円城塔のレビュー一覧

  • 文字渦(新潮文庫)

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    ネタバレ

     文字と全力で遊んでいる小説という印象。一般常識に疎い私は気付くのがだいぶ遅れてしまったが、犬神家のオマージュが出てきたあたりで確信に変わった。作者のギャグセンスがいまいちツボに合わない私としては、ところどころに仕掛けられたボケ・ユーモアを鼻で笑うことしかできなかった。
     だが、日本語で使用される文字がデジタルデータとなることで失われる、文字同士のつながりやそれぞれの個性、そして、これは私の勝手な考えなのだが、(本来文字の持つ)創造性についての指摘が後半にあり、この点について大いに学ぶことがあった。
     もじとはえでありなにものにもしばられずじゆうないきものであると

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    2022年02月11日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    ――


     もじ、もじもじ。文字どおり「文字は災いの元」、ということでもあるし、文字の渦に呑まれるようで今風に云えば文字沼にどっぷり、ということでもあるし、
     全く当然のように使っている文字に不安を抱かせると云う意味では、確かに禍、テロルである。

     言語学SFミステリ、とでも云いますか…言語学と云うよりはもっと本当に身近な、漢字ミステリ? なんだろガンプラ好きすぎてオリジナルのMSV作ってる、っていうのとやってることは変わらないんだけどそう云っちゃうのもなんだかなぁ(笑 



     読みやすい、ってー言葉はそろそろ褒め言葉にならないのかもしれないけれど、実際のところどんな内容も読みやすく書ける

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    2022年02月01日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ネタバレ

    表題作は“叔父は文学だ。文字通り。”の書き出しで、抗う間もなく円城塔ワールドに放り込まれる。大学生の姪が、叔父と不思議な手紙のやり取りをしているのだが、途中、この叔父は本当に存在しているのかと疑いたくなった。同時収録の『良い夜を待っている』は、息子が語る父の人生。記憶の宮殿ならぬ記憶の巨大都市。読んでいると、記憶能力以上に、忘却能力の偉大さを思い知らされた。(再読本)

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    2022年01月04日
  • コロナ禍日記

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    コロナ禍をどうやって過ごしたのか。日記にすることで、日常の変化やそれに対する筆者や世間の反応の変遷が見えて面白かった。国や仕事によっての違いも興味深くて、その辺もっと幅広く知りたいと思った。

    苦しかった頃のことをいろいろと思い出して憂鬱な気持ちにもなったけれど、記録として大事な一冊になるでしょう。

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    2021年12月07日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    ハードSFは、作家の世界に入り込むのが難しいものが多いが、これは最たるものだと思う。難解な翻訳ものを読んでいる錯覚に陥ってくる。理解を超える未知なるものに出会えたことが、震えるほど嬉しくなる。

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    2021年11月21日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    謎の「阿字」にまつわる超古代から未来、異宇宙も登場する短編集。と、思っていたら阿字ってあるんですね、検索したらたくさん出てきました。登場するたくさんの漢字たち、どこまでが造字でどこから本当?でも、文庫本だと読めない(見えない)ので電子版で拡大しないと厳しいです。

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    2021年11月18日
  • 屍者の帝国

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    シャーロックホームズと組む前のワトソン君、大英帝国のスパイになり世界一周の冒険活劇です。スチームパンクっぽい歴史改変SFなのですが、登場人物や秘密組織など聞いたことのあるのがたくさん出てきて、他の物語にも繋がっていく感じがおもしろいとことろです。?

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    2021年11月18日
  • 屍者の帝国

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    屍者を蘇生させる技術が普及した世界。
    ワトソン博士は軍人のバーナビーと共に、最初の屍者であるザ・ワンを追い、アフガニスタン、日本、イギリスへと旅をする。
    壮大なSFにして、屍者の本質を追い求める物語。

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    2021年08月24日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    「わたし」とは何か? それを数学や物理学のアイディアを手掛かりに詩的に展開してみた。と、おそらくはそんな趣向の短編集。ただその辿り着いたところは、何やら仏教的なテイストがある。SFを純文学に寄せた感じとも言える。このケムに巻かれる感じは悪くない。

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    2021年08月04日
  • Self-Reference ENGINE

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    アニメ『ゴジラS.P』きっかけで本書を手に取った。
    イベントなる時空破壊現象後、巨大知性体らが演算戦を繰り広げる世界。
    非常にバラエティに富んだ22篇もの複雑な短編から構成されているが、解説がめちゃくちゃ丁寧で全篇のあらすじをまとめてくれているため、読後復習になり大助かり。
    『三体』を彷彿とさせるような「Contact」と、何もかもがいい意味でぶっとんでる「Yedo」が好き(「八丁堀の巨大知性体」「サブ知性体ハチ」などのパワーワードw)

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    2021年05月23日
  • Self-Reference ENGINE

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    買ったのは大昔。なんだかめんどくさそうな作家だなーと積んでたんですが、いあー面白かった。
    シンギュラリティ後、いろいろあって次元的にむちゃくちゃになった世界を、ユーモアで包んだ連作集。
    映画化不可能!

