【感想・ネタバレ】残酷な神が支配する 1のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年04月06日

ぜーぃぜぃフラバりながら 大変な想いで(笑)読んだ 
今までで こんな気持ち悪い想いをしてまで読んだ本はないかも

作品としての「残酷な神が支配する」が気持ち悪いのかと思う人も
いるかもしれないけど そういう意味ではなく こちとらの問題である、

傷があるものにとってはトラウマが反応してしまう感じ
...続きを読む 2巻くらいで もうギブアップしかかったけど(コミック17巻 文庫だと10巻です)吐き気をもよおしながら何日もかかり 読み進めた

そこまでして読むか?!分からないけど 読んだ以上
途中で終われなかった

舞台はボストンだし、ただの物語として読むのなら 
どうのこうの言えるだろう 

でも虐待ということに関して
まったく幼いときに同じ運命を辿っている者がいたら・・・?
これってまんまだよね・・・って 正直 きつかった

後は漫画という手法はすごいな、って思った 

もうフラバ描写が絵だから もちろん 絵的にはキレイなんだよ

でも、自分まで持っていかれそうになる
あっと気づくと 自分の方がフラバってしまう幻想におちいる 

渦中から出たあと、というのか?生き延びたあと
・・・この漫画の場合 ただ生き延びたのではないんだけど
コロすしかなくなるし

もう一気に主人公の落ちるとこまで堕ちていく感じとか、最後も救われていない感じが まったくもってリアルすぎて 落ち込む 

そうそう 簡単に救われてハッピーはっぴーなら嘘くせっ!と思うし
もしそうなら 逆に距離感を保てたかもしれん、私的には
(作品としては 引っ張るだけ引っ張って 何 あの結末って思う人もいるかもしれないけど)
現実は【こんなもん】だ、って正直に思うよ
そんな簡単に救われないさ

設定そのまま リアルで似た体験してれば 読み方も当然 違う訳で
そんなもんじゃねーよな、でもそこをぐるぐるやり続けていった先に 
いつか傷はだいじぶ、になるかもしれない、かも かも
逆にあの終わり方だからこそ ある意味希望が見えた←どんな読み方だよ???

堕ちて堕ちてそのフラバ渦中 助けようとするものが現れて 
周囲もろとも巻き込みながら みんながみんな壊れていく

解説などを見ていて 
甘美なあぶない世界、にあこがれ的なことを言う人がいて
えっ?!絶句した
でも これをやおい(BL)、だとか 
こんなんやおいじゃないとか どうだ、こうだというなら 
ああ、そういうことかって思った

深い傷を負い その過去が過去として機能していなくて
フラバが破壊的で どんなにしんどいか、リアル体験してないとわからん、
けど 体験していると 絵が迫って来て 呼吸が出来なくなる 

あ、でもSとかサイコ系 暴力的や性的に支配されて 洗脳や
いけにえにされてない人だったら 普通に読めるのかな・・・。

なにがしかの傷がある人にはキツイけど 
あるある、そうそうって世界かも
脳内はこんな感じ

私自身は日本人の設定で描かれていたら 読めなかったかもしれん
そんな作品

2
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年02月23日

萩尾望都の「残酷な神が支配する」全17巻を読んだ

この「残酷な神が支配する」というタイトルは、アイルランド人イェイツの詩から
アルヴァレズという人が「自殺の研究」という本に引用したものである。
それを萩尾氏が読み、タイトルとして10年ほど温めておったとか?

またこの漫画には「春の祭典」というタイ...続きを読むトルと、「残酷な神が支配する」と
どちらのタイトルを使うか迷ったとか…(?)
「春の祭典」といえば…
別名「春の虐殺」と言われたあのバレエ組曲のことだろうか…(?)

