あらすじ
屍者化の技術が全世界に拡散した19世紀末、英国秘密諜報員ジョン・H・ワトソンの冒険がいま始まる。天才・伊藤計劃の未完の絶筆を盟友・円城塔が完成させた超話題作。日本SF大賞特別賞、星雲賞受賞。
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Posted by ブクログ
伊藤計劃のsfは何故こんなに魅せられてしまうのか。
結局伊藤計劃はメタルギアを除けば三作品しか残していないが、残りはハーモニーのみとなってしまった。
虐殺器官でも同様だったが、言葉と身体性、人間性を伊藤計劃は意識しているように感じられる。
言葉に対する伊藤計劃の思い入れはひとしおだったのではないかと思った。
Posted by ブクログ
アニメ映画が公開されたとき、友人に誘われて観に行ったのが『屍者の帝国』との出会いだった。出演声優のファンであった友人も、もちろん私も、作者も作品も詳しく知らないまま鑑賞。にもかかわらず、舞台設定とそのストーリー運びに一気に夢中になった。
これは原作にあたらねばならぬーーと原作を入手。2時間でまとめられた映画とはやはり違う部分があるが、この世界観はやはりゾクゾクする。改めて読んでもその印象は変わらない。
屍者技術の発展と19世紀末の歴史的な出来事がさも当然のように織りこまれ、「屍者がすぐそこにいる」リアリティに現実と虚構の境目が曖昧にさせられる。視点者としてのワトソンというキャラクターも滋味深い。振り回されつつも世界を一周したにも関わらず、その華々しい経験さえも事件の受け止めによって霞む。結果ひたすらに運命に流され続けるだけで結末へと辿り着くのだが、それも「ワトソン」という物語装置の為せる業なのだろうか。キャラクター名から筋道がたっていたとおりに、エピローグでホームズの世界へとつながっていくのは気持ちが良かった。
差し挟まれる引用に、不勉強なのが不甲斐ない気持ち。解像度を上げて再読するとまた見え方が違ってくる気がする。
ザ・ワンの語る意識の姿、ワトソンと同じように混乱しつつも圧倒されて読み込んだ。意識と魂の存在に思考を巡らせながら進んだ先に、ずっと記録していただけのフライデーの独白が待ち構える。「ありがとう」で締め括られるところは、後書きで語られる伊藤計劃氏の姿と重なってとても印象に残るのだった。
Posted by ブクログ
おい。読み終わるのに2ヶ月以上かかったぞ。
最初に読み始めたのから考えれば二年以上かかったことになるぞ。
めっちゃめちゃに難しかったわ!何回も同じ箇所読み直したりしながらゆっっっくり読み進めてようやく結末を見届ける事ができました。映画を先に見てたから、「フライデーーーーー!!!!」ってなるシーンをずっっと楽しみにしてたけど最後まで無くて「フライデーーーー!?!?!?」ってなりました。
霊素マジック
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どうせ円城塔風味になってるんだろうと思って読んでみると、意外にも伊藤計劃に作風を寄せていると感じた。少なくともSelf-Reference ENGINEよりはわかりやすい。とはいえやはり円城塔の作品ではある。そもそも円城塔の長編というのが初めてだったので、こんな小説も書けるのかと驚いた。内容は文句なしの面白さ。伊藤計劃版が読んでみたかったが、こちらも傑作といえると思う。
Posted by ブクログ
いつ果てるとも知れない意識ばかりが先になって、ひとは生を実感できているのだろうか。無意識をいいことに、生のなんたるかなどは置き去りにして。
この物語を読んでいるあいだに出会した思いがけない事実がある。太陽は宇宙空間を秒速230キロメートルで、天の川銀河の周回軌道に乗り移動し続けているというのだ。一周するのに2億年という時をかけて。
太陽系の惑星たちも、太陽の移動に付随して、飛びまくっている。ぼくらの大地も、当然のごとく。ぼくらは、まったく意識をしないけれど。
ひとは、ひとの一生を至上のものと信じて揺らがない。それはそれで、ひとつの真理だろう。疑念の余地もないけれど、本音を漏らせば、いささか小さい。でも仕方がない。
ひとには、ひとの大きさがある。時間がある。重さがあって、軽さがある。何より無意識なのだ。
無邪気で愛らしい“無意識”のもとでなら、今日もしあわせな一日だろう。
よみがえり、とは言えない。屍者のそれは。
技術の乱用で、嫌悪感があった。
“フライデー”の“声”を聞くまでは。
表出しないだけで、屍者ですら“ひと”だった。
Posted by ブクログ
医学生が主人公で各地を旅することに
その世界は・・・屍者たちがいる世界
労働に使われたり戦闘に使われたりの
実際の歴史を改変しての物語のようですが
死者が屍者として生きているのがなんとも
いずれそんな世界がやってくるのだろうか?
