萩尾望都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
☆5.0
コミックス版 全17巻。文庫版 全10巻。
重くて暗くて痛いんだけど、傑作だと思う。
前半は義父に性的虐待を受けるジェルミの葛藤と苦悩が描かれてる。
どんどん転げ落ちるように負の連鎖が。
それもキツいんだけど、後半の性的虐待を受けた子供(&殺人)が、簡単には立ち上がれず男娼になったり薬に頼ったりと苦しむ姿が描かれる。
父を信じていた長男イアンの無理解、イアンが父の本性に気づき苦しむ姿、それからジェルミと一緒に泥沼に沈むように2人で混乱していく姿もまた、とても苦しいのに読んでしまう・・・。
でも、とても繊細で激しくて、面白い(興味深い、かな?)漫画。
イアンとジェルミの物 -
Posted by ブクログ
ネタバレいよいよマージナル最終巻。
作り込まれた世界観に壮大なストーリー、どう畳んでゆく?グリンジャとキラは再会する?地球はどうなる?イワンはいったい何を研究していた?仕掛けだらけ、伏線だらけの本作、すべて納得のゆくところへ収束してゆきます。
最終巻では少しずつ、アチラコチラに散らばっていた登場人物やエピソードが、シティのセンターに集結してくる。そこで、新しいマザ、センターが人工的に作り暗示をかけたマザが、再び民衆の目の前で死ぬ。大混乱の中、テロを企てたアシジンの一派の手により、都市の水を司る7つの塔が爆破され、大洪水が起きる。
シティは滅びるのか?キラはどこにいるのか?
子宮が思考するとは…?
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Posted by ブクログ
「少年の名はジルベール」関連で読みました。少女マンガ界の巨匠2人の確執って、言っていいのかな?それを萩尾氏サイドから語る内容。「よく書いたな、コレ」って思うほど、衝撃的な内容でした。あえて、この内容で出版する、書籍という形に残すっていうのは、相当な覚悟をして臨んだんだろうな、と。
その竹宮惠子との確執というか「大泉サロン」の終焉の顛末とは別に、萩尾氏が両親の反対を押し切って、福岡の大牟田から上京しマンガ家を目指す経緯も語られていて、こちらもすごく興味深かったです。
萩尾氏とにこは、年齢は20歳ほど離れているわけで、にこがマンガを読み始めた頃、1970年代の半ばには、もう第一線で活躍されてい