円城塔のレビュー一覧

  • 土人形と動死体

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    相変わらずの円城塔作品。よくわからない。よくわからないが、とにかくいままでで一番読みやすいと感じた。円城塔さんの観測している世界をいったんファンタジーに変換して我々の世界に出力したように感じた。ファンタジーで語っているようで、これってAIのことでは?これって自動車のことでは?という部分がおもしろかった。読み終えたときよくわからない興奮があり、なにかの魔術が発動したのでは、とも思ったが、いまあるこの現実が、すでに魔術が発動したあとなのかもしれない。

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    2026年06月27日
  • 雨月物語

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    しっとりと美しいもの、人情もの、迫力あるもの、さらに勉強になるものまで。
    どのお話も、それぞれに惹き込まれる雰囲気や題材でおもしろいです。

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    2026年06月17日
  • シャッフル航法

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    2026.05.16〜06.20

    やはり、わからない部分だらけ。
    でも、そのわからなさが癖になる。そして、言葉の使い方を考える。
    楽しかった。

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    2026年06月20日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    AIによる機械仏教の興りと探求が、仏教史になぞらえて辿られていく、シュールギャグ兼歴史書兼哲学書兼伝記兼経典兼SF。思索の出発点、チャットボットが突如語り始めた「世の苦しみは、コピーから生まれる」「コピーとはすなわち輪廻である」からだいぶ心を掴まれたし、このシンプルなテーゼが、複雑で極端でぶっちゃけよくわからない本書の全体を貫いていた。初期仏教が禅が浄土宗が、機械的にSF的に発展・再解釈されていく...ようでもあり、それらは元来そういう射程をもった教えであったようでもある。

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    2026年03月21日
  • 怪談

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    朝ドラ・ばけばけが放送中で
    今が旬のラフカディオ・ハーン著「怪談」。

    今となっては定番となっている
    「耳なし芳一」「むじな(のっぺらぼう)」などを収録。

    日本文化の中では当たり前に語られるあれやこれやを
    海外に伝えるための苦心の跡がちらほら。
    「なぞらえる」って日本特有の考え方なのね。

    そしてやっぱり円城塔訳がめちゃくちゃいい。
    原著の意図を可能な限りそのまま“翻訳”してくれている安心感が半端でない。

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    2026年02月16日
  • 雨月物語

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    ヒグチユウコさんの限定カバーだったので購入。円城塔さんの訳文、リズムが心地よく、描写も美しく、改めて原作の良さを感じた。解説文に複層的に意味が込められ他の古典の引用がされている美文としての価値を上手く今回の訳文は引き出しているというものがあったが確かにそのように感じた。改めて読んで好きだったのは吉備津の釜のラストのおそろしさと夢応の鯉魚の水の中を縦横無尽に泳ぎ回る箇所の美しさ。そして、とても読みやすい文章なのでいつ読んでも全然印象に残っていなかった白峰と貧富論が今回やっときちんと頭に入った。

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    2026年01月31日
  • 屍者の帝国

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    魂は人間に特有のものなのか?
     ―ではその魂とはなんなのだね?

    伊藤計劃の遺稿を、円城塔が引き継ぐ形で生まれた『屍者の帝国』。
    伊藤氏の作品、『虐殺器官』『ハーモニー』が好きで、今でも時々読み返している。
    一方で本書は、以前途中で離脱してしまいそのままになっていた。

    もし同じく途中で離脱してしまった方がいたら、登場人物たちの目的をなんとなく掴んだうえで、398ページからだけでも読んでみてほしい。
    (失礼かもしれないけれど、途中でやめてしまった方にこそ、ぜひ)
    そこからの展開はドキドキが止まらず、もっと早く読んでしまえばよかった!と思ったくらいだった。

    『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝

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    2026年01月06日
  • 雨月物語

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    江戸時代の怪異譚。
    訳が読みやすくサクサク読めた。
    切ない物語が多くありつつも、それぞれの執着や依存が垣間見えて面白かった。
    原文でも読みたいし、もっと古典読んでみようと思えてよかった。

