あらすじ
ジョークが笑えるのは何故か、人々は何故孤独なのか。
男が本当に欲しいのは何か、何故「情熱的に行動する人々」が人生を価値あるものにするのか。
芸術家がすべきこと、音楽の慰め。
自分のルーツの大切さ、何故言論の自由やその他多くの自由を守らなければならないのか。
ヴォネガットは若い聴衆に向けて、そういったことを語り明かします。
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カート・ヴォネガットの、卒業式での祝辞等の講演集。
円城塔の翻訳が意外にはまっている+思った以上にあたたかみのある祝辞が多くて驚く。
「これで駄目なら」はいつか言いたいセリフだ。
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『人生の目的は、愛すべき人を愛すること。自分の人生をコントロール出来ていないと感じていてもだ。』
『素晴らしき地球ーーどうにかすることできたはずだ。でも僕らはケチで怠け者だった。』
地球の部分を自分の生命と置き換えて考えてしまいました。
自分に対してケチで怠け者な態度はいけないですね。
どうにか出来る時間はまだあるはずです。
さてこのこの本はカート・ヴォネガットのスピーチの記録です。
大学の卒業式や講演会などですね。何の気なしに読んだんですが、
ラスト131ページの言葉読んで涙腺崩壊!!!
糸井重里さんのコピーに同感。
『ヴォネガットは目とこころにしみる。』
目にしみすぎちゃて、しみすぎちゃって、まいります。
ラスト1ページだけでも
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アメリカの文化なりキリスト教についての知識なりがないため、ニュアンスがわからないところもありつつ、糸井重里氏の「目と心にしみる」と解説の円城塔氏の「声」の概念は読んで腑に落ちる感じがした。
読む人によって心に残るところは違うだろうが、自分は「私も生まれたばかりだ」という考え方、「これで駄目なら、どうしろって」と物事がうまくいっている時に声に出してみること、の2つ。
後者は英語のニュアンスを完全には理解できてないが、日本語でこれはこういうことだと書くのも違う気がする。
ヴォネガットの「声」によってなんとなくわかる気がしていればいいのだと思う。
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綺麗事でもなく、卑下するでもなくまともな先人の声という感じだろうか、適度な期待を含む激励のようなもの。卒業式に行われた講演らしい内容といえる。これからの人にも、なにか区切りを向かえる人にも響く内容だと思う。
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彼は「芸術家の社会的機能は、人々が以前にも増して人生を好きになるようにすることだ」と書いている。たとえばと訊かれて、「ビートルズがやったことだね」と答えた。
ミルクよりクリームが高価なわけを知っているかね? 聴衆:いいえ。 牛はちっちゃいボトルにまたがるのが嫌だからさ。
本を読むことをやめてはいけない。本はいいものだ──ちょうどいい感じの重さがある。指先でやさしくページをめくるときのためらい。わたしたちの脳の大部分は手が触れているものが自分にとっていいものなのか悪いものなのかを見定めるのに使われている。どんなちっちゃな脳でも、本はいいものだとわかるんだ。
彼は他にもおそらく正しいことを語った。ブルースは抑鬱を家から掃き出してくれるんじゃなく、部屋の隅に追いやってくれる。
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面白かった! カート・ヴォネガットの大学での講演集。
最初はちょっとわかりづらいな…と感じたのだけど、だんだん何を言わんとしているかがわかってきて、そうするとものすごく面白くてのめり込んでしまい、電車にカバンを忘れて下車……
という悲しい事件まで発生したいわくつきの本。
いろいろなことが語られているけど(別の大学で同じことが語られる)、日常のささやかなことを愛して生きるということに尽きるのかなと思った。
カートのある叔父は、男は戦争に行ってこそ一人前という考えだったが、ある叔父は人生がうまくいっているとき――木陰でレモネードを飲んでいるようなとき――、「これで駄目ならどうしろって?」と言うような人だった。
カートは、卒業生たちにもそう口に出して思い出すようにしよう、と語りかける。
これ以上幸せなことってある?(ないよね?)ってことだよねきっと。
音楽についてのくだりも面白かったな。これ(↓)。
わたしはシュトラウスとモーツァルトや何やかやが好きだ。だが、素晴らしく貴重な賜物について語るのを忘れるわけにはいかない。アフリカ系アメリカ人は奴隷の境遇に置かれていた頃から全世界にそれをもたらしてくれていた。ブルースのことだ。現在の全てのポップミュージック、ジャズ、スウィング、ビバップ、エルビス・プレスリー、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ロックンロール、ヒップホップなどなどがブルースに由来するのだ。
わたしがいつどこで、ブルースが世界への贈り物だと気づいたと思う? わたしがこれまで聞いた中で最良のリズムアンドブルース・バンドは、フィンランドからの男三人、女の子一人のバンドで、ポーランドのクラクフで演奏していた。
