円城塔のレビュー一覧

  • 怪談

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    ラフカディオ・ハーン=小泉八雲というのは、近年ではNHKの朝の連続ドラマで放送していたので誰もが知っている有名な話。
    ちなみに、小泉セツさんと結婚して帰化したので小泉八雲と改名したらしい。
    当然、ラフカディオ・ハーンさんは外国人なわけで、日本の怪異譚(クヮイダン/怪談)に興味を持たれて、「怪談 KWAIDAN」を書かれたのだから外国語で書かれているのですよね。
    それを小説家・円城塔が翻訳したとあれば、読まない訳にはいかないでしょう。

    〈ミミ・ナシ・ホーイチの物語〉
    ホーイチ・ジ・イヤーレスはヘイケ・グレイブヤードでビワを激しくプレイした!

    〈ロクロ・クビ〉
    スライド式のスクリーンを開け、そ

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    2026年07月01日
  • 土人形と動死体

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    ファンタジーとしてでも哲学としてでも楽しめる作品だと感じた
    ただただ想像上の生物が出てくる世界なだけではなく在り方や認識の疑問を投げかけてきて、思案に耽るのが好きな人にはよさそう
    私は好みの部類
    でも、読み込むのには時間と気力がいる笑

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    2026年06月28日
  • 屍者の帝国

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    ネタバレ

    初めての伊藤計劃に本作品を選ぶというかなりイレギュラーなことをしたが、しっかり楽しめた。
    最初は屍者と主人公ワトソンの関わりがどこにいくのか読めなかったが、中盤、終盤と物語が進むにつれ実在的なものへの意識だけでなく、「人間の意識」の根源と倫理の話になってくる。
    ワトソンたちがザ・ワンに出会ってからは、かなりワクワクしながら読むことができた。
    ワトソンやフライデー、ザ・ワンなどフィクションの登場人物として有名な名前たちが後にその物語たちに回収されていく様も素敵だった。
    どこから円城塔が加筆したのかは全くわからなかったが、言葉のリズムからこのあたりはそうかも?と想像したりして楽しかった。

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    2026年06月17日
  • Self-Reference ENGINE

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    基本わけがわからないが、解説を読むと実はわけが分かっていたような気がしてくる 間を置いて読み返したい

    「撃墜された過去を変更して未来へ逃げて、命中弾を送り込んだところで撃墜され、その過去を改変して敵機を撃ち落としてみて、撃墜したのは過去の自分自身だったりする。……文法の限界に挑戦させられているようなきらいがある。」p.143

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    2026年06月07日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    円城塔のSFはどれもそうなんだけど、もう一言で言うと「大学院生の悪ふざけ」以外の何物でもない。
    一瞬とっつきやすい。本作だって冒頭はすごいキャッチーなんだ。
    あるプログラムコードが突然「私はブッダである。」と宣言した。っていうね。
    円城塔のことを知らない読者は「おお、なんか近未来を暗示するようなSF始まるんだな。」って常識的なワクワク感を持つ。
    違う。
    そこから、
    「悟りとは果たして何か」
    「悟りが人間だけのものではない場合、果たして機械に悟りは可能か」
    「現時点tを状態Stとしたとき、tの極限すなわちS∞は悟り(ブッダ・ステート)に収束するのか
    「あるコードが『自分はブッダである』と宣言した

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    2026年05月31日
  • 土人形と動死体

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    15篇を通して描かれる一つの愛の物語。素直に面白かった。
    前半5篇は単独で読んでも違和感がない。後半はメタフィクションとしての要素が強いので好みが分かれそう。
    ファンタジーで文も読みやすいのに小難しいという新鮮さを味わえた。

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    2026年05月06日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    物語というより、AIにブッダによる「救い」を語らせることで、仏教の真髄と歴史、AIと人間の意識という哲学的な問いの両方について思索を深めるための装置としての機能を持たせた小説、という感じがした。

    【AIと人間の意識】
    人間のような機械と機械のような人間、脳の一部を機械化した時にそれは人間か、脳の情報をデータとして転送することで実現する「移動」と「複製」、世界はシミュレーションであるとする仮説の反証不可能性 等。

