萩尾望都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西暦2999年
世界は静かな消滅にむかっていた。赤く汚染された海、不妊を引き起こすウイルス。人は生殖能力を失い、世界はただ一人の聖母マザと彼女の産んだ数万の息子たちでかたちづくられていると信じられていた。
そのマザを暗殺したグリンジャ。疫病神と恐れられるアシジン。
夢の子供キラ。
彼らが出会い運命が動きだす…
誰の夢で世界はつくられているのか。
子宮は思考するのか。
着眼点がすごい。でもそれが何十もの層になって結末を素敵な終わり方にしている。
これから始まる世界にみな同じ方向を向いて、それぞれの想像力で終焉を迎えられる感じ。
ほぅ。
やはり、
一緒にいたいと思う人と一緒にいれることが一番な -
Posted by ブクログ
ネタバレぜーぃぜぃフラバりながら 大変な想いで(笑)読んだ
今までで こんな気持ち悪い想いをしてまで読んだ本はないかも
作品としての「残酷な神が支配する」が気持ち悪いのかと思う人も
いるかもしれないけど そういう意味ではなく こちとらの問題である、
傷があるものにとってはトラウマが反応してしまう感じ
2巻くらいで もうギブアップしかかったけど(コミック17巻 文庫だと10巻です)吐き気をもよおしながら何日もかかり 読み進めた
そこまでして読むか?!分からないけど 読んだ以上
途中で終われなかった
舞台はボストンだし、ただの物語として読むのなら
どうのこうの言えるだろう
でも虐待とい -
Posted by ブクログ
2005年10月20日初版第1刷発行
2007年2月25日第3刷発行
渡会は息子のキリヤを助けようとして、逆に永遠に失ってしまった。行ってしまったキリヤは実の息子ではなく、手元には実の息子が無事に戻ったのに、実はタカだった最初のキリヤを取り戻したいと願った。
ぼくは葛藤が怖くて…
手に入らないものはあきらめよう忘れようと思うようにしてきた
もめごとや苦しみや……
つらいことから逃げて…
いまそのツケを払っているんだ
二度も捨てた息子とようやく真剣に向き合おうと努力した矢先に。
血の繋がりだけではないんだ、という陳腐な感動も、ハッピーエンドにはしてもらえずもどかしさが残る。上手く言えないけど、こ -
Posted by ブクログ
ネタバレドラマ化の際に見て、不思議な作品だと思ったのがきっかけ。書店で見つけて、短編集だったのに驚いた。
母は娘を愛せない。娘の上に、自分の中に存在する、自分の一部でありながら受け入れることのできなかったなにものかを見てしまうからだ。母はそれを無意識の底に沈めて、そんなものなどなかったようなつもりで生きていた。イグアナの姿をした娘は、実は自分自身だということに、母は気づかない。
母‐娘という関係は、世代間で連鎖していく。しかし、娘は母の死に際して、気づくのだ。母とのあいだに穿たれた溝の中にあるものに。
そこに光明がある。
その他「帰ってくる子」も、心に突き刺さる物語でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ萩尾望都の「残酷な神が支配する」全17巻を読んだ
この「残酷な神が支配する」というタイトルは、アイルランド人イェイツの詩から
アルヴァレズという人が「自殺の研究」という本に引用したものである。
それを萩尾氏が読み、タイトルとして10年ほど温めておったとか?
またこの漫画には「春の祭典」というタイトルと、「残酷な神が支配する」と
どちらのタイトルを使うか迷ったとか…(?)
「春の祭典」といえば…
別名「春の虐殺」と言われたあのバレエ組曲のことだろうか…(?)
しかし…萩尾氏は、なんという幅広い分野の本を読んでおるんだ。。。。
ま、だから、彼女の漫画を読むと、頭が腐りそうになるのかもな~(笑