あらすじ
西暦2052年。他人の夢に入り込むことができる“夢先案内人”の渡会時夫は、ある事件から7年間眠り続ける少女・十条青羽の夢をさぐる仕事を引き受けることになった。そして、その夢の中で青羽が幸せに暮らす島の名をキーワードに、思いがけない事実が次つぎと現れはじめ…!?
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面白かったです
雑誌連載の時に細切れに読んだため全く話が解らず、そのままスルーしていたのですが、まとめて読むと予想外に「面白かった!」です。
どれだけ引き出しあるんだろう…と半ば驚きながら読み進めました。
一旦筆を置きかけたとどこかで読みましたが、まだまだ発想ある限り描き続けてほしいと改めて思いました。
相変わらず凄いです
子供の頃ファンだった萩尾望都先生の漫画を久しぶりに読みました。相変わらず凄いです。何が凄いかって、魅力的な話、ストーリーの展開の早さ、ファンタジーであり、SFであり、とにかく引き込まれます。一体この人はどういう精神構造をしているのだろうって驚嘆します。でも素敵です。最後は大どんでん返し的で、怒涛のラスト、押し寄せる感じ。まあハッピーエンドといえばそうなんだけど、読後感が凄いです。
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読みたいものは自分の本棚の中に眠っている…と言う、ずっと持ち続けている本にはなんらかの予兆が隠されているのかもしれない、数年後に読んだ時に心が揺さぶられるよ、と言う…萩尾望都先生は私にとっては私の様な趣味嗜好の人間は読んでなければ、と言う人でもあって、偉大すぎてその良さが解らないままに読んでいた時期が多いんだよ!SFも、萩尾作品だから一応読んでた、と言うくらいで、SFはよく解らないんだよなー、難しくて、とか思って読んでたんだよ。架空のモノはその事象の理屈が解らなければならない、と言う意識が働いて(面倒臭い)ってなるんだよ、人間ドラマの部分だけ読みたいのに、とか…即物的な頭だから(笑)読まねばならない」と言う気持ちが大きかったんだよね、当時。だから『メッシュ』とか『感謝知らずの男』とかが凄く解り易くて、その時の自分が解り易い方を面白いと感じてしまう短絡的な所があったんだよ。色んな面で、私は木原作品に鍛えられて、今まで自分は苦手だと思ってたとこの見方変わった。ファンタジーとか、もう10代の時の擦り込みで苦手だったんだよね、架空の世界のなんでもあり感がずるいと感じていたり、現実離れと現実逃避と考えたりしてたんだよなぁ。SFとファンタジーの区別さえついてなかったんだよね。
今、SF的なサスペンス要素も含まれる人間ドラマが読みたい、と思っていた矢先、自分の本棚の中にあるじゃないか、と引っ張り出して来て今更面白がって読んでいる。夢の中の世界と、その夢の中の自分を生きている眠り続ける少女、他人の夢の中に入り込める夢先案内人の男と、その男の離れ離れだった息子、その息子が現実逃避する自分の世界としてこしらえた島・バルバラ、それが夢見る少女の夢の中の世界の名前、と言う、ミステリ、サイコサスペンス、親子愛などが錯綜し、現実離れした世界も描かれているのに引きこまれる。
Posted by ブクログ
「最初さらっと読んでしまったが、再読したら全然解釈が違っていた」と家族が言っていたので自分も再読。
2003年7月20日初版第1刷発行
2007年2月25日第5刷発行
6年前に買ったものだろうか。
家族が別途保管してくれていたので概ね良好な保存状態。
Posted by ブクログ
読み始めた時は、それぞれ別の話がどう繋がっているのかわからなくて「?」ってなったけど、読み進めていくうちに「!」にかわっていった。そうなるととても読みやすくなって後半はもう一気に読んだ。
読むのにとても集中力がいるので、疲れるけど、かなり読み応えのある話でした。
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全4巻。夢と現実と過去と未来と心と繋がりとアイデンティティ。
これだけ重ーいテーマを詰め込んで展開していく力がとんでもないです。
さすがにちょっと難解だけど興味を引かれたらぜひぜひ!
