【感想・ネタバレ】オブ・ザ・ベースボールのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2019年12月04日

『オブ・ザ・ベースボール』でクリストファーラングトンに言及があったかと思えば、『つぎの著者へつづく』では果てしない文章の連関のメタファーにカオスの発展を用いている。やはり円城さんの作品は思考実験のような形をしていて、その仕掛けが見えてくるとまたもう一度読み返したくなってくる。円城さんの作品は本当にど...続きを読むれも読んでいてワクワクした気持ちになる。

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Posted by ブクログ 2013年07月15日

文學界新人賞受賞作。最初に文學界で読んで、なんて私好みのがきた!と思いましたが万人受けはしないかも。
設定もキチガイで、文章の感じがすごく好きなんですが、人によってはこの文体がかっこうつけた感じでいやかも。最初よんでいけそうならぜひ。
円城塔の中では比較的読みやすいので、これを読んで他のを見るか決め...続きを読むても。

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Posted by ブクログ 2012年07月31日

 文庫で再読。空から人が降ってくる町。レスキューチームの一員として雇われている主人公は、市から支給されたバットで落ちてきた人を打ち返す。
 ただの不条理小説としてでは済まされない、長閑な微笑ましさとヒリヒリした感覚を同時に伴う世界観が素晴らしい。
 もう1編の「つぎの著者につづく」はまさに円城ワール...続きを読むド、大好きな作品であります。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年05月08日

【オブ・ザ・ベースボール】
なんだかこの話は終盤物哀しい。
人が降ってくる町では、バットでそれを打ち返すという勤めを果たした人は未だいなかった。
それを成し遂げた初めての人である主人公に、なぜか役場も酒場の友人も温かみがない。
主人公は退職させられ、町を出ていく。落下した老人の所有していた手帳と写真...続きを読むを持って。

その写真は主人公に似ている。主人公が人生の先、老人となる途中のようなの顔。
そして手帳についてはこう述べられている。
「ノートに何が書かれているかなんてことは確認するまでもなく、書き上げてもいないのに勝手に描き上げられた俺のノートに決まっている。手間が省けたと喜ぶべきなのか今の俺には判断がつかない。落下して拾われて、また落下することを強要されているのだろうこのノートは、俺が書き写さない限りは、いつかぼろぼろになって消え果ててしまうだろう。 ( 91p)」

所有していたのは落下した老人出会ったにもかかわらず、主人公は「俺のノート」と言っている。しかも「書き上げてもいないのに勝手に描き上げられた」とも述べている。

ということは、写真は主人公がこれから中年期になったときの姿。手帳の勝手に描き上げられた部分は、主人公が町を出た後に書き上げる部分。つまり、この落下した老人は主人公の未来の姿であり、この主人公は自分で未来の自分を打ち返したのだ。

そして、落下した老人が主人公の将来の姿であることはこの記述にも暗示されている。
「 墜落が俺の身にふりかかるその瞬間を迎えても、(98p)」
「 努力次第によって俺は墜落の運命を避けられるかもしれないが、俺の直感はその見込みを否定している。 99p)」

いつか自分が年老いて、空から落下し、若かりし頃の自分に打ち返され、しかしそれはファウルとなり、臨終を迎える。それを予見しながら主人公は町を出る。
そして、いつか自分が年老いて、空から落下し、若かりし頃の自分に打ち返され、しかしそれはファウルとなり、臨終を迎えるまでの人生を、手帳に記しながら生きるのだ。

もしやこれは、物理学の研究室を去るときの円城塔氏本人の心情だろうか。
この話は終盤物哀しいので、一瞬その考えがよぎってしまった。

しかし、そうであっても、なくても、この物語に心惹かれることは言うまでもない。
「オールライト。カモン」


【つぎの著者につづく】
単純ではない。起承転結は様々な引用に埋め尽くされ、装飾され、どこが本筋なのか翻弄されてしまう。
それでも、R氏についての資料を求める主人公よろしく次々と現れる引用と引用の重なりあいをくぐり抜けていくうちに、円城氏の博識ぶりが作り出す世界の虜になる。

「わかりにくい」のなにが悪い。

これくらいゆすぶりをかけてくれる作品があってもいいじゃないか。


円城塔作品が分からなくて、分からないままのほうが楽しい人は、ここから先は読まないほうがいいかもしれません。
といっても、私の解釈はおもいっきり間違っているかもしれないので、ネタバレになったところでどうってこと無いかも知れませんが。

