましいですが)涙が出る部分がありました。
萩尾先生の漫画からずっと言語化が素敵な人だなと思っていましたが、やはり温かみのある文章とクスっと笑えるようなユーモアを持ち合わせている素敵な方だと改めて感じました。萩尾先生のファンはぜひ読んでほしいですし、昭和時代の少女漫画家についても知れるのでかなり読み応えがあります! -
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懐かしい漫画を再読しました。
萩尾望都の「ウは宇宙船のウ」。
レイ・ブラッドベリの短編集を漫画化したもの。
歳がバレバレですが(笑)、子供の頃にこの漫画に出会って、そして、レイ・ブラッドベリというSF作家を知り、そしてその後しばらくレイ・ブラッドベリの小説を読み漁る、という時期があったんですよね。
海外SF小説を読むきっかけになった漫画との出会いでした。
少し前に、本屋でレイブラッドベリの短編集「猫のパジャマ」を見つけて読んでから、萩尾望都さんのこの漫画を読み直したい!と思っていたんですよね。やっと見つけて購入したのでした。
懐かしいー。そして、どの話もキュンとくる。
レイ・ブラッ -
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ネタバレこのご時世に、ネタバレを今まで踏まずにいれた名作というのは貴重なもので、初見です。
宇宙船という密室に、なんせ二転三転と困難が襲ってくる。試験官たちの目論見どおり、「11人いる!」ことが発端and起爆剤の物語ではあるけれど、それどころじゃない状況に陥って、ヒトコワというよりSFサスペンスですごくよかった。
しかしフロルの可愛らしさと気持ちの良さが最高ですね……。やっぱり理想のヒロインって、中性的な友達兼婚約者なのかも。甘えん坊でわがままだけど人を想う気持ちはまっすぐな。
みんな気持ちのいい若者だったから、続編で割れてしまったのは悲しかった。短編でキャラクターみんなを好きになってしまう力がありま