【感想・ネタバレ】屍者の帝国のレビュー

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Posted by ブクログ

伊藤計劃のsfは何故こんなに魅せられてしまうのか。
結局伊藤計劃はメタルギアを除けば三作品しか残していないが、残りはハーモニーのみとなってしまった。

虐殺器官でも同様だったが、言葉と身体性、人間性を伊藤計劃は意識しているように感じられる。
言葉に対する伊藤計劃の思い入れはひとしおだったのではないかと思った。

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2024年04月22日

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アニメ映画が公開されたとき、友人に誘われて観に行ったのが『屍者の帝国』との出会いだった。出演声優のファンであった友人も、もちろん私も、作者も作品も詳しく知らないまま鑑賞。にもかかわらず、舞台設定とそのストーリー運びに一気に夢中になった。
これは原作にあたらねばならぬーーと原作を入手。2時間でまとめられた映画とはやはり違う部分があるが、この世界観はやはりゾクゾクする。改めて読んでもその印象は変わらない。
屍者技術の発展と19世紀末の歴史的な出来事がさも当然のように織りこまれ、「屍者がすぐそこにいる」リアリティに現実と虚構の境目が曖昧にさせられる。視点者としてのワトソンというキャラクターも滋味深い。振り回されつつも世界を一周したにも関わらず、その華々しい経験さえも事件の受け止めによって霞む。結果ひたすらに運命に流され続けるだけで結末へと辿り着くのだが、それも「ワトソン」という物語装置の為せる業なのだろうか。キャラクター名から筋道がたっていたとおりに、エピローグでホームズの世界へとつながっていくのは気持ちが良かった。
差し挟まれる引用に、不勉強なのが不甲斐ない気持ち。解像度を上げて再読するとまた見え方が違ってくる気がする。
ザ・ワンの語る意識の姿、ワトソンと同じように混乱しつつも圧倒されて読み込んだ。意識と魂の存在に思考を巡らせながら進んだ先に、ずっと記録していただけのフライデーの独白が待ち構える。「ありがとう」で締め括られるところは、後書きで語られる伊藤計劃氏の姿と重なってとても印象に残るのだった。

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2022年11月06日

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おい。読み終わるのに2ヶ月以上かかったぞ。
最初に読み始めたのから考えれば二年以上かかったことになるぞ。
めっちゃめちゃに難しかったわ!何回も同じ箇所読み直したりしながらゆっっっくり読み進めてようやく結末を見届ける事ができました。映画を先に見てたから、「フライデーーーーー!!!!」ってなるシーンをずっっと楽しみにしてたけど最後まで無くて「フライデーーーー!?!?!?」ってなりました。
霊素マジック

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2021年09月05日

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どうせ円城塔風味になってるんだろうと思って読んでみると、意外にも伊藤計劃に作風を寄せていると感じた。少なくともSelf-Reference ENGINEよりはわかりやすい。とはいえやはり円城塔の作品ではある。そもそも円城塔の長編というのが初めてだったので、こんな小説も書けるのかと驚いた。内容は文句なしの面白さ。伊藤計劃版が読んでみたかったが、こちらも傑作といえると思う。

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2021年04月11日

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伊藤計劃の『虐殺器官』をちょっと前に読んで面白かったので購入。
実際伊藤計劃が書いたのはプロローグだけらしいので、結末や根幹の設定含めて円城塔の作品と言った方がいいっぽい。
中盤けっこう読みづらかったけど、全体的な世界観はかなり好き。
クライマックスシーンは映像映えしそうだな、、と思ったので映画化してると知ってうれしかった
円城塔の他の作品も読みたいなと思った

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2023年07月12日

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読む「バイオハザード」って感じですんごい引き込まれた。屍者に霊素ってもの入れて資源(人的な意味で)にできるとかいうトンデモ19世紀だった。会いに行った先の屍者の帝国の王カラマーゾフは死ぬし、ヴィクターの手記と初めの屍者ザ・ワンを追いかけて世界をめぐる。

日本の浜離宮(大里化学)でのアクションシーンがマジでかっこいい。山澤カッコよすぎ。

にしても、、、Xの正体は驚いた。まさかそれを持ってくる発想はなかった。

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2023年07月08日

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伊藤計劃の遺作を円城塔が仕上げた合作!!
あとがきで思わず涙が……。


伊藤計劃が書いたのはどの程度なのだろう。
何にせよ、彼がプロットを書いた作品である以上、たとえ中途半端でもファンは読みたいハズですよね。

後を引き継ぎ仕上げて出版するのはかなり勇気がいる事だと思う。

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原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料が残され、『屍者の帝国』は中断された。
(文庫版あとがきより)