しかし…萩尾氏は、なんという幅広い分野の本を読んでおるんだ。。。。
ま、だから、彼女の漫画を読むと、頭が腐りそうになるのかもな~(笑)

太宰治「人間失格」の一節、
「神に問う、無抵抗は罪なりや」 を
この漫画を読んでいる間中、思い出していた
太宰治の小説の中には、幼児期の性的虐待についての記述が時々現れる
それは、太宰の経験によるものではないか?と考える研究家も多い

そのイメージが浮かんでは消え、消えては浮かび
押さえ切れなくなりそうになった所で、漫画が終わった(笑)

1992年から2001年まで「プチフラワー」で連載され
萩尾望都の新刊だ!っと嬉しくなり、1巻から3巻まで買ったのだが…
あまりの内容の厳しさに…中古買取店へ売っぱらった私である(笑)

だから…正直に言うと…私の嫌いな部類の本なのだ(アハハハハハ)

今回、何時もブログで遊んでもらっておるトミーさんから全巻借りることが出来た
最後まで通して読めるのなら、なんとかなるじゃろうっと思ったのである
先に言わせてもらえば…確かになんとかなった(笑)



 内容の紹介(多少ネタバレあり)

ボストンの高校に通うジェルミは、8歳の頃に父親を病気で亡くしていた
夫が死に、先行きが不安なのか…その不安を打ち消すために
幼い息子を頼り、やたら息子にベタベタと接する精神的に弱い母との二人暮しを
ジェルミは、それなりに楽しんでいた

そんな頃、母の勤め先のアンティークショップに
英国紳士のお金持ちグレッグ・ローランドが現れる
程なく母とローランドは婚約するのだが…
何かに頼っていないと安心出来ない母は、婚約者のローランドが全てとなっていく
そこに付け込むローランドは、ジェルミに肉体関係を迫り、強要する。
母親の幸せのためにと「一度きり」の約束で身を投じたジェルミは
この後、無頓着な母の犠牲となり、ズーっと性的虐待を受け続けるのである

無事、ジェルミの肉体的及び精神的犠牲のもと
母とローランドは結婚し、イギリスへ渡るのだが…そこでも虐待は続く
ジェルミだけならどうにか逃げられるのだが
母を人質に捕られている以上、ジェルミに逃げ場はなかった

イギリスのローランド家には、
ローランドの先妻の子「イアン」と「マット」という息子が二人居る
また、先妻の姉も通いで来て居た。執事も居るしメイドも居た。
ローランドによるジェルミへの虐待は、エスカレートし暴力の域に達するが
誰も気付かない。何か気付いたとしても、誰もが「ありえない」と打ち消し
ジェルミの犠牲による家庭内の平和に身を委ねる

精神的に追い詰められたジェルミは、ローランド氏の殺害を企てるのだが
大きな誤算が生じ、ジェルミの最愛の母親までもが死んでしまう

ローランドの息子「イアン」は、
ジェルミが父の死になんらかの関わりがあると感じ、ジェルミを追い詰めていく
ローランド氏の真実の姿が明るみに出ると共に、
この家に誰一人として、正しい判断、正しい精神を持っていた者が
一人も居なかったことが判明していく
もちろん、ジェルミをも含めて・・・

というような…救いようのないお話しが17巻ビッシリと続く(笑)

つまり先にも述べたが「無抵抗は罪なのか」と
「無意識の見て見ない振りは罪なのか」である。

ちょっとした所に「逃げ道」「解決策」が見え隠れしているのだが
それに気が付いて実行してしまうと、全てが壊れ破壊されてしまう危険も見える
だから分別ある大人は、幸せをぶち壊すような「勇気」が持てない

健康に生活している人から見れば
一見すると、いくらでも逃げ道はあっただろうっと思われる無抵抗なジェルミも
日々、塗り重ねられていく侮辱的な行為に、気力を奪われてしまい
同じぶち壊すなら、母の幸せをではなく、元凶を殺そうと思ってしまったとしても
それをこの本の登場人物の誰一人として、責めることは出来ない。

だが、父親の卑劣な行為の全てを知った息子のイアンは、
父親を軽蔑しつつも…無抵抗だったジェルミを責める
「何故、言わなかったのか?」と
「何故、逃げなかったのか?」と
「自分なら、こんな事をされれば、逃げる」と