Posted by ブクログ
屍体を蘇生させて操る技術が発達した歴史ifストーリー
以下、公式のあらすじ
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屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける──。伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
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屍体を蘇生させて簡単な命令をする技術が発達し、屍者が労働力として社会の一旦を担うようになった十九世紀後期
諜報機関にスカウトされた医学生ジョン・ワトソンの冒険譚
伊藤計劃の遺作となった原稿用紙三十枚ほどの未完の遺稿と設定を元に、円城塔が書き上げた作品
伊藤計劃は「虐殺器官」と「ハーモニー」は既読
円城塔の小説は未読なので、円城塔の要素がどの程度影響を及ぼしているのか私には判断できない
でも、設定そのものは伊藤計劃っぽさを感じる
これは、哲学的ゾンビについての話なのかもしれないと思った
魂とは何なのか?
人間だけに与えられたものなのか?
という疑問
作中ではその魂と言われるものの正体が明かされている
まぁ、まったくありえない話ではない
実際に、他の生物の行動を操作する寄生生物がいるわけだし
両者にとってメリットがあるならそんな共生関係(寄生か?)も成り立つでしょうね
ただ、その説を裏付ける証拠が示されていない
それすらもブラフの可能性もあるわけで
真実は結局わからないかなー
話の本筋とは関係ないけど
オタクはリットン調査団という言葉の響きが好きw
Posted by ブクログ
伊藤計劃の『虐殺器官』をちょっと前に読んで面白かったので購入。
実際伊藤計劃が書いたのはプロローグだけらしいので、結末や根幹の設定含めて円城塔の作品と言った方がいいっぽい。
中盤けっこう読みづらかったけど、全体的な世界観はかなり好き。
クライマックスシーンは映像映えしそうだな、、と思ったので映画化してると知ってうれしかった
円城塔の他の作品も読みたいなと思った
Posted by ブクログ
読む「バイオハザード」って感じですんごい引き込まれた。屍者に霊素ってもの入れて資源(人的な意味で)にできるとかいうトンデモ19世紀だった。会いに行った先の屍者の帝国の王カラマーゾフは死ぬし、ヴィクターの手記と初めの屍者ザ・ワンを追いかけて世界をめぐる。
日本の浜離宮(大里化学)でのアクションシーンがマジでかっこいい。山澤カッコよすぎ。
にしても、、、Xの正体は驚いた。まさかそれを持ってくる発想はなかった。
Posted by ブクログ
伊藤計劃の遺作を円城塔が仕上げた合作!!
