萩尾望都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みたいものは自分の本棚の中に眠っている…と言う、ずっと持ち続けている本にはなんらかの予兆が隠されているのかもしれない、数年後に読んだ時に心が揺さぶられるよ、と言う…萩尾望都先生は私にとっては私の様な趣味嗜好の人間は読んでなければ、と言う人でもあって、偉大すぎてその良さが解らないままに読んでいた時期が多いんだよ!SFも、萩尾作品だから一応読んでた、と言うくらいで、SFはよく解らないんだよなー、難しくて、とか思って読んでたんだよ。架空のモノはその事象の理屈が解らなければならない、と言う意識が働いて(面倒臭い)ってなるんだよ、人間ドラマの部分だけ読みたいのに、とか…即物的な頭だから(笑)読まねばならない」と言う気持ちが大きかったんだよね、当時。だから『メッシュ』とか『感謝知らずの男』とかが凄く解り易くて、その時の自分が解り易い方を面白いと感じてしまう短絡的な所があったんだよ。色んな面で、私は木原作品に鍛えられて、今まで自分は苦手だと思ってたとこの見方変わった。ファンタジーとか、もう10代の時の擦り込みで苦手だったんだよね、架空の世界のなんでもあり感がずるいと感じていたり、現実離れと現実逃避と考えたりしてたんだよなぁ。SFとファンタジーの区別さえついてなかったんだよね。
今、SF的なサスペンス要素も含まれる人間ドラマが読みたい、と思っていた矢先、自分の本棚の中にあるじゃないか、と引っ張り出して来て今更面白がって読んでいる。夢の中の世界と、その夢の中の自分を生きている眠り続ける少女、他人の夢の中に入り込める夢先案内人の男と、その男の離れ離れだった息子、その息子が現実逃避する自分の世界としてこしらえた島・バルバラ、それが夢見る少女の夢の中の世界の名前、と言う、ミステリ、サイコサスペンス、親子愛などが錯綜し、現実離れした世界も描かれているのに引きこまれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ養父グレッグを、そして母サンドラを殺したという罪の意識
グレッグに犯され続けたという性と暴力のトラウマ
愛し、愛されいたと信じて疑わなかった母の裏切り
これがジェルミという少年の心を縛り、
人を愛することの恐怖を感じるようになる。
このATフィールドをこじ開けようとする義兄弟のイアン。
そして、そのイアンさえも信じいた父グレッグの裏切りを知り、
自分にグレッグの影を見つけ、怯えています。
恐ろしく繊細なテーマを恐ろしく緻密なプロットで描いた傑作。
作中、母サンドラはジェルミによって、心の弱い人と何度も語られてきた。そのサンドラが死ぬ間際の車に乗り込む際に「大切な話がある」と強く告げる。おそらくこれはジェルミとグレッグの関係について以外の何物でもなく、そしてサンドラがヤケドの際に「ジェルミ、おまえと一緒にボストンへ帰る!」と言ったことから考えると、ジェルミが車を弄らずとも、サンドラは自分の意思でジェルミを救っていたのではないかと描き方になっており、そして作中でそのことをジェルミが知りえなかったこともジェルミの不遇さがより際立つ作りになっている。
本当に萩尾先生は天才なのではないかと思う。
確かにテーマや作品を構成する要素が実に重いものであるため、手に取るハードルも高く、読破にエネルギィを要する作品なのは間違いないが、そのハードルを越えてでも読む価値がある。
94点 -
Posted by ブクログ
西暦2999年
世界は静かな消滅にむかっていた。赤く汚染された海、不妊を引き起こすウイルス。人は生殖能力を失い、世界はただ一人の聖母マザと彼女の産んだ数万の息子たちでかたちづくられていると信じられていた。
そのマザを暗殺したグリンジャ。疫病神と恐れられるアシジン。
夢の子供キラ。
彼らが出会い運命が動きだす…
誰の夢で世界はつくられているのか。
子宮は思考するのか。
着眼点がすごい。でもそれが何十もの層になって結末を素敵な終わり方にしている。
これから始まる世界にみな同じ方向を向いて、それぞれの想像力で終焉を迎えられる感じ。
ほぅ。
やはり、
一緒にいたいと思う人と一緒にいれることが一番なのかな。
受け入れる強さと抗う強さ弱さも含めてグリンジャもアシジンも大好きだぁぁ!