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    2021年05月16日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    ネタバレ

    12短編。
    「文字渦」
    「緑字」
    「闘字」
    「梅枝」
    「新字」
    「微字」
    「種字」
    「誤字」
    「天書」
    「金字」
    「幻字」
    「かな」

    ん? 中島敦「文字禍」? いや「もじうず」!?

    あらかじめ、こりゃ歯が立たんだろうと感じたので、まずはネットで感想や評論を漁った。
    あまり読み込まないようにしながら、短編一作ずつ分けて言及しているものを探し、evernoteにコピペ。
    ざっくり感想というか所感を書いている記事、逐語的にあらすじをまとめている記事、丁寧に解説してくれている記事、と分けた。
    各短編を読む前に、記事内検索を駆使して、ざっくり所感を読んだ上で、短編を読んだ後、逐語的あらすじで思い出し

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    2021年04月22日
  • 屍者の帝国

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    ネタバレ

    とてもおもしろいけれども2回通しで読んでもまだ理解できてないので主要参考文献の方も読んでからまた読みたい。

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    2021年03月15日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    意外にも、アニメシリーズ主要人物のエピソードが挿入されており、アニメファンには嬉しい小説。

    トグサとバトーの扱いはどの作品でもいつも雑というか、便利な存在なんだなーと感じる。
    このシリーズで親近感が湧く主人公は、トグサとバトーの2人なイメージ。

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    2020年12月26日
  • 道化師の蝶

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     SNS上の知人が好きな作家、ということでこの人を知り、どうやら「シュールな」系の作風らしいと興味を持ち、読んでみることにした。
     フランツ・カフカを嚆矢とする「シュール」文学は、日本ではまずは安部公房だが、安部公房の初期の作品はやたらに饒舌でドタバタで、奇想の背後には、現代音楽の作曲家で言うと三善晃さん辺りに近いような「熱い魂」が持続していた。
     その点では、円城塔氏の文章はもっとクールで情動をあまり前面に出さないことからカフカに近い感触だ。どことなくボルヘスのような寓話的な雰囲気も感じるが、もっと「意味が無い」。
     各国のホテルを転々としつつテクストを残していく多言語作家・友幸友幸や、虫取

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    2020年12月22日
  • プロローグ

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    私に円城作品を一読で消化する機能が付いていないため、解釈が誤っていることを前提に述べるなら、自動生成に必要なプログラム群が手足を生やして人格を持ち、コツコツと時給自足で奮闘しています。気になった漢字や用語をメモして調べてWordにまとめたところ、何を読んだのかさっぱり不明な備忘録ができました。円城塔の私小説を読んだはずです(たぶん……)。最後に一言、星川さんカムバック。一番のお気に入りでした。

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    2020年12月19日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    初めて読んだ『Self-Reference ENGINE』よりは分かりやすく、純粋に楽しめた。「バナナ剥きには最適な日々」と「捧ぐ緑」、「Jail Over」が好き。 理屈をごねたり、詭弁か真理かなんなのか分からない哲学的なことを言ってみたり、さっぱり訳わからん、というところもあるけど、美文を連ねたら文学なら円城塔は間違いなく文学だと思う。短編を選んで何回か読み返したい。

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    2020年11月15日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    比較的読み易かった。「これはペンです」:叔父の正体はちゃんと分かったし、「良い夜を待ってる」:あらゆることを記憶し忘れないという父の主観を文章にする手法が面白かった。ボルヘス好きなんだろうなぁ

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    2020年11月15日
  • プロローグ

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    私小説…?小説=データ。小説データの奥行きにある世界。『エピローグ』を同時並行で読んでいるが、仮に本書の世界があると仮定し、その中からこちらの現実世界を見ると、やっぱりデータ量が大きすぎて耐えられないのだろうか?相変わらずよく分からないが、文を追っていくのが心地良いという感じだった。

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    2020年11月15日
  • Self-Reference ENGINE

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    円城塔のデビュー作。
    個人的に、彼の作品を読むのは、道化師の蝶に続いて2冊目。

    まず、読み進めるうちに短編集だと感じたが、更に読み進めると前に出てきた登場人物がチラホラ出て…と、章ごとに連関があるのをなんとなく察した。が、深い関係があるわけでもなく…

    一言で言ってしまえば、因果律がめちゃくちゃになってしまった世界線を素直に書いているために、普通の小説の形態を取っていないのだ。
    その掴めなさ、何でも有るし何でも無い感じが非常に新鮮であったし、因果律の崩壊した世界観の描写が非常に技巧的で有ると感じた。

    これを読んでいた同時期に、クリストファー・ノーラン監督の『TENET』が公開されており、あ

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    2020年10月27日