【感想・ネタバレ】バルバラ異界 2のレビュー

あらすじ

青羽(アオバ)の夢の世界に再び潜ることになった渡会(わたらい)。その夢の中で青羽が幸せに暮らす島“バルバラ”では、永遠の命を手に入れるための奇妙な儀式が行われていた。一方、キリヤの前に現れた青羽の幻影は、かつて豊かな水をたたえていたについて語りはじめるが…。

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Posted by ブクログ

萩尾先生の親子関係は集団的他者と言うか、親は親、子は子で、それぞれが自己を持っていて、親として、子としての自分よりも、一人の人間としての自分が勝っている気がする。

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2014年03月02日

Posted by ブクログ

2004年4月20日初版第1刷発行
2007年1月25日第4刷発行
萩尾望都のSFはレイ・ブラッドベリのような少年ぽい不思議さやロバート・F・ヤングのような懐かしいロマンがあって好きだが、それに加えて取り返しのつかない寂しさと残酷さというか、強烈な喪失感を伴う甘さが感じられて独特の陶酔感を味わえるので中毒になる。

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2013年03月23日

Posted by ブクログ

全4巻。すべて読みましたが、表紙がかわいいアオバちゃんを本棚に並べました。2052年、未来のお話。人の夢に入り、癒すカウンセラー時夫は、義理の息子であるキリヤと、ある凄惨な事件のあと眼を覚まさないアオバという少女の夢がつながっていることを発見する。

萩尾先生が講演会で、「残酷な神が支配する」を書いて、自分のなかで憑き物がとれたみたいにいままでの凝り固まった思いがすべて流れ出て、それから日本を舞台にした作品を書くことができた、というようなことをおっしゃっていたので、手に取った作品。最後まで読むと、とても切ない気持ちになります。なぜかはいえないけれど。アオバちゃんは、聡明で、美しくて、一途な気持ちのある女性。キリヤ君は、ちょっとさびしくて、意地がある、でも揺れている青年。キリヤと時夫が向かい合って食事しているシーン、気まずい空気なのだけど、二人の男性のむずがゆい色っぽさは、さすが萩尾先生。
トーマとはまったくちがうけれど、これもよい作品でした。

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2010年07月18日

Posted by ブクログ

バルバラは、夢の世界?それとも、100年後の未来?

穏やかな世界に見えたバルバラも、なんか、仮面をかぶっているみたいです。

もう、ちゃんとストーリーを追いかけられているのかどうか?

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

ライカがかわいい。マリエンバートの気持ちはとてもよくわかる。まだ彼女の半分くらいの年だけど…子供は別にほしくないけどっていうかもういらないけど、恋のときめきはほしいよね☆

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2009年10月19日

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まだ3巻やちょっとの時点でこのレヴュー書いてますが、こんなにも張り巡らされすぎた複線をどう纏めるのかが楽しみでしょうがない漫画です。完結するのは何年後なんだろうなあ…

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

この物語は、登場人物が多すぎる。人物間の関係が一度読んだだけでは、掴めない。というわけで、第2巻では、章の終わりに人物間の関係が説明してある。
映画、マトリックスでは、現実とサイバースペースの関係を論理的に考えようとすると、納得のいく筋道がつかめるわけもなく、物語の中に入り込めず楽しめなかった。
ルバラ異界でも、現実世界と、キリヤの作り上げた仮想世界に青羽が住み着き、そこに渡会時夫が入り込みタカに引きずられていくうちに、バルバラにいたパインがこちらの世界に来て、キリヤのことをタカだという。現実とバルバラが交錯してきた。
バルバラでは、死者がでると心臓を取り出してみんなで食べる儀式が行われる。死者の心臓を食べると永遠の命が約束されるという。(青羽が、眠りに入り込んだのは、両親を殺して心臓を食べたため、という噂もあるのでそれと関係した儀式なのか)渡会も弔いに参加し、心臓を口にしたら、現実世界の渡会の心臓が停止してしまった。現実世界と仮想世界のはずのバルバラが密接に関係しているというところが、バルバラ異界の新鮮味というところと思うが今後どう展開するか楽しみだ。

