円城塔のレビュー一覧

  • 道化師の蝶

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     SNS上の知人が好きな作家、ということでこの人を知り、どうやら「シュールな」系の作風らしいと興味を持ち、読んでみることにした。
     フランツ・カフカを嚆矢とする「シュール」文学は、日本ではまずは安部公房だが、安部公房の初期の作品はやたらに饒舌でドタバタで、奇想の背後には、現代音楽の作曲家で言うと三善晃さん辺りに近いような「熱い魂」が持続していた。
     その点では、円城塔氏の文章はもっとクールで情動をあまり前面に出さないことからカフカに近い感触だ。どことなくボルヘスのような寓話的な雰囲気も感じるが、もっと「意味が無い」。
     各国のホテルを転々としつつテクストを残していく多言語作家・友幸友幸や、虫取

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    2020年12月22日
  • プロローグ

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    私に円城作品を一読で消化する機能が付いていないため、解釈が誤っていることを前提に述べるなら、自動生成に必要なプログラム群が手足を生やして人格を持ち、コツコツと時給自足で奮闘しています。気になった漢字や用語をメモして調べてWordにまとめたところ、何を読んだのかさっぱり不明な備忘録ができました。円城塔の私小説を読んだはずです(たぶん……)。最後に一言、星川さんカムバック。一番のお気に入りでした。

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    2020年12月19日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    初めて読んだ『Self-Reference ENGINE』よりは分かりやすく、純粋に楽しめた。「バナナ剥きには最適な日々」と「捧ぐ緑」、「Jail Over」が好き。 理屈をごねたり、詭弁か真理かなんなのか分からない哲学的なことを言ってみたり、さっぱり訳わからん、というところもあるけど、美文を連ねたら文学なら円城塔は間違いなく文学だと思う。短編を選んで何回か読み返したい。

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    2020年11月15日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    比較的読み易かった。「これはペンです」:叔父の正体はちゃんと分かったし、「良い夜を待ってる」:あらゆることを記憶し忘れないという父の主観を文章にする手法が面白かった。ボルヘス好きなんだろうなぁ

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    2020年11月15日
  • プロローグ

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    私小説…?小説=データ。小説データの奥行きにある世界。『エピローグ』を同時並行で読んでいるが、仮に本書の世界があると仮定し、その中からこちらの現実世界を見ると、やっぱりデータ量が大きすぎて耐えられないのだろうか?相変わらずよく分からないが、文を追っていくのが心地良いという感じだった。

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    2020年11月15日
  • Self-Reference ENGINE

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    円城塔のデビュー作。
    個人的に、彼の作品を読むのは、道化師の蝶に続いて2冊目。

    まず、読み進めるうちに短編集だと感じたが、更に読み進めると前に出てきた登場人物がチラホラ出て…と、章ごとに連関があるのをなんとなく察した。が、深い関係があるわけでもなく…

    一言で言ってしまえば、因果律がめちゃくちゃになってしまった世界線を素直に書いているために、普通の小説の形態を取っていないのだ。
    その掴めなさ、何でも有るし何でも無い感じが非常に新鮮であったし、因果律の崩壊した世界観の描写が非常に技巧的で有ると感じた。

    これを読んでいた同時期に、クリストファー・ノーラン監督の『TENET』が公開されており、あ

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    2020年10月27日
  • 道化師の蝶

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    道化師の蝶は理解が及ばずに感想は書けない。
    松の枝の記については、完全に理解ができたとは思えないが、純粋に自己の中に宿るもう一人の自分という発想が、普段の私の生活に示唆的なものであり、興味深かった。記憶の不確かさ、無意識の存在を少し確かめられた、気がする。

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    2020年10月25日
  • これで駄目なら

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    アメリカの文化なりキリスト教についての知識なりがないため、ニュアンスがわからないところもありつつ、糸井重里氏の「目と心にしみる」と解説の円城塔氏の「声」の概念は読んで腑に落ちる感じがした。
    読む人によって心に残るところは違うだろうが、自分は「私も生まれたばかりだ」という考え方、「これで駄目なら、どうしろって」と物事がうまくいっている時に声に出してみること、の2つ。
    後者は英語のニュアンスを完全には理解できてないが、日本語でこれはこういうことだと書くのも違う気がする。
    ヴォネガットの「声」によってなんとなくわかる気がしていればいいのだと思う。

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    2020年04月12日
  • シャッフル航法

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    やっぱり円城塔は読みにくさを感じるけど、短編ならば心地よい難しさといった感じ。あまりSF染みてない、ファンタジー寄りの作品の方が心を掴まれるかな、個人的には。『犀が通る』とか『(Atlas)3』あたりは読み易くて好みだった。こういう"自己"について問いかけてくる作品をもっと読みたい。