この物語には…作者はハッキリとは書いてはいないのだが
読者が見て見ぬフリが出来る複線が張ってあるっと思う。

ローランド氏の父親が非常に厳格で、ローランド氏に厳しかった事
このことから、もしかして…
ローランド氏も父親からムチで打たれるなどの虐待を受けていたのかもしれない
なんぞとチラっと脳裏をよぎる(ただし、まったく根拠は載っていない)

もう一つは、ジェルミの母親の日記に…ハッキリとは書かれていないのだが
母親がジェルミとローランド氏の関係に、可なり早い段階で
気が付いていた節が見受けられるのだ。

これは、母親が…夫と息子の関係を、知っていたにも関わらず
息子を助けるより、自分の優雅な安定した生活を守ったことを示唆している

ところがその後、
ローランド氏が事故で死んだ当日に、彼女らしからぬ行動が描かれている

普段では見られないほど思いつめた様子で、母親が夫であるローランド氏の車に
一緒に乗り込む姿が描かれているのである。
そこで夫と一緒に事故にあい、彼女は死んでしまうのだ。

つまり、最後の最後で彼女は、
夫との安定した生活を捨てて、息子を助けようと思ったのか?
っと見ている読者が感じてしまうように話を持っていっているのだ

だが、それまでの彼女の行動を見ていた読者は
この母親にそんな底力が果たしてあっただろうか?とも思うのだ
そんな風に感じるほど、それまでの彼女に自我が見受けられない

ちょっと底意地の悪い私のような読者は
結局、夫より、息子より…この女は自分が一番可愛かったんじゃないか?
っと思ってしまう

自分より、息子を愛した夫に逆上したのではないだろうか?
だから事故が起きた…

この事故は、息子がローランドに復讐を企てたから起こったのではなく
また、母が息子を守るためにローランドを殺したから起こったのでもなく
ただ単に、自分本位な女が…自分の夫を息子から取り戻すための
逆上から起こった心中じゃないのか?っと…

だからこそ、ココで「自殺の研究」という本から拝借した
「残酷な神が支配する」っという言葉が生きてくるのかも?なんぞと思った

この作者は…オソロシイ(笑)

どちらにしても、残酷な神にも天罰は下ったようである
ただし、消えた残酷な神に代わり新たな残酷な神がジェルミの前に君臨する
それが息子のイアンなのだが…

で、ここでもう一度問う
「無抵抗は罪なりや」
私の考えでは、事が終わった後から
無抵抗云々に関しては、誰も議論出来ないだろうと思う。

残酷な神も悪魔も悪人も、善人の隙を付いて襲ってくるのだから
幼子ゆえの善人が持つ隙が狙われるのなら、
力ある者が保身を捨てて守るべきであろう。

太宰もジェルミも自身を責める言葉を連ねているが
本当に彼らが言うべき言葉は
「なぜ、助けてくれなかったのか?」であるべきだ

結局、ジェルミに救いは見当たらないまま、この物語は終わる。
ただ、時だけが流れ、流れた時が記憶を遠い彼方に追いやる。

これだけのお話しの最後が、時の流れの解決とは…少々陳腐かとも感じたが
この終わりかたが、一番、現実に近いのかもしれん

いや~。この漫画。イイと思う…心理学の勉強には最適じゃ(笑)
でも、普通に生活しておる人にとっては
暗くなるので読まなくても良いかもしれん(アハハハハハハ)

2

Posted by ブクログ 2013年08月01日

萩尾望都さんの作品を読んでいると、やっぱり萩尾さんにとって、家族、親と子供の関係というのは永遠のテーマなんだろうなと思います。
「遭難」という言葉がすごく印象に残りました。東京事変の曲を思い出したりもして。

ただすっごくもやもやする話なので、もし連載で読んでたら辛かっただろうなと思いました。
キリ...続きを読むのいいところまで読んだら寝ようと思ってるのにキリのいいところが全然来ない!
結局全巻読んでもまだもやもやしてます。

1
ネタバレ購入済み

重い

2023年02月03日

外国が舞台ですが身近な題材だと思います。やっかいなじじいに目を付けられ日常が狂っていく。
逃れようとしても大人にあっさりまるめ込まれる子供の無力感が悲しい。

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凄い……!

