円城塔のレビュー一覧

  • 道化師の蝶

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    掴み所がないというか、何だか騙されているような、そんな不安定な印象を受けながら読めるのが面白い。バナナ剥きを借りたときも同じようなことを思った気がする。松ノ枝の記の方が好きだ。
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    2017年10月12日
  • これで駄目なら

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    彼は「芸術家の社会的機能は、人々が以前にも増して人生を好きになるようにすることだ」と書いている。たとえばと訊かれて、「ビートルズがやったことだね」と答えた。

    ミルクよりクリームが高価なわけを知っているかね?  聴衆:いいえ。  牛はちっちゃいボトルにまたがるのが嫌だからさ。

    本を読むことをやめてはいけない。本はいいものだ──ちょうどいい感じの重さがある。指先でやさしくページをめくるときのためらい。わたしたちの脳の大部分は手が触れているものが自分にとっていいものなのか悪いものなのかを見定めるのに使われている。どんなちっちゃな脳でも、本はいいものだとわかるんだ。

    彼は他にもおそらく正しいこと

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    2017年09月30日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    どこかで雨月物語は円城訳が一番怖いと読んで、手に取った。知らない話が多かった。現代語で通読できるのは、ありがたい。

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    2017年06月02日
  • これで駄目なら

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    面白かった! カート・ヴォネガットの大学での講演集。
    最初はちょっとわかりづらいな…と感じたのだけど、だんだん何を言わんとしているかがわかってきて、そうするとものすごく面白くてのめり込んでしまい、電車にカバンを忘れて下車……
    という悲しい事件まで発生したいわくつきの本。

    いろいろなことが語られているけど(別の大学で同じことが語られる)、日常のささやかなことを愛して生きるということに尽きるのかなと思った。

    カートのある叔父は、男は戦争に行ってこそ一人前という考えだったが、ある叔父は人生がうまくいっているとき――木陰でレモネードを飲んでいるようなとき――、「これで駄目ならどうしろって?」と言う

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    2017年05月24日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    ネタバレ

    『好色一代男』の世之介のように若い頃に五百億円を遺産相続したら人生狂ってしまうだろうな。庶民のわたしとしてはその千分の一位が現実的かな。この読書メーターにレビューを書いて楽しんでいるのですからそんなにお金があっても使い道がありません。もう若くはないので色に狂うこともないのです。『雨月物語』はすこしオカルト的。『通言総籬』は江戸版「なんとなくクリスタル」といった感じ。『春色梅児誉美』は男女の手練手管が見事に描かれています。ハッピーエンドで良かったですね。

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    2017年03月05日
  • 道化師の蝶

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    二作収録されている。
    「道化師の蝶」はおもしろく、「松ノ枝の記」はつまらなかったが、いずれも自分が理解できているとは思えない。

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    2017年01月28日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    現代語訳、分かりやす。
    目から鱗が落ちる。
    時代で移ろうもの変わらないもの。若い頃にもう少し勉強しておけばよかった、こう言う本を現代語訳ではなく理解できる人間だったろどれだけ楽しかったんだろう。

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    2016年11月16日
  • これで駄目なら

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    誠実な人間として,ごく当たり前のことを勇気を持って語っている.本当にそうなんだと思うことだけど,声だかには言いにくいことだ.

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    2016年06月21日
  • 道化師の蝶

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    『屍者の帝国』を除けば、『Self〜』『Boys〜』に続き自身3作目の円城作品。体としてSFではなく文学を取っている円城作品を読むのは初めてだったが、なるほど、同様のテーマでもこういう描き方ができるのかと。掴みどころのない文章で、どこかわかったようなわからなかったような読み心地は健在なのだが、しかしどうしてこれが美しくも思える。

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    2016年04月01日
  • Self-Reference ENGINE

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    多分、面白い。
    何せSFなんて読むのはウン年ぶりで、高校生の頃必死で勉強した理系科目の知識を引っ張り出しながらウンウン読んだ。
    これは、多分恋愛小説に近いの。。。か?
    よく分からない。

