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アベルと共鳴したアリアドは、ベリンモンの感応演奏者であることを証明した。だがプレイヤーのアリアドと楽器アベルの相性は、なんとなくミスマッチ。しかし本当の障壁はアリアドの心の中に潜んでいた。原始惑星ナイト・メア、その赤い海のほとりを歩くアリアドともうひとりの男…封印された扉の向こうから悲劇の記憶が立ち上がる。未来を夢みる惑星で、いったいなにが起きたのか?
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かったです。 銀河保安員がアリアドに対して、アベルが楽器であることを証明しろと迫るところから始まり、 二人が完全に共鳴できないのはアリアドの過去に封印された部分があるからだ、と続く。 物語としてこうなるのは予定調和というものですが、アベルとして生きたかったアベル(=ベリンモン?)の...続きを読む気持ちを考えると、やっぱり切ないところもあるよね。 この巻はアベルとアリアドの関わりが中心で、焦点がぐっと絞り込まれてて入りやすかった。 それだけに、「えぇ!?ここで終わり!?」と、やたら短く感じたのでした。 ラストシーンの二人の関係は素直にかわいいと思ったんですが。 これから先、二人は宇宙を旅するんでしょうか。コンサートを開くんでしょうか。 アリアドはウジウジしてて暗い奴なのに、音楽のこととなると急に自信満々になる、そのギャップがイイよね。 その逆でアベルは普段ナマイキで活発なのに、音楽のことになると何もわからなくなる、そのギャップがイイよね。 とりあえず、ダッカ博士に演奏聴かせてあげたらいいんじゃないでしょうか。笑
「進化の出口もない 夢も知らないナイトメアの星は どんなふうに こんな二人の足音を 音楽を聞いたのだろう 未来の夢は すこしでも その大地を訪れたのか」
2巻からは完全にSF。宇宙人がたくさんやってくるわけだし。 楽器の意味もだいぶん理解できてくる。それにしても萩尾望都のSF世界にはいつも秩序を正すための大きな組織が必ず出てきて、その存在の絶対感たるや、安心感をあたえてくれるから好きだ。ニキ好き。 アリアドを閉ざした扉の記憶から解放するアベル。 アリ...続きを読むアドの楽器となることを享受しているアベル。 それから、ラストの終わり方! とても可愛かった。 この話は、日本が舞台だし、少年たちと不思議の宇宙と、萩尾望都らしい美男子アリアドと音楽が加わった、壮大なスタンドバイミーみたいな。昔、夢中になって読んだ児童文学みたいな要素を感じた。
2巻目。文庫版で、この巻で完結。 一巻目はまだ不思議な学園生活ものぽかったのに、だんだん話が壮大になってくる。 ある惑星に生息する「楽器」の結晶、自分と共鳴する「楽器」の結晶と出会えれば、世紀の演奏家として宇宙で活躍できる…とか。 宇宙の音大で競ったライバルがいるが、ある試練のために別の惑星に行った...続きを読むところ、恐ろしいことが起こった…がどうやら記録が抹消されて隠されている…とか。 宇宙警察的な人が地球に来て…とか。 どんどん広がっていく話なのだけれど、最後は、「やっぱこいつは俺がいないとダメなんだ…」と逗子の海辺で二人で並んで座って終わる。緩急がいい。話のたたみ方が見事。 でもほんと、一巻の冒頭の、沖縄の歌手とのあの情緒的なお話のくだりはどこ行っちゃったのさ…てっきりメインキャラの一人だと思ったのに…て読み返すたびに毎回思います。あの冒頭以降、沖縄組のキャラクターたちは一人も本編に再登場しない。この方向転換は、意図したものだったのか、成り行き任せに描いていったらそうなっちゃったのか?!萩尾望都にしては珍しいチグハグ巻が味わえる作品です(笑)
ベリンモンを盗んで逃げだしたアリアドを追って、仁木次郎(にき・じろう)と名乗る調査員が地球にやってきます。アリアドは、アベルのなかに入り込んだベリンモンが奏者である自分と共振すると主張します。アベルは否定しますが、共振の事実が明らかになり、やがてアリアドとともに宇宙へ帰ると仲間たちに告げます。 と...続きを読むころが、アリアドとともに無人の惑星へ向かい命を落としたダリダンの妹リリドが地球へとやってきたことで、アリアドの過去の秘密にアベルの目が向けられるようになります。 前巻では、ややストーリーの中心的なテーマが前面に出てくるまで若干の助走があったように感じましたが、後半ではアベルとアリアドの関係がストーリーの中軸に据えられて、緊密な構成になっています。
ヒロインのひとりが体育祭でブルマーを穿いているのを見て、「昔のマンガなのだな」(1989〜91連載)と改めて思う。異国が舞台なら、こういう所感は湧かないのだろう。 宇宙レベルまで広げられた風呂敷が綺麗にクルクルたたまれてゆく。 音楽を絵で表す絶妙の描写力。萩尾望都と同時代に生きる悦び。
2 @ ◇第2巻 ・第 9話 ひとさらい 32p ・第10話 奥秩父の決闘I 32p ・第11話 奥秩父の決闘II 32p ・第12話 美少女 32p ・第13話 ダリダン 32p ・第14話 封印 32p ・第15話 ダリダン殺し? 32p ・第16話 ナイト・メアの夜 32p ・第17話 レ...続きを読むクイエム 40p ・Illust Gallery 8p ・エッセイ―萩尾望都という作家の姿勢:清水玲子(漫画家) 2012年8月初読。 2021年10月再読。 これは独特……。 日常の謎とハイレベルなSFが交互に展開され、なのに話はきちんとつながっている。 すごくシリアスな話になりそうと思いきや、結構コミカルなシーンも挟まれ、どこかほのぼのでもある。 地球人が異星人っぽいのか、異星人が地球人っぽいのか。 うーん腰の辺りが落ち着かない感じがするが、全然不快ではない、むしろ気持ちよく読める。 なんだこの感じ方。
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