●第2巻の内容
若返りの試薬を飲んだ青羽の祖母、十条菜々実は、若返り、若返った姿でマリエンバートと名乗り渡会時夫に近づき愛を告白し、一夜を共にする。若返った菜々実は、渡会の子供を生むというが、試薬の実験者は、卵細胞は、すでに子供を生める状態ではないという。
キリヤは、母親からの電話で、時夫には会うなという。なぜ時夫と結婚したのかと聞くとあなたが出来ちゃったから仕方なくという。生まなきゃよかったのにというと、赤ん坊に罪はないからという。(望まれずに生まれたときかされた子供は、一体どう生きればいいんだ。)父親の時夫は、もっと君に会いに言って君の成長に関わればよかった、後悔しているという。キリヤとしては、ずっと孤独に悩んできたのに、いまさら父親として関わろうとするのが許せない。
時夫は、青羽がキリヤに送ってきたメッセージの意味を探るために、再度、青羽の夢に入り込む。バルバラでは、タカやパインは以前と変わらないが、青羽は成長していた。タカは父親がほしいという。パインは、人工子宮から生まれたので、別に父親は要らないという。タカはバルバラをでて、学校に通いたいという。青羽はここが世界の中心だからここを出たくないという。世界の外では戦争をやっていて、大勢が死んだ。ここでは誰も死なない。雷ジジに聞くと、バルバラの人間も死ぬという。死ぬと遺体を外の世界の人体研究局が引き取り、十条製薬の工場で不老不死の薬にされるという。(なぜ仮想の世界と現実の世界が結びついてしまうのか。)
青羽がキリヤのところに現れ、青羽とキリヤは、かつて、水で満たされた火星の海で、一つの生命体として幸福な日々を送っていたという。地球で再び生まれ変わり、一つの生命体として永遠の命を持つようになる。それが希望であり、来るべき未来であるという。
キリヤが今まで何度も火星の夢を見たのは、火星の記憶が蘇ったからだった。(萩尾望都は火星が好きと見える。「スターレッド」を始めとしてたびたび出てくる)
バルバラで、ヒナコが死んだ。渡会は、ダイヤに連れられてお通夜に出席したら、ヒナコの心臓と浮き袋を取り出しみんなで食べるのだという。(バルバラの住民には浮き袋があって体が空中に浮くらしい。)食べると永遠の命が約束されるのだという。渡会が食べると、現実世界の渡会は、心停止になってしまう。
パインがパリスと名乗って、転校してきて、キリヤのことをタカだという。
時夫は、バルバラの時代を確かめに青羽の夢に入り込んだら、2150年だという。2130年に火星大戦争があり、多くの人が死んだという。
(2004年6月20日・記)

