萩尾望都のレビュー一覧
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つながりは鎖のように、ときに人を救い、ときにきつく肉を締め上げる。人の愛のつながりはタフにできてはいない。
「過剰な愛は少しでも理想や夢と違うことが起きるとき耐えられない」がために、崇高なる愛ほどにピアノ線のようにか細く、間違いを起こせば一瞬にして弾け、肉を裂く。
インスピレーション、啓示、偶然などと、人は何一つ選択を許される訳でもなく、ただ嵐のような出来事へとさらされて言い訳を考えながら進んでいくしか生きる道はない(嵐に逆らうには絶命するほかないのだろうか)。
伝言ゲームのように事実は次々に生まれ変わり、人はそれに嘘や沈黙を交えてはときどき思いだし、薄気味悪くほほえむのだ。
「半分はウソでもつくり話でも 半分はホントさ」。
前意識的に刷り込まれていく事実という名の映画は、ときどき目の前の観客を失い、観客たちは瞼の裏側に別の映画館を見つける。
「バラバラになった」映画の続き。
自らを生贄として生きるジェルミにとって、(彼が頑なに拒み続ける)愛とは赦しなのだろうか。
残酷な神の前から生贄を奪おうとするイアンは、図らずも父グレッグと同じくジェルミを支配し征服しようとする。
逃れるすべのない孤独が、果たしえない約束が、自ら従った罰が、色んな形をした愛が、目に見えない信頼が、幸福の名のもとに私を追いかけてくる。何を見るの。通り過ぎたあれ。何も変えられないあと。
人は自らを裁ききれなくなったとき、神を生む。そして神が自分ではなく他者であるということが、自分に許された唯一の存在証明でもあるのだろう。 -
Posted by ブクログ
「面白ぇぇぇーーーー・・・」と読んでる途中に呟いた本。実話。
この話、あらすじを言うともうネタバレなのであらすじは割愛で。
とにかくアズちゃんとマヒコがかわいい。こういう設定に弱い。
一緒に暮らしたたった三年が、数千年の決意を揺らがせるなんてなあ。
アズちゃんは正体がわかっても「お兄ちゃん」で、そこがものすごく読んでいて安心できるところです。
マヒコはひょいひょい色んなとこに飛び込んで行っちゃう男の子で、でもアズちゃんがついていてくれれば大丈夫だろ、と思える。
これも短編集かと思って、最初の「あぶないアズにいちゃん」を読み終わってこのキャラここで終わりか、勿体ないなあと思って次の話を読み始めた時の嬉しい驚きといったらないぜ。
一冊まるまるアズちゃんとマヒコが楽しめるよ!
それぞれ、「あぶない壇の浦」と「あぶない未来少年」は短編として見てもものすごく完成度が高い。
「あぶない壇の浦」は、タイトルからわかるように源氏を扱ってます。
『頼朝と義経はなぜ兄弟なのに決別してしまったの?』という、日本史好きの人にとっては永遠のテーマ。
私も義経派ですが(東北出身だからなのかな)、義経という人物が歴史から浮いてしまう、というのはとてもわかる。ドロドロした時代だもんな。
ラストシーンは泣けました。頼朝の孤独・・・か・・・・せつねっ
あとマヒコがひょいひょい鎌倉時代に行っちゃうからってドアをとりつけるアズちゃんかわいい。謎の技術すぎる。
義経のことばっかしって拗ねるアズちゃんかわいい。
どんだけキャラ萌えしてるんだって話だろ。馬鹿か。
「あぶない未来少年」は設定がものすごくいい。未来から来た少年ジーンは人類が滅びるカタストロフィを止めにやってきたという。
彼の世界には、彼を除いてはすべてロボットしかいなかったからだ。
しかし未来から彼を連れ戻しにきたロボットによって、ジーンはその世界が何のために作られたものかを教えられ、行く先を選択する。
切なさと希望が同時に溢れてくるような、このラストはまさに秀逸。ジーンとミイがアダムとイブになって、未来の地球がエデンになるのか。すごいぜ。
読んだ後気持ちいいほど面白かった!って言えること間違いなしの一冊。
できればずっと読んでいたかったなあ。読み終わりたくなかったなあ。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かったです。
銀河保安員がアリアドに対して、アベルが楽器であることを証明しろと迫るところから始まり、
二人が完全に共鳴できないのはアリアドの過去に封印された部分があるからだ、と続く。
物語としてこうなるのは予定調和というものですが、アベルとして生きたかったアベル(=ベリンモン?)の気持ちを考えると、やっぱり切ないところもあるよね。
この巻はアベルとアリアドの関わりが中心で、焦点がぐっと絞り込まれてて入りやすかった。
それだけに、「えぇ!?ここで終わり!?」と、やたら短く感じたのでした。
ラストシーンの二人の関係は素直にかわいいと思ったんですが。
これから先、二人は宇宙を旅するんでしょうか。コンサートを開くんでしょうか。
アリアドはウジウジしてて暗い奴なのに、音楽のこととなると急に自信満々になる、そのギャップがイイよね。
その逆でアベルは普段ナマイキで活発なのに、音楽のことになると何もわからなくなる、そのギャップがイイよね。
とりあえず、ダッカ博士に演奏聴かせてあげたらいいんじゃないでしょうか。笑