Posted by ブクログ
萩尾さんはきっと、私たちには入り込めないできないパラレルワールドを自在に行き来して、実際にその目で見てきている人だと思います。これを読んで、確信しました。
Posted by ブクログ
バルバラ世界の青羽がかわいい。こうなってほしいなっていう自分で作った世界にいる。それって幸せ…なはずだよね?萩尾望都ってなんでいつまでも絵がうまくて勉強家で自分の世界を統率し続けられるのか不思議。どうやるのかしらん。
20年前の漫画とは思えない
絵も綺麗で内容も面白く、圧倒されました。
20年前に描いた話には思えないです。
バルバラという不思議なタイトルで読まなかったのですが
読んでよかったです。
Posted by ブクログ
失った若さや時間、かけがえないもの、をこういう形で表せるなら、クリエーターとしてなんて幸せなんだろう。萩尾さん、天才です。
眠り続ける青羽の火星の夢に、ひととき、浸れました。
Posted by ブクログ
夢の幻想と、少女を取り巻く謎がいい雰囲気を出している。
少女が大量に空から降ってきて水風船のように地面に落ちて割れる表現がぞっとした。
菜々実さんの人生を振り返って嘆くところがリアリティがあって感情移入した。
Posted by ブクログ
えーと、「残酷な神が支配する」から後、この「バルバラ異界」は、購入はしていたけれど、ずっと未読のままでした。
まあ、1番の理由は、萩尾望都は、読むのに体力と根性がいるからなのでした。
そのくせ、泥沼のように(?)一気に読ませようとするからねぇ。そして、一気に読みたいたぐいのお話だし。
ということで、夏で仕事も一段落した今の体力のある時期に、読んで置こうということで読み始めました。
えーと、凄い。
これは、あんまりにも陳腐な表現ですねぇ。
前作の「残酷な神が支配する」は、リアルな理解しやすい物語だったと思います。まあ、劇的なドラマの連続が、リアルといっていいのかどうかという問題はありますが。
エンターテイメントと人物の心の動きを両方バランス良くかいた物語でした。
それ以前の物語は、どっちかというとSF以外は、心理面にウェイトがおかれていたと思います*1。
それが、変化してきたのが、多分わたしは、「あぶない丘の家」あたりだった気がします。
この作品は、日本舞台で、エンターテイメントで、登場人物がどう見たって日本人に見えなくて、でも面白くて、いろんな意味で「凄い」作品でした。
萩尾望都のターニングポイントだったかも。
でも、ウケたかどうかはわからないので、
それから、一連のバレエシリーズがあったのかな。バレエシリーズあたりは、そのまま「残酷な神が支配する」の流れに続いている気がします。
短編なので、あれほどドラマチックではないけれど。
で、今回の「バルバラ異界」なのですが、近未来設定のSFです。そして、舞台は、日本です。
そうなんか、「あぶない丘の家」の流れを感じる。
というよりも、萩尾望都の今までの作品の総決算な感じがします。
全4巻。
どんな話になっていくんでしょう?
Posted by ブクログ
「残酷な神が支配する」全17巻、1993.4-2001.9でついていけなくなって、萩尾離れを起こして人が多数いるのではないだろうか。僕は最後まで付き合ったけど、うちのカミさんやカミさんのお友達は、テーマの気持ち悪さについていけず脱落してしまった。
「バルバラ異界」でどれぐらいの望都ファンが戻ってくるだろうか?
この本の主人公はいったい誰なのだろうか?眠り続ける十条青羽、他人の夢に入り込むことの出来る渡会時夫、渡会時夫の息子のキリヤ。物語の時代は、2052年。
瀬戸内海に浮かぶ幻の島バルバラ。右手の形をしている。この島は、キリヤがパソコンの中に作った架空の島だという。
2045年に何者かにより十条勝一、茶菜夫妻が殺害され、その娘青羽9歳は地下のピアノ室で意識不明の状態で見つかった。その事件以来今日まで7年間眠り続けているという。その青羽の眠りの原因を探るため、渡会時夫は、青羽の夢に入り込むことを依頼された。
脳内イメージングスキャナーという機械があって、パソコンに夢を取り込んでみることができるようになっているのだが、青羽の夢は、ノイズが多くてうまく取り込めないのだという。渡会時夫が青羽の夢に入り込むと、青羽は幻の島バルバラで、幼いまま暮らしている。パインとタカちゃんというお兄さんがいる?バルバラでは、養子をもらって育てるというのが一般的らしい。母親は、ダイヤさん。女優さんで、テレビのコマーシャルの出演とかしている。家には、ダイヤの姉さんのマーちゃんがいて子どもたちの面倒を見ている。
この世界では、普通の人は身軽で、空中に浮いてしまう。でも、青羽は浮かばない。浮かないのは死人だけというのだが・・・。
青羽の祖母の十条菜々実に話を聞くと、青羽は父と母を殺害し、心臓を取り出して食べてしまった。それで満足して眠り込んでいるのだという。
十条家は、十条製薬という会社を経営しており、若返りの薬の名前がバルバラシリーズだという。
渡会時夫は、学生結婚し、キリヤが生まれたのだが、妻の明美さんは、夢の中を覗かれるのはいやだといって、離婚してしまったという。ところが明美さんは、衰弱して死にそうになってしまう。前世治療によって判明した、前世の恋人ヨハネの励ましで、元気を取り戻す。キリヤは、「世界は僕を捨てた。世界は僕を愛していない。なのにそんな世界で僕は成長し学校に行き勉強し成人しやがて社会に出て働かねばならない」と悩んでいる。
キリヤの夢に青羽が現れ、父親に私の夢に入ってこないでといってくれ、又は、彼を殺してくれ、そしたら、あなたを捨てた世界をあなたお手に取り戻してあげる、という。
「残酷な神が支配する」を書くことによって、SFも一段とパワーアップしてしまったようだ。恐怖の予感がいっぱいちりばめられている。
(2004年6月17日・記)
Posted by ブクログ
親子関係を子供の側から描き続けた萩尾望都が、ついに親の視点からの親子関係を描いた作品。それぞれの親たち、そして未来への不気味な予感の中で、子を思うトキオの祈りが切ない。また、SFは常に未来への不気味な警告である、と感じさせてくれる作品でもある。
Posted by ブクログ
〔引用〕きみはいずれキリヤくんに殺されるよ(p.103)〔内容〕バルバラ人はふわふわ浮ける。青羽は「よそもの」なのて浮くのがヘタ/夢先案内人の度会は七年間眠り続けている女性、十条青羽の夢に入る/青羽と十条青羽は同一人物なのか?/度会の息子、キリヤはバルバラは自分の想像の産物だと言う。島は夢なのか?/火星と赤い月〔感想〕関係するキャラクタが増え続け、あれやこれやの情報がバルバラという語を中心につながりはじめ、謎は際限なく膨れ上がり続け、集束できるのか?
