感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年04月19日
豪華絢爛な短編!
読むたびに新たな気づきをもたせてくれる!ある意味、哲学書みたいな1冊。
全ての話が面白く予想不可能の旅につれていってくれます!
ぜひ〜
SFっぽい話が多い短編集。
萩尾作品で最高傑作という人も多い「半神」。思春期へ向かう少女が何かを捨てなくてはならない内面を具現化した、という視点を持つかどうかで評価は分かれるのかも。
「金曜の夜の集会」も印象に残った。
個人的には萩尾作品はこういう短編のほうが好き。
有名すぎる表題作については、今更語るまでもない。他に収録されている作品では「偽王」「ハーバルビューティ」が好きだ。罪を思い出させて自分の傷を精算するために道連れになる男。何もかもが想定外のハーバルビューティ。萩尾望都の作品は、出会えて読めてよかったものばかりだ。
人は美しくて無垢なものに惹かれてしまう。文字通り妹を助け生かすためだけに存在する自分は誰からも顧みられない。死んでしまえと思った相手が鏡に映った時、まあ愕然とするよな…
でもこの話好きです。
萩尾先生の最高傑作だと思ってる。
この話のためだけに色んな媒体で買ってる。
単行本も文庫本もそして電子書籍も買ったw
私は萩尾先生が書くハッピーエンドの物語が好き。
Posted by ブクログ 2017年09月23日
半神。
短編でこんなに感動できる,素晴らしい作品。
「作品」と言える貫禄と品のある物語。
これに出会ったのは20年ほどまえになると思うが、これ以上の作品に出会える気がしない。
愛情の葛藤の、短く凝縮された。
スローダウン。
ゆっくりと、落ちてゆく。
恋。
だろうか。
思いがけ...続きを読むない導き。
交わり。
まだ見ぬ世界。
ある種の狂気。
いつまで続くか、急に正気に戻るかもしれないが。
フワフワと夢を見る。
Posted by ブクログ 2016年05月26日
長編にできそうなほど濃い題材を僅か数ページにおさめる萩尾望都先生。流石神ですね。
半神も好きですが、個人的に酔夢が好きです。絶望と美しさが共存していて、萩尾望都先生の中でもトップクラスで好きです。
Posted by ブクログ 2015年08月20日
10代のころに一度読んだ記憶がありますが、そのときはわからなかったし、怖いと思った気がします。いまでも「スロー・ダウン」とか読んでると、密室で麻痺する感覚に共感して怖くなる。
「金曜の夜の集会」は大人たちだけがそれを知っている、滅びる直前の1年をループし続ける村の話。死んでしまうとしても明日がほしい...続きを読むという台詞からは、生きる意味について何かつかめた気がします。
Posted by ブクログ 2015年07月03日
10の短編。
読んだあとになんとなく思いにふけったり、考えさせられたり。
どれもが心にぽとっと何かを置いていくよう。
とても短いのに、その短さを忘れてしまうような作品集だった。
特に表題作、ぐっときた。
また読みかえしたい。
Posted by ブクログ 2012年11月30日
たった16Pでここまでの世界を作り出せるとは。脱帽です。
――愛よりももっと深く
愛していたよ
おまえを
憎しみもかなわぬほどに
憎んでいたよ
おまえを
Posted by ブクログ 2012年08月24日
題作「半神」のみについて。永井均の『マンガは哲学する』に書かれたあらすじだけで泣き、もしかしたら元を読まない方がいいんじゃないかとも思ったのですがどうしても読みたくなって読みました。
で、結局は構成・演出を中心に読み切ってしまったのですが本当に素晴らしい。読後、当時のノートに写し書きした覚えがありま...続きを読むす。
素晴らしい!16ページの奇跡。
Posted by ブクログ 2012年07月15日
たった16ページでここまで感情を揺さぶられるとは思いませんでした。
短編集なのですが、ハードSFを題材にした作品も多い中、表題作はひときわ違った光を放っていると思います。
最後の作品、「金曜の夜の集会」が一番好きな作品です。
最初と最後の作品だけでも読んでみてください。
Posted by ブクログ 2011年10月24日
