円城塔のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
プロローグのストーリーをSFという枠で表現した作品?とでも言うのでしょうか。とても面白かったです!のめり込んで2日で読み切ってしまいました。
物語とも言えないような、設定もあってないような、そんな支離滅裂な展開に意味を持たせるもっとも簡単な方法は、取るに足らないラブストーリーにすること。たぶんそんな結論を示してくれた作品だと感じたんですが、正直、全容は理解できていないのでこれで合っているのか自信はないです。
ただ、プロローグとの関係とか、円城塔作品だから何か裏があるはずとか、そういう細かいことを一切気にせずに見ると、ストーリーは面白く、設定もよく練られていて、SFとして非常に魅力的な作品だと思います。キャラクターも印象的ですし。特に朝戸連とアラクネの関係性がとても良いですね。プロローグで、「朝戸だけ別の作品に〜」と触れていましたが、まさかこんな展開とキャラだったとは笑。もっと続きが読みたいと思わせてくれる非常に満足度の高い一冊でした。 -
Posted by ブクログ
伊藤計劃の遺作を円城塔が仕上げた合作!!
あとがきで思わず涙が……。
伊藤計劃が書いたのはどの程度なのだろう。
何にせよ、彼がプロットを書いた作品である以上、たとえ中途半端でもファンは読みたいハズですよね。
後を引き継ぎ仕上げて出版するのはかなり勇気がいる事だと思う。
ーーーーーーーーーー
原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料が残され、『屍者の帝国』は中断された。
(文庫版あとがきより)
ーーーーーーーーーー
原稿用紙30枚程…
プロローグ部分のみと言う事かな。
元々『虐殺器官』や『ハーモニー』との関連付けはなさそうだし、構えずに『合作』を楽しんで読みました。
屍者と言ってもゾンビものではなく、この作品は「歴史改変もの」と言うそうです。
時代背景は、1878〜1881年。
何事にも屍者が必要不可欠な世界。
主人公はジョン・ワトソン。
そう。あの有名な彼。
ワトソン君です(〃´-`〃)
他にも知った名前が目白押し♡
ヴァン・ヘルシング
ウォルシンガム
リットン
カラマーゾフ
ヴィクター・フランケンシュタイン
アイリーン・アドラー
なんかもう遊び心満載でワクワクします♡
屍者技術を開発したヴィクター・フランケンシュタイン。
その全てが記されているという『ヴィクターの手記』を手に入れるため、ウォルシンガム機関の諜報員であるジョン・ワトソンは、助手の屍者フライデーと、フレデリック・バーナビー大尉と共に旅に出る。
ロシア帝国、日本、アメリカ、大英帝国をめぐり、手記と、それを手にしている『ザ・ワン』を追う。
手記の存在が現在の屍者の世界をどう変えていくのか、次々と行手を阻む屍者の群れと支配者たちの存在で徐々に明らかになっていく。
賛否両論あったというアニメも観ました。
やはり内容は少し違いますが、映像がめちゃめちゃ綺麗だったし、アニメはアニメで面白かったです( ˶'ᵕ'˶)♡
何より映像で観ると世界観が分かりやすい。
なので、イメージが少し違うなぁと思ってもそれはそれで脳内で変換すればよいのです(๑¯∇¯๑)
日常で屍者が料理してたり仕事してたり…。
すごい想像力だなぁ…(*´﹃`*)
伊藤計劃のプロフィール見たら、私同じ歳…。
私のような凡才が生きてて彼のような天才が亡くなるなんて……(、._. )、
円城塔さんのあとがき読んでて涙出ました。
続きは読めないにしても、感動した作品はずっと人の心に残ります。
他の作品も読みたい欲が湧いてきます(*´˘`*)♡
やっぱりSFは面白い!!
ミステリ大好きだけど、SFも同じくらい好きだなぁ。
また虐殺器官とハーモニー読みたくなりました♡ -
Posted by ブクログ
面白かったー!円城塔さんの作品で一番読みやすかったです。
この本単体だとストーリーが理解しづらいので評価が難しいんですが、ゴジラ、アーキタイプ、シヴァなど、アニメで早口で説明されて分かりづらかった要素がとても理解しやすくなってるので、アニメを見て少しでも面白いと感じた人は、この小説版も見ると相当満足してできるかと思います。
特に面白かったのが、ゴジラの光線についての補足。なんで輪が展開した後に熱戦を放つんだと疑問に思っていたんですが、特異点という設定を利用した上でのCTCレーザー仮説という説明がとてもうまく、鳥肌立ちました。
そして、やはり出てくるオキシジェン・デストロイヤー。やっぱりこれがないとですよね。妄想が膨らみます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「作家刑事毒島」に作者の名前が出て来たので。
といっても、あとがきによると、
「原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、
A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料」が残され、
伊藤計劃は亡くなり、円城塔が書いたものということだった。
個人的には違和感はなかった。
「歴史改変もの」と言うらしい。
実際の歴史のどこかを変えて展開するストーリー。
その「どこか」は、
フランケンシュタインが作り出した技術が一般化されたということ。
死者を労働力として利用している世界、明治が始まったばかり。
それゆえ、少年や女性は炭鉱の労働から解放され、
戦争は銃を意味をなさず、肉弾戦が有効とされ、
日本刀が最高の武装とされる世界。
パラレルワールドと言った方がしっくりくるかな。
実際の世界とのねじりが起こすめまいに翻弄されたまま、話は進む。
哲学的な内容はついていけなかったが、
大英帝国の大尉、筋肉製の大男が暴れまわるのが楽しかった。
そうそう、自分もフランケンシュタインが
死者から生まれた怪物の名前だと思っていた。
その創造物は生まれた時から青年の姿だった、と書かれているが、
生まれた時から大人とはどんな気持ちなのだろう。 -
Posted by ブクログ
ユンとメイのパートをほぼばっさりと思い切りよく省いて、過去であり今であり未来である(?)そしてシンギュラポイントの具現化である(?)ゴジラとは何ぞやってところをかなりがっつりと描いている。たぶん『Self-Reference Engine』とかなりリンクしてる(巨大知性体ユグドラシルとか特に)。
なので、アニメの謎解きというつもりで読むと、むしろ謎が増える感じだし、わからないものはあいかわらずわからないんだけど、円城塔の宇宙にどっぷり浸る感じがなんかたのしい。
それと、ユンやメイが省かれているわりにおやっさんは生き生きと描かれていておもしろかった(笑)
読むともう一度アニメ見たくなるよね……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文字と全力で遊んでいる小説という印象。一般常識に疎い私は気付くのがだいぶ遅れてしまったが、犬神家のオマージュが出てきたあたりで確信に変わった。作者のギャグセンスがいまいちツボに合わない私としては、ところどころに仕掛けられたボケ・ユーモアを鼻で笑うことしかできなかった。
だが、日本語で使用される文字がデジタルデータとなることで失われる、文字同士のつながりやそれぞれの個性、そして、これは私の勝手な考えなのだが、(本来文字の持つ)創造性についての指摘が後半にあり、この点について大いに学ぶことがあった。
もじとはえでありなにものにもしばられずじゆうないきものであると