2022年05月21日

とても面白かった
でも主人公があまりに可哀想
現実でも似た話は聞いたことがある
読んでるだけでも屈辱で、怒りで胸が悪くなった。
たくさん、傷ついてる人がいるんだろうな

0
購入済み

凄い作品です

2022年09月29日

美少年であったが為に、サディスティックな少年愛嗜好を隠し持った母親のフィアンセのターゲットにされてしまった少年の話
決してBLなんて描写ではなく、少年ジェルミに深い心の傷を負わせ、どの様に影響し成長するか…と言う話です

気持ちが落ち込んでる時は読んではいけません
私は新卒の会社で父親より年...続きを読む上の人にセクハラターゲットにされた事を思い出してしまいます
触られたところがおぞましくて、汚く感じ、その部分を取って捨てたいと思いました

この話は少年が性被害に遭いますが、女性はみんな必ず、何かしらの同意なき性被害のターゲットにされた経験があると思います
なので、女性の読者には深く突き刺さる物があるでしょう

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2021年05月23日

覚悟して読んだ方がいい。または今迄、幸福な人生と感じているのであれば、 興味半分で手を出さないほうがいい 。
読んでる間かなりつらかった。 読み出したら最後まで読まずにはいられない。が もう、二度と読み返すことができないかもしれない。
萩尾望都先生の画力が シンクロさせる。
性虐待はもちろん、...続きを読む それぞれの立場で 周囲を都合よく解釈ている環境での 精神状態もつらかった。いろいろ考えさせられた。
程度の差こそあれ 子供時代 親の価値観 支配の中で生 きてきた 残酷を思い出した。 そう親は神だった。

#深い

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かわいそう

2021年01月10日

人間の狂気だなと思わされます
愛とは奪うこと
地位と名誉と権力のあるグレッグが
人間性最悪で人間の悲しさを感じる

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月09日

・義父からの性的暴力的虐待。
・無垢なるものは犯され続けるしかないのだよ。
・救いも癒しもなく延々続くセラピー的会話。
・彼らはセックスや肌でわかりあうなどというイージーな終着点には収まらない。
・とことん会話によって愛と支配について考える。
・周囲に変奏曲的な人物たちも配置される。
...続きを読む果たして母は……という懊悩が一番のポイントに。
・サクリファイスという概念。
・「漂流」という発想の勝利。
・母との対峙のシーンの凄まじさ。

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Posted by ブクログ 2016年05月26日

萩尾先生の短編ばかり読んできて、10巻も続く長編を読んだのはこれが初めてでした。
グレッグサイテー!ですが、これをきっかけにおじさまが好きになりました。
20年後、ジェルミとイアンはどんなふうに崖にいるのか、見てみたいです。

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Posted by ブクログ 2015年01月12日

学生の時読んで衝撃を受けました。
読み終わった後、一週間くらい作品の世界から抜け出せずに暗い気持ちになってました;今でも気持ちに余裕のある時じゃないと読み返せないです。色々考えてしまって感想も上手く言えないんですが、でも絶対に手放せない大切な本です。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年07月19日

養父グレッグを、そして母サンドラを殺したという罪の意識
グレッグに犯され続けたという性と暴力のトラウマ
愛し、愛されいたと信じて疑わなかった母の裏切り
これがジェルミという少年の心を縛り、
人を愛することの恐怖を感じるようになる。
このATフィールドをこじ開けようとする義兄弟のイアン。
そして、その...続きを読むイアンさえも信じいた父グレッグの裏切りを知り、
自分にグレッグの影を見つけ、怯えています。
恐ろしく繊細なテーマを恐ろしく緻密なプロットで描いた傑作。

作中、母サンドラはジェルミによって、心の弱い人と何度も語られてきた。そのサンドラが死ぬ間際の車に乗り込む際に「大切な話がある」と強く告げる。おそらくこれはジェルミとグレッグの関係について以外の何物でもなく、そしてサンドラがヤケドの際に「ジェルミ、おまえと一緒にボストンへ帰る!」と言ったことから考えると、ジェルミが車を弄らずとも、サンドラは自分の意思でジェルミを救っていたのではないかと描き方になっており、そして作中でそのことをジェルミが知りえなかったこともジェルミの不遇さがより際立つ作りになっている。
本当に萩尾先生は天才なのではないかと思う。