■簡単な単語集
【青羽/あおば】バルバラで暮らしている。よそもの? だからか、浮くのがヘタ。マーちゃんが育ててる。《あたしは バルバラのものだ》第一巻p.25。外部の世界で七年間眠り続けている女性、十条青羽と同じ名前。
【秋葉原コスモス】三十年子役をしているベテラン。
【明美】キリヤの母。伊勢にいる。度会とは離婚しているようだ。
【エズラ・ストラディ】十条奈々実の最初の夫。茶菜はその娘。薬学者だったが後に惑星生物学に研究対象をシフトした。近い未来、人類は火星人と出会うという説を披露した。
【キリヤ】北方キリヤ。明美と度会の息子。「お茶の水山ノ上」の生徒で東京にいる。甲殻類アレルギー。神楽を舞っていた。かつて大黒を殺そうとした。火星の夢を見ている。
【ジジ】千里の祖父。青羽を嫌っている。千里の母である娘を失ったせいかヘンクツ。
【十条青羽/じゅうじょう・あおば】九歳から七年間眠り続けている。母親と父親の心臓を食べたというウワサもある。アレルギー体質だった。
【十条静音/じゅうじょう・しずね】十条奈々実の七歳年上の叔母。エズラ・ストラディの不倫相手。
【十条茶菜/じゅうじょう・ちゃな】十条青羽の母、奈々実の娘。
【十条菜々実/じゅうじょう・ななみ】十条青羽の祖母。
【植物人間】? 光合成してる。
【世羅ヨハネ】明美が前世では恋人だったと信じている、教会のオルガン弾きで明美より二十歳年上。
【千里】夢占いする。《夢はね 遠い未来か遠い過去からのメッセージなんだ》第一巻p.10。どんどん髪が伸びる。
【大黒先生】パーキンソン病の世界的権威。前世療法とやらをやっている。明美を治療したとか。キリヤに殺されかけた。強いキリヤよりも強かった。ともあれ、今はキリヤは大黒の言うことは聞く。度会に対し《きみはいずれキリヤくんに殺されるよ》と予言した。
【ダイヤ】タカとパインを育てている。女優?
【タカ】バルバラ人の少年。青羽の友人。
【ディジー】ヤギ。
【ドクター】バルバラ人。
【脳内イメージングスキャナー】人の脳内を覗き見ることがてきるらしい。
【パイン】バルバラ人。青羽の友人。
【バルバラ】どこかにある島。瀬戸内海にときおり出没する。住民がふわふわ浮ける。死体は浮けない。子どもが育ちにくい。キリヤは自分の右手をスキャンして作った架空の島だと言った。
【ヒナコ】養子を取るがまた死んでしまった。
【風仁/ふうじん】ライカの従兄。
【マーちゃん】パンケーキを焼いてくれる。ダイヤの姉?
【まだらゾウ】バルバラの守り神らしい。人間嫌い。
【目白】目白サイコクリニック院長。
【目白マシロ】目白の息子。
【百田太郎/ももだ・たろう】なんかの研究員らしい。
【夢先案内人/ガイド】他者の夢に入って夢を分析するみたいな仕事らしい。主に犯罪捜査。レオノール・フィニーの『夢先案内猫』を思い出すネーミング。
【美川/よしかわ】パラサイコの研究をしているらしい。
【ライカ】花園蕾香。キリヤに執着。十二歳からずっと山ノ上にいて不登校中。お局と呼ばれている。
【度会時夫/わたらい・ときお】三年ぶりに日本に帰ってきた青年。甲殻類アレルギー。他者の夢に入れる夢先案内人。スプラッタは苦手。
難しくてついていけなかった
物語の世界観が理解できず、自分には全くついていけませんでした。
登場人物も多く、キャラの書き分けも分かりにくいと感じました。