萩尾望都のレビュー一覧
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「一角獣種」と呼ばれる、特徴的な髪色をした登場人物たちが主役を務める短編作品6編を収録しています。
表題作「A-A'」は、惑星開発プロジェクトのメンバーだったアデラド・リーが事故で亡くなってしまい、彼女のクローンがあらたなメンバーとしてやってくる話です。アデラドの恋人だったレグ・ボーンは、クローンとなって帰ってきた彼女と打ち解けることができず苦しみますが、しだいに二人の心に変化が生じることになります。
「一角獣種」の登場人物たちはいずれも感情の動きを表面に出すことがすくなく、そうした彼らに戸惑いながら、自分自身の感情に駆られていく周囲の人びととの対照が印象的でした。 -
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両親を事故で亡くした平羅坂真比古(ひらさか・まひこ)と兄の安曇(あずみ)は、二人で暮らしています。ところが、彼らの暮らす家に奇妙な出来事が起こるようになり、神社の神主である坂上という老人から、その家の下に宇宙からやってきた隕石が埋まっていることが語られます。やがて、マヒコの目の前に女の幽霊がすがたを現わすようになり、さらにアズミの意外な正体までもが明らかになっていきます。
ほかに、マヒコが源頼朝と義経のきょうだいをめぐる歴史的事件の場面にタイム・スリップする話や、未来からやってきたジーンという少年を拾う話などが収録されています。
著者の作品は、緊密なストーリー構成をもつものが多いのですが、 -
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仲間たちとともにヨットで海へと出た音羽(おとわ)アベルは、嵐のなかで光る球体を目にして、波にのまれて行方不明となります。
やがて家に帰ってきたアベルは、それまでの記憶をうしない、以前の彼からは理解できないような言動をくり返して、弟のコリンをはじめ周囲の人びとを戸惑わせます。そんな彼らの通う聖シモン学院に、有亜土(ありあど)ディデキャンドという音楽教師が赴任してきます。彼は、自分がエイリアンだと名乗り、アベルの身体のなかに入り込んだ「ベリンモン」という楽器の演奏者であるといいます。自分はアベル以外の何者でもないと反発するアベルは、アリアドに背を向けつづけますが、アベルの不思議な能力によってさま -
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表題作をはじめ短編6作品を収録しています。
「イグアナの娘」は、青島リカと妹のマミの物語です。二人の母親のゆみこには、リカがトカゲのように見えてしまい、彼女に愛情を注ぐことができません。そんな家庭で愛を受けることなくそだったリカは、いつしか人間のなかで一匹のイグアナとして一生をおくることを受け入れるようになっていきます。
ほかに「帰ってくる子」や「カタルシス」など、親子愛のもつれやゆがみをえがいた作品、「午後の日射し」のように夫への愛をうしなってしまった女性を主題とした作品などが収録されています。
「イグアナの娘」や「学校へ行くクスリ」は、登場人物のすがたが変化して見えてしまうという設定 -
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バレエ・ダンサーとして成功することを夢見る青年マリオ・キリコの物語です。
ドミ・ド・リールのオーディションに合格したマリオは、おなじく合格したラエラことラファエラ・ロッティと交際をはじめます。しかし、彼のほんとうの両親をめぐる問題のせいで彼の心の安定はうしなわれ、はじめはめだたなかったもののしだいにその才能を開花させていく同期のディディに対して後れをとっていると感じて、しだいに追いつめられていきます。その結果、彼は何度もラエラに手を挙げてしまい、二人の関係も冷え込んでいきます。
『感謝知らずの男』にも登場したレヴィが本作でも重要な役どころを担っており、そちらを読んだことのある読者にとっては -
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バレエ・ダンサーの青年レヴィを中心に、何人かの登場人物たちによって構成される連作短編集です。
「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。
レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。どちらもたのしんで読むことができました。 -