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原稿用紙30枚程…
プロローグ部分のみと言う事かな。

元々『虐殺器官』や『ハーモニー』との関連付けはなさそうだし、構えずに『合作』を楽しんで読みました。


屍者と言ってもゾンビものではなく、この作品は「歴史改変もの」と言うそうです。

時代背景は、1878〜1881年。
何事にも屍者が必要不可欠な世界。

主人公はジョン・ワトソン。
そう。あの有名な彼。
ワトソン君です(〃´-`〃)

他にも知った名前が目白押し♡

ヴァン・ヘルシング
ウォルシンガム
リットン
カラマーゾフ
ヴィクター・フランケンシュタイン
アイリーン・アドラー

なんかもう遊び心満載でワクワクします♡

屍者技術を開発したヴィクター・フランケンシュタイン。
その全てが記されているという『ヴィクターの手記』を手に入れるため、ウォルシンガム機関の諜報員であるジョン・ワトソンは、助手の屍者フライデーと、フレデリック・バーナビー大尉と共に旅に出る。

ロシア帝国、日本、アメリカ、大英帝国をめぐり、手記と、それを手にしている『ザ・ワン』を追う。

手記の存在が現在の屍者の世界をどう変えていくのか、次々と行手を阻む屍者の群れと支配者たちの存在で徐々に明らかになっていく。

賛否両論あったというアニメも観ました。

やはり内容は少し違いますが、映像がめちゃめちゃ綺麗だったし、アニメはアニメで面白かったです( ˶'ᵕ'˶)♡
何より映像で観ると世界観が分かりやすい。
なので、イメージが少し違うなぁと思ってもそれはそれで脳内で変換すればよいのです(๑¯∇¯๑)

日常で屍者が料理してたり仕事してたり…。
すごい想像力だなぁ…(*´﹃`*)

伊藤計劃のプロフィール見たら、私同じ歳…。
私のような凡才が生きてて彼のような天才が亡くなるなんて……(、._. )、
円城塔さんのあとがき読んでて涙出ました。

続きは読めないにしても、感動した作品はずっと人の心に残ります。
他の作品も読みたい欲が湧いてきます(*´˘`*)♡

やっぱりSFは面白い!!
ミステリ大好きだけど、SFも同じくらい好きだなぁ。
また虐殺器官とハーモニー読みたくなりました♡

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2022年11月09日

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ネタバレ

「作家刑事毒島」に作者の名前が出て来たので。

といっても、あとがきによると、
「原稿用紙にして三十枚ほどの試し書きと、
A4用紙一枚ほどの企画用プロット、集めはじめた資料」が残され、
伊藤計劃は亡くなり、円城塔が書いたものということだった。
個人的には違和感はなかった。

「歴史改変もの」と言うらしい。
実際の歴史のどこかを変えて展開するストーリー。
その「どこか」は、
フランケンシュタインが作り出した技術が一般化されたということ。
死者を労働力として利用している世界、明治が始まったばかり。
それゆえ、少年や女性は炭鉱の労働から解放され、
戦争は銃を意味をなさず、肉弾戦が有効とされ、
日本刀が最高の武装とされる世界。

パラレルワールドと言った方がしっくりくるかな。
実際の世界とのねじりが起こすめまいに翻弄されたまま、話は進む。
哲学的な内容はついていけなかったが、
大英帝国の大尉、筋肉製の大男が暴れまわるのが楽しかった。

そうそう、自分もフランケンシュタインが
死者から生まれた怪物の名前だと思っていた。
その創造物は生まれた時から青年の姿だった、と書かれているが、
生まれた時から大人とはどんな気持ちなのだろう。

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2022年09月03日

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シャーロックホームズと組む前のワトソン君、大英帝国のスパイになり世界一周の冒険活劇です。スチームパンクっぽい歴史改変SFなのですが、登場人物や秘密組織など聞いたことのあるのがたくさん出てきて、他の物語にも繋がっていく感じがおもしろいとことろです。?

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2021年11月18日

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屍者を蘇生させる技術が普及した世界。
ワトソン博士は軍人のバーナビーと共に、最初の屍者であるザ・ワンを追い、アフガニスタン、日本、イギリスへと旅をする。
壮大なSFにして、屍者の本質を追い求める物語。

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2021年08月24日

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ネタバレ

とてもおもしろいけれども2回通しで読んでもまだ理解できてないので主要参考文献の方も読んでからまた読みたい。

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2021年03月15日

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ネタバレ

ところどころ難しくて挫折しかけたけれど読み終わって振り返るととても面白かったような気がする…特に後半の怒涛のラストスパートが圧巻だった。読み終わってもまだ疑問が残るがそれもまた面白くて良いのかもしれない


整理&疑問

菌株は人間の意識の正体であり、人間の脳と共生している。人間の意識は、菌株の活動によって形成される。菌株の中にも複数の意識がある。大きく分けて二種類。

拡大派→屍者化の受け入れ
保守派→屍者化に反対、撲滅を望む

人間の意識は、菌株の敵対する複数の意思のせめぎ合いにより生まれる多様さからなる。

これらは本当??

