萩尾望都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母親を殺した父親と旅をする子供の話です。
ひたひたと哀しいお話でした。
オスカーの切実な願いと、諦観と絶望が痛いほどに切ないです。
妻と息子への愛情と、疑惑と罪の意識の狭間でグスタフが追い詰められていく様が、淡々とリアルに描かれています。
またオスカーが聡い子で、薄々とそんな父のことを気付いていて、ずっと不安を抱えていて、それでも愛されたいと必死でしがみついていこうとするのが泣けてきます。
段々と憔悴していくグスタフの姿が、蹲るグスタフの背中を見てると遣り切れない気持ちで一杯になります。
父親のそんな姿を見なきゃいけないのも哀しいことながら、父を最も追い詰めていたのは自分の存在自体だっ