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2012年04月20日

Posted by ブクログ

バルバラとこちらの世界が微妙にリンクしはじめている。翻弄される人びと。

■バルバラについての簡単な単語集

【青羽/あおば】バルバラで暮らしている。よそもの? だからか、浮くのがヘタ。マーちゃんが育ててる。《あたしは バルバラのものだ》第一巻p.25。外部の世界で七年間眠り続けている女性、十条青羽と同じ名前だが?
【アカネとアヤメとアサギ】三姉妹。一見老女だが見た目ほど老いてないらしい。グリーン・ホームで育ったベビー・ダックス引き取るつもりらしい。
【秋葉原コスモス】三十年子役をしているベテラン。
【明美】キリヤの母。伊勢にいる。度会とは離婚しているようだ。
【エズラ・ストラディ】十条奈々実の最初の夫。茶菜はその娘。薬学者だったが後に惑星生物学に研究対象をシフトした。近い未来、人類は火星人と出会うという説を披露した。
【カーラー】マリエンバートについている女性。
【雷ジジ】千里の祖父。青羽を嫌っている。千里の母である娘を失ったせいかヘンクツ。
【キリヤ】北方キリヤ。明美と度会の息子。「お茶の水山ノ上」の生徒で東京にいる。甲殻類アレルギー。神楽を舞っていた。かつて大黒を殺そうとした。火星の夢を見ている。
【光介】花園光介。ライカの従兄。江戸時代同好会に入っていて「ごさる」言葉を使う。
【ジジ】→雷ジジ
【十条青羽/じゅうじょう・あおば】九歳から七年間眠り続けている。母親と父親の心臓を食べたというウワサもある。アレルギー体質だった。
【十条静音/じゅうじょう・しずね】十条奈々実の七歳年上の叔母。エズラ・ストラディの不倫相手。
【十条茶菜/じゅうじょう・ちゃな】→茶菜
【十条菜々実/じゅうじょう・ななみ】十条青羽の祖母。
【植物人間】? 光合成してる。
【世羅ヨハネ】明美が前世では恋人だったと信じている、教会のオルガン弾きで明美より二十歳年上。
【千里】夢占いする。《夢はね 遠い未来か遠い過去からのメッセージなんだ》第一巻p.10。どんどん髪が伸びる。
【大黒先生】パーキンソン病の世界的権威。前世療法とやらをやっている。明美を治療したとか。キリヤに殺されかけた。強いキリヤよりも強かった。ともあれ、今はキリヤは大黒の言うことは聞く。度会に対し《きみはいずれキリヤくんに殺されるよ》と予言した。
【ダイヤ】タカとパインを育てている。女優?
【タカ】バルバラ人の少年。青羽の友人。
【茶菜/ちゃな】十条茶菜。十条青羽の母、奈々実の娘。
【ディジー】ヤギ。
【ドクター】バルバラ人。
【脳内イメージングスキャナー】人の脳内を覗き見ることがてきるらしい。
【パイン】バルバラ人。青羽の友人。成長した姿で外の世界に登場しキリヤのことをタカと呼んだ。
【花園光介/はなぞの・こうすけ】→光介
【バルバラ】どこかにある島。瀬戸内海にときおり出没する。住民がふわふわ浮ける。死体は浮けない。子どもが育ちにくい。キリヤは自分の右手をスキャンして作った架空の島だと言った。ジジによるとバルバラ人は不老不死の薬を作るため外のやつらに閉じ込められていて、死んだらその遺体を十条製薬の人体研究局が回収するらしい。
【ヒナコ】養子を取るがまた死んでしまった。
【風仁/ふうじん】ライカの従兄。
【ベビー・ダックス】外の世界の話。体外受精で生まれた四人の子ども。パイン、タカ、アニー、ミッキー。
【マーちゃん】パンケーキを焼いてくれる。ダイヤの姉?
【マシロ】。目白マシロ。目白の息子。女装クラブ「フェミニンクラブ」に入っている。
【まだらゾウ】→メリージェーン
【目白】目白サイコクリニック院長。
【目白マシロ】→マシロ
【マリエンバート】謎の女性。十条◯◯さんらしい。
【メリージェーン】まだらゾウ。バルバラの守り神らしい。人間嫌い。海岸に棲息。
【百田太郎/ももだ・たろう】なんかの研究員らしい。
【夢先案内人/ガイド】他者の夢に入って夢を分析するみたいな仕事らしい。主に犯罪捜査。レオノール・フィニーの『夢先案内猫』を思い出すネーミング。
【美川/よしかわ】パラサイコの研究をしているらしい。
【ライカ】花園蕾香。キリヤに執着。十二歳からずっと山ノ上にいて不登校中。お局と呼ばれている。
【度会時夫/わたらい・ときお】三年ぶりに日本に帰ってきた青年。甲殻類アレルギー。他者の夢に入れる夢先案内人。スプラッタは苦手。

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2025年04月18日

Posted by ブクログ

火星と地球、未来と現在。なにが夢でなにが現実なのか…
しかしキリヤの母はもうちょっと、見たくもないレベルだけども、時夫も…時夫もなあ…
親ももちろん人間だけども、子どもの前では「親である」という幻想を守らなきゃいけないと思うのだ…。少なくとも「親であろう」としているのであれば。せめて子どもがそっと目をつぶれるくらいの粗でなくては…。
まあ要はデリケートな時期に迂闊なことしちゃいかんよーっていう…。

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2015年10月15日

Posted by ブクログ

全巻所有。一巻は読みながら泣き崩れそうになった。そのうちに置かれながら自らを否定してくる世界と闘いながら「生きる」あるいは「在り続ける」こと、いかにしてそうするかのひとつのモデルとして今後も読み直したい。

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2009年10月04日

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