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    2020年01月30日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    まだSTAND ALONE COMPLEXしか観られていないけど大好きな攻殻機動隊のアンソロジー。
    面白かったです。
    バトーやトグサ、荒巻がアニメの声で喋って、楽しい読書でした。
    作家さんは5人ですが、それぞれの攻殻機動隊の世界でした。
    一番好きだったのは朝霧カフカさん。
    笑い男が出てきて嬉しかったです。島での戦闘は映像で観てみたくなりました。
    セリフで、中原中也など文学作品を引用するキャラがいるのが朝霧先生っぽかったです。
    この世の全ては電気信号が作り出した虚像で、(本物だと思ってる)その誤解が「心」や「意識」なのか…?ううむ。ぐるぐる。
    三雲岳斗さんのお話の、少佐に会いたいが為にテロリスト

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    2019年10月19日
  • Self-Reference ENGINE

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    ネタバレ

    巨大知性体にだんだん親近感が湧いてくる。
    ひとつひとつはふつうに面白く読めるんだけど、全体のはなしとなると結局なんだっけ?となる。でもクセになる文章。

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    2019年09月07日
  • Boy’s Surface

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    ネタバレ

    リズムや響きが心地よくて、美しくて、でもさっぱり分からない。でもハマる。これは数式なのかな、詩なのかな、と。時々わかる言語がはさまってるかんじ。
    恋愛小説だったのか〜
    確かにボーイミーツガールしてる。
    また読もう…

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    2019年09月07日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ネタバレ

    父のエミュレーション叔父のエミュレーションときて姪の代で本能に辿りつけるのか楽しみだなあと思いました

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    2019年03月24日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    やはり『雨月物語』が奥が深くて味わい深い。『好色一代男』の遺産500億円なんてものすごい金持ちであり、よく飽きもせず女、男遊びするものだと感心してしまう。光源氏に色で対抗したのも面白い。『春色梅児誉美』はハッピーエンドで楽しく読めた。

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    2019年03月20日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    読んでも読んでも全然わかるようにならないけど、それが気にならないぐらいさらさらした良い文章。小説を読んでいるはずなのに音楽を聴いているような気分になる。猛烈に好きになる、という感じではないけど、確かにこの世界観は定期的に摂取してみたくなるのもわかる。

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    2019年03月15日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    秋田先生が書いてるとのことで購入、各々一流の先生が書いており、アンソロジーといえども攻殻機動隊の世界観を各々の文体で描き切っており贅沢な逸品でした

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    2019年01月09日
  • Self-Reference ENGINE

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    バラバラになったパズルが固まりかけてはまた砕け散り、
    そしてまた小さく丸まっていく、ほつれたり、絡まったり、まるでひとを弄んでいるような底意地の悪さがあった。
    しかし、文章への引き込み方が実に、実に上手い。
    もう、ずっと永遠にこの本に意地悪をされていたいと感じた。

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    2018年11月05日
  • エピローグ

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    ネタバレ

    終盤に「でも、そろそろお前の言葉も頭も、この意味がわかるくらいには変化していたっていい頃さ」とあるのは読者への語りかけでもあるが、うーん、そこまでテキストVS私において「理路整然とやわらか頭」にはなれなかったので、検索してネット上のあれこれを拾ってみよう。。。
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    東浩紀「円城塔が『エピローグ』でOTCと呼んでいるのは要は虚構の想像力のことだということに気が付いて、すらすら読めるようになった。」
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    退転、というのは、物理的現実を捨てて、ソフトウェア化することなのだが、次第に、退転とはメディアを乗り移ることだということが分かってくる。コンピュータだけとは限らず、書物だったり石版だったりオー

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    2018年04月24日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    冬期休暇のため長くて分厚い本が読める!と、気になっていた日本文学全集シリーズ。
    現代語訳のため相当読みやすく、休み前半で読めた。

    【井原西鶴「好色一代男」 新訳:島田雅彦】
    光源氏、在原業平の流を汲む色好みの世之介さん、幼少のころから60歳までに遊びに遊んだ女3,742人と男725人、使ったお金は現在価格で500億近く。
    そんな世之介さんの一代記(まさに一代限り。何も続かない、何も残らない)を
    7歳から60歳までを1年ごとに54章で書いたもの。

    昔増村保造監督、市川雷蔵主演の映画を見ました。
    映画での世之介役の市川雷蔵は実に自由で前向きで明くて良かった!
    光源氏や在原業平はいじいじグダグダ

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    2018年01月29日
  • これで駄目なら

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    綺麗事でもなく、卑下するでもなくまともな先人の声という感じだろうか、適度な期待を含む激励のようなもの。卒業式に行われた講演らしい内容といえる。これからの人にも、なにか区切りを向かえる人にも響く内容だと思う。

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    2017年12月18日