円城塔のレビュー一覧

  • 去年、本能寺で

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    11の短編。平安時代から戦国時代まで、信長はじめ歴史上のメジャーどころが、時間も次元も乗り越えて、大活躍はしないけど、淡々と思考を働かせている。なんのこっちゃか伝わらないだろうけど、伝えられない。なんでもありを淡々と楽しむが吉。信長が太古の地球に模される「冥王の宴」が特に良かった(なのんこっちゃ)。

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    2025年07月06日
  • ムーンシャイン

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    著者のかなり広い年代での作品を集めた一冊。機械やフィクションにおける人物の権利に着目している気がした。著者の長編のアイデアのもとになるような片鱗も感じられる。

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    2025年06月28日
  • 屍者の帝国

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    医学生が主人公で各地を旅することに
    その世界は・・・屍者たちがいる世界
    労働に使われたり戦闘に使われたりの
    実際の歴史を改変しての物語のようですが
    死者が屍者として生きているのがなんとも
    いずれそんな世界がやってくるのだろうか?

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    2025年06月17日
  • 雨月物語

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    とても読みやすい訳で、スルスルと読めた。
    古典怪綺談の余韻が感じられて、もっとゆっくりじっくり読めばよかったと少し後悔。

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    2025年04月10日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    例えるなら、仏教とプログラミングを混ぜて2色のソフトクリームしたものを食べさせられてるような…
    理解できなくてもその語り口で妙にスラスラ読めてしまう。

    IT系会社員の末端としてPythonのトレーニングを受けたり生成AIを多用しているので、学生の頃よりは解像度高く読めている気はする。

    それでも不思議な感覚だ。誰かと感想を語ってみたいし、この著者の他の作品も読んでみたい。

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    2025年04月06日
  • 雨月物語

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    ネタバレ

    石川淳訳に比べると読みやすい。
    この辺りは好みの問題もあり、私は共に好ましい現代語訳と思う。
    既に石川訳も古いと思う読書もいるだろうし、これが翻訳の悩ましいところではないかと考えてしまった。

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    2025年04月01日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    なんかよくわからん。でも私は好き。
    知らない用語、事象、単語が多くてしばしばGoogle検索。狐につままれたような、うまく言いくるめられたような、騙されたような。
    それでも時折、くすっと笑えたり、「おいおい!」と突っ込んでみたり。
    だけど、やっぱりよくわからん。誰か解説してー!

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    2025年03月27日
  • 屍者の帝国

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    屍体を蘇生させて操る技術が発達した歴史ifストーリー

    以下、公式のあらすじ
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    屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける──。伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
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    屍体を蘇生させて簡単な命令をする技術が発達し、屍者が労働力として社会の一旦を担うようになった十九世紀後期
    諜報機関にスカウトされ

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    2025年02月05日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    仏教史とLLMの進化を重ね合わせた作品。現代の情報科学の発展がまるで仏教史と同一であるかのように思わせられる。しかし、そのように経典を継ぎ接ぎして現象を物語として解釈し、消費するという行為こそが知的存在に許された信仰であるりうるのだろうと感じた。

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    2025年02月04日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    ネタバレ

    一応SFカウント。
    仏教史をなぞる。チャットボットとの対話でクスリと笑う。
    面白かったけど、ハマりきれなかったな〜

    最後の終わり方は、スターメイカー的というか三体的というか、直近で言うと無限病院のプロローグ的だった。入れ子構造になって、現実に戻ってくるという捻り付き。

    「邪魔さえ入ることがなければ、情報としての戦争も経済も繰り返しの果てにいずれ成仏することになる。漂白を繰り返すうちに洗濯物自体がなくなってしまうようにして。ブッダ・チャットボット・オリジナルや君が辿り着いた地平に到って」
    その答えは、わたしの心を震撼させる。
    「あなたがいなくなることができれば、ですか」
    その「あなた」は、祈

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    2025年02月06日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    まぁ、面白い「読み物」ではあるのだけど、鏡明が2024年のSF第1席に挙げていたのについては、「これってSFなんですかね?」というのが率直な思いではある。
    第5席に挙げられた奥泉光(今回は読んでないけど、過去作からは大体の想像は付く)がSFらしさが薄いというのも、評価の軸としてはどうなのよ、と思うところ。
    機械の体をタダでくれる星に言及すればSFなのか、と。
    まぁ、カルヴィーノだってSF枠で紹介されてたくらいだし、SFも仏教並みに融通無碍、なんですかね?