    ただ、巨大知性体のビジュアルが私の中で二転三転した。
    そしてリチャード!きみは誰だなんだ!
    とりあえず、そのうち再読が必要だ。

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    2016年03月23日
  • SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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    どんなに頑張ったって過去は変えられないんだから、悩んだって仕方ない。
    じゃあ、未来はどうか。
    未来なんてものは、ただの白紙でしかない。
    だったら今を生きるしかないのだけれど、それはすごくお腹が痛いことで……

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    2016年02月12日
  • これで駄目なら

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    こんなに簡単に人の心の重要な部分に入ってこられる人がいるのかという思い。
    この人のいいおじさんはにっこり笑顔で手を振りながらやってきて、気が付けば誰もが肩を組んでいる。
    こんなに明快に人生の道しるべを示す人をはじめて見たし、人生についての警句をこんなにすんなりと受け入れられたのもはじめてだった。

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    2016年01月26日
  • これで駄目なら

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    「これで駄目なら、どうしろって?」
    読み終えて最高の気分になる本。卒業式講演なんて字面だけで眠たくなるのに、こんなに愉快でジョークを飛ばす、そして熱い心を持ったおじさん(?)が喋るのならいくらでも聴いていられる。かもしれない。
    世の中は暗いニュースで満ちていて、この先も明るくはなさそう。散々に苦渋をなめてきたヴォネガットがそれでも、人に親切にしなさい、幸せになることを諦めるな、と語ってくれる。その根拠はシンプル、それが大切なことだからだ。大切なことは大切にしなさい。何より自分を大切に。小細工のなさが心に響く。
    これで駄目なら、ほんとうにどうしろって言うのか。

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    2016年01月25日
  • 屍者の帝国

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    映画化の影響で読み始めたのだけれど、読み終わるまでに結構かかった。もともと読むのは早く無いしたくさん読む方でも無いですが、それにしても初めて聞く単語や設定が多く、特に後半、それらを飲み込むのに時間を要しました。
    ただ全体としては感情をほとんど持ち込まなない淡々とした文章や(その中で感情を感じる文章には惹き込まれました)、練られた内容、用意された答え、クライマックスの疾走感と楽しんで読むことが出来たと思います。おもしろかった。

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    2023年12月24日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    相変わらずよく分からない。
    しかし、本当に全く分からなければ、そもそも読み進めること無く古本屋行きだろう。

    「これはある数式に関連しているのでは」「これはプログラムかな?」となんとなく予想はしてみるものの、結局のところ結論は出ない。
    分かりそうで分からない、この絶妙な不安定さに惹かれてしまう。

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    2015年12月31日
  • SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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     息子に自身の失敗の場に立ち会われてしまった父の羞恥とやるせなさと、尊敬していたはずの父をはたと客観視してしまう息子の切なさ。そんな父子をキッチンで待つことを自分に課しているかのような母。家族って実は脆くて頼りないつながりで、各々の努力や分別なくしては維持できないんじゃないかと思う。

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    2015年12月24日
  • 道化師の蝶

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    言語の自動生成的お話を書くと、円城氏はほんとうまいな。
    それに加えて円環構造が幻想文学感を付加していて良い。
    ボルヘスやエーコに通じるものがある。

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    2015年10月09日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    著者の作品はSelf-Reference ENGINEと屍者の帝国(共著作)しか読んだことがないのですが、その中では一番読みやすかったです。小説なんだか小説論なんだか。表題作より「良い夜を持っている」の方が好みかな。というか表題作はよくわからなかったので…再読します。ところどころ出てくる科学用語に知らないものがあって少し勉強になりました。

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    2015年09月19日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    映画のマグノリアがとても好きなので、空から降る系シリーズと聞いて初めて円城を読んでみた。

    マグノリアの不条理なことは起こり得るものだから受け入れるしかない、というメッセージに対してこちらは、不条理なことは本当に不条理なのだろうか?ということを問うているように感じた。

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    2015年07月15日
  • 道化師の蝶

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    主語が章ごとに入れ替わり迷いが生じるが、この世界観は好き。道化師の蝶も良いが、松の枝の記の方がより好みかな。

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    2015年05月23日