あとがきで思わず涙が……。
伊藤計劃が書いたのはどの程度なのだろう。
何にせよ、彼がプロットを書いた作品である以上、たとえ中途半端でもファンは読みたいハズですよね。
後を引き継ぎ仕上げて出版するのはかなり勇気がいる事だと思う。
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原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料が残され、『屍者の帝国』は中断された。
(文庫版あとがきより)
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原稿用紙30枚程…
プロローグ部分のみと言う事かな。
元々『虐殺器官』や『ハーモニー』との関連付けはなさそうだし、構えずに『合作』を楽しんで読みました。
屍者と言ってもゾンビものではなく、この作品は「歴史改変もの」と言うそうです。
時代背景は、1878〜1881年。
何事にも屍者が必要不可欠な世界。
主人公はジョン・ワトソン。
そう。あの有名な彼。
ワトソン君です(〃´-`〃)
他にも知った名前が目白押し♡
ヴァン・ヘルシング
ウォルシンガム
リットン
カラマーゾフ
ヴィクター・フランケンシュタイン
アイリーン・アドラー
なんかもう遊び心満載でワクワクします♡
屍者技術を開発したヴィクター・フランケンシュタイン。
その全てが記されているという『ヴィクターの手記』を手に入れるため、ウォルシンガム機関の諜報員であるジョン・ワトソンは、助手の屍者フライデーと、フレデリック・バーナビー大尉と共に旅に出る。
ロシア帝国、日本、アメリカ、大英帝国をめぐり、手記と、それを手にしている『ザ・ワン』を追う。
手記の存在が現在の屍者の世界をどう変えていくのか、次々と行手を阻む屍者の群れと支配者たちの存在で徐々に明らかになっていく。
賛否両論あったというアニメも観ました。
やはり内容は少し違いますが、映像がめちゃめちゃ綺麗だったし、アニメはアニメで面白かったです( ˶'ᵕ'˶)♡
何より映像で観ると世界観が分かりやすい。
なので、イメージが少し違うなぁと思ってもそれはそれで脳内で変換すればよいのです(๑¯∇¯๑)
日常で屍者が料理してたり仕事してたり…。
すごい想像力だなぁ…(*´﹃`*)
伊藤計劃のプロフィール見たら、私同じ歳…。
私のような凡才が生きてて彼のような天才が亡くなるなんて……(、._. )、
円城塔さんのあとがき読んでて涙出ました。
続きは読めないにしても、感動した作品はずっと人の心に残ります。
他の作品も読みたい欲が湧いてきます(*´˘`*)♡
やっぱりSFは面白い!!
ミステリ大好きだけど、SFも同じくらい好きだなぁ。
また虐殺器官とハーモニー読みたくなりました♡
Posted by ブクログ
「作家刑事毒島」に作者の名前が出て来たので。
といっても、あとがきによると、
「原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、
A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料」が残され、
伊藤計劃は亡くなり、円城塔が書いたものということだった。
個人的には違和感はなかった。
「歴史改変もの」と言うらしい。
実際の歴史のどこかを変えて展開するストーリー。
その「どこか」は、
フランケンシュタインが作り出した技術が一般化されたということ。
死者を労働力として利用している世界、明治が始まったばかり。
それゆえ、少年や女性は炭鉱の労働から解放され、
戦争は銃を意味をなさず、肉弾戦が有効とされ、
日本刀が最高の武装とされる世界。
パラレルワールドと言った方がしっくりくるかな。
実際の世界とのねじりが起こすめまいに翻弄されたまま、話は進む。
哲学的な内容はついていけなかったが、
大英帝国の大尉、筋肉製の大男が暴れまわるのが楽しかった。
そうそう、自分もフランケンシュタインが
死者から生まれた怪物の名前だと思っていた。
その創造物は生まれた時から青年の姿だった、と書かれているが、
生まれた時から大人とはどんな気持ちなのだろう。
Posted by ブクログ
シャーロックホームズと組む前のワトソン君、大英帝国のスパイになり世界一周の冒険活劇です。スチームパンクっぽい歴史改変SFなのですが、登場人物や秘密組織など聞いたことのあるのがたくさん出てきて、他の物語にも繋がっていく感じがおもしろいとことろです。?