短編のストーリー漫画の傑作。秀逸作品。
表題作はまさに絶品。
マンガという世界で描いた文学作品といえる。
短編では一番好きな作品。
ラストシーンは胸に迫るものがある。
Posted by ブクログ 2011年07月28日
美しいモノローグが流れるように漫画をひっぱっていく短編群。言葉が美しいだけでも、絵が美しいだけでも、こまわりが読みやすいだけでも、設定が優れているだけでも漫画はいけない。もちろん「半神」もいいし、悲愴で目眩のするような「酔夢」と「スロー・ダウン」も好き。「ハーバル・ビューティ」はポップで可愛いし、「...続きを読む金曜の夜の集会」は胸が締め付けられる。
Posted by ブクログ 2009年12月22日
「半神」・・・ユージーとユーシーは腰のあたりで体が繋がっている双子の姉妹。
姉のユージーは高い知能を持つが髪は抜け落ち醜くやせ衰え。
妹のユーシーは素晴らしき美貌を持つが、知能の発達が遅れていた。
そんな姉妹が13歳になったある日。このままでは二人とも生き延びることができないことが判明し医師は二人を...続きを読む分離することを決断する。
だが、自ら養分を作ることの出来ないユーシーには死が待っていた。
一方で自分の養分を奪われていたユージーは妹からの解放を喜ぶのだが・・・
表題作他9編収録。この16頁しかない短編だけでも星5つはつけられる、それだけ内容が濃く想いに耽る時間も長かった。
ユージーは衰え死にゆく自分そっくりな妹の姿を見、やがて成長するとあんなにも嫌っていた妹の姿を鏡の中にみつける・・・そして・・・
「半神」の最後のページから全部引用してしまおう^^;
「愛よりももっと深く愛していたよおまえを 憎しみもかなわぬほどに憎んでいたよおまえを わたしに重なる影―わたしの神― こんな夜は 涙が止まらない」
Posted by ブクログ 2009年11月27日
個人的には萩尾さんは「制約の多い短編」の方が、どちらかといえば好きです。
殺ぎ落とされたものに漂う行間が美しい。
ことに表題作の濃密さは、萩尾ファンでなくとも認めるところでしょう。
その意味で、いくつかある短編集の中でもお薦め。
Posted by ブクログ 2009年11月11日
生まれたときから腰で繋がった双子の姉妹。
頭が良いが醜い容姿の姉と、天使のように美しい妹。
手術で2人の体が切り離せると知った時、姉妹は何を感じたのだろうか。
人間の裏側の感情を描いた作品。
Posted by ブクログ 2021年09月24日
最近まとめて萩尾望都短編集を読んでいて感じるのは、一冊の中が統一されていないというか、バラエティがあるというか。
いや萩尾望都は似たテーマや似たモチーフを深化させる人だろうから、発表年が一冊の中でバラバラなので絵柄も語り口も様々に見える、ということなのだろうか。
しかしたとえば「半神」を読んで感銘を...続きを読む受けた入門期の人が、いい意味でも悪い意味でも玉石混淆の本を通読して、どう感じるんだろうか。
と要らぬ想像をしてしまう。
■半神 16p
若いころに衛星放送で野田秀樹が深津絵里主演で舞台化していて、漫画が至高なのに何で、と意地を張って見なかったのを思い出すが、頑なだったなあ。
今回集中的に読んでいて知ったのは「モザイク・ラセン」のチョイキャラが発展してできているということ。
凄いの一言。
「愛よりも もっと深く 愛していたよ おまえを。憎しみも かなわぬほどに 憎んでいたよ おまえを。わたしに 重なる 影―― わたしの 神―― こんな夜は 涙が 止まらない」
■ラーギニー 16p
オリエンタリズムとSFが融合するのはいつもだが、とりわけ独特な美しさ。
扉絵がまた美麗。
■スロー・ダウン 16p
感覚遮断実験から着想を得ていることは明白だが、そこから孤独と愛と異世界へシフトするのが、凄い。
山岸凉子とも通じる読後感。
■酔夢 21p
「ラーギニー」と通じ、長編へも発展する作り。
メイルーフィメイル問題、夢ー現実問題、ファンタジーーSF問題、どうまとめられるんだろうか。
■ハーバル・ビューティ 57p
比較的コミカルで気楽に読める。
「11人いる!」っぽさもある。
■偽王 50p
記憶からすっぽり抜けていたが、これは大傑作!
