円城塔のレビュー一覧

  • コロナ禍日記

    Posted by ブクログ

    コロナ禍をどうやって過ごしたのか。日記にすることで、日常の変化やそれに対する筆者や世間の反応の変遷が見えて面白かった。国や仕事によっての違いも興味深くて、その辺もっと幅広く知りたいと思った。

    苦しかった頃のことをいろいろと思い出して憂鬱な気持ちにもなったけれど、記録として大事な一冊になるでしょう。

    0
    2021年12月07日
  • 文字渦(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ハードSFは、作家の世界に入り込むのが難しいものが多いが、これは最たるものだと思う。難解な翻訳ものを読んでいる錯覚に陥ってくる。理解を超える未知なるものに出会えたことが、震えるほど嬉しくなる。

    0
    2021年11月21日
  • 文字渦(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    謎の「阿字」にまつわる超古代から未来、異宇宙も登場する短編集。と、思っていたら阿字ってあるんですね、検索したらたくさん出てきました。登場するたくさんの漢字たち、どこまでが造字でどこから本当?でも、文庫本だと読めない(見えない)ので電子版で拡大しないと厳しいです。

    0
    2021年11月18日
  • 屍者の帝国

    Posted by ブクログ

    シャーロックホームズと組む前のワトソン君、大英帝国のスパイになり世界一周の冒険活劇です。スチームパンクっぽい歴史改変SFなのですが、登場人物や秘密組織など聞いたことのあるのがたくさん出てきて、他の物語にも繋がっていく感じがおもしろいとことろです。?

    0
    2021年11月18日
  • 屍者の帝国

    Posted by ブクログ

    屍者を蘇生させる技術が普及した世界。
    ワトソン博士は軍人のバーナビーと共に、最初の屍者であるザ・ワンを追い、アフガニスタン、日本、イギリスへと旅をする。
    壮大なSFにして、屍者の本質を追い求める物語。

    0
    2021年08月24日
  • バナナ剥きには最適の日々

    Posted by ブクログ

    「わたし」とは何か? それを数学や物理学のアイディアを手掛かりに詩的に展開してみた。と、おそらくはそんな趣向の短編集。ただその辿り着いたところは、何やら仏教的なテイストがある。SFを純文学に寄せた感じとも言える。このケムに巻かれる感じは悪くない。

    0
    2021年08月04日
  • Self-Reference ENGINE

    Posted by ブクログ

    アニメ『ゴジラS.P』きっかけで本書を手に取った。
    イベントなる時空破壊現象後、巨大知性体らが演算戦を繰り広げる世界。
    非常にバラエティに富んだ22篇もの複雑な短編から構成されているが、解説がめちゃくちゃ丁寧で全篇のあらすじをまとめてくれているため、読後復習になり大助かり。
    『三体』を彷彿とさせるような「Contact」と、何もかもがいい意味でぶっとんでる「Yedo」が好き(「八丁堀の巨大知性体」「サブ知性体ハチ」などのパワーワードw)

    0
    2021年05月23日
  • Self-Reference ENGINE

    Posted by ブクログ

    買ったのは大昔。なんだかめんどくさそうな作家だなーと積んでたんですが、いあー面白かった。
    シンギュラリティ後、いろいろあって次元的にむちゃくちゃになった世界を、ユーモアで包んだ連作集。
    映画化不可能!

    0
    2021年05月16日
  • 文字渦(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    12短編。
    「文字渦」
    「緑字」
    「闘字」
    「梅枝」
    「新字」
    「微字」
    「種字」
    「誤字」
    「天書」
    「金字」
    「幻字」
    「かな」

    ん? 中島敦「文字禍」? いや「もじうず」!?

    あらかじめ、こりゃ歯が立たんだろうと感じたので、まずはネットで感想や評論を漁った。
    あまり読み込まないようにしながら、短編一作ずつ分けて言及しているものを探し、evernoteにコピペ。
    ざっくり感想というか所感を書いている記事、逐語的にあらすじをまとめている記事、丁寧に解説してくれている記事、と分けた。
    各短編を読む前に、記事内検索を駆使して、ざっくり所感を読んだ上で、短編を読んだ後、逐語的あらすじで思い出し

    0
    2021年04月22日
  • 屍者の帝国

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とてもおもしろいけれども2回通しで読んでもまだ理解できてないので主要参考文献の方も読んでからまた読みたい。

    0
    2021年03月15日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    意外にも、アニメシリーズ主要人物のエピソードが挿入されており、アニメファンには嬉しい小説。

