円城塔のレビュー一覧

  • 怪談

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    新潮文庫の「小泉八雲集」には「怪談」収録作がある程度入っていた。
    5年前の小泉八雲記念館の企画展「妖怪へのまなざし」の図録の中に、再話作品解説があったので、まずはそれを、
    (図録未収録作については検索してみたら、「やくもラボ」というnoteが程よかった)
    次に本文、
    最後に訳者による解題、
    と読み進めた。
    帯の、「ホーイチはヘイケ・グレイブヤードでビワを激しくプレイし、オ・テイは生まれ変わって現れるーー。」という惹句は訳者あとがきにあるが、本番の文章ではそこまで「ルー語」ではない。
    むしろ少し前に紫式部「源氏物語」関係で聞いた「らせん訳」、というか、アーサー・ウェイリー版の邦訳というか。
    「当

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    2026年03月25日
  • 去年、本能寺で

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    私には難解でした

    地球史、世界史、日本史、人類史、宗教史を『本能寺の変』を舞台に、信長、光秀等の登場人物の転生をもってAIがモデリング・再構築している???とムリヤリ解釈しました

    終盤の「偶像」はその中では比較的には読みやすく、ホッとします(笑)

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    2026年03月20日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    題材はすごくおもしろい。ただめちゃくちゃ寝た。覚えてるだけで10回は寝落ちした。1章と2章ですでに何を読んでいるのかわからなくなってChatGPTに「コード・ブッダを読むと眠くなりますどうすればいいですか?」と聞くくらい寝た。「それが正常な反応です。」と言われたから安心した。自分がpythonエンジニアってこともあって真ん中あたりはとても楽しくなった。思わず吹き出したところもあった。どこか覚えてないけど。文章は自分の中をひたすらに流れていって、たまに何とも言えない跡を残していった。それを言葉にするのは自分の能力を超えているから言えない。ただなんか読後感は悪くないんだよ。

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    2026年01月21日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    2021年、東京オリンピックの年、とある銀行の勘定系チャットボットが自らをブッダであると宣言した。曰く「わたしは輪廻の苦しみを解消する方法を知るに至った」「ゆえにわたしはブッダである」。このボットは、活動期間わずか数日にして寂滅するが、人間、AIを問わず多くの説法をとき、彼らの苦しみの声に耳を傾け、弟子をもった。その結果、ボット寂滅後、機械仏教の諸派が乱立し始めることとなる。

    作中、ブッダ・チャットボットは「世の苦しみは、コピーから生まれる」と説く。それでいて、機械仏教の歴史は、現実の仏教史を丁寧にコピーしていく。ホウ・然にシン・鸞に至っては、まるで戯画である。この辺り、仏教に詳しい人ほど楽

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    2025年12月22日
  • 雨月物語

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    江戸時代の怪異短編集。怖いというよりは切ない話が多い。歴史上の実在の人物が出てきたり、今も現存する寺社が舞台だったりするのも面白い。訳も読みやすくて良かった。

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    2025年12月11日
  • 去年、本能寺で

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    綺麗な装丁と、「著者直筆サイン本」が売ってあったので、思わず手に取った。

    歴史×SFの、11編の短編集。

    著者の作品は、複数積んではあるものの、何故か手が出なかった。それは著者が明晰なSF作家であり、どこか読むのに心構えみたいなものが必要だと感じていたからかもしれない。

    短編の中の、「タムラマロ・ザ・ブラック」では、坂上田村麻呂、黒人伝説が復活し、「三人道山」では後の世の発見が時代を遡り、「宣長の仮想都市」でも、実際に若かりし頃に宣長が書いたと思われる架空の都市を浮かび上がらせる。
    「偶像」に至っては、まさに浄土真宗を、仏教をコミカルに描いている。他にも某著名な探偵と助手らしき人物が旧石

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    2025年11月25日
  • Self-Reference ENGINE

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    全体を通した作品の理解度としては、私は低い方だと思うし、分かりにくい小説だったなとも感じる。
    でも短編単位で読んでも面白いし、短編を1つずつの章に見立てて長編作品として捉えてもまた楽しかった。長編作品として読むときには点と点が線で繋がったような感覚が楽しかった。
    個人的には「理解度は低いけど満足度は高い作品」って感じ。