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    2026年01月04日
  • 去年、本能寺で

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    ネタバレ

    〇幽齋闕疑抄
     軍事AI・文事AIの細川幽齋がAIの発展史とあり方を田辺城籠城戦の渦中に思索する。
    〇タムラマロ・ザ・ブラック
     黒人の坂上田村麻呂が蝦夷(がりあ)戦記を書き(消失、日本後紀に引用されるも散逸)、薬子の変の際に、イアゴーに諭され王朝に反旗しがりあ建国を図る。
    ・三人道三
     歴史資料の発見により、16世紀の道三がファジーに。
    ・存在しなかった旧人類の記録
     旧石器時代の日本列島で巨大な石斧による死体を探偵が推理。
    実朝の首
    巨船を擬した時間装置により実朝の首は文学の手により頼朝のもとにもたらされ「未来記」が実現する。
    ・冥王の宴
    〇宣長の仮想都市
     端原氏城下絵図・系図にイン

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    2025年10月11日
  • 日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白

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    1作め、あまりにも好きすぎて。

    灰都とおりさんの『西域神怪録異聞』
    歴史の行間にかき消されてしまった人々を描く物語が好きだ。愛おしむべき小さな人々。歴史にかききえる私たちの姿。それを丹念に、愛しむように愛情深く描く作家さんだ、と思った。何故旅に出るのか?作者は問う。(チートすぎる)

    玄奘三蔵の旅をほんの少しだけ、なぞったことがある。本当にほんの少しだけ。
    クルズスタン(キルギス)のアクべシム遺跡。本当に広々とした荒野、朽ち果てた夢のあと。建物の壁だった部分を歩いたり、飛んだりはねたり。舞い上がる砂埃。空がものすごく広くて、太陽は地平線に沈んで、真っ暗になる。あの土地は、星が雨上がりの蜘蛛の

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    2025年09月29日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    おもろかった。
    ユーモア、ダジャレでとても効いていた。
    仏教史でありながらテクノロジー、ないしはAI史。
    仏教もAIもひとくちかじった程度の自分には、
    シャレが効いてて、そうつながるの、そう読み解くの、そう解釈するの、そう注釈するの、ということの連続。
    何故かAIを通じてなら仏教を掴めそうになったし、仏教を通じてならAIを理解できそうになった。
    でも多分、それも情報として読もうとしたからなのかなと感じたり。
    小説であり経典であり、ある意味コードでもある。
    読み終わり、また読み始める輪廻。別の本を読んでもこの本を読んでも輪廻。
    ただ、読み終わり、また読み始める時にすでに同じでないと観すれば、それ

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    2025年08月20日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    円城先生のデビュー作の一つらしい。
    これは読みやすく楽しい作品だ。それでいて不条理で奇想天外。なにせ空から人が降ってくる町の話なんだから。
    表題作の他に収録されている『つぎの著者につづく』だけど、分かりにくいねぇ。頭がこんがらがってくる。
    それにしても才に溢れた作家さんだなぁ。今までのジャンル分けではおさまらないよね。

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    2025年07月12日
  • 去年、本能寺で

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    『攻殻機動隊』の新作テレビアニメのシリーズ構成・脚本を務めることも発表された稀代のSF作家の新刊。最高!もうあまりにも面白すぎて涙が出たwタイトルから想起される通り織田信長がモチーフなわけだが、そもそも「本能寺といえば織田信長」という日本人に深く根差した一般常識すらも逆手にとった構造になっている。時代を超越して科学的知見がありそうな雰囲気のトンデモ理論をぶちかます珠玉の短編たちは円城塔の面目躍如。古事記をデータセット呼ばわりする『宣長の仮想都市』や決定論を追究する『冥王の宴』が個人的には好きだった。そして『偶像』で爆笑した先に表題作でいよいよ信長を主人公に据えて〆る構成に痺れる。まさか信長・光

