萩尾望都のレビュー一覧
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生きることの肯定
夢中で読んじゃった!
感情の揺れ動く様を本当に繊細に描いています。
動揺しているときに手を掴まれ、肉体的な触れ合いによって気持ちが落ち着くところや、家族や仲間たちに対して怒ったり、また別な時には肯定的な感情を持ったりするところなど。
そういう揺れ動く心を持つ自分への許し、それから自分と同じように心を持つ他者への許しがこの作品のテーマだと感じました。
あとやっぱり、母。イグアナの娘しかり、母の心のしこりが子どもに影を落としているんですよね。母親も一人の人間なのに、母であることを強いられる悲哀。大人が子どもっぽくてもいいんです。役割をなぞるキャラクターではなく、かつて子どもだった一人の人間 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ13歳のトーマ・ヴェルナーが陸橋から転落死し、1学年上のユーリに対し遺書が送られていた「これがぼくの愛 これがぼくの心臓の音」。半年前、トーマは学校一の優等生のユーリに好意を寄せていたが全校生徒の前できっぱりと拒絶されていた。彼の死の真相に苦しむユーリと見守る友人のオスカー。そんな時トーマとそっくりなエーリクが転入してくる。
ドイツのギムナジウムを舞台に少年たちの愛と死、信仰と赦し、そして再生を描く。心に耐え難い傷を抱え完全に心を閉ざした少年、ただ見守り待っている少年、自己犠牲により愛を示す少年、事態を読み解く鍵となり核心に触れる少年、それぞれの無垢な純粋さが尊い。
「今 彼は死んでいるも -
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1981年〜1984年の連作
元は人工交配種である一角獣種は表情とか言葉で感情を表すことが豊かに出来ないので周りに理解され難い。でも勿論様々な感情を内面に持ち合わせている。悩んだりはしないみたいだけど。
A-A’は切ないけど救いがある恋のお話、4/4カトルカースは初恋の悲しいお話、続くX+Yは主人公のESPのモリが4年後一角獣種のタクトに新しい恋をするお話。特にX+Yが大好きで繰り返し読んでました。タクトのように男の子でもなく、女の子でもない、性が不安定だったり未分化だったりする設定は萩尾先生の作品に多く使われていますよね。萩尾先生のSF大好き、先生天才すぎる。この後マージナルに続く、です! -
ネタバレ 購入済み
珠玉のような名作
「彼(トーマ)がぼくの罪を知っているか否かが問題なのではなく…
ただいっさいを何があろうと許していたのだと」
終盤のこのユリスモールのトーマの愛を理解した瞬間の科白が全てだと思う。
とても美しい科白、シーン。
この瞬間に主要な登場人物が全て救われたと思っている。
秀逸。この一言に尽きる。
何度読んでも色褪せない珠玉のような名作。