萩尾望都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私はこのころのおもー様が一番好き。
小学生が読んでも心がときめいて楽しい。大人が読んでも楽しい。
そういうのをマンガに求めている、私は。
子供のころはリュスが好きだったけど、今はサンダーが好き。そういう楽しみ方をできるキャラクターの良さもいい。
恋愛と成長とを楽しむ半面で、フェスティバルが成功するまでどうなっていくのか、まるで自分もカンパニーの一員になったように最後まで駆け抜けて行く疾走感が良い。
蘇芳さんもレイチェルも適度に感じが悪くて、でも適度にいい子で、「いそう」で「いてくれたらいい」絶妙なバランス。
これ読んでバレエ好きになったと言って過言ではないくらい。 -
Posted by ブクログ
傑作だ。
僕には難しい。
難しいけれど読む度に彼らの心情を少しずつ理解出来ているような気がする。
今回で3度目。
やはり、以前より理解は深まったと思う。
いかにオスカーがユーリを愛していたか。
いかにエーリクがユーリを愛していたか。
いかにトーマがユーリを愛していたか。
いかにユーリがトーマを愛していたか。
いかにユーリがエーリクを愛していたか。
ユーリは皆を愛していた。
翼をもぎ取られたというユーリ。
しかし、ユーリに翼がなくともユーリを愛する人たちの力でユーリは飛べたのだ。
ユーリは翼が無い天使なのだ。
潔癖な年頃の少年の心情は柔らかく脆い。
素直さ故に乱暴で
素直さ故に暖か -
Posted by ブクログ
この話、相当エグいです。
覚悟して読み始めないと、痛い目みます。特に性的虐待と同性愛が苦手な人は要注意。
私も性的虐待というテーマは、血反吐を吐きたくなるほど生理的に駄目なのですが、それでも最後まで読まざるを得ない麻薬のような作品でした。一度読み始めたら、絶対に途中でやめられない。
なんというか、人間の愛憎、殺意、偽善、執着、欺瞞とか、とにかく思いつく限りの負の感情をどろどろに溶かして混ぜ合わせて作りました、みたいなイメージ。
しかも、心理描写が妄執的と言えるほど緻密なために、安直な「悪者」というものが存在しない。性的虐待を繰り返していたグレッグにさえ、許せないはずなのにどこか理解で