ザ・ワンの本当の目的は花嫁?花嫁が復活したなら他の死者は?
ワトソンの頭に埋め込まれたものとは?
ハダリーは何者?ハダリーもワトソンと同様石(バベル)を埋め込まれた?
バベルを埋め込まれた→以前と異なる意識、以前とは異なるXに支配された別の人間になる?(ハダリー(アドラー)は昔のワトソンとは別種の言葉つまりXで構成された意識を持っていたと書かれている)
フライデーは魂(自分の意識)を手に入れた?それはバベルの影響?屍者の意識にバベルが入り込んだ?

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2020年04月03日

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面白かった
円城氏の色が出てる感じがした
伊藤計劃の世界観とはまた違った感じがした

個人的には伊藤計劃のあの世界観の方が好き
もう読めないのが悔やまれる

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2020年02月29日

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三作品目。
ただのSFではなく、歴史改編ものというべきか、死者が普通に歩いている世界で、なんというか、別の形でIT化が早期に進んでいる感じ。
不気味の谷がロボット以外に使われるとは…
壮大なエンタテインメントだが、意識とは、生命とは何かと、そういう問いかけが続く。
私にもわからないが、バーナビーの「性交渉により感染する致死性の病」という表現は好きだった。

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2019年11月15日

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ネタバレ

フライデーは意識…魂を得るんだよね?いつ?いつなの?
それだけが見たくてなんとか読み終えた。
話の流れはわかったけど、たぶん、肝心なところが理解できていない。

けど、
ワトソンの「言葉」によって意思を得たフライデー
というのが答え。ということでいいのかな…

エピローグの「ありがとう」からのあとがきでグッときた。

このはなし自体がフライデーの手記であり、ワトソンはその時点で物語になった。ということ?

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2019年08月24日

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映画化の影響で読み始めたのだけれど、読み終わるまでに結構かかった。もともと読むのは早く無いしたくさん読む方でも無いですが、それにしても初めて聞く単語や設定が多く、特に後半、それらを飲み込むのに時間を要しました。
ただ全体としては感情をほとんど持ち込まなない淡々とした文章や(その中で感情を感じる文章には惹き込まれました)、練られた内容、用意された答え、クライマックスの疾走感と楽しんで読むことが出来たと思います。おもしろかった。

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2023年12月24日

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ネタバレ

2014/11/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2023/12/19〜12/23

3年半ぶりの伊藤作品は早逝した伊藤計劃氏の第3長編で、亡くなったため中断してしまった作品を円城塔氏が完成させたもの。
屍者を生み出し、活用した社会を通じて、現代の人間社会を風刺的に描くSF。ホームズの相棒ワトソン博士や、チャールズ・ダーウィンなど有名なキャラクターや人物も登場。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

初読。わかってない部分もたぶん多いが、『フランケンシュタイン』の後日談としても『ホームズ』のワトソンの前日譚としても歴史改変ものとしてもおもしろかった。ロボット三原則もちょっと出てきて、いろいろな知識があれば、もっといろいろ楽しめそう。
もう少し若いときに読んでたらめちゃくちゃはまってただろうなと思った。

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

伊藤計劃という夭折した作家の。
芥川賞作家の円城搭が筆を引き継ぎ。
時代設定独特の暗さと雰囲気が伝わってくる。でもなんだかよくわからなかった。というのが感想。割と歴史上の実在・仮想の人物の固有名詞が踊り、理解の混乱を助けているところがまた、独特かもしれない。なんとなくこんなものかなという感じの作品だが、もう一度読みたくなるかもしれないとも思います。

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

むずかしい…!!
ザ・ワンの口上述べ述べシーンあたりが辛うじて意識を保っておもしろく読めた気がするけれど他は文章と展開についていくのに必死でなんとか読み終えたという感じ…。
ひとえにわたしの知識不足です、、
もっと色んな本を読んだり今の段階ではまだ知らないことをこれから知ったりしていって、またいつか再読したいです。

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2022年08月12日

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内容がとても難しかった。
何度か諦めようと思ったけど、なんだかんだ手にとって読んでを繰り返して、今日読み終えた!!!

