萩尾望都のレビュー一覧
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購入済み
傑作
優れたSFであるとともにサスペンス性もある傑作。設定を引き継いだ続編はこの本で初めて読んだが、重要なシーン(特に平和使節来訪のあたり)など絵の表現がわかりにくく惜しいと思った。
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ネタバレ 無料版購入済み
名作
永遠の時を生きるバンパネラの少年、エドガー・ポーツネルを主人公とした漫画の第一巻。
ポーの一族
1880年頃、エドガーは両親と妹のメリーベルの4人でロンドンから急速に発展してきた古い港町に妹の療養のためにやってきた。
エドガーはそこで貿易商会の子息であるアラン・トワイライトに出会う。
ケンカしてばかりだが仲良くなったふたり。
亡くなったアランのかつての婚約者ロゼッティにそっくりだったことからメリーベルと親しくなるアランだったがある出来事からエドガーと共にバンパネラとして生きていくことになる。
ポーの村
グレンスミス・ロングバート男爵は鹿と間違えてある少女を撃ってしまった。 -
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ネタバレ■ウは宇宙船のウ 31p
抒情たっぷり。
「ポーの一族」がひと段落し、「百億の昼と千億の夜」で弩級のSFと戦ったあとに、これを原作に選ぶのがいい。
歴史的にはどうかわからないが、最早ブラッドベリ+萩尾の組み合わせが至上と思える。
■泣きさけぶ女の人 22p
これは恐い……読んだ年齢によっては永遠に引きずるかも。
というのも自分しか知らない埋められた女の人を、どれだけ訴えても大人が真面目に取り合ってくれない、その無力感と、実際的な怖さと。
■霧笛 32p
抒情……失われたものへの愛惜……人生……恐竜。
灯台守が、恐竜の内情を想像するところに、人生が重ね合わされて……いい。
■みずうみ 18 -
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ネタバレ大傑作「イグアナの娘」は、決して奇蹟のようにポツンと存在を始めた作品ではない、ということが解る一冊。
親子に生じるあれやこれやを、母視点、娘視点、さらに母と子に挟まれた世代視点、きょうだいの存在、男視点、女視点、老若男女なるべく多くの方角から多層的に描き・重ねている。
ピンク・フロイドの「狂気 DARK SIDE OF THE MOON」のジャケ写よりももっと多方面から、ブラックボックスに光を当てて、当て直して、当て直し続けて、毎回どういうプリズムが出るか吟味している、という感じ。
で、たぶん結論としては地味なところに落ち着く。
歳を重ねたからこそ判ることがある・見えるものがある、と。
あるい -
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ネタバレ最近まとめて萩尾望都短編集を読んでいて感じるのは、一冊の中が統一されていないというか、バラエティがあるというか。
いや萩尾望都は似たテーマや似たモチーフを深化させる人だろうから、発表年が一冊の中でバラバラなので絵柄も語り口も様々に見える、ということなのだろうか。
しかしたとえば「半神」を読んで感銘を受けた入門期の人が、いい意味でも悪い意味でも玉石混淆の本を通読して、どう感じるんだろうか。
と要らぬ想像をしてしまう。
■半神 16p
若いころに衛星放送で野田秀樹が深津絵里主演で舞台化していて、漫画が至高なのに何で、と意地を張って見なかったのを思い出すが、頑なだったなあ。
今回集中的に読んでいて -
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ベリンモンを盗んで逃げだしたアリアドを追って、仁木次郎(にき・じろう)と名乗る調査員が地球にやってきます。アリアドは、アベルのなかに入り込んだベリンモンが奏者である自分と共振すると主張します。アベルは否定しますが、共振の事実が明らかになり、やがてアリアドとともに宇宙へ帰ると仲間たちに告げます。
ところが、アリアドとともに無人の惑星へ向かい命を落としたダリダンの妹リリドが地球へとやってきたことで、アリアドの過去の秘密にアベルの目が向けられるようになります。
前巻では、ややストーリーの中心的なテーマが前面に出てくるまで若干の助走があったように感じましたが、後半ではアベルとアリアドの関係がストー -
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光をうしなったグリンジャは、ふたたび都市をめざします。キラもアシジンのもとから抜け出し、その後センターのメイヤードに身柄を確保されることになります。一方で、地球へやってきたゴー博士は、かつての親友だったイワンが地球でおこなっていた実験についての情報をメイヤードにもたらし、キラがどのようにして生まれたのかが明らかになります。
また、シティの市長の息子であるミカルは、図書でこれまで知らなかった多くの情報に触れることになり、彼らの暮らす世界の仕組みに対する疑問にさいなまれます。
メイヤードのバックに控える「カンパニー」の存在と、彼自身の置かれている立場がすこしずつ見えてきたことで、第一巻よりもは -
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男性ばかりが暮らす世界となった2999年の地球を舞台にしたSF長編作品です。
ただ一人の女性である「聖母」(ホウリ・マザ)が人びとの前にすがたを現わす日に、目もとに青い刺青をもつ青年グリンジャが「都市」(シティ)を訪れ、マザの暗殺計画を実行に移します。都市を抜け出し砂漠を旅する途中で、グリンジャは行き倒れになっていたキラという少年を救います。その後、死にぞこないのアシジンと名乗る青年にキラの身柄を売りわたしたグリンジャでしたが、キラが盗賊にさらわれ、アシジンとともにキラの救出に向かいます。
『スター・レッド』と同様に、特殊な来歴と能力をもつ登場人物がその来歴ゆえに過酷な運命に翻弄されるとい