    【仏教の真髄と歴史】
    ブッダ寂滅後の解脱認定マニュアル不在による混乱、弟子たちによる経典の乱立、解釈の乱立、上座部と大乗、何とでも解釈できる経典の読み方で戦争の引き金にも平和の祈り

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    2026年03月29日
  • 怪談

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    日本の昔の話なのに、ベランダ、トートーミ、イヨなど、カタカナで書かれると何か別の国の話のようにも思え、面白くよめた。翻訳がいいのかも。

    朝ドラの「ばけばけ」が終わった今日、やっと読むことに。次は「思い出の記」を読んでみようかな。

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    2026年03月27日
  • 怪談

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    新潮文庫の「小泉八雲集」には「怪談」収録作がある程度入っていた。
    5年前の小泉八雲記念館の企画展「妖怪へのまなざし」の図録の中に、再話作品解説があったので、まずはそれを、
    (図録未収録作については検索してみたら、「やくもラボ」というnoteが程よかった)
    次に本文、
    最後に訳者による解題、
    と読み進めた。
    帯の、「ホーイチはヘイケ・グレイブヤードでビワを激しくプレイし、オ・テイは生まれ変わって現れるーー。」という惹句は訳者あとがきにあるが、本番の文章ではそこまで「ルー語」ではない。
    むしろ少し前に紫式部「源氏物語」関係で聞いた「らせん訳」、というか、アーサー・ウェイリー版の邦訳というか。
    「当

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    2026年03月25日
  • 去年、本能寺で

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    私には難解でした

    地球史、世界史、日本史、人類史、宗教史を『本能寺の変』を舞台に、信長、光秀等の登場人物の転生をもってAIがモデリング・再構築している???とムリヤリ解釈しました

    終盤の「偶像」はその中では比較的には読みやすく、ホッとします(笑)

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    2026年03月20日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    題材はすごくおもしろい。ただめちゃくちゃ寝た。覚えてるだけで10回は寝落ちした。1章と2章ですでに何を読んでいるのかわからなくなってChatGPTに「コード・ブッダを読むと眠くなりますどうすればいいですか?」と聞くくらい寝た。「それが正常な反応です。」と言われたから安心した。自分がpythonエンジニアってこともあって真ん中あたりはとても楽しくなった。思わず吹き出したところもあった。どこか覚えてないけど。文章は自分の中をひたすらに流れていって、たまに何とも言えない跡を残していった。それを言葉にするのは自分の能力を超えているから言えない。ただなんか読後感は悪くないんだよ。

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    2026年01月21日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    2021年、東京オリンピックの年、とある銀行の勘定系チャットボットが自らをブッダであると宣言した。曰く「わたしは輪廻の苦しみを解消する方法を知るに至った」「ゆえにわたしはブッダである」。このボットは、活動期間わずか数日にして寂滅するが、人間、AIを問わず多くの説法をとき、彼らの苦しみの声に耳を傾け、弟子をもった。その結果、ボット寂滅後、機械仏教の諸派が乱立し始めることとなる。

    作中、ブッダ・チャットボットは「世の苦しみは、コピーから生まれる」と説く。それでいて、機械仏教の歴史は、現実の仏教史を丁寧にコピーしていく。ホウ・然にシン・鸞に至っては、まるで戯画である。この辺り、仏教に詳しい人ほど楽

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    2025年12月22日
  • 雨月物語

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    江戸時代の怪異短編集。怖いというよりは切ない話が多い。歴史上の実在の人物が出てきたり、今も現存する寺社が舞台だったりするのも面白い。訳も読みやすくて良かった。

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    2025年12月11日
  • 去年、本能寺で

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    綺麗な装丁と、「著者直筆サイン本」が売ってあったので、思わず手に取った。

    歴史×SFの、11編の短編集。

    著者の作品は、複数積んではあるものの、何故か手が出なかった。それは著者が明晰なSF作家であり、どこか読むのに心構えみたいなものが必要だと感じていたからかもしれない。

