あらすじ
萩尾望都、漫画家生活40周年記念出版。
1970~80年代。
萩尾望都が20代の頃に書いた幻の作品、唯一のエッセイ集。
現在では読むことのできない貴重なエッセイ27本を収録。
イラストも多数掲載。
妹への想い、編集者とのやり取り、少女漫画の世界について、作品の裏話など漫画ファン必携の内容です。萩尾望都の思想の源泉を感じ取れます。
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萩尾望都先生のエッセイ集。
2ページの短いものから、数ページにわたって舞台の話やいろんなテーマの考察が書かれているものも。書かれたのが70年代から80年代にかけてで一見統一性に欠けるけれど、中にはハッとするような話もあって飽きません。
本やバレエ、旅行など何にでも興味を持ち、悩み、楽しんでいるのが伝わってきます。
今まで興味を持たなかったテーマがいくつも収録されているのに、萩尾先生が書いたものなら読みたいと思うほど、漫画だけじゃなく文章にも人を惹きつける何かがある気がする。何度も読み、考えさせられます。
舞台を観るためにパリに飛んだかと思えば、枕に寝っころがって何気ないことを発見したり。遠い存在の人かと思ったら共感できる所があって親近感がわいたり、また遠くなったりして、その感覚が不思議と心地良いのかも。
このエッセイを読んでいると、関心の幅が広がれば広がるほど、その人の深みが増してゆくのかなぁと思ったりします。感性を豊かにすると、思考も豊かに、発想も豊かになるのだろうなぁ。
私も萩尾先生ほどではないけど、いろんなことに興味を持ってまず行動して楽しんで、を心掛けたい。多分、漫画家でなくてもそういうのは大切じゃないかなと思う。
漫画も素晴らしいけど、そのお人柄を見習いたいと思った一冊です。
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この人はどれだけ賢い人なんだろうね。自分の作品を愛し、守るために、きちんと主張ができる人だ。戦う、争うのではなく、目的を達成させるために誠実に力を尽くしている。その姿勢が潔くも美しい。
強いなぁ。そして、他人に対して……どこか諦観しているようなところがあるが、作家特有の客観視のためだろうか。
Posted by ブクログ
萩尾望都先生のエッセイ。面白かったです。『トーマの心臓』の裏話やミステリーの話、アニメの話、映画の話など、やっぱり感性を他分野に広げて吸収しているから素晴らしい作品が描けるのだなぁと思いました。
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「おじさまはアブサント酒がお好み いつも作って差し上げる」
ピカデリー7時のお嬢様が作っていたのはまさかの芋焼酎。。
イメージーー!萩尾さーーん!
笑ってしまった。
台詞は確認してないので違うかも。
人の名前が覚えられないという。でもキャラクターの名前の付け方、いつもぴったりじゃないですか、、と思ったら、やっぱり言葉には敏感なのだ。「サーボ」という名前の、音の響きに恍惚となってしまう敏感さ。小鳥の巣のテオは、やっぱりテオでしかない。脇ながら見逃せない、重要な立ち位置となったのは、名前のおかげだったりするのだろうか。
名は体を表す。
実在の名前でなくたって、トーマスでなく「トーマ」になって本当によかった。「ミノタウルス」と「ミノタウロス」では全然、違うよねえ。
関係あったりなかったりする挿し絵、というか絵のページが嬉しい。
「ミロンのたれ目一族郎党」図に笑った。
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「ポーの一族」以来の萩尾望都ファンなので、萩尾さんのエッセイ集!というだけでとびつきました。
内容は、1976年?1983年にかけての短編エッセイです。著者は20代?30代。今は昔の話題もありますが、バレエを観たり旅行をしたりするのに、そんなところに目がいっているのか。とか。名作 トーマの心臓 の連載にそんな裏話があったのか。とか楽しく読みました。
その後も様々な作品を書かれている方なので、この本の収録作以降のエッセイがあればもっと読んでみたいと思いました。いちばん読みたいのはマンガ作品ですが、そのマンガ作品にまつわる話なども読みたいです。
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筋金入りの萩尾ファンなのに、これは読んでいませんでした。落書き的な挿絵が本当に素敵。エッセイ自体も興味深いけど、書いた時期が異なるので若干統一感に欠ける。できるなら萩尾先生の本業である 漫画でこのエッセイをまとめていただきたかったな~。
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70年代から80年代に書かれた萩尾さんのエッセイ。
ただ思い考え感じたままを文章にしてあって彼女の人柄が感じられます。
それにしても、趣味で海外に公演見に行く関連の内容は、まったくうらやましい限りです。現代能の舞台が面白そうだったなあ。
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萩尾望都氏のたった1つのエッセイ集。先日、私が知っている中で、もっとも文芸的に素晴らしい少女マンガって何だろうと考えていんですけど、結局選んだのが、『トーマの心臓』と『日出処の天子』と『風と木の詩』の3つ。このエッセイでは、その『トーマ』の連載時の苦労、例えば、編集者に「長篇をやろう」と言われて、第1回めの人気がないので「4、5回で終えてください」と掌返しをされたりなどが書かれており面白いです。
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漫画というジャンルでこれほどクオリティの高い作品を出せる人はなかなかいないのではないかと思う。
とても尊敬できる漫画家さんのエッセイ集。
4つ★にしたのは、やはり萩尾さんの作品である漫画の方がすばらしいと思ったから。
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論理的なのに流れるようにふわふわしている文章。
創作ノートのかけらのような。
三島×ベジャール×モー様
の一遍は美しすぎてくらくらする
あいまあいまのイラストがすてき!
モー様ファンなら必携の1冊
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たぶんすごい読書家なんだろうな! と思わせる片鱗が見え隠れ。
あれだけの伽藍のような漫画を描くのだから、当然といえば当然か。
ものすごいノウハウがあるんだろう、それを見てみたい、と思ったが、
作劇方法云々よりも身辺雑記だった。
まあエッセイなのだから当然だが。
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あの絵柄、色遣いに通じるものをいっぱい感じた。この人、なんというか独特の感性の人だ。感性が人の何倍も敏感というか。こういう人だからあの絵がかけるのだねー。ちゃんと萩尾望都の漫画読もう。
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若き日の萩尾 望都のエッセイ。
1980年代のエッセイなので、「ポーの一族」や「トーマの心臓」などの初期の代表作を発表し終わって、「メッシュ」とか、「銀の三角」、バレエのシリーズなんかをかいている時期みたいです。
バレエの話なんかも、けっこうあります。
この人、ものすごい論理的なのに、ときどき、論理的すぎて迷宮に入り込んでいくような感覚があって、おもしろいです。
その人とのちょっとした違い、微妙な違いが、作品を生み出していく力になるのだと思いました。
ヘンな人だ(ほめ言葉です)。
今から30年ほど前にかかれたエッセイです。でも、古くは
Posted by ブクログ
すごく情感豊かで頭の良い方なんだ、というか。語り口からは微かに年代や独特の個性も感じるけど、核の部分がしっかりあるものはいつ読んでも、ぶれない。