確かにテーマや作品を構成する要素が実に重いものであるため、手に取るハードルも高く、読破にエネルギィを要する作品なのは間違いないが、そのハードルを越えてでも読む価値がある。

94点

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Posted by ブクログ 2012年09月29日

寒くなると読みたくなる本。
開始5分で話の大筋につくというショッキングさ、電車の中で読んでたら驚きのあまり慌てて本を閉じた。
内容は切ない、どうするすべもなくただ辛い、いったい何時になったら主人公は報われるのかと読んで憂鬱になった。こんな漫画二度と読むもんかと思ったりしたが、最後の最後に全て許せた。...続きを読む
クリスマスがくる頃また憂鬱なこの本とゆっくりと生暖かい時間を過ごしたい

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Posted by ブクログ 2012年03月06日

初めて読んだ時は衝撃的過ぎてまともな感想も持てなかった。改めて読み返してみて、何かこの感じ知ってる、と思ったら「トーマの心臓」だった。愛の残酷。愛の許し。愛の救い。萩尾先生は残酷を以て愛を語り得る神さまみたいなひとだ。

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Posted by ブクログ 2011年11月04日

しばらく漫画から離れていた頃に出た作品で買っていなかったけれど、萩尾作品が読みたいという人があり何冊か貸すことになったときに、このタイトルもご指名だったので、いい機会だからと内容も知らずに全巻大人買いしてきたもの。貸す前に自分でも読んでおこうと、ページを開いて焦った。ちょっと人に貸すには激しすぎる。...続きを読むと、思いつつ、自分はしっかり堪能。返されてきてすぐに再読。はぁ〜

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Posted by ブクログ 2013年01月16日

痛い、苦しい、つらい、美しい。
それでも、あの断崖へかえらずにはいられない。

私の漫画人生の転換期。

追記(20130116)
読む度に新しい痛みを、新しい愛を見付けてしまう。

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Posted by ブクログ 2011年06月08日

人は自分の幸せに為に
生贄を捧げることができる。
一度絶望の淵を見てしまったジェルミには
時と共に風化させることしかないのかな。

いろいろグルグル考えてしまうんだけど、
とりあえず!
グレックが気持ち悪い!!
サンドラが許せない!!!
その2人でさえ親からの負の連鎖だと思うとやるせない!!!!

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Posted by ブクログ 2011年05月14日

傷を受け、それを受け入れる物語。
読んでて辛いのに、読むのをとめられなかった傑作。
ラストが穏やかな終わり方で本当に良かった。
良かった。

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Posted by ブクログ 2011年05月08日

大体明るい気分の時に読む物ではない。落ち込んでいてどうしても浮上できない時に、じゃあとことんまで落ち込んでやろうじゃないの!と思って私は読みます。すると止まらない。辛すぎて途中でやめることができない。最後まで読まないと……そして辿り着いた崖に、すっとした光のような、救いのような物があって、また落ち込...続きを読むんだ時に読むことになるのです。犠牲と救いの話と思う。