Posted by ブクログ
屍者を蘇生させる技術が普及した世界。
ワトソン博士は軍人のバーナビーと共に、最初の屍者であるザ・ワンを追い、アフガニスタン、日本、イギリスへと旅をする。
壮大なSFにして、屍者の本質を追い求める物語。
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面白かった。終わり方は好き。ただ、読みにくいし、わかりにくい。「虐殺器官」と「ハーモニー」に比べて、余計なものが多くかんじる。もしかしたら必要な部分なのかもしれないけど、読み取りにくく、話もだるくかんじた。書き手が変わり、文が自分に合わなかったのかも。途中途中で、虐殺器官やハーモニーに繋がるような部分があったのが良かった。
Posted by ブクログ
映画化の影響で読み始めたのだけれど、読み終わるまでに結構かかった。もともと読むのは早く無いしたくさん読む方でも無いですが、それにしても初めて聞く単語や設定が多く、特に後半、それらを飲み込むのに時間を要しました。
ただ全体としては感情をほとんど持ち込まなない淡々とした文章や(その中で感情を感じる文章には惹き込まれました)、練られた内容、用意された答え、クライマックスの疾走感と楽しんで読むことが出来たと思います。おもしろかった。
Posted by ブクログ
2014/11/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2023/12/19〜12/23
3年半ぶりの伊藤作品は早逝した伊藤計劃氏の第3長編で、亡くなったため中断してしまった作品を円城塔氏が完成させたもの。
屍者を生み出し、活用した社会を通じて、現代の人間社会を風刺的に描くSF。ホームズの相棒ワトソン博士や、チャールズ・ダーウィンなど有名なキャラクターや人物も登場。
Posted by ブクログ
とある人物が世間のしがらみから逃れて、再生技術を用いた屍者の軍隊を束ねて、中央アジア奥地で独自の王国を作る……そんな伝聞を確認する任務のために、主人公ワトソンはアフガニスタンへ向かう。
その様子は、小説「闇の奥」または映画「地獄の黙示録」を彷彿させる。
その後、新型の屍者の謎を追い、明治初期の日本、南北戦争ののち勢いづくアメリカへ。
時代は19世紀、設定は“屍者の行動再生技術”のあるSF設定。
死者と生者の違い
屍者と生者の違い
死者と屍者の違い
科学は時に混沌を産み出す。
人物名が「カラマーゾフ」「フランケンシュタイン博士」「ヴァン・ヘルシング」「ナイチンゲール」「レッド・バトラー」などなど、ちょっと捻って登場する。
こうしたSF小説の読み方として、本来は書いてあることを“直感的”にイメージして取り込んでいくことで、本来の物語を楽しむことができる。
ところが、どうしても文字や文章を“理論的”に咀嚼しようとしてしまい、ひどく疲れた。
歳をとったということか……
Posted by ブクログ
伊藤計劃と円城塔の合作。合作とはいっても遺されていたのは30ページ程のプロローグと設定等のメモだけで、続きというよりは本人もあとがきで語っている通り、遺されたものを元に円城塔が作り上げた作品という感じ。そこまではわかっていたし、十分面白かったけど、それでも…と考えさせてしまう伊藤計劃の名前の大きさ。「言葉」というものについて考えるという点で、『自生の夢』の解説をきっかけに読んでみたのだけど、この点については飛浩隆が凄すぎる。とはいえ創作物と実際と歴史の登場人物が織り混ざった改変歴史ものとしてはなかなか楽しかった。
Posted by ブクログ
初読。わかってない部分もたぶん多いが、『フランケンシュタイン』の後日談としても『ホームズ』のワトソンの前日譚としても歴史改変ものとしてもおもしろかった。ロボット三原則もちょっと出てきて、いろいろな知識があれば、もっといろいろ楽しめそう。
もう少し若いときに読んでたらめちゃくちゃはまってただろうなと思った。
Posted by ブクログ
伊藤計劃という夭折した作家の。
芥川賞作家の円城搭が筆を引き継ぎ。
時代設定独特の暗さと雰囲気が伝わってくる。でもなんだかよくわからなかった。というのが感想。割と歴史上の実在・仮想の人物の固有名詞が踊り、理解の混乱を助けているところがまた、独特かもしれない。なんとなくこんなものかなという感じの作品だが、もう一度読みたくなるかもしれないとも思います。
Posted by ブクログ
むずかしい…!!
