円城塔のレビュー一覧

  • これで駄目なら

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    ヴォネガットの大学卒業生にむけた講演集。

    そこまで面白い内容ではありませんが、有名作家が卒業式に来て、これからの人生への励ましの言葉を述べてくれたら、やっぱり印象深いでしょうね。そんな場面でシニカルなことばかり言っておられないので、ヴォネガットの言葉も、基本、前向きで暖かいです。

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    2020年07月12日
  • 屍者の帝国

    購入済み

    伊藤計劃原案、円城塔著

    こちらの小説は伊藤計劃さんの書かれた物語ではないですが、小説としては前作の「虐殺器官」「ハーモニー」よりエンターテイメント性があります。伊藤計劃さんが書かれていたらどんな物語になっていたのか•••2つの作品が素晴らしいだけに悔やまれます。しかし、ご本人が1番悔しかったと思いますし、円城塔さんも大変な思いをして書かれたと思います。

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    2020年06月26日
  • シャッフル航法

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    表題作、シャッフルシャッフル訳が分からなかった。
    円城さんは頭で考えて書いている気がする。発想は独創的で面白いけど、表現と語彙がいまいちしっくりしない。

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    2020年05月04日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    ネタバレ

    2017年発行。あの攻殻機動隊の世界を土台にした、全編書き下ろしのアンソロジー。
    このアンソロジーの中では円城塔の「Shadow.net」が一番好きな作品だったけど、これは『年刊日本SF傑作選 プロジェクト・シャーロック』に再録されているので、個人的にはそちらを購入するほうがオススメかなと。

    ===

    Shadow.net 円城塔 ★★★★☆
    * 相貌失認症を持つ「わたし」は、プライバシーの観点から街の監視を行うシステム一部としての役割を担っている、という設定が、なるほど、と。近年(リアルの世界の近年)のAIによる顔認識技術は監視システムを強化したり、あるいは相貌失認症の人を支援したり、とい

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    2020年02月17日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    表題作を含む短編集。著者の頭の中の構造が常人と違いすぎて、難解なものが多い。南の島のプールサイドでパラパラめくるにはちょうどよかった。

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    2020年01月01日
  • Boy’s Surface

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    それぞれが数学的図形や定理に基づいてその哲学的原理の想像を飛躍させた先に恋愛小説として描かれている。一読した時は意味不明な定理の羅列に見え、また各章間の論理的つながりも全く不明に思えた。それに耐えて、最後まで読み切り、また解説も加えればある程度理解できた気がする。(といっても解説も一癖ある。)数学、情報科学、科学史、文学の引用が多いので、それらの基礎知識を有した上に、SF耐性が付いてる人であればすぐにこの面白さを完全に理解できるのだろう。

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    2019年12月07日
  • エピローグ

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    あーしんどかった。
    普段僕がめったに本の感想には使わない言葉で感想を述べるなら。きっと作者もその言葉を望んでいる気がするし、称賛と降伏を含意させて言うのであれば『意味がわからなかったよ』。

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    2019年10月09日
  • プロローグ

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    見るからに前衛的だけど、ある意味で分かりやすく宇宙を飛行しそうなロケットを指差して
    「これは花火です」
    という。
    こちらは「そうかこれは花火か」と思いつつ、宇宙空間を飛んでいくこの不思議な物体を想像する。
    発射直後くらいから飛行物体はその結合を失っていく。見方によっては更なる加速のための意図的な分離にも映るし、見方によっては設計者の意図しない分解にも思える。
    時に蛇行し、時に回転し、時には一瞬姿を消してみせ、すぐその先に現れる。そんな花火ともロケットともつかない不可思議な動きをみせる。何人かはこの辺りで背を向け帰っていくが、なぜか目を離せない。
    だんだんと分離は加速していき、分離したパーツは華

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    2019年08月23日
  • シャッフル航法

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    ネタバレ

    「内在天文学」★★★
    「イグノラムス・イグノラビムス」★★★★
    「シャッフル航法」★★
    「Φ」★★★★
    「つじつま」★★★
    「犀が通る」★★
    「Beaver Weaver.」★★★
    「(Atlas)^3」★★★
    「リスを実装する」★★★
    「Printable」★★★

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    2021年10月07日
  • シャッフル航法

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    ネタバレ

    思えば初期「Self-Reference ENGINE」「Boy's Surface」「オブ・ザ・ベースボール」から約10年なのだ。
    作風は拡がったり膨らんだりしているとも言えるし、堂々巡りしているとも言える。
    文体の実験、メタ意識、抒情。
    すべて筒井康隆を連想してしまい、円城塔自身は筒井康隆を敢えて避けていると言うが、短編ではどうしても共通するものがある。
    しかし筒井のドタバタハチャメチャコミカルとは違うリリカルコミカルな味付けなのだ。
    もっとはっきりいえばエモい。
    また、所々に差し挟まれるハリウッド映画的な身振り手振りの小気味良さは、人物を記号的に扱う思い切りの良さがあるからこそ