    トグサとバトーの扱いはどの作品でもいつも雑というか、便利な存在なんだなーと感じる。
    このシリーズで親近感が湧く主人公は、トグサとバトーの2人なイメージ。

    0
    2020年12月26日
  • 道化師の蝶

    Posted by ブクログ

     SNS上の知人が好きな作家、ということでこの人を知り、どうやら「シュールな」系の作風らしいと興味を持ち、読んでみることにした。
     フランツ・カフカを嚆矢とする「シュール」文学は、日本ではまずは安部公房だが、安部公房の初期の作品はやたらに饒舌でドタバタで、奇想の背後には、現代音楽の作曲家で言うと三善晃さん辺りに近いような「熱い魂」が持続していた。
     その点では、円城塔氏の文章はもっとクールで情動をあまり前面に出さないことからカフカに近い感触だ。どことなくボルヘスのような寓話的な雰囲気も感じるが、もっと「意味が無い」。
     各国のホテルを転々としつつテクストを残していく多言語作家・友幸友幸や、虫取

    0
    2020年12月22日
  • プロローグ

    Posted by ブクログ

    私に円城作品を一読で消化する機能が付いていないため、解釈が誤っていることを前提に述べるなら、自動生成に必要なプログラム群が手足を生やして人格を持ち、コツコツと時給自足で奮闘しています。気になった漢字や用語をメモして調べてWordにまとめたところ、何を読んだのかさっぱり不明な備忘録ができました。円城塔の私小説を読んだはずです(たぶん……)。最後に一言、星川さんカムバック。一番のお気に入りでした。

    0
    2020年12月19日
  • バナナ剥きには最適の日々

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ『Self-Reference ENGINE』よりは分かりやすく、純粋に楽しめた。「バナナ剥きには最適な日々」と「捧ぐ緑」、「Jail Over」が好き。 理屈をごねたり、詭弁か真理かなんなのか分からない哲学的なことを言ってみたり、さっぱり訳わからん、というところもあるけど、美文を連ねたら文学なら円城塔は間違いなく文学だと思う。短編を選んで何回か読み返したい。

    0
    2020年11月15日
  • これはペンです(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    比較的読み易かった。「これはペンです」:叔父の正体はちゃんと分かったし、「良い夜を待ってる」:あらゆることを記憶し忘れないという父の主観を文章にする手法が面白かった。ボルヘス好きなんだろうなぁ

    0
    2020年11月15日
  • プロローグ

    Posted by ブクログ

    私小説…?小説=データ。小説データの奥行きにある世界。『エピローグ』を同時並行で読んでいるが、仮に本書の世界があると仮定し、その中からこちらの現実世界を見ると、やっぱりデータ量が大きすぎて耐えられないのだろうか?相変わらずよく分からないが、文を追っていくのが心地良いという感じだった。

    0
    2020年11月15日
  • Self-Reference ENGINE

    Posted by ブクログ

    円城塔のデビュー作。
    個人的に、彼の作品を読むのは、道化師の蝶に続いて2冊目。

    まず、読み進めるうちに短編集だと感じたが、更に読み進めると前に出てきた登場人物がチラホラ出て…と、章ごとに連関があるのをなんとなく察した。が、深い関係があるわけでもなく…

    一言で言ってしまえば、因果律がめちゃくちゃになってしまった世界線を素直に書いているために、普通の小説の形態を取っていないのだ。
    その掴めなさ、何でも有るし何でも無い感じが非常に新鮮であったし、因果律の崩壊した世界観の描写が非常に技巧的で有ると感じた。

    これを読んでいた同時期に、クリストファー・ノーラン監督の『TENET』が公開されており、あ

    0
    2020年10月27日
  • 道化師の蝶

    Posted by ブクログ

    道化師の蝶は理解が及ばずに感想は書けない。
    松の枝の記については、完全に理解ができたとは思えないが、純粋に自己の中に宿るもう一人の自分という発想が、普段の私の生活に示唆的なものであり、興味深かった。記憶の不確かさ、無意識の存在を少し確かめられた、気がする。

    0
    2020年10月25日
  • これで駄目なら

    Posted by ブクログ

    アメリカの文化なりキリスト教についての知識なりがないため、ニュアンスがわからないところもありつつ、糸井重里氏の「目と心にしみる」と解説の円城塔氏の「声」の概念は読んで腑に落ちる感じがした。
    読む人によって心に残るところは違うだろうが、自分は「私も生まれたばかりだ」という考え方、「これで駄目なら、どうしろって」と物事がうまくいっている時に声に出してみること、の2つ。
    後者は英語のニュアンスを完全には理解できてないが、日本語でこれはこういうことだと書くのも違う気がする。
    ヴォネガットの「声」によってなんとなくわかる気がしていればいいのだと思う。

    0
    2020年04月12日
  • シャッフル航法

    Posted by ブクログ

    やっぱり円城塔は読みにくさを感じるけど、短編ならば心地よい難しさといった感じ。あまりSF染みてない、ファンタジー寄りの作品の方が心を掴まれるかな、個人的には。『犀が通る』とか『(Atlas)3』あたりは読み易くて好みだった。こういう"自己"について問いかけてくる作品をもっと読みたい。

    0
    2020年01月30日