ザ・ワンの口上述べ述べシーンあたりが辛うじて意識を保っておもしろく読めた気がするけれど他は文章と展開についていくのに必死でなんとか読み終えたという感じ…。
ひとえにわたしの知識不足です、、
もっと色んな本を読んだり今の段階ではまだ知らないことをこれから知ったりしていって、またいつか再読したいです。
Posted by ブクログ
世界観とか設定とかアニメが気になって読んでみたけど、まぁ難しい……!
アニメ見てなかったら全く理解できなかった。
小説というよりはアニメのシナリオらしいので、補完として見ました。読みましたというより見ました、って感じ。
世界観とかキャラクターは好き。
Posted by ブクログ
『虐殺器官』の言葉による社会の崩壊,『ハーモニー』の意識の喪失という2つのテーマを合わせたような作品.歴史改変モノの一種で,所々に実在の歴史上の人物が登場する.十分に複雑な文字列はすべての可能性をはらむなど,円城塔らしいエッセンスも盛り込まれている.
Posted by ブクログ
読むの時間かかる〜
言葉が私には難しいかった…本の横にスマホを待機させ…Wikipediaで調べながら…
いわゆるスチームパンク小説。
パスティース小説でもあるので、あちこちの引用されてるんやけど、教養なくて…^^;
屍者が、いっぱい出てくる世界(屍者蘇生技術が普及)で、主人公のお供も屍者(o_o)
魂のない屍者とは?
意識とは?魂とは?ってのを考えさせられる。まぁ、分かったのは、重さが21gって事か(ーー;)
もう一回読まんと実体が分からん気がする…それもじっくりと。
Posted by ブクログ
謙虚な人たちが考える屍者の世界は、
躍動感と戦争と理論に溢れかえっていて困る。
(以下抜粋)
○原理はあくまで単純だが、自然は入り組む。(P.112)
○進化論はあらゆる事柄に適用できる議論ではない。骨があくまで白いのは白さが種の存続に有利だったからではなく、骨の強度に白さがたまたま伴っていただけにすぎない。白さは強度に随伴しただけだ。(P.164)
○ニュートンの力学やウォレスの進化論は確かに偉大な業績だが、彼らが早死にしていたとして、他の誰かがいつか気づいたことだろう。誰にでも理解できる理屈は、誰にでも発送することが原理的には可能な以上、ザ・ワンは単に時間を早回ししているにすぎないことも確かなのだ。(P.342)
Posted by ブクログ
死人を生き返らせるフランケンシュタインの技術が実用化された歴史改変もの。007や吸血鬼、カラマーゾフの兄弟などの様々なオマージュが仕込んであって教養が試される。全ては分からなかったものの、ネットで解説を漁ると新たな発見があってまた楽しかった。買ってよかった本。魂とは意識とは、ここに在る「わたし」は本当にわたしなのか。伊藤劇のテーマを見事に書き繋いだなあ。円城塔のあとがきもクールでかっこよかった。
伊藤計劃原案、円城塔著
こちらの小説は伊藤計劃さんの書かれた物語ではないですが、小説としては前作の「虐殺器官」「ハーモニー」よりエンターテイメント性があります。伊藤計劃さんが書かれていたらどんな物語になっていたのか•••2つの作品が素晴らしいだけに悔やまれます。しかし、ご本人が1番悔しかったと思いますし、円城塔さんも大変な思いをして書かれたと思います。