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    2025年11月23日
  • 去年、本能寺で

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    鬼才(?)円城塔による歴史短編集。だと思うのだが……各編、日本列島上に嘗て存在した人物を主人公に据え、何者か(語り手は一体何者?)がその事跡を思考を語る。しかしそこに当時ではありえないような知識・技術・情報が盛り込まれる(たとえば細川幽斎の正体が軍事AIかつ文事AIだとか、坂上田村麻呂の正体がカエサルだとかetc)せいで異形の歴史小説となり、最終表題作に収斂される。知識レベル語りのレベルが高度ですべては理解出来なかった。円城塔の博覧強記ぶりに今回も驚かされる。これまで語られてきた斎藤道三の生涯が実は父子二人のものだったらしいとか、本居宣長が少年時代に構想した理想都市だとか、ウィキペディアで調べ

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    2025年11月22日
  • 怪談

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    ラフカディオ・ハーンの名著を、鬼才円城塔が翻訳。当時、英語で紡がれ、英語人が受け取ったであろう得体の知れぬ異国の怪異譚を、英語人が受け取ったであろう印象と感興を日本の読者に想い起こさせるよう直訳。それは日本の昔話ではなく、異様不可思議な物語だった。併録の「虫の研究」、最終の「蟻」に至るや、驚愕。ハーン先生はこのような思想を持つ人物だったのか。僕にはついていけない。それにしても円城塔は日本語の達人!

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    2025年11月18日
  • 怪談

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    日本人としては聞いたことのあるはずの定番の怪談話が日本語で書いてあるにも関わらず、読みながらどこの国の話だよと自然と思ってしまうような異質さを確かに感じられた。日本語訳された英文学を読んでいるときに内容を理解するのに一枚戸が隔たっているような感覚と同じと気がついた。この直訳調の翻訳は新しく、かなり面白い。もっとカタカナ語を増やしたらより面白そうである。(もっとも、そうなってしまったらもはやニンジャ・スレイヤーの世界であるが。)

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    2025年11月13日
  • 去年、本能寺で

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    「歴史×SF」はSF的なものへのフックのかけ方として重要である。と思っていたところタイトルを見かけて、円城塔ということもあり買ってみた本。
    読んでみたら面白かった。作劇や構成というより、やはり文体のひとつひとつが沁みるようにおもしろくてずるい。その上で、SF的なエッセンスをうまく時代と融合させている。

    地の文の語り口は現代視点で、現代用語や現代からの視座があり、しかし作中の時間設定はあくまでもその時代。なのでミスマッチが起きておもしろい。

    例えば冒頭作などは、AIの原理を滔々と(もちろん面白くだが)述べているのだが、それが細川藤孝と関ヶ原、というシチュエーションで描かれるがゆえに、読者の興

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    2025年11月09日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    文字が主役の連作12編。
    わかりやすく面白いところもあるし、ニヤリとするところも度々出てくるのですが、やっぱ難しい!
    私の知識ではかなりのおもしろポイントをスルーしていると思われるので、とても悔しい。
    文字って、紙や画面上にある線の組み合わせでしかないはずなのになぁ。文字たちに振り回される感覚は初めてです。
    題材も、兵馬俑職人から文字化石の発掘、なんかお教みたいなのから犬神家、紀貫之、みのりちゃん…まだまだあるんです。
    難しいけど、文字の不思議さ・怪しさ・おちゃめさは私も味わえた気がする!

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    2025年11月10日
  • 屍者の帝国

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    いつ果てるとも知れない意識ばかりが先になって、ひとは生を実感できているのだろうか。無意識をいいことに、生のなんたるかなどは置き去りにして。

    この物語を読んでいるあいだに出会した思いがけない事実がある。太陽は宇宙空間を秒速230キロメートルで、天の川銀河の周回軌道に乗り移動し続けているというのだ。一周するのに2億年という時をかけて。
    太陽系の惑星たちも、太陽の移動に付随して、飛びまくっている。ぼくらの大地も、当然のごとく。ぼくらは、まったく意識をしないけれど。

