円城塔のレビュー一覧
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初めて手に取った日から無限に読み直し続けている大好きな短編集だけど、正直理解しているかというと全然そんなことはないしそもそも表題作ばっかり読んでいて全然真剣に向き合ってないな、と思い立って現在の自分にできる最大限の解釈を試みた。
まず、メインの4編はゆるく繋がりあっていること、春夏秋冬が割り当てられていることがわかった。今更。春に芽吹いた定理が夏に枝葉を伸ばして、秋に色を深めて冬に散る。そしてそれら全ては同時に起こっていて、繋がりはなくて、繋がっている。この混み合っているくせにその実シンプルな構造が全編に入れ子となっていて、まあ読んでいて楽しい。
脳が疲れ果ててしまうことは難点なのだけど。
数 -
Posted by ブクログ
ネタバレないはある。ないはないはない‥
バラバラに解体したソーセージの腸に詰め直してできたソーセージをまたバラバラにして腸に‥
ゾウリムシに魂があるとすれば、分裂で増えるときその魂はどうなる‥
考えはじめると同じところをぐるぐるして途方に暮れるけど、その過程が面白かった。メビウスの輪とか、エッシャーのだまし絵とか、無限に出てくるマトリョーシカを開ける、みたいなイメージ。短編集なので飽きる前に次のお話が読めるのも良かった。
全10篇の中で表題作の「バナナ剥きには最適の日々」、「equal」「捧ぐ緑」「jail over」が好き。
「墓石に、と彼女は言う」は、読んでるうちにだんだん「わたし」の境界が曖昧に -
Posted by ブクログ
ネタバレ初の円城塔作品。
20+2のお話で構成されており、一つ一つ独立した最高に面白いSFとして読むこともできるが、世界観は同じで少しずつ繋がっているため、壮大な長編として楽しむこともできる。
プロローグの「Writing」での本についての書き出しから、圧倒的文才と理系的思考が爆発していて一気に掴まれた。
第一部:Nearsideの
「01 Bullet」ではこめかみに銃弾が埋まった少女とそれに恋をする少年のお話だが、そこからタイムパラドックス的なお話が展開されていくのが楽しかった。
「02 Box」では箱を倒すという謎の儀式を毎年行う家族のお話で、現実でもありそうと思ったがそこから話はさらに遠くへ -
Posted by ブクログ
短編集あるある、表題作より併録されている方の作品の方が好きになる。
今回のもそれで、というかそもそもそっち目当てで9,8年振りに手に取った本書。小説のために書かれた小説(のために書かれた小説)。
自動小説生成装置がもしもあるとするなら、それに反抗していきたいというのが著者のスタンスらしい。前半はそれこそAIが書いたかのような、文法だけ正しくて内容は支離滅裂な文章が続くが、終盤に至るにつれ比較的物語としてわかりやすい展開となっていき、コントラストで無理やり感動させられてる感、いや実際、謎にとても感動する。
著者のブログには小説の書き方のポイントがまとめられていておもしろい。曰く、「2人の登場人物 -
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こういう文学の形があるんだなと関心した本。
表紙がなかなか好きだったので買って読んだ。けれども読んでみて「ちょっとわかるけど全然わからないな」と思って掴みだけでも知りたくなってあらゆるレビューを見た。どれも「わからないがそれが良い」というもので何かしらをわかってるらしい人はひとりもいなかった。
この作品の上手いところは「完全にわからないわけでもないな」と思わせるところで、それが癖になって読み返す。やっぱりわかんねぇなと思う。本って別に必ずしもわかんなくていいらしい。
作品を読む上でわからないといけないという焦りがあったけど、こういう誰もがわからない作品を読むと安心する。
高尚な読書家に劣等感を -
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アニメ映画が公開されたとき、友人に誘われて観に行ったのが『屍者の帝国』との出会いだった。出演声優のファンであった友人も、もちろん私も、作者も作品も詳しく知らないまま鑑賞。にもかかわらず、舞台設定とそのストーリー運びに一気に夢中になった。
これは原作にあたらねばならぬーーと原作を入手。2時間でまとめられた映画とはやはり違う部分があるが、この世界観はやはりゾクゾクする。改めて読んでもその印象は変わらない。
屍者技術の発展と19世紀末の歴史的な出来事がさも当然のように織りこまれ、「屍者がすぐそこにいる」リアリティに現実と虚構の境目が曖昧にさせられる。視点者としてのワトソンというキャラクターも滋味深い -
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原文の一部が載ってるくらいので読みたいと思ったけれど、完全現代語訳。だけど、それぞれ訳された作家さんたちのセンスがキラリと光り、江戸文学のエッセンスがギュッと詰め込まれた、お値打ち品の一冊。
好色一代男
原作: 井原西鶴/ 現代語訳 島田雅彦
七才の時、夜中に子守に連れられてトイレに行った時、足元が危なくないように蝋燭を持って付いていてくれた子守のお姉さんに「その火を消して、そばに来て」。「足元が危ないから、こうしているのに、明かりを消してどうするんです。」と子守。「恋は闇ということを知らないの?」。
この頃から、クレヨンしんちゃん顔負けの天才好色男児、世之介!
八歳の時に、伯母さんの家に -
ネタバレ 購入済み
脳、特に創造性はスタンドアロンだからこそその意義がある、ということだと思う。タイトルは、頭が連結しているイメージからとったものか。