萩尾望都のレビュー一覧
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ネタバレ 無料版購入済み
ヘビー
めちゃくちゃヘビーな話です。
軽い気持ちでは読めないです。
それでも読むべき作品だなとは思います。
ジェルミが絡めとられていく様子、病んで、救いを求めてもがく様子がリアルです。 -
Posted by ブクログ
萩尾望都と竹宮惠子。かつて大泉にともに暮らし、別れた二人。竹宮惠子の書いた「少年の名はジルベール」を読んだものの、では萩尾望都から見た別れとは何だったのかのアンサー。
読むとその抑制された情報制御の鋭さに驚く。
過去を思い出して誰かに話すとき、さらにそれが後悔や痛みを伴うとき、自分にとって不利なことは言いたくないし、どうしても「そんなつもりではなかった」と後から振り返った観点をその場の回想の際に口にしがちだ。
当時のことは、日記代わりのクロッキー帳をもとに淡々と記し、後から振り返った謎解きというか、萩尾望都なりの回答を最後にまとめる。創作ですら視点ブレがあるというのに、自分のことを突き放して整理して見せてくる所が凄い。
それから、竹宮惠子との別れ後に、思い出しても辛いし、今後に関わり合うことはないと決めた。過去のことだ。この本を書いたまた忘れる。
それからの「一度きりの大泉の話」といタイトルの秀逸さよ。ミステリか!と言わんばかりの構成力である。
あとがきを読むと、語りおろしのようにも思えるが、膨大なフィルムを編集したノンフィクションのような気もする。
そこに居ると辛い、触れるとつらい。でも、それに情もあるし想い出もあると、なかなか離れづらい。
困難には立ちむかい、障害は乗り越えてこそ成長する。例え誰かに傷を負わされたとしても、その相手が反省し許しを請えばそれを認め、和解することが美しいとされる世の中であると思う。それは正しいのかもしれないけど、つらいはつらい。
でも、自分の身を守るために離れる、考えないと言うことが選択できるし、選択していい。
作品の中では、心に楔をぎりぎりと食い込ませてくる描写の、萩尾望都ですら、己の身を守ることを選択したことは、救いのように思えた。
面白かったと言っていいのかわからないけれど。大きな物語を読んだような気持ち。 -
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20年前の漫画とは思えない
絵も綺麗で内容も面白く、圧倒されました。
20年前に描いた話には思えないです。
バルバラという不思議なタイトルで読まなかったのですが
読んでよかったです。 -
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傑作
優れたSFであるとともにサスペンス性もある傑作。設定を引き継いだ続編はこの本で初めて読んだが、重要なシーン(特に平和使節来訪のあたり)など絵の表現がわかりにくく惜しいと思った。
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名作
永遠の時を生きるバンパネラの少年、エドガー・ポーツネルを主人公とした漫画の第一巻。
ポーの一族
1880年頃、エドガーは両親と妹のメリーベルの4人でロンドンから急速に発展してきた古い港町に妹の療養のためにやってきた。
エドガーはそこで貿易商会の子息であるアラン・トワイライトに出会う。
ケンカしてばかりだが仲良くなったふたり。
亡くなったアランのかつての婚約者ロゼッティにそっくりだったことからメリーベルと親しくなるアランだったがある出来事からエドガーと共にバンパネラとして生きていくことになる。
ポーの村
グレンスミス・ロングバート男爵は鹿と間違えてある少女を撃ってしまった。
その少女の兄である不思議な雰囲気の少年に殺されそうになるも村人に助けられた彼は何も作物もなくバラのスープを食べているという不思議な一族の存在を知る。
グレンスミスの日記
エリザベスは父の死をきっかけに不思議な出来事が記してある日記の存在を知る。
そこに書かれている永遠の時を生きる一族に心を奪われた彼女はその後の人生でも永遠の時を生きるバラの村に思いを馳せる。
すきとおった銀の髪
14歳のチャールズは長いこと空き家だった屋敷にかわいい女の子が越してきた事を知る。
その少女メリーベルと親しくなるが兄が目を光らせている。
そのうち彼女は引っ越してしまうがチャールズの人生にはその後もメリーベルの存在が心を占める。
初老になった彼はメリーベルそっくりの少女を見かけるが……。
名前は知っているものの読んだ事がなかった本作。
時を越えても惹きつけられる名作だと思った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ大傑作「イグアナの娘」は、決して奇蹟のようにポツンと存在を始めた作品ではない、ということが解る一冊。
親子に生じるあれやこれやを、母視点、娘視点、さらに母と子に挟まれた世代視点、きょうだいの存在、男視点、女視点、老若男女なるべく多くの方角から多層的に描き・重ねている。
ピンク・フロイドの「狂気 DARK SIDE OF THE MOON」のジャケ写よりももっと多方面から、ブラックボックスに光を当てて、当て直して、当て直し続けて、毎回どういうプリズムが出るか吟味している、という感じ。
で、たぶん結論としては地味なところに落ち着く。
歳を重ねたからこそ判ることがある・見えるものがある、と。
あるいは萩尾先生にとってもその年齢にならなければ描けなかった作品群なんだろう。
渦中にあってはどうしようもなかった物事に、別の場所で基地作りした後で再度直面する。
ここには時間の流れがある。
親との和解は、渦中においては困難で、時間差で、可能の兆しが見える。
これは年齢差ゆえ仕方ないことだが、往々にして手遅れになりがち。
と「シン・エヴァ」後の身として、平凡なことも恐れずに書いてみる。
■イグアナの娘 50p
私の世代だと菅野美穂主演のテレビドラマのインパクトが強い。
が、原作の凄まじさはまた一層で、コミカルなタッチだからこその恐さが、ちょっと度を越している。
思春期に読んだときは完全に子供の視点で親を見ていたが、今回見てみると、序盤はむしろ母親視点で進むので、少し驚く。
途中で娘視点になり、娘が成長し母になり、後半が前半と対になる形で描かれ……と時間の経過があり、むしろそこが大事なんだな、と。
■帰ってくる子 24p
漫画ならでは、映像ならでは、いや小説でもあるかな、な醍醐味。
それは、ある存在が誰に見えて誰に見合ないのか、という設定。
なんでも初出は井上雅彦監修「チャイルドー異形コレクション7」らしく、あのアンソロジーの中でこれを出すとは、いい仕事をするな! と。
実際私はヒデが心の底から叫ぶ場面で、不覚にもぐっときてしまった。
■カタルシス 40p
この作品を読むあたりで気づいたのが、この本全体として、「ごく普通の人」が描かれているということ。
おそらく萩尾先生が、天才や選ばれし美形を主役にしたら「自分が救われない」から、と決めたんではなかろうか。
ロボットみたいな自分を変えようとし、一歩踏み出し、しかし何もかもが改善したわけではないまま生活が続く、という真理もここには描かれている。
■午後の日射し 50p
一時期の近藤ようこが描いていそうな題材。
ザ・昼ドラ。
■学校へ行くクスリ 40p
コミカルだがまっとうな成長譚・ジュブナイル。
周囲の人物が変に見えるだけでなく話している言葉がバグったよう、という描写が面白い。
また単純に絵柄の話だが、この時期に萩尾先生が描いている少女も可愛いな~、と花だらけのマユミを見て思った。
■友人K 8p
全ページ横一段ブチヌキという実験的なコマ割り。
萩尾作品でこういう人物が視点人物に据えられるのは少し珍しいかも。
◇エッセイ―どこまでも、いく:江國香織(作家) 4p