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バレリーナをめざす五所みどりは、義兄の薫の友人であるガブリエルに招かれて、イギリスのパディントンにあるロシア・バレエの学校が開催するサマー・キャンプに参加します。
おなじく日本からやってきた東蘇芳や、バレエを生み出した西洋文化のなかでそだった同世代の女の子たちに取り巻かれて不安を感じていたみどりでしたが、公演でスピリットの役を引き受けることになります。しかし、みどりの相手役となるサンダーパートナーであったレイチェルが急遽キャンプにやってきたことで、スピリットの役をめぐってみどりと争いになってしまいます。さらにみどりの母である園子のかつての夫であるジョージと出会うことになり、みどりの周辺はます -
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レイ・ブラッドベリの作品をもとにした短編8編を収録しています。
表題作の「ウは宇宙船のウ」と巻末の「宇宙船乗組員」は、SF色の強い作品です。もちろん短編なので、凝った世界設定などに読みどころのある作品ではなく、地上につなぎ留められた人間が広大な宇宙に夢を馳せるロマンティシズムが表現されています。
「泣きさけぶ女の人」や「ぼくの地下室へおいで」は、幻想的な結末が印象的な作品です。こうしたテイストの短編といえば、おなじく「二十四年組」の一人である山岸凉子の得意分野という印象が強いですが、本書の作品は緊迫感が若干控えめな一方、抒情性が強く現われているように感じられます。 -
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表題作「ゴールデンライラック」のほか、「ばらの花びん」「マリーン」を収録しています。
「ゴールデンライラック」は、ヴィーことヴィクトーリアという少女と彼女の家に引き取られてきたビリー・バンの物語です。ヴィクトーリアの父親のスタンレィ氏が死んだことで、彼女たちは働いて生活をすることを余儀なくされます。最初はホテルで働いていたヴィーは、やがてクラブで働きはじめ、スティーブンス男爵と知りあいます。しだいに変わっていくヴィーを身ながら、ビリーは複雑な思いを胸にかかえます。
「ばらの花びん」は、ミシェルという青年と、彼の年上の友人であるマルスラン、そして美しい未亡人のファデットと、ミシェルの姉のセザ -
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姉の持っていた『ポーの一族』を学生時代に読んで、ストーリテリングの巧さに感嘆し、エドガーの行く末に想いを馳せたものだった。
『ポーの一族』の新作が40年ぶりに発表されると聞いて、当時の記憶が思い出されたが、期待半分、不安半分だったので、読むことはしなかった。
そんな時本書が刊行されたので、手に取った。
I章は、もともとイタリアでの日本少女マンガ講義を元にしたもので、著者の視点でのマイルストーン的な作品が紹介されるとともに、自作を素材にテーマやテクニックが語られる。
タイトルは知っているが実際には読んだことのない作品が多くて興味深かった。
II章は、I章を踏まえた上でのインタビ -
無料版購入済み
有名作品
萩尾望都さんは漫画界で超有名な方で、その中でも『ポーの一族』は一度は読んでみた方が良いと思って読んでみました。
正直な感想としては連載当時に読んでいたら、また違うのかなという印象です。 -
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先月のちょうど今頃、池袋の梟書茶房に行ってきました。
タイトルも著者名もブックカバーで伏せられた1231冊の本が並んでいて、訪れた人たちは番号、紹介文そして直感だけを頼りに選んで購入できるカフェです。
それで私の誕生日とおなじ番号だったのがこちら。紹介文を読んでも興味を惹かれたので、買っていざカバーをめくってみたら漫画だったのでびっくりもびっくり!
萩尾望都さんかー、好きな作家さんたちの大好きな一冊としてよく挙げられているのを見るのでもちろんお名前は存じていたけれど、読むのは初めて。
バレエに打ち込むレヴィ、オリバー、サンドラたちまだ10代の少年少女が主人公の短編で、彼らは天賦の才能に恵まれ -
購入済み
圧巻のエドガー
初期のポーの一族のエビソードと繋がる、そして各自の苦悩を縦糸に、エドガーが緯糸として物語が紡がれてゆく。
アランは寝たきりですが。続きが待ち遠しいです。