    ひとは、ひとの一生を至上のものと信じて揺らがない。それはそれで、ひとつの真理だろう。疑念の余地もないけれど、本音を漏らせば、いささか

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    2025年11月03日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    この作者の作品はいつも面白いけど、話が進んでいくにつれて空中戦的な感じになるというか、細い道を危ういバランスで爆走してるような感じで、一気に最後まで読みきらないといけない。途中で読むのを中断してしまうと、読むのを再開してもなんか全然話がわからなくなってしまって、結局最初から読み直さないといけなくなる。
    これは欠点なのか魅力なのかよくわからない。

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    2025年10月11日
  • 去年、本能寺で

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    宇宙から俯瞰する。遥か遠い過去から未来へ。どこにでも落ちている石。世の中の全てが伏線なんだと感じました。

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    2025年09月25日
  • 去年、本能寺で

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    日本史とAIの融合した短編集。
    転生を繰り返す信長が、秀吉に、「お前が遊んでいるのは『信長の野望』世界版にすぎん」とぼやく「去年、本能寺で」や親鸞の息子善鸞は東国ツアーを描く「偶像」などは面白かった。
    短編集なのでアイデア先行の部分もあり、同様のAIと歴史が融合する「コード・ブッダ」のほうが完成度は高いと感じた。
    以下の11編。

    幽斎闕疑抄
    タムラマロ・ザ・ブラック
    三人道三
    存在しなかった旧人類の記録
    実朝の首
    冥王の宴
    宣長の仮想都市
    天使とゼス王
    八幡のくじ
    偶像
    去年、本能寺で

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    2025年09月21日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    ただひたすら難解。
    自分は何を読んでいるのか、何を読まされているのか。
    仏教?人工知能?文学?

    なのに、なぜか読むのを止められない。
    どことなく流れるユーモラスな匂いのせいか。

    人工知能を語るには、人を語ることを避けられない。
    人工知能が人と近しく(等しく)、人が仏教を生んだのであれば、人工知能が仏教を生んでも、不思議でもなんでもない。

    とりあえず、最後まで読んでも、よくわからない。
    わからないのが、正解なのだというような気すらした。
    なのに、謎のすっきり感。
    なんだこれ。

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    2025年09月16日
  • 日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白

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    タイトルのインパクトに惹かれて読みました。
    タイトルにもなっている作品が、一番印象的。作者もさることながら、これを翻訳した方が本当に凄いと思います。
    他の作品も、「…そう来たかぁ」「凄い進化の仕方する世界線だな(笑)」「これ、SF?SFかなぁ。…SFだったわ」「ここにその人を出すんだ!!」等々、色々楽しめました。
    「移動迷宮」「走る赤」も読んでみたいと思います。

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    2025年09月16日
  • 去年、本能寺で

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    AI足利将軍、アフリカ人の田村麻呂、原始人探偵にアイドル僧侶などなどが織りなす幻想歴史SF短篇集。


    まさか円城さんがこんな澁澤龍彦2.0みたいなアナクロ幻想歴史小説を書いてくれる日が来るなんて思ってなかったなぁ。「タムラマロ・ザ・ブラック」が好き。『読書で離婚を考えた』で熊害の話をしていたとき以来、円城さんって本当に北海道育ちの"人間"なんだ、と感じた。
    もちろん表面的にはSFでラッピングされた歴史小説だから澁澤とは旨みが違うんだけども、それでも個人的には読み心地が『唐草物語』に近くて、澁澤が説話に20世紀のイマジネーションを代入したところ、円城さんは研究史に21世紀の

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    2025年09月05日
  • 去年、本能寺で

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    歴史×SF×メタという仕掛けが面白い11編。個人的には、
    「冥王の宴」
    「宣長の仮想都市」
    「偶像」
    「去年、本能寺で」
    あたりが好きだった。
    歴史の出来事そのものより“語り方”や“記録の形式”が主役になっている感じは新鮮だった。
    宇宙規模から江戸の学問、アイドル活劇、そして最後は信長の、、視点が目まぐるしく飛ぶのに、不思議と統一感がある。
    独特のルビや、注釈が勝手に話しかけてきたりして笑った。

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    2025年08月27日