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2022年07月03日

Posted by ブクログ

世界観とか設定とかアニメが気になって読んでみたけど、まぁ難しい……!
アニメ見てなかったら全く理解できなかった。
小説というよりはアニメのシナリオらしいので、補完として見ました。読みましたというより見ました、って感じ。
世界観とかキャラクターは好き。

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2022年02月07日

Posted by ブクログ

『虐殺器官』の言葉による社会の崩壊,『ハーモニー』の意識の喪失という2つのテーマを合わせたような作品.歴史改変モノの一種で,所々に実在の歴史上の人物が登場する.十分に複雑な文字列はすべての可能性をはらむなど,円城塔らしいエッセンスも盛り込まれている.

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2021年03月17日

Posted by ブクログ

読むの時間かかる〜
言葉が私には難しいかった…本の横にスマホを待機させ…Wikipediaで調べながら…
いわゆるスチームパンク小説。
パスティース小説でもあるので、あちこちの引用されてるんやけど、教養なくて…^^;
屍者が、いっぱい出てくる世界(屍者蘇生技術が普及)で、主人公のお供も屍者(o_o)
魂のない屍者とは?
意識とは?魂とは?ってのを考えさせられる。まぁ、分かったのは、重さが21gって事か(ーー;)
もう一回読まんと実体が分からん気がする…それもじっくりと。

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2021年01月03日

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謙虚な人たちが考える屍者の世界は、
躍動感と戦争と理論に溢れかえっていて困る。

(以下抜粋)
○原理はあくまで単純だが、自然は入り組む。(P.112)
○進化論はあらゆる事柄に適用できる議論ではない。骨があくまで白いのは白さが種の存続に有利だったからではなく、骨の強度に白さがたまたま伴っていただけにすぎない。白さは強度に随伴しただけだ。(P.164)
○ニュートンの力学やウォレスの進化論は確かに偉大な業績だが、彼らが早死にしていたとして、他の誰かがいつか気づいたことだろう。誰にでも理解できる理屈は、誰にでも発送することが原理的には可能な以上、ザ・ワンは単に時間を早回ししているにすぎないことも確かなのだ。(P.342)

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2020年12月27日

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死人を生き返らせるフランケンシュタインの技術が実用化された歴史改変もの。007や吸血鬼、カラマーゾフの兄弟などの様々なオマージュが仕込んであって教養が試される。全ては分からなかったものの、ネットで解説を漁ると新たな発見があってまた楽しかった。買ってよかった本。魂とは意識とは、ここに在る「わたし」は本当にわたしなのか。伊藤劇のテーマを見事に書き繋いだなあ。円城塔のあとがきもクールでかっこよかった。

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2020年11月15日

Posted by ブクログ

SFは、苦手だ。
やっぱり、小難しい。
けれど、引き込まれていった。
理解し難いところはあったけれども、この世界観は好きだ。

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2020年08月01日

購入済み

伊藤計劃原案、円城塔著

こちらの小説は伊藤計劃さんの書かれた物語ではないですが、小説としては前作の「虐殺器官」「ハーモニー」よりエンターテイメント性があります。伊藤計劃さんが書かれていたらどんな物語になっていたのか•••2つの作品が素晴らしいだけに悔やまれます。しかし、ご本人が1番悔しかったと思いますし、円城塔さんも大変な思いをして書かれたと思います。

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2020年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしたちは個別に物語を保持し、自分の意思と信じるものに従って行動している。意思を信じるとさえ感じる必要がないほどに。科学は確かに「何故」を問うことはないわけだが、わたしたちは屍者とは異なる。わたしたちは物質的な現象だが、同時に意味を上書きしながら生きている。ほんの二十一グラムほどの魂が、そんな上書き機能を担う。物語による意味づけを拒絶したなら、わたしたちは屍者と変わるところがなくなるだろう。

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2020年03月08日

Posted by ブクログ

総じて面白かった。ただ一読して自分が把握できた範囲でもシャーロックホームズ、フランケンシュタイン、カラマーゾフの兄弟など、多くの「古典」を下敷きにしており、この辺の好みは人によって分かれるかもしれない。テーマの割にはテンポもそれほど早くなく、落ち着いて読めたのは良かった。
アニメ版は尺の関係上いくつかのシーンをカットしており、イマイチではあったが、それは別の話。ただアクションについてはやはり映像の方がわかりやすい。

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2019年10月06日

Posted by ブクログ



2009年に逝去した伊藤計劃氏。
『虐殺器官』『ハーモニー』に次ぐ一冊。手掛ける途中にあの世へ旅立ち、円城塔氏が引き継いだ。

屍者復活技術が用いられ、労働力として死者を活用する。歴史改変ものにカテゴリされるSF作品。
ただ、題材が屍者だけに、キリスト教義やイスラム教義と宗教的、哲学的要素が多分に溢れる。
イデア論の講義でも受けてるようでした。

人は生前と死後直後では重さが21g軽くなる、と。
魂の重さはつまり21g.

ただ、この屍者のワードをAIに変えるとあながち...怖い一冊でした。

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2019年08月20日

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