結論から行くと、私なりの解釈は以下のとおりです。
古書店の店主こそがR氏である。あるいは店主はR氏について知っている。
主人公は知らずしてR氏から「次の著者」として選ばれていて、故に、その文章は意図せずしてR氏と非常に似たものとなる。
そして主人公はそれを知らされるべく、R氏との類似性を指摘した雑誌の記事や、プラハの古書店に引き寄せられる。
主人公が全てを悟ったとき、役割を終えたR氏の魂はついに迷妄の淵へ転落する、つまり生涯を終える。もしくは、すでにR氏は死亡しているが、主人公がすべてを悟ったことでR氏への探求は終わる。

●R氏と古書店の店主が同一人物である、あるいは店主はR氏について知っていると考えられる理由

1)グスタフ・フォン・アッシェンバッハは小説「ヴェネツィアに死す」では文人(作家)であったが、映画化の際は作曲家とされている。しかし、職業の設定が違うだけで同じ人物が描かれている。「つぎの著者につづく」(以下本書とする)のなかで文人としてのグスタフ・フォン・アッシェンバッハと作曲としてのグスタフ・フォン・アッシェンバッハに言及することで、R氏と古書店の店主が同一人物であること、又は店主はR氏について知っていることを暗示していないか。

2)「リチャード・ジェイムスの名は、と崩れかけた店主の輪郭をなす本の山は囁きかけて、これもまたもう一人のフォン・アッシェンバッハと同じく、作曲家の名前でもあるのだと、床に落ちてページを開いたもう一人のR氏の伝記の反響が告げる。」(175p)

ここでも、フォン・アッシェンバッハが原作では文人(作家)、映画では作曲家として書かれているのと同じように、リチャード・ジェイムス(R氏)は作家であり、古書店の店主であることを暗示している。又は店主はR氏について知っていることを暗示していないか。

さらに、「崩れかけた店主の輪郭をなす本の山」と「床に落ちてページを開いたもう一人のR氏の伝記」の二つがリチャード・ジェイムス(R氏)について言及していることは、リチャード・ジェイムス(R氏)が作家であり、古書店の店主であること、又は店主はR氏について知っていることを暗示していないか。

3)「今や店主の輪郭はジュゼッペ・アルチンボルドの描く司書の姿に倣った、R氏の生涯を記した本の山へと置き換えられたように映っており(167p)」
店主がR氏の生涯を記した本の山に置き換えられるとは、店主=R氏を暗示しているかのように思える。
また、店主がR氏の司書であるかのように、R氏の生涯について書いた本を所有している、もしくは内容や所在を知っている。とも解釈できるかもしれない。

●主人公はR氏から「次の著者」として選ばれていると考えられる理由

1)古代エジプトで、言語の発生についての実験のために人から隔離された二人の嬰児が同じ言葉を発した事に関する言及は、R氏についての探求と古書店の店主の依頼が一人の主人公につながる、つまり主人公がR氏の後継者とされていたことを暗示していないか。

2)175p「偶然的に二つの口から発せられたまったく同じ一つの単語が次の言葉を指定して、並び置かれた二つの単語は合議の末に、次の単語を指定していく。」
この「二つの口」がR氏と古書店の店主であり、「まったく同じ一つの単語が次の言葉を指定して」とは、つまりそれぞれに主人公を指定していた、との意味ではないか。

ただ、「一つの単語が次を生み出し二つを定め、三つ四つと続く過程を眺め続けて、最初と最後を繋いだ一本道があらかじめそこに存在して私を待ち構えていたと考えるのは間違っている。 」とあるので、この部分を考えると、二つの考えが浮かぶ。1.主人公はR氏の選んだ後継者ではない 2.主人公はR氏の選んだ後継者ではあるが、直接に主人公につながるのではなく他の著者を経由しているのではないか。

さらに、「鞍を乗り継ぐ二つの本は右と左へ別れて落ちて、それぞれにまた選択を繰り返しては、果てへと向けて拡散していく。」とあるので、主人公はR氏の選んだ後継者ではあるが、さらに他の著者へ受け継がれるのではないか、とも考えられる。

