円城塔のレビュー一覧

  • 雨月物語

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    大学のころに注釈付きの原文を読んだよことがあり、どれも怪しく美しい話で印象に残っていた。また、円城塔は好きな小説家の一人なので、どう料理してもらえるのかと期待して読んだ。
    円城塔らしさよりも、原文を尊重して読みやすく言葉を補いながら、スルスルと読める文になっていると思った。彼の小説の持ち味は思考実験と詩情の按配が絶妙なところと評価しているが、純粋に文章のみ取り上げても地力がある文筆家なのだと認識を改めた。

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    2024年12月03日
  • 日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白

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    中国唐の時代の短編集8篇
    中国4人.日本4人によるアンソロジー。
    はちゃけた表題作、パンダの活躍?する「破竹」、ひらがなの元になりそうな話「仮名の児」が良かった。

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    2024年11月11日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    「ドグラマグラ」や「ブリキの太鼓」を読んでいる時、文字でトぶ感覚があった。円城塔の作品もその体験に近く、トべる文字が断続的に並んでいる。

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    2024年08月25日
  • 屍者の帝国

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    初読。わかってない部分もたぶん多いが、『フランケンシュタイン』の後日談としても『ホームズ』のワトソンの前日譚としても歴史改変ものとしてもおもしろかった。ロボット三原則もちょっと出てきて、いろいろな知識があれば、もっといろいろ楽しめそう。
    もう少し若いときに読んでたらめちゃくちゃはまってただろうなと思った。

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    2024年04月28日
  • 道化師の蝶

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    個人的に初円城塔、初芥川賞作品。
    何も分からない。でも、何も分からないのが面白い笑
    "難解"と片付けるのは簡単だけれども、それでは勿体無い。自分の読力では到底全てを理解したとは言えないけど、作品の端々からそんな考え方があるのかと、衝撃を受けた2作だった。「道化師の蝶」では誰が誰で、何が起きてるのか最後まで混乱。解説サイトを読んで5%くらい理解できた気がする。体から離れた着想を捕まえるっていう発想が面白かった。「松ノ枝の記」は翻訳作業は創作か的なテーマで、これまた独特な話だったが道化師よりは読みやすかった。

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    2024年04月12日
  • SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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    ネタバレ

    「SF的な宇宙」と言ってしまっている時点で、SFではない可能性を孕んでしまっている、自己矛盾。
    それを感じつつも、現実にこの本を書いているチャールズ・ユウと、この本の中で『SF的な宇宙で安全に~』を書いているチャールズ・ユウと、……という入れ子構造は、そもそもタイムトラベルとは入れ子構造的ではないか、という疑念を抱かせる。
    それはつまり、ガレージで発見した、「あらゆるものはタイムマシン」ということなのであって。
    だからこれは、引きこもりの男が家族と、そして社会と和解するための、家族小説となるのだ。

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    2024年04月05日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ネタバレ

    とてもとっつきにくいと感じてしまい、なかなか進みませんでした。手紙を読むのにこんなに苦労させられるなんて、主人公のように調べる意欲がかなり必要ですし、定期的に来るとなるとついていくのは難しいですね。

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    2024年03月13日
  • SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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    なんかインターステラーみたいな。クリストファー・ノーランの映画的な難しさがあって読むのに思ったより時間がかかってしまったな…

    作者はコロンビア大学のロースクールで法学博士号を取った方のようなので、そういう博識な人が書いた文章って感じですね、ええ。

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    2024年03月09日
  • プロローグ

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    じつに円城塔さんらしい作品。めちゃくちゃ回りくどいし読みづらいのに、何故か読み進めたくなる文章。吸い寄せられる構成。本当に不思議な本です。

    たぶんストーリーとしては、円城塔さん自身が小説を書くという行為をどこまでシステム化できるのか、あるいは逸脱できるのかを実験しており、それを円城塔さんの内面を分割したかのような登場人物たちが小説のていで物語展開している、というようなもの。

    「小説のソフトウェア化」が究極の理想系というが、果たしてそれは本当なのか?実現できるのか?悩み試行錯誤する様子を、場所も時間も空間も入り乱れたストーリーで見せられるのは、脳が焼き切れるかと思いましたが楽しく読めたと思い

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    2023年11月27日
  • 道化師の蝶

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    ネタバレ

    道化師の蝶
    ・ずっと頭を回転させて読んだ 滅茶苦茶疲れた
    ・面白い面白くないとかじゃない、なんかもぞもぞしていて気持ち悪い(褒めても貶してもないです)。理解したいので続きを読みたくはなる。
    ・読んでも読んでも、理解できるようで理解できない、そこに確実にあるんだけど、手を伸ばしてもさわれない。
    は〜〜ん??なるほどね???もう少し読んでいったら理解できるかな???→できない の繰り返し。それが重なって重なって大渋滞よ。
    ・読んでいると何となく、VRでみているものに触ろうとすると手をすり抜ける感覚を思い出す。わかる気がするのにわからない。もどかしい。同じ一文を何回読み直しても、前後と文章ごと読み返