素晴らしい書き手の一人、アルバート・マレーは、色んなものと同様にジャズの歴史の専門家でもあって、この国に奴隷制があった頃――わたしたちが決して償いきれない暴虐だが――奴隷の持ち主の自殺率は、奴隷たち自身の自殺率よりも高かったと教えてくれた。アル・マレーはこれを、奴隷たちは、白人の主人たちは知らない、抑鬱とつきあう方法を持っていたからだと考えていると教えてくれた。ブルースがあったんだ。
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こんなに簡単に人の心の重要な部分に入ってこられる人がいるのかという思い。
この人のいいおじさんはにっこり笑顔で手を振りながらやってきて、気が付けば誰もが肩を組んでいる。
こんなに明快に人生の道しるべを示す人をはじめて見たし、人生についての警句をこんなにすんなりと受け入れられたのもはじめてだった。
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「これで駄目なら、どうしろって?」
読み終えて最高の気分になる本。卒業式講演なんて字面だけで眠たくなるのに、こんなに愉快でジョークを飛ばす、そして熱い心を持ったおじさん(?)が喋るのならいくらでも聴いていられる。かもしれない。
世の中は暗いニュースで満ちていて、この先も明るくはなさそう。散々に苦渋をなめてきたヴォネガットがそれでも、人に親切にしなさい、幸せになることを諦めるな、と語ってくれる。その根拠はシンプル、それが大切なことだからだ。大切なことは大切にしなさい。何より自分を大切に。小細工のなさが心に響く。
これで駄目なら、ほんとうにどうしろって言うのか。
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カートヴォネガットのタイタンの妖女が好きで、彼が学生にどんな言葉を語ったのか知りたくて読みました。彼らしい、皮肉のこもった例えやジョーク。でも、愛と親しみと知性が彼にはある。
いくつかの演説で繰り返し投げかけるのは、自分の世界を広げて、未来の可能性を感じ、生きる指針を与えてくれた先生はいるか(個人的意訳です)?ということ。手を上げさせて、その先生の名前と、何を教わったかを伝えるように話す。それがいかに貴重な体験なのかを教えてくれる。
それから叔父さんの話で、何でもない日に木陰でレモネードを飲みながら、これでダメならどうしろと?と言う。それは、何気ない幸せを感じ取ることの大切さを表している。普通の日々に感謝する。ガンジーの映画を見た後だから、余計にこの言葉が刺さる。そう、特別なことがなくたって、普通の毎日があることが幸せなんだ。
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ヴォネガットの大学卒業生にむけた講演集。
そこまで面白い内容ではありませんが、有名作家が卒業式に来て、これからの人生への励ましの言葉を述べてくれたら、やっぱり印象深いでしょうね。そんな場面でシニカルなことばかり言っておられないので、ヴォネガットの言葉も、基本、前向きで暖かいです。
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スピーチをする側はもちろん、聞く側にも教養が求められる。スピーチ文化というのは話し手と聞き手の正のスパイラルで高め合っているのだなと分かる実例。
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コミュニティに属するかぁ。。。そういうのを鬱陶しいと思ってしまうが、確かに家族だけで閉じてしまうとガス抜きができなくてうまくいかない、という事もあるのかもしれないな、とは思った。
通り一辺倒ではない、ヴォネガットが本当に感じている事を若者にスピーチしているのが分かり、真心の人だな、と。
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カート・ヴォネガットは、いろいろな学校で卒業の祝辞を述べていたようです。
その集大成。20世紀のホープだったヴォネガットの祝辞です。米国と日本の式典での祝辞の雰囲気は、きっとすごく違うんだろうなあ…?
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正直、表紙の糸井さんの言葉がずるい。
「ヴォネガットは目と心にしみる」って言われたら読みたくなるよ笑
僕は知らなかった人なんだけど、小説やら劇やらを書いていた人で、いろいろなところでスピーチしていたらしい。
その人の思う人生について、書かれているので、メモメモ。
金を稼ぐコツは、一生懸命に働くこと。
愛を勝ち得る秘訣は、いい服を着て、微笑むこと。
夫婦喧嘩の種は、金かセックスか主導権の問題。そしてもう一つ、あなただけじゃ孤独は紛れず、十分じゃない時。
大切なものはお金じゃない。あれば良いけどね。本当に大切なものは、隣人からの助言。自分を見てくれているということ。自分は満たされていると認識すること。
愛すべき人を愛すること。
人が安心できるのは、大きな家族関係を形成した時。50人とか?
先生に感謝すること。
大人になるとは、ってことを繰り返し言っていた。そして、IF THIS ISN'T NICE,WHAT IS?