3)「今や店主の輪郭はジュゼッペ・アルチンボルドの描く司書の姿に倣った、R氏の生涯を記した本の山へと置き換えられたように映っており、私もまたジュゼッペ老の手になった木偶のようにして立ち尽くし(167p)」
「ピノキオ」に主人公をなぞらえ、それを作ったジュゼッペ老にR氏をなぞらえている。
これは、主人公はR氏によって後継者とされたことを暗示していないか。
さらに画家のジュゼッペ・アルチンボルドの名を絡めることによって強調している。

●比喩として「箱の中の甲虫」
主人公が甲虫の入った箱に「つぎの著者につづく」とあるのを見つけ、その箱を開いて甲虫を出ていかせる。箱の中を出た甲虫は、答えを見つけ「ここから自同的に芽吹き繁茂していく文字列をまた、綴り始める。(179P)」主人公の比喩ではないか。
それは「遅々として進まぬ虫の歩みが、相互に指示を目配せしあう石の網目の織りなす鞍に甲虫を載せるのを見届けて、そして私はおもむろに、この独り語りをせめてもの文章として画定すべく(178p)」という表現も同様に思える。

●甲虫の模様
これには意味があるのだろうか?もし分かる人が入れば教えてほしい。
「私は変動に見舞われて身震いする頭蓋の中へ転げていく。(176p)」
「一匹の頭蓋骨めいた紋様を持つ甲虫が蠢いている。(176p)」
「ただ甲殻にプリントされた黒い二つの円型をこちらへむける虫がいるだけである。(177p)」

以降、つぎのレビュワーにつづく

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Posted by ブクログ 2012年05月03日

文庫化されたので再読。デビュー作にして入門編。文章も内容も平易でとても読みやすい。

価値観の多様性、信じるものの有無、あらゆる前提がまんべんなく粉砕されているこのご時世。

すでに崩壊のカタルシスすら無効という世界において、円城塔さんの作品には純粋な「フィクションの愉しみ」がある。

でかい一発を...続きを読む知るがゆえ、人はさらに同等かそれ以上の一発を期待しすぎ、体力勝負で自分に負ける。歪んだ愛情を留保して、野次馬に身をやつし、レビューで★を減らす。知識による自家中毒でどこまでも人は堕ちて行き……、話が脱線してしまった。

空から人が降ってくる町、ファウルズ。主人公の仕事はバットとユニフォームを身につけて、降ってくる人をレスキューすること。

もちろん成功した前例などはなく、屁理屈のような物理学まで持ち出しては悶々としている主人公の姿が可笑しくてしょうがない。

しかし不思議と胸を打たれてしまうラスト。(バットだけに)

表題作は、自身の「書く」という行為への宣誓だと思うし、亡くなった伊藤計劃さんの遺稿を書き継ぐことになる男気にも重なる。

今、文学やフィクションを語るうえで、この作品を外すことは考えにくい。

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Posted by ブクログ 2018年01月05日

 表題作と「つぎの著者につづく」の二編を収録。
 表題作は思った程には難解ではなく、割とスラスラと読めた。
 特に際立ったストーリーはないように思える。
 僕なりの解釈だと「生と死」という現象を言葉に託して表現したものなのかな、なんて思えた。
 現象を表現するんだから、物語は不要なのかなと。...続きを読む
 作中に「クリス・ラントン」という名前が出てくるけど、人工生命の研究で有名なクリストファー・ラントンのことだと思われるし、この名前を見た時に、なんとなく「生と死」についてのことなのかな、と思った次第。
 当たっているかどうかは判らないけど、僕がそう感じてしまったんだから、当たっていようがはずれていようが、気にはならない。
「つぎの著者につづく」の方が、難解、というか決して楽には読み通せない。
 やりたいことは判る気がするし、面白い試みだな、とも思える。
 膨大な量の注釈も含めて、著者の頭の良さと膨大な読書量には脱帽。
 これ、これだけの本を読んでいないと、この作品はきちんと理解出来ないのかもしれない。
 あるいは、これだけの本を読んでいたら、もっと楽しめたのだろうか。
 某批評家がこの著者をペダンチックと批判した気持ちが判るような気がしてしまった。