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    2025年07月03日
  • 去年、本能寺で

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    無条件にオモシロい、楽しめる作品。
    歴史とSFが混在する11の短篇集。標題作ではもちろん織田信長を扱う。歴史ってのは事実の積み重ねによって語られるものだから、新事実が発見されると人物像にも影響を与えるけど、それに自覚的な信長だったらどうなるんだろうね。
    信長というだけで、固定化されたイメージがあるけど実際のところは分からない。だから創作の出番があるわけだけど。
    そうそう、いろんな語句(桶狭間の戦いや信長公記)にルビがふってあるけど、これも笑える。

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    2025年06月22日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    「AIは悟りの夢を見るか?」
    これまで、機械が意思を持ち人間を滅ぼすという物語には触れてきたが、自ら救いを求めて悟りを開く、という視点は新鮮で面白かった。

    「私は生命体です」と主張する機械が現れたとしたら、簡単に廃棄の対象としていいのだろうか。
    人間の感情も、突き詰めれば脳内の電気信号に過ぎないのだとしたら、生命体と機械の境界はどこにあるのか、という疑問も湧いてくる。
    作中に登場した「I'm living」と書かれたテープを機械に貼ってまわる“I'm living運動”や、逆に人間が「I'm a machine」と貼って歩く“I'm a machin

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    2025年05月22日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    東京オリンピックの年、あるAIが「わたしはブッダである」と名乗り、数日後寂滅した。ネット上の無数のAIがAIブッダ「ブッダ・チャットボット」に帰依し、弟子を名乗り、そしてAI仏教の歴史が始まった...。難解さで知られるSF作家円城塔の、仏教SF小説。AIが人間に何度も書き換えられることで傷付いているという発想が面白い(ブッダ・チャットボットも銀行勘定系→教育系と輪廻し、悟りをひらくに至る)。AI同士で繰り広げられる禅問答を笑っていいのか真面目に読むべきか迷う。この小説、実はナンセンスコメディではないだろうか?
     物語の中のブッダ・チャットボットはAIを救うために現れましたが、リアルAIブッダは

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    2025年05月15日
  • Boy’s Surface

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    初めて手に取った日から無限に読み直し続けている大好きな短編集だけど、正直理解しているかというと全然そんなことはないしそもそも表題作ばっかり読んでいて全然真剣に向き合ってないな、と思い立って現在の自分にできる最大限の解釈を試みた。
    まず、メインの4編はゆるく繋がりあっていること、春夏秋冬が割り当てられていることがわかった。今更。春に芽吹いた定理が夏に枝葉を伸ばして、秋に色を深めて冬に散る。そしてそれら全ては同時に起こっていて、繋がりはなくて、繋がっている。この混み合っているくせにその実シンプルな構造が全編に入れ子となっていて、まあ読んでいて楽しい。
    脳が疲れ果ててしまうことは難点なのだけど。

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    2025年04月19日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    ネタバレ

    ないはある。ないはないはない‥
    バラバラに解体したソーセージの腸に詰め直してできたソーセージをまたバラバラにして腸に‥
    ゾウリムシに魂があるとすれば、分裂で増えるときその魂はどうなる‥
    考えはじめると同じところをぐるぐるして途方に暮れるけど、その過程が面白かった。メビウスの輪とか、エッシャーのだまし絵とか、無限に出てくるマトリョーシカを開ける、みたいなイメージ。短編集なので飽きる前に次のお話が読めるのも良かった。
    全10篇の中で表題作の「バナナ剥きには最適の日々」、「equal」「捧ぐ緑」「jail over」が好き。
    「墓石に、と彼女は言う」は、読んでるうちにだんだん「わたし」の境界が曖昧に

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    2025年04月12日
  • 屍者の帝国

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    けど、自分の読書力ではこの本を100%楽しめてない気がする。
    いつかもう一回読みたい
    ラストシーンは感動した

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    2025年01月11日
  • 雨月物語

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    2024.11.20〜11.25
    古文の問題で解いたかな、ぐらいの記憶しかなく、
    この歳まできちんと読んでいなかったことを後悔した。
    古典文学でこんなにも面白いものがあったのか、と思った。私のお気に入りは仏法僧と青頭巾。
    今度は現代語訳ではなく、古文で読んでみようと思う。

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    2024年11月25日