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Posted by ブクログ 2010年11月24日

 この話、相当エグいです。
 覚悟して読み始めないと、痛い目みます。特に性的虐待と同性愛が苦手な人は要注意。
 私も性的虐待というテーマは、血反吐を吐きたくなるほど生理的に駄目なのですが、それでも最後まで読まざるを得ない麻薬のような作品でした。一度読み始めたら、絶対に途中でやめられない。
 なんとい...続きを読むうか、人間の愛憎、殺意、偽善、執着、欺瞞とか、とにかく思いつく限りの負の感情をどろどろに溶かして混ぜ合わせて作りました、みたいなイメージ。
 しかも、心理描写が妄執的と言えるほど緻密なために、安直な「悪者」というものが存在しない。性的虐待を繰り返していたグレッグにさえ、許せないはずなのにどこか理解できなくもない部分が出てきてしまうという恐ろしさ。
 曖昧さや虚りを許さないリアルが忠実に描かれているというか……当然、漫画ですから虚構なんですけど、登場人物の苦悩や感情に無理がないし、嫌悪感を抱いてしまうのですけど、それを人間の持ちうる弱さとして理解できるからこそ、いつも以上に感情移入してしてしまい、やりきれなかったです。
 なんだろう。臭いものには蓋、じゃないですけど、この話の登場人物が持っている弱さは、多分、私たちが心のうちに持っているもので、普段は隠しているそれを突きつけられているような気になるのかな。
 冒頭がお葬式で始まり、その後に回想としてストーリーに入るのですが、最初が特に精神的にきついです。主人公のジェルミが追い詰められていく様とか半端なく心臓が痛くなります。
 この話、大雑把に二部に分けられると思うのですが、一部はジェルミが殺意を抱くまでの過程と、それが成ってしまうまで、そして二部はジェルミとイアン、それぞれの罪と許し、そして再生がテーマなんじゃないかなと思いました。
 つっても二部も歪んでるし、鬱ってるし、一部に引き続き精神的に重さメガトン級なんですけどね。でも、二部があって少なくとも私は救われました。ラストもはっきりとした形ではないんですけど、微かに光が感じられてよかったなぁ。最後までどうなるかわからなかったので、祈るような気持ちで読み進めていました。萩尾さん最後まで書ききってくださってありがとうございます! 救いようのないバッドエンドじゃなくて本当によかったよ……。
 かなり内容がダークアンドヘビーなので、そういうのに耐性ない人はきついかもです。でも、私はこの作品と出会えてよかったなぁと思います。どこかで読みましたけど、このお話が30禁ってなんだか妙に納得。人を選ぶけれど、圧倒的な力を持つ作品でした。

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Posted by ブクログ 2010年06月06日

萩尾先生が神です。過去作品でこれだけの長編はないのではないかしら。
とにかくジェルミの告白からが見所。
カバー内側の作者一言欄で「逆の展開(前半がイアン目線で後半がジェルミの回想)でやっていたら読者から反応がどうなったかな、と考えるとワクワクする」みたいな事が書いてあって、作家に翻弄される喜びを覚え...続きを読むた。
もちろん構成だけではない細部の描写や言葉がエグく、美しく儚く。コミックス14巻の表紙が好きだ。この本は本屋で売り続けたい。読者を獲得し続けたいです。名作。

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Posted by ブクログ 2010年04月13日

タイトルの通り、残酷な運命に翻弄される少年のストーリー。
元は平凡な少年の、残酷な運命に巻き込まれる過程と、親・兄弟・友人を超えた絆の存在を描く。
読み始めた途端に鬱々となるので、気分が落ち込んでいる方は要注意。
元気に居られる時に読みましょう。

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Posted by ブクログ 2009年10月21日

中盤からが見物。とにかく、すごい。心理描写の仕方、話の展開、すごい。「漫画」としての魅力を最大限に引きだしている。新たな漫画感を発見したい方はぜひ。

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Posted by ブクログ 2009年11月27日

私は「信者」と呼ばれても否定できない位長年の萩尾ファンですが、この作品だけはコミックスを買い揃えられませんでした・・・
嫌いなのではなく、読み返すのが恐ろしかったから。(連載はずっと追いかけてました)
あまりにも読み手にパワーを要求する作品。嫌いな人が多いのも仕方ない。
最近になってやっと読み返そう...続きを読むかなという気持ちになって来たので、とりあえず。

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Posted by ブクログ 2009年11月11日

漫画を読んでここまで心を揺さぶられたのは初めてだった。
読むのが辛い、苦しいのに、何度も何度も読み返してしまう。
幾重にもなる過去のストーリーとトラウマの連鎖。
読むたびに自分自身が迷路に迷い込んでしまう感覚に襲われる。