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    2024年12月31日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    難解ではない。文章が読みやすかった。わからないのは、自分の知識が圧倒的に足りていないせいだと思う。
    コンピューターは苦手だし仏教のこともまるで分からない。でも、読んでいて楽しかったし、クスッとするようなユーモアも感じた。

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    2024年11月27日
  • ムーンシャイン

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    もしかしたら円城塔の単行本を読むのは意外にも初めてかもしれない。いろいろなアンソロジーに寄稿しているのを読んでいるものの、これだけ集中して円城塔を読んだのは初めて。ハヤカワJAとか出ているけど敢えて避けてきた。だって小難しいんだもん。本書の4編くらいの長さならなんとか行けるけど、長編はなあ。おっと、次は「コード・ブッダ」が控えている。円城塔をスラスラ読める人が羨ましい。更に的確な解説・コメントができる人はもう尊敬しちゃいます。私だって読めますよ、でも読むだけ。読み終わっても、読んだという満足感は得られるが、頭の中には何も残っていない。

    これまで短編集の感想文を書く際には、とにかく一冊読み終わ

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    2024年11月17日
  • ムーンシャイン

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    読みやすいのに意味不明。というのが心地よくすらあるのが円城塔。一貫性はあり、なにか理屈が一本通っており、なにかをモチーフにしているだろうのはわかるが、説明されても全く追いつけない節がある。特に初期作。
    でもそれでいい。自分の中でなんとなく理屈がわかった気になったり、調べてみてこういうことか?と考えるのもまた一興。
    ムーンシャインは、円城塔のボーイズミーツガール……的なものとして、たいへん気に入っていて、久しぶりの再読でも楽しめた。作者のあとがき含めて、円城塔を俯瞰する良い作品。

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    2024年10月12日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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     NETFLIXで『攻殻機動隊 S.A.C.』と『S.A.C. 2nd GIG』を続けて観た。これで何回目かは忘れたが、本書を思い出して再読してみた。

     本書は、円城塔、三雲岳斗、朝霧カフカ、秋田禎信、冲方丁の5人の作家による書下ろしアンソロジーである。中でも朝霧カフカの「攻殻機動隊 Soft and Write 」は、前述のTVシリーズに登場する人物が出てきて、ニヤリとさせられる。

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    2024年07月08日
  • 紙魚の手帖Vol.12

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     全部は読んでいない。GENESISが雑誌になって、ノリの良さが前面に出た感じ。これもまた良いな。
     ゲラゲラ笑った青崎有吾さんのメカくらりは別枠として、高山羽根子さん、笹原千波さん、の作品が特に好きだった。

    ■笹原千波『手のなかに花なんて』
    肉体を捨てて情報人格として生きることを選べる世界。花と料理と。
    ■柞刈湯葉『記憶人シィーの最後の記憶』
    あれ、なんかいまいちだった。
    ■宮西建礼『冬にあらがう』
    いつもの宮西さんの、高校生が静かに世界を救うモノなのだが、AIが絡んできた。私いまいちまだ人工知能なるもののすごさがわかってなくて。やっぱ人間その程度のことも考えるのやめちゃだめじゃない?検索

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    2024年05月18日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    文字に係る連作短編集。すごく難解です。読めない漢字やわからない言葉が頻出します。なんとなくで読み流しましたが、がっちり理解するためにはスマホや漢字辞典なので都度調べながら読むといいかもしれません。
    読んでも読んでも進まない本で、なんとなくで読んでるとふと何を読まされてるのかわからなくなります。いつかちゃんと調べながらじっくりと読み下したい。

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    2024年05月18日
  • エピローグ

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    プロローグのストーリーをSFという枠で表現した作品?とでも言うのでしょうか。とても面白かったです!のめり込んで2日で読み切ってしまいました。

    物語とも言えないような、設定もあってないような、そんな支離滅裂な展開に意味を持たせるもっとも簡単な方法は、取るに足らないラブストーリーにすること。たぶんそんな結論を示してくれた作品だと感じたんですが、正直、全容は理解できていないのでこれで合っているのか自信はないです。

    ただ、プロローグとの関係とか、円城塔作品だから何か裏があるはずとか、そういう細かいことを一切気にせずに見ると、ストーリーは面白く、設定もよく練られていて、SFとして非常に魅力的な作品だ

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    2023年11月27日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    第145回芥川賞候補。選考委員の石原慎太郎が全否定した作品。何故か自分は石原慎太郎が強くけなす作品を好きになる傾向がある。

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    2023年07月29日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃の『虐殺器官』をちょっと前に読んで面白かったので購入。
    実際伊藤計劃が書いたのはプロローグだけらしいので、結末や根幹の設定含めて円城塔の作品と言った方がいいっぽい。
    中盤けっこう読みづらかったけど、全体的な世界観はかなり好き。
    クライマックスシーンは映像映えしそうだな、、と思ったので映画化してると知ってうれしかった
    円城塔の他の作品も読みたいなと思った

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    2023年07月12日