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    2019年05月22日
  • シャッフル航法

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     ひと月ほど昔の読書内容が、当該の書籍のページを繰りな押しても全く浮かばないのは、私がぼけたからだろうか。

     「イグノラムス・イグのラビムス」の章に「言葉そのものの問題ではない。まさに『君』が、その発言をするという所が問題なんだ。人間が『自分はキリンだ』といったとしても別に問題は起こらない。キリンが『自分はキリンだ』と言い出したとしてもまあいいだろう。しかし、カバが『自分はキリンだ』といいだしたなら、事態は戦慄的なものとなり、森の仲間も大宴会だ」

     この部分で、大いに笑い納得したはずなのだが、なにも浮かばない。この浮遊感はなんだろう。これが円城君なのだろうか。とわけわからんことをつぶやいて

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    2019年02月03日
  • Self-Reference ENGINE

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    祝芥川賞受賞。

    時間とは何か、言語とは何か、有限と無限、自己同一性などなど、テーマは思い切り直球勝負。けれど直球勝負のテーマの数々をてんこ盛りに盛りすぎているのと、奇をてらった構成や語り口や小道具のせいで、ふざけているようにも見える。ストーリーをこわすギャグが多すぎてストーリーの体をなさなくなった芝居みたいなものでしょうか。

    韜晦が過ぎて物語の持ち味を殺しているような気もする。しかし、こんなお話をまじめな顔でされても困ってしまうかも。粋みたいなものを感じつつ読むのが良いか。

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    2018年11月05日
  • プロローグ

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    ネタバレ

    2018年2月10日第一刷。
    「文學界」連載も楽しみに読んでいた。
    私小説とは概ね徒然なる日常を書くもの。随想からの跳躍ありき。
    本作もまさに徒然なる日常と、その都度考えたことを徒然に書いているらしい。
    が、そこは円城塔。凡人の思考ではない。

    私小説では語り手は単純に「わたしは云々」と書き始めるが、この小説の「わたし」は「小説そのもの」のことだから、不用意に「わたしは云々」と書き出せない。
    そのうちに著者の要素がいろいろなキャラクターに分散、分身、仮託、委託、されていく(?)
    さらには堂々たる「わたし対わたし問答」も生起し、それが詰まらないトートロジーに堕さない。

    私小説を刷新するのか~、

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    2018年05月22日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    読むのにメタフィクションに対する意識とサイエンスやテクノロジーに関する素養が必要になる。混沌としているようで整然としていてある意味で面白いという感じかな。受賞作よりもペン、ペンよりも良い夜が個人的には面白かったかな。テーマの設定は面白い人だなと思うので相性のいい作品を読むことができれば好きそうというのが読んだ印象。面白いテーマ設定をする、できる人が少ないので貴重かなと思う。

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    2017年12月18日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    ネタバレ

    5人の作家による公安9課のオリジナルエピソード集。

    うっすらと素子が絡みながら公安9課の面々や関係者、世界観にまつわる話が綴られる。

    1話素子本人が登場する話はあるが基本メインでなく関わっていく所がエピソード集らしくていい。

    勘違いかもしれないがGHOST IN THE SHELLとSTAND ALONE COMPLEXの話が混じり合ってる気がしてちょっと気になる。

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    2017年10月17日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    ハイパーな感じで頭の中をわやにしたいとき、円城塔はキく。魔術師の蝶よりもやや宇宙っぽい感じで、もう少し深く考えればもう少し深く読み込めるんだろうがそれを放っておいても読めるし良い。

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    2017年09月09日
  • Self-Reference ENGINE

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    うーん、面白いんだけど、詰め込み過ぎ。意味の分からない単語を読むことだけでもパワーがいる。やっぱり本って、一冊読んだ時の達成感があるじゃない。これは結構苦痛。ランダムに一編取り出して再読するときっともっと楽しめると思う

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    2017年08月29日
  • これで駄目なら

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    狂った社会に暮らす正気な人は、狂って見える。ということは、正気な社会に暮らす狂気な人は正気に見えるってことか

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    2017年03月30日
  • これで駄目なら

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    スピーチをする側はもちろん、聞く側にも教養が求められる。スピーチ文化というのは話し手と聞き手の正のスパイラルで高め合っているのだなと分かる実例。

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    2017年01月21日
  • これで駄目なら

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    コミュニティに属するかぁ。。。そういうのを鬱陶しいと思ってしまうが、確かに家族だけで閉じてしまうとガス抜きができなくてうまくいかない、という事もあるのかもしれないな、とは思った。

    通り一辺倒ではない、ヴォネガットが本当に感じている事を若者にスピーチしているのが分かり、真心の人だな、と。

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    2016年12月27日