文庫全10巻

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

すごすぎる。

読み出したらとまらなくて、ほとんど徹夜で読破してしまった。
文庫じゃないほうで読んだ(全17巻)んだけど、
1〜6巻までの主人公の少年が義父からうける性的虐待の描写が、これでもかってくらい執拗でつらすぎる。
こんなの月刊誌で読んでらんないよ!
途中で終わられたら、毎月ひきずっちゃうよ...続きを読む
大人買いできる年齢でよかったー。
7巻からは義父を殺してしまった主人公ジェルミの精神が崩壊していくさまがこれまた執拗に描かれていて
それがまたすごい表現力で。
レイプって精神ぶっこわれるんだって思った。

後半の、イアンが変わっていく様が好きです。
はちみつ入りショウガを口に入れるシーンが印象的。

これを読んで「トーマの心臓」のユリスモールの苦しみがやっとわかった気がした。

あーすごいもの読んだ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

愛するとは何なのか。愛は痛い、時に暴力に変わり人を傷つける。
時に苦しみを呼び、熱中のあまり自分を見失う。大切にするがゆえに相手を見失う。
相手を愛するほど自分の醜さに嫌気がさす。
それは憎しみとは違うのか。
萩尾望都の中でもとりわけ大好きで印象深い作品。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

つながりは鎖のように、ときに人を救い、ときにきつく肉を締め上げる。人の愛のつながりはタフにできてはいない。
「過剰な愛は少しでも理想や夢と違うことが起きるとき耐えられない」がために、崇高なる愛ほどにピアノ線のようにか細く、間違いを起こせば一瞬にして弾け、肉を裂く。
インスピレーション、啓示、偶然など...続きを読むと、人は何一つ選択を許される訳でもなく、ただ嵐のような出来事へとさらされて言い訳を考えながら進んでいくしか生きる道はない(嵐に逆らうには絶命するほかないのだろうか)。

伝言ゲームのように事実は次々に生まれ変わり、人はそれに嘘や沈黙を交えてはときどき思いだし、薄気味悪くほほえむのだ。
「半分はウソでもつくり話でも 半分はホントさ」。
前意識的に刷り込まれていく事実という名の映画は、ときどき目の前の観客を失い、観客たちは瞼の裏側に別の映画館を見つける。
「バラバラになった」映画の続き。

自らを生贄として生きるジェルミにとって、(彼が頑なに拒み続ける)愛とは赦しなのだろうか。
残酷な神の前から生贄を奪おうとするイアンは、図らずも父グレッグと同じくジェルミを支配し征服しようとする。
逃れるすべのない孤独が、果たしえない約束が、自ら従った罰が、色んな形をした愛が、目に見えない信頼が、幸福の名のもとに私を追いかけてくる。何を見るの。通り過ぎたあれ。何も変えられないあと。
人は自らを裁ききれなくなったとき、神を生む。そして神が自分ではなく他者であるということが、自分に許された唯一の存在証明でもあるのだろう。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

葛藤・憎しみ・嫉妬・裏切りそして愛憎と
全てのエッセンスが盛り込まれていました
心理描写が巧みで
感情をぶつけられるような感覚が残ります

ほとんどの登場人物がアンチノミーに陥り
苦しみながらそれでも生き続けている
リアルさがココロに残りました

少年目線で物語が進むので
若干大人が汚く歪んで見えた...続きを読むかな

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

トラウマ漫画です。面白さは筆舌しがたいです。あまりにも辛すぎて再読がまったく出来ません。やっぱり萩尾先生は神です…!

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ヘビー

2022年05月02日

めちゃくちゃヘビーな話です。
軽い気持ちでは読めないです。
それでも読むべき作品だなとは思います。
ジェルミが絡めとられていく様子、病んで、救いを求めてもがく様子がリアルです。

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Posted by ブクログ 2020年07月25日

実家の部屋のどこかに隠しています。全巻とも。大好きな萩尾望都さんの作品だから、ムリして読んでいた。けど、やはり、残酷で、辛すぎた。

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Posted by ブクログ 2010年05月19日

落ち込む…本です。ほんっとにグレッグ酷い。こんなにも醜い本性が人間のどこかに隠れているのか…ゾッとする。全10巻。9巻までしか読んでない。読み終わるのが怖い。

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Posted by ブクログ 2009年10月21日

ぶっちゃけた話なんかはきそうになった。
頭の中がぐるぐるして、気持ち悪くて、悲しくて。
うなずくしかできない。
萩尾さんのすごさを再確認してしまった作品。
でも好き。読み返せない。だけど愛してる。

