円城塔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
彼は「芸術家の社会的機能は、人々が以前にも増して人生を好きになるようにすることだ」と書いている。たとえばと訊かれて、「ビートルズがやったことだね」と答えた。
ミルクよりクリームが高価なわけを知っているかね? 聴衆:いいえ。 牛はちっちゃいボトルにまたがるのが嫌だからさ。
本を読むことをやめてはいけない。本はいいものだ──ちょうどいい感じの重さがある。指先でやさしくページをめくるときのためらい。わたしたちの脳の大部分は手が触れているものが自分にとっていいものなのか悪いものなのかを見定めるのに使われている。どんなちっちゃな脳でも、本はいいものだとわかるんだ。
彼は他にもおそらく正しいこと -
Posted by ブクログ
面白かった! カート・ヴォネガットの大学での講演集。
最初はちょっとわかりづらいな…と感じたのだけど、だんだん何を言わんとしているかがわかってきて、そうするとものすごく面白くてのめり込んでしまい、電車にカバンを忘れて下車……
という悲しい事件まで発生したいわくつきの本。
いろいろなことが語られているけど(別の大学で同じことが語られる)、日常のささやかなことを愛して生きるということに尽きるのかなと思った。
カートのある叔父は、男は戦争に行ってこそ一人前という考えだったが、ある叔父は人生がうまくいっているとき――木陰でレモネードを飲んでいるようなとき――、「これで駄目ならどうしろって?」と言う -
Posted by ブクログ
「これで駄目なら、どうしろって?」
読み終えて最高の気分になる本。卒業式講演なんて字面だけで眠たくなるのに、こんなに愉快でジョークを飛ばす、そして熱い心を持ったおじさん(?)が喋るのならいくらでも聴いていられる。かもしれない。
世の中は暗いニュースで満ちていて、この先も明るくはなさそう。散々に苦渋をなめてきたヴォネガットがそれでも、人に親切にしなさい、幸せになることを諦めるな、と語ってくれる。その根拠はシンプル、それが大切なことだからだ。大切なことは大切にしなさい。何より自分を大切に。小細工のなさが心に響く。
これで駄目なら、ほんとうにどうしろって言うのか。