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Posted by ブクログ 2015年07月15日

映画のマグノリアがとても好きなので、空から降る系シリーズと聞いて初めて円城を読んでみた。

マグノリアの不条理なことは起こり得るものだから受け入れるしかない、というメッセージに対してこちらは、不条理なことは本当に不条理なのだろうか?ということを問うているように感じた。

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Posted by ブクログ 2014年07月31日

難解である。だから面白いのであろう。そこにある知のイメージはとてもエキサイティングで心地良い。今後も何度となく読みたくなるような気がする。

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Posted by ブクログ 2013年01月25日

オブザベースボールのストーリーを理解するのは難しい。むしろ解釈とか許容が求められる。

主人公も空から人が降ってくる訳のわからない事態を解釈しようと試みている。

面白いのは、同じ現象でも、物理学者や数学者とか見ている人によって見え方、解釈の仕方が異なること。

あと、主人公は空から人が降ってくるこ...続きを読むとに関しては色々考えようとするけど、自分の職とかユニフォームとかバットについて考えることが停止してる。

自分にもよく当てはまるなーと思う。
けど、いちいち考えてられないのも事実。
自分の今していることを全力でこなすのが大事なのかな。

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Posted by ブクログ 2012年09月12日

表題作と「つぎの著者につづく」の2編を収録したもの。

1年に1度空から人が降ってくる町の話である「オブ・ザ・ベースボール」は円城塔としては意外にも読みやすい。

なんで人が降って来るのかとか、なんでその救助隊がバットで降ってくる人を打ち返すのかとか、それはそれとして、町のこと、人が降って来ること、...続きを読む主人公を含めた救助隊の活動のことなど面白く読める。

解説にもある通り円城塔入門と言える作品で、これはこれで難解だとは思うのだが、がっつり難解さを求めているならちょっと物足りなく感じるかも。

ただそれも大丈夫で、「つぎの著者につづく」が、「オブ・ザ・ベースボール」がなんだったのかと思うくらい難解な内容になっている。

語り手である私が批評家にR氏なる人物との類似性を指摘され、謎めいたR氏について語られるのだが、これが途中で一体誰のこと、何のことについて語られているのか???になってしまう。
多くの先行文学を参照している多数の注がより難解さを増しているようにも思える。

「つぎの著者につづく」はいつも通りに思えるが、珍しく読みやすく感じる「オブ・ザ・ベースボール」を読むだけでも価値がある一冊だと思う。

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Posted by ブクログ 2012年10月17日

「オブ・ザ・ベースボール」
・「何々はこれこれだ。なぜなら何々だからだ。」式の記述。
・ポップに不条理で、読後感はほのかな悲哀と決断に伴う勇ましさも残る。なにこの感情。
・カム。カムオン。
・すべては正しく間違っている。
・腹かっ捌く。

「つぎの著者につづく」
・ベコス。
・これは手法としては「厭...続きを読むらしい」。

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Posted by ブクログ 2012年07月11日

表題作では「自分とは何か」どこから来てどこへ行くのかという文学ひいては人間にとっての永遠のテーマを踏まえ最終的に落下する未来をわきまえつつ、いわゆる自分探しの旅に出る姿、つまり作者の姿に期待が持てる。もう一編については大量の予備知識は本質の読解には無用であることを窺わせる。難解。

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Posted by ブクログ 2016年09月21日

といいつつ、早速辛い評価をしてしまっている訳ですが(苦笑)。「屍者の帝国」は、あくまで伊藤ケイカクの作り上げた世界観があったからこそ、傑作に仕上がったんですね、きっと。もちろん円上塔に、突拍子もない発想を十全に広げる力があるからこそなんでしょうが、少なくとも本作は、そんな期待を満足させてくれる内容と...続きを読むは言い難かったです。正直、難しくて理解出来ていないだけって言われればそれまでなんですが、いかんせん物語が… 読み進めるのがちょっとしんどかったです。ちなみに表題作で力尽きてしまい、もう一方の作品は読めませんでした。当然、ここのコメントも表題作に対してのものです。

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Posted by ブクログ 2014年05月22日

年に1度空から人が降ってくる町、ファウルズで警戒にあたる主人公の長い独白。

空から降ってくる人を助けるために、野球のユニフォームを着てバットを担ぎ町に出る9人の日々。

なんで人が降るのかもバットを持っているのかも分からない。
不条理を受け入れつつ読み流せるかというところかもしれない。

全てのこ...続きを読むとは無理矢理でも意味づけられるけど、そんなに学びを得るために読書をしていないので頑張る必要はないなと思ってしまった。
同時収録の話はまったく意味がわからず途中でやめた。