寓話性も高く、ロード・ダンセイニにでもありそうな、しかし存分に残酷な……。
■温室 41p
「ハワードさんの新聞広告」と同じくイケダイクミさんの原作だとか。
曲線が風のようで流麗。
■左ききのイザン 16p
これは、うーん……なんともいいがたいコント。
とはいえ「銀の三角」にブール博士が受け継がれたり、「ヘルマロッド殺し」という前日譚を小説で書いたりしているので、作者にとっては意義のあるものだったんだろうけれど。
■真夏の夜の惑星(プラネット) 32p
中盤くらいでシェイクスピアの「真夏の夜の夢」まんまだなと気づく。
だんだん綺麗で可愛く見えてくるのが、マジック。
■金曜の夜の集会 32p
レイ・ブラッドベリっぽい。
「もしも僕が星を見つけても自分の名前をつけないんだ、セイラの名前をつけるんだ」と頬を赤らめる少年が可愛すぎる。
本書の中でも結構好き。
◇エッセイ―南の国の鳥を待つ:佐藤嗣麻子(映画監督)
Posted by ブクログ 2021年09月04日
短編作品10編を収録しています。
表題作「半神」は、腰のところでつながった状態で生まれてきた双子の少女ユージ―とユーシーの物語です。美しいけれどもなにもできないユーシーをうしなったことがきっかけで、ユージーのアイデンティティが揺らぎ出します。
「偽王」は、旅をつづける青年エジカが、国を追放され「...続きを読む贖罪者」となった、かつて王だった男と出会う物語です。狂気のなかにあった彼は、エジカについて旅をつづけるなかで、辛い過去の記憶を呼び覚まされてしまいます。
「真夏の夜の惑星」は、SFものの短編です。舞台は異なるものの、『ゴールデンライラック』に収録されている「ばらの花びん」を思い起こさせる内容ですが、やや皮肉の利いた結末が用意されていた「ばらの花びん」とは異なり、シンプルなハッピー・エンドで締めくくりを迎えています。
Posted by ブクログ 2017年08月06日
表題作の『半神』は読んでいて切なくなる
私と腰のあたりで繋がった妹
私の栄養を取って美しく輝く妹
その美しさと知能が低いゆえに天使と褒められる妹
私を邪険にする妹
このままでは二人ともの命が危険と判断され、二人を切り離す手術が行われ、元気を取り戻す私と反対に、どんどん衰弱していく妹
栄養を作れず...続きを読むに朽ちていく妹
それは以前の私そっくりの姿
亡くなったのは「妹」なのか「私」なのか
Posted by ブクログ 2014年08月01日
やっと見つけた…
『マンガは哲学する』で紹介されていた。
表題作の「半神」は本当に一人称の死と三人称の死を見事に描き出している。これはマンガだからなし得るものだと改めて感じる。
他の作品でも時間や存在を難しいこと問題に取り上げることなく、SFの中でうまく紛れ込ませることで、どこか不思議で怖い感じを与...続きを読むえていると思う。
ただ、本質かと言えば、そうではない。「偽王」のようにどこか尻切れとんぼになってしまったり、「スロー・ダウン」のように現実と幻の差をあたかもあいまいにしたかのように見せかけていたり、金曜の集会でなぜか大人たちが時間が戻ることをわかっていることなど…
紙面があればもっと書けたのだろうか?