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    2023年10月29日
  • Self-Reference ENGINE

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    "P, but I don’t believe that P.(p.3)"

     昨年の年末に読んだ『文字渦』に続いて、2冊目の円城塔。予想に違わず、トンデモなくぶっ飛んでいる!
     この本のあらすじ(そんなものが仮にあれば、の話だが…)をまとめるのは、僕には少しばかり荷が重いので、裏表紙の紹介を引く。
    "彼女のこめかみには弾丸が埋まっていて、我が家に伝わる箱は、どこかの方向に毎年一度だけ倒される。老教授の最終講義は鯰文書の謎を解き明かし、床下からは大量のフロイトが出現する。そして小さく白い可憐な靴下は異形の巨大石像へと挑みかかり、僕らは反乱を起こした時間のなか、あて

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    2023年07月30日
  • 道化師の蝶

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    互いの小説を、内容の成否を問わずに好き勝手に翻訳しあうという素っ頓狂な展開からはじまる「松ノ枝の記」。正直、最初は面食らってあまり入り込めなかったんですが、中盤から描かれる、ザゼツキー症候群という切り口から謎を紐解いていく展開に圧倒され、一気に引き込まれました。円城塔さんすごい!めちゃくちゃ面白い!

    なぜ翻訳する必要があったのか、なぜ見たことも経験したこともないものの知識があるのかなど、序盤は理解不能だった謎が明かされる過程が気持ちいいですね。2人(3人?)の関係性も素敵でした。物語の展開が全て理解できたとはとても言い切れないんですが、読み返すたびに新たな発見がありそうなので、時間を置いて再

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    2023年06月15日
  • ゴジラ S.P<シンギュラポイント>

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    アニメ「ゴジラS.P」小説版、とあるが、アニメ13話のノベライズということではなく、アニメのストーリー・世界を別の視点、中でも主にアーキタイプサイドから切り取った小説。
    世界観は共通だが、アニメの活劇的な動きのある印象に対して、こちらは(ゴジラなどの怪獣含む)関係者の群像劇という形。
    円城 塔が書いているSFなだけに、図説も入っていて楽しめる。が、JJの扱いなど大胆な省略もあり、世界観は難解で噛み応えある作品。

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    2023年04月15日
  • これで駄目なら

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    カートヴォネガットのタイタンの妖女が好きで、彼が学生にどんな言葉を語ったのか知りたくて読みました。彼らしい、皮肉のこもった例えやジョーク。でも、愛と親しみと知性が彼にはある。
    いくつかの演説で繰り返し投げかけるのは、自分の世界を広げて、未来の可能性を感じ、生きる指針を与えてくれた先生はいるか(個人的意訳です)?ということ。手を上げさせて、その先生の名前と、何を教わったかを伝えるように話す。それがいかに貴重な体験なのかを教えてくれる。

    それから叔父さんの話で、何でもない日に木陰でレモネードを飲みながら、これでダメならどうしろと?と言う。それは、何気ない幸せを感じ取ることの大切さを表している。普

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    2023年02月27日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    2022-12-21
    いやあ、ふざけてる。ふざけまくってる。文字の、進化と変身と闘いと歴史と、全ての事柄をぶち込んだ奇書。これはもう読書というより体験。説明できないし、する必要もない。感じてください。

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    2022年12月22日
  • Self-Reference ENGINE

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    22のパートからなる連作短編集風の長編(?)。言葉運びの優雅さに何度もヤられてしまいました。パートの幾つかで、セルフパロディのようにダレた話になっていたのだけが少し残念(SF的にはアリなのかな)。

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    2022年12月20日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    難解なところが多かったけれど、クスッと笑える部分も散りばめられていて、飽きずに読み終えることができた。

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    2022年12月11日
  • 道化師の蝶

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    「言葉をめぐる物語」との紹介でしたが言葉自体というよりも話し手と聞き手、書き手と読み手の相互作用を逆手にとった話という感じか。言葉を使った芸術であり言葉以外で表現しようのない感じはまさに純文学であり芥川賞受賞作なのも納得です。ただ、わかりやすくはない。

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    2022年12月04日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃という夭折した作家の。
    芥川賞作家の円城搭が筆を引き継ぎ。
    時代設定独特の暗さと雰囲気が伝わってくる。でもなんだかよくわからなかった。というのが感想。割と歴史上の実在・仮想の人物の固有名詞が踊り、理解の混乱を助けているところがまた、独特かもしれない。なんとなくこんなものかなという感じの作品だが、もう一度読みたくなるかもしれないとも思います。

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    2022年09月19日
  • 屍者の帝国

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    むずかしい…!!
    ザ・ワンの口上述べ述べシーンあたりが辛うじて意識を保っておもしろく読めた気がするけれど他は文章と展開についていくのに必死でなんとか読み終えたという感じ…。
    ひとえにわたしの知識不足です、、
    もっと色んな本を読んだり今の段階ではまだ知らないことをこれから知ったりしていって、またいつか再読したいです。

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    2022年08月12日