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Posted by ブクログ 2009年10月26日

文庫版で全10巻。
萩尾望都で一番ハマった漫画かも。

グレッグ(ジェルミの義父)の毒牙にかかって日常的に暴行されるジェルミを見てるのがほんとに辛い・・・。
殺したときはヤッタ!って思ったけど、人生は残酷だね。

苦しみや哀しみは人をこんなにも変えてしまう。
苦しみを与える対象から逃げようともがき、...続きを読む達成しても、一生付きまとうんだよグレッグが。
だから年末にイアン(グレッグの実子)と漂流する何日間はホントにジェルミにとって必要なものなんだね。

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トラウマ

2021年04月29日

当時、少女漫画でこのような内容を掲載して良かったものなのか甚だ疑問です。
かなり刺激的だと思います。
自分がもっと若い時に出会っていたら絶対にトラウマになっていたと思います。
今はある程度、耐性ができているからこの程度で済んでいると感じています。
知りたくもない世界を見てしまった、そんな気持...続きを読むちです。

#ドロドロ #怖い #ダーク

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Posted by ブクログ 2018年11月11日

イアンが顔も性格も良さそう。サンドラの弱さ、騙される やすさ、依存などに苛立ちを感じた。彼女を失った上グレッグから虐待されるジェルミが気の毒だった。今後の展開も気になるので続きを読みたい。

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萩尾作品初読みだったんですけど

2017年07月15日

なんだかフワフワとした絵柄(昔ながらの古臭さというか)なので、そんな感じの話を描いているのかなと勝手に想像していたので、wiki先生でこの作品のストーリーを知って衝撃を受け、探して衝動買いしてしまいました。
正直、読む前はフラバったらどうしようと思っていたのですが、やはり経験が自分とは微妙に違うの...続きを読むと私は自分の中で決着をつけ済みだったせいか、只管淡々と夜も眠らずに読破しました。まあ、対人恐怖症・人間(特に男性)不信は残っていますが。因みに私は未だに被害を告白できてません。

精神病患者やら人格障害者やらが山のように登場。
作品内でジェルミが幾度と無くフラバるので、何度も同じようなシーンを見せられます。現実は確かにこんな感じなんですけど、二次元作品でそれを繰り返されるのは冗長で正直飽きました。だって、結論が出ない堂々巡りなんですもの。出口のない迷宮をただただ読まされても、全てキャラの劇場型独り善がりのように見えてしまいます。発展がない。まどろっこしくて苛々しました。作者の考えている終着点(作品の落とし所)が全く想像できず、こんなのが無限に続いていくのだろうかと。
この内容なら漫画よりも小説で読みたかったかもしれません。
しかし、犯行後のジェルミのイアンへの応対なんじゃありゃ。疑ってくれと言わんばかりのお粗末様さで呆れました。
一番のモヤモヤポイントは母のサンドラでした。結局、真相は闇の中なので。いっそ、一度だけ薬をわざとサボって夜の二人の情事を見てしまった上でのあの反応の方が私はしっくりきたのですが。
wikiに乗っていた荒筋や人物紹介などから、てっきりジェルミを助ける為に愛する夫との無理心中しようとした結果があの事故だったのが真相ではと妄想していました(つまり結果的にジェルミ本当は無罪説)。
サンドラは自分の幸せだけを望む自己中心で他者依存な人物かと思えばジェルミに「帰っても良い」と言い出したり掴みきれませんでした。
あのラスト、私には十分ハッピーエンドでしたよ。寧ろあれ以上の救済措置はなかったのでは?
だって、今までの流れでお気楽なハピエンなんて無理筋でしょ。
私は未だに他人を愛せないので、ジェルミは私より一歩前に出た事になりますね。

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