それはともかく、単なる恐怖ものでは収まりのつかない作品であることは確かである。
Posted by ブクログ 2011年08月20日
ストーリー漫画の最低枚数で書ききった表題作「半神」が非常に印象的。
緻密な物語でありながらラストでは余韻まで残す完成度の高さに感服。
萩尾望都の省略の技術が光る読み切りだった。
一本のテーマが太く堂々と最後まで貫いているシナリオの形が美しい!
Posted by ブクログ 2011年01月23日
再読。全体的にハイレベルだけど、お気に入りは表題作の「半神」「「偽王」「真夏の夜の惑星」「金曜の夜の集会」かな。描かれる愛憎の混じり合う様子や絶望に耐え抜く様が好き。
Posted by ブクログ 2010年01月21日
表題作の半神は、結合双生児の物語。
知性を持っているが、老人のようは姉と
美貌をもっているが、赤ん坊のような妹。
合わせ鏡の二人の葛藤、とはいえ、知性を持つのは
姉だけなので、もっぱら姉の心の動きで物語は進む。
そして二人が離れる時が。
なんとも切ない気分になる物語。
収録されている作品全ていいけ...続きを読むど、
最後の作品がすごい。
その町は1年立つごとに、力を持った少女を中心に、
町の大人たちの力を使って、1年前に戻ることを
もう何年も繰り返している。
そのまま時が流れつづければ核戦争で滅びる運命にあるからだ。
子どもたちには知られないように繰り返されてきた儀式を、
主人公たちはのぞきに行って知ってしまう。
自分には、大きくなって天文学者になることも、
好きな女の子より背が高くなることもない。
子どものまま永遠に時間がとまってしまうのは、
とても残酷だ。 それでも皆を生かすため時間を繰り返す…。
こんな作品を描ける萩尾希望都さん、
漫画家というだけでなくSF作家です。
Posted by ブクログ 2011年05月13日
萩尾望都の作品は数あれども、この作品はなんともいえない読後感。
表題作は16ページの超短編の作品であっという間に読み終えるのに、切なさとやりきれなさといった色々な感情が入り混じって悲しいような切ない気持ちになった。
そのほかにもSFから耽美まで萩尾望都の世界に簡単にトリップできる作品集に仕上がってい...続きを読むて、何度も読み返してしまう作品集。
Posted by ブクログ 2016年11月15日
あえて表題作「半神」の感想のみ。
どこでも書かれていることだが、16ページでここまで描ける、というお手本。
かつて鈴木光明に萩尾が「新人マンガ家に16ページとか32ページとか、投稿作に
ページ制限を設けるのはいかがなものかしら? 私たちのころはみんなページにとらわれず自由に描いていたでしょ?」と電話...続きを読むをしたとき、鈴木が「近頃の投稿者はページ制限を設けないと、何ページ描けばデビューに有利になるかとか、長いと不利かとかそんなことばかり聞いてくるから、あえて設けている」
と答えたのを聞いてうーむと考えた、というエピソードがあったのだが、
そりゃ天才とそうでないものは違うさ、と思わざるを得ない。
努力でどうにもならないものはある。この16ページを読めばまざまざと見せつけられる。
Posted by ブクログ 2016年06月07日
体が腰の部分でくっついて生まれた一卵性双生児の物語である表題作のほか全部で10作が収められた短編集。
確かに表題作ほか素晴らしい作品もあるけれど、全部が良作とは思わなかった。
妄想になじめない…と思う話もあったし…。
ややギャグテイストが混じった物語のほうが、ストーリーに親近感があって、らじ的に...続きを読むは入っていけるように思います。
中二病とかにかかっているときに読むと、そういった物語のほうがハマるようにも思うけれど…ね(笑)
Posted by ブクログ 2012年12月08日
半神を読んだから全部読んだ気になってたけど、読んでない作品もたくさんあった。
最後の金曜日の話が好き。
SEがもりだくさんつまっている。
楽しい1冊。