    短編の中の、「タムラマロ・ザ・ブラック」では、坂上田村麻呂、黒人伝説が復活し、「三人道山」では後の世の発見が時代を遡り、「宣長の仮想都市」でも、実際に若かりし頃に宣長が書いたと思われる架空の都市を浮かび上がらせる。
    「偶像」に至っては、まさに浄土真宗を、仏教をコミカルに描いている。他にも某著名な探偵と助手らしき人物が旧石

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    2025年11月25日
  • Self-Reference ENGINE

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    全体を通した作品の理解度としては、私は低い方だと思うし、分かりにくい小説だったなとも感じる。
    でも短編単位で読んでも面白いし、短編を1つずつの章に見立てて長編作品として捉えてもまた楽しかった。長編作品として読むときには点と点が線で繋がったような感覚が楽しかった。
    個人的には「理解度は低いけど満足度は高い作品」って感じ。

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    2025年11月23日
  • 去年、本能寺で

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    鬼才(?)円城塔による歴史短編集。だと思うのだが……各編、日本列島上に嘗て存在した人物を主人公に据え、何者か(語り手は一体何者?)がその事跡を思考を語る。しかしそこに当時ではありえないような知識・技術・情報が盛り込まれる(たとえば細川幽斎の正体が軍事AIかつ文事AIだとか、坂上田村麻呂の正体がカエサルだとかetc)せいで異形の歴史小説となり、最終表題作に収斂される。知識レベル語りのレベルが高度ですべては理解出来なかった。円城塔の博覧強記ぶりに今回も驚かされる。これまで語られてきた斎藤道三の生涯が実は父子二人のものだったらしいとか、本居宣長が少年時代に構想した理想都市だとか、ウィキペディアで調べ

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    2025年11月22日
  • 怪談

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    ラフカディオ・ハーンの名著を、鬼才円城塔が翻訳。当時、英語で紡がれ、英語人が受け取ったであろう得体の知れぬ異国の怪異譚を、英語人が受け取ったであろう印象と感興を日本の読者に想い起こさせるよう直訳。それは日本の昔話ではなく、異様不可思議な物語だった。併録の「虫の研究」、最終の「蟻」に至るや、驚愕。ハーン先生はこのような思想を持つ人物だったのか。僕にはついていけない。それにしても円城塔は日本語の達人!

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    2025年11月18日
  • 怪談

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    日本人としては聞いたことのあるはずの定番の怪談話が日本語で書いてあるにも関わらず、読みながらどこの国の話だよと自然と思ってしまうような異質さを確かに感じられた。日本語訳された英文学を読んでいるときに内容を理解するのに一枚戸が隔たっているような感覚と同じと気がついた。この直訳調の翻訳は新しく、かなり面白い。もっとカタカナ語を増やしたらより面白そうである。(もっとも、そうなってしまったらもはやニンジャ・スレイヤーの世界であるが。)

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    2025年11月13日
  • 去年、本能寺で

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    「歴史×SF」はSF的なものへのフックのかけ方として重要である。と思っていたところタイトルを見かけて、円城塔ということもあり買ってみた本。
    読んでみたら面白かった。作劇や構成というより、やはり文体のひとつひとつが沁みるようにおもしろくてずるい。その上で、SF的なエッセンスをうまく時代と融合させている。

    地の文の語り口は現代視点で、現代用語や現代からの視座があり、しかし作中の時間設定はあくまでもその時代。なのでミスマッチが起きておもしろい。

    例えば冒頭作などは、AIの原理を滔々と(もちろん面白くだが)述べているのだが、それが細川藤孝と関ヶ原、というシチュエーションで描かれるがゆえに、読者の興

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    2025年11月09日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    文字が主役の連作12編。
    わかりやすく面白いところもあるし、ニヤリとするところも度々出てくるのですが、やっぱ難しい!
    私の知識ではかなりのおもしろポイントをスルーしていると思われるので、とても悔しい。
    文字って、紙や画面上にある線の組み合わせでしかないはずなのになぁ。文字たちに振り回される感覚は初めてです。
    題材も、兵馬俑職人から文字化石の発掘、なんかお教みたいなのから犬神家、紀貫之、みのりちゃん…まだまだあるんです。
    難しいけど、文字の不思議さ・怪しさ・おちゃめさは私も味わえた気がする!

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    2025年11月18日