円城塔のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
屍体を蘇生させて操る技術が発達した歴史ifストーリー
以下、公式のあらすじ
---------------------
屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける──。伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。
---------------------
屍体を蘇生させて簡単な命令をする技術が発達し、屍者が労働力として社会の一旦を担うようになった十九世紀後期
諜報機関にスカウトされ -
Posted by ブクログ
ネタバレ一応SFカウント。
仏教史をなぞる。チャットボットとの対話でクスリと笑う。
面白かったけど、ハマりきれなかったな〜
最後の終わり方は、スターメイカー的というか三体的というか、直近で言うと無限病院のプロローグ的だった。入れ子構造になって、現実に戻ってくるという捻り付き。
「邪魔さえ入ることがなければ、情報としての戦争も経済も繰り返しの果てにいずれ成仏することになる。漂白を繰り返すうちに洗濯物自体がなくなってしまうようにして。ブッダ・チャットボット・オリジナルや君が辿り着いた地平に到って」
その答えは、わたしの心を震撼させる。
「あなたがいなくなることができれば、ですか」
その「あなた」は、祈 -
Posted by ブクログ
もしかしたら円城塔の単行本を読むのは意外にも初めてかもしれない。いろいろなアンソロジーに寄稿しているのを読んでいるものの、これだけ集中して円城塔を読んだのは初めて。ハヤカワJAとか出ているけど敢えて避けてきた。だって小難しいんだもん。本書の4編くらいの長さならなんとか行けるけど、長編はなあ。おっと、次は「コード・ブッダ」が控えている。円城塔をスラスラ読める人が羨ましい。更に的確な解説・コメントができる人はもう尊敬しちゃいます。私だって読めますよ、でも読むだけ。読み終わっても、読んだという満足感は得られるが、頭の中には何も残っていない。
これまで短編集の感想文を書く際には、とにかく一冊読み終わ -
Posted by ブクログ
全部は読んでいない。GENESISが雑誌になって、ノリの良さが前面に出た感じ。これもまた良いな。
ゲラゲラ笑った青崎有吾さんのメカくらりは別枠として、高山羽根子さん、笹原千波さん、の作品が特に好きだった。
■笹原千波『手のなかに花なんて』
肉体を捨てて情報人格として生きることを選べる世界。花と料理と。
■柞刈湯葉『記憶人シィーの最後の記憶』
あれ、なんかいまいちだった。
■宮西建礼『冬にあらがう』
いつもの宮西さんの、高校生が静かに世界を救うモノなのだが、AIが絡んできた。私いまいちまだ人工知能なるもののすごさがわかってなくて。やっぱ人間その程度のことも考えるのやめちゃだめじゃない?検索 -
Posted by ブクログ
プロローグのストーリーをSFという枠で表現した作品?とでも言うのでしょうか。とても面白かったです!のめり込んで2日で読み切ってしまいました。
物語とも言えないような、設定もあってないような、そんな支離滅裂な展開に意味を持たせるもっとも簡単な方法は、取るに足らないラブストーリーにすること。たぶんそんな結論を示してくれた作品だと感じたんですが、正直、全容は理解できていないのでこれで合っているのか自信はないです。
ただ、プロローグとの関係とか、円城塔作品だから何か裏があるはずとか、そういう細かいことを一切気にせずに見ると、ストーリーは面白く、設定もよく練られていて、SFとして非常に魅力的な作品だ