萩尾望都のレビュー一覧
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ネタバレいろんな切り口の「訪問者」
自分がそこにいてもいいと思えることがどんなに重要で、切実な願いか。周りの人に愛してもらえることは勿論、「エッグ・スタンド」は政治的な存在自体の断罪まで言及される。
「愛も戦争も同じ」と語るラウル、生きている実感を伴うものがそのふたつだとしたら、愛そのものも恐ろしい。。「許している」ように見える彼らだって、所詮性的搾取者という地獄側面を持っており、まさに「すべてがきわどいところにある」。人間が人間を裁くことの限界を感じるけど、不条理でも誰かの許しが誰かの存在に間違いなくつながっていて、、涙
萩尾望都を読んでから「許し」についてよく考える。人間の持てる感情で一番すご -
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ネタバレこれは、ある意味どんな漫画より萩尾望都がわかる本である。
そして、「アマデウス」をモーツァルト側から書いた本だなと思った。
竹宮さんも優れた才能の持ち主である。
しかし、萩尾望都は天才であって、その能力を誰よりもわかっていたのも竹宮さんではなかったか。
そして、増山さんという漫画のミューズのような人がいて、二人に影響を与え、そのため二人が似た題材で描くことになった。もちろんパクったとかパクられたとかいうことはない。それは竹宮さんもわかっているだろう。作家として持っているものが全く違うので同じヨーロッパの寄宿舎の少年たちを描いても、全く違う作品なのは読めば明らかなのだが、(同じ情報を得た芸術家が -
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「ポーの一族」や「トーマの心臓」他、多数の名作を生みだしたレジェンド漫画家の半生記、交遊録、そして悲痛な心の叫びを記した衝撃の一冊。
読む前は、著者が若いころを過ごした東京都練馬区大泉時代の懐かしく、楽しい時代の、「トキワ荘」タイプのエッセイだろうと思っていたら、全く正反対のものだった。
1970年代前半に同居までしていた竹宮恵子とは、現在に至るまで絶縁状態(!!)であること、著者自身はBLには興味がなく(!!)、ただ少年をキャラクターにした方が、少女を使うよりも話を進めやすいから使っているだけのことだとか、触れてほしくない大泉時代の話を最近やたら聞かれたり、ドラマ化したい等のオファーが絶 -
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凄い作品です
美少年であったが為に、サディスティックな少年愛嗜好を隠し持った母親のフィアンセのターゲットにされてしまった少年の話
決してBLなんて描写ではなく、少年ジェルミに深い心の傷を負わせ、どの様に影響し成長するか…と言う話です
気持ちが落ち込んでる時は読んではいけません
私は新卒の会社で父親より年上の人にセクハラターゲットにされた事を思い出してしまいます
触られたところがおぞましくて、汚く感じ、その部分を取って捨てたいと思いました
この話は少年が性被害に遭いますが、女性はみんな必ず、何かしらの同意なき性被害のターゲットにされた経験があると思います
なので、女性の読者には深く突き刺さ -
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グレンスミスの日記
名作中の名作ですが、中でも「グレンスミスの日記」が最高です。
「ポーの村」に出てきたグレンスミス・ロングバード男爵の娘のエリザベスが男爵の日記を見つけたところから始まり、エリザベスの一生を描いています。
ダイジェストのように進むのになぜこんなに心に残るのか。
エリザベスの「生きていくってことは~」というセリフが沁みます。 -
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納得の名作
名作と言われ人気が高い本なので読んでみようかなと軽い気持ちで読み始めた。一冊で完結のようだしすぐ読み終わるかと思ったらすごいボリューム。内容も濃い。ボーイズ・ラブには興味がなかったが、人々がBLを尊いという気持ちがわかったかもしれない。
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モー様ありがとうございます
どんな昔にあっても人の思いは悲しみと苦しみに彩られて。バンパイアの苦悩を思うと、限りある命は楽ちんでいいなと思うアラカンでした。