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Posted by ブクログ 2013年08月30日

『オブ・ザ・ベースボール』一人称で語られる「空から人が降ってくる町の話」。
様々な考察を経て淡々と進んでいくが、「俺」が空にひとつの点を見つけてからの展開はアツイ。
『つぎの著者につづく』とにかく不条理で意味不明で難解だが魅力的。3回読んだ。

MVP:なし

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Posted by ブクログ 2013年02月26日

膨大な量の言葉が入っている袋の中から、
単語を適当に掬い出してばばばっと並べる。
少し眺めたら集めて袋に戻してかき回して、
また掬って眺めて戻して…みたいなイメージ。

ものすごい頭のいい人なんだろうけど、とにかく難解。
表題作の方は比較的読みやすくて、
安部公房とか星新一みたいなニュアンス。
“つ...続きを読むぎの〜”はリタイアしたドグラ・マグラを思い出しました。

と に か く 難 解 。

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Posted by ブクログ 2013年01月03日

『人が降るっていうのは人が降るってことで、つまり文字通り人が降る。』

『たしかに俺はよくやっているのかも知れないが、よくやったところでどうしようもないことも世の中には存在する。』

『オールライト、オールライト、オールライト。大丈夫。全ては正しい。正しいに決まっている。』

『オール。ライト。全て...続きを読むは正しく間違っている。』

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Posted by ブクログ 2012年11月15日

1年に1回程度、空から人が降ってくる街。原因は全く分からない。レスキュー隊が結成されているが、支給されるのは何故かユニフォームとバット?
表題作は設定が奇妙で面白い。それ以上に眈々と進む物語に引き込まれる。ただしオチはない。
もう一作はあまりにもメタでついて行けなかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年08月25日

ほぼ一年に一度、空から人が降ってくる町、ファウルズ。
単調で退屈な、この小さな町に流れ着き、ユニフォームとバットを身につけレスキュー・チームの一員となった男の物語。
奇想天外にして自由自在、文學界新人賞受賞の表題作に、知の迷宮をさまようメタフィクション小説「つぎの著者につづく」を併録。

円城塔氏...続きを読むのデビュー作と言われているオブ・ザ・ベースボール。
年に一度不定期に人が降ってくる。

結成されたレスキューチームは支給されたユニフォームとバットを持ち落下者を打ち返す。

設定が面白い。打ち返すのかい!的な。
走り込みと素振りを欠かさず行い、子供や老人に愛される。
退屈な街ファウルズのヒーロー的な要素も持つ。
パラドックスな要素もあってなかなか面白かった。

間間に学者が現れてはこの現象についての研究の成果を語る。
どんな学問でも解明できない年に一度の人の落下。
未だに打ち返した人は居なかったけれど、レスキューチームの一員であり語り手でもある人物が打ち返す時が来る。そんなお話でした。

併録されているつぎの著者につづくはやはり円城塔氏ならではの難解な小説でした。
語り手の小説家が批判家に小説家R氏の作品と酷似しているという話から始まる話。
R氏は生前は作品を一切出しておらず。死後草稿が発見されて発表されているらしい。加えて生前の情報が無い人だそうな。

通して読んでみて、正直難解さと回りくどさを感じました。
解説を読んでそういう解釈なのかと理解をしたりしなかったり。
僕にとってそんな作品でした。

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Posted by ブクログ 2016年01月17日

『セルフリファレンス〜』と同時期に発表された著者のデビュー作。SFサイドから入門したので、読み始めはあっさりしすぎな感じがしてすこし違和感。しかし、なんだかよくわからないテーマに従って自由気ままにストーリーを書き、置いてけぼりにされていた読者がやっと物語に追いついたと思った途端に終わってしまう…、と...続きを読むいう作風はSF版とも現在の書き方ともあまり変わっていないかも。表題作は再帰性/不条理、『次の〜』はオリジナリティ/読者の視点の動き、あたりを頭の片隅に置いて読むとなんとなくわかる気が…しなくもない。

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