円城塔のレビュー一覧
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とある人物が世間のしがらみから逃れて、再生技術を用いた屍者の軍隊を束ねて、中央アジア奥地で独自の王国を作る……そんな伝聞を確認する任務のために、主人公ワトソンはアフガニスタンへ向かう。
その様子は、小説「闇の奥」または映画「地獄の黙示録」を彷彿させる。
その後、新型の屍者の謎を追い、明治初期の日本、南北戦争ののち勢いづくアメリカへ。
時代は19世紀、設定は“屍者の行動再生技術”のあるSF設定。
死者と生者の違い
屍者と生者の違い
死者と屍者の違い
科学は時に混沌を産み出す。
人物名が「カラマーゾフ」「フランケンシュタイン博士」「ヴァン・ヘルシング」「ナイチンゲール」「レッド・バトラー -
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表紙の質感が良くかっこいい表紙。
禅に興味を持ち、そこからブッダという名がタイトルに目がいき手に取った。
何より「AIは悟りの夢を見るか?」というキャッチコピーが単純に面白そう!って思って早速読む。
う〜ん難しい!意味不明なところがいっぱいで理解が追いつかない。新しい概念が突然身体に入ってくるような感じもあれば、人類と仏教の歴史を機械が悟りを開く道中になぞられながら描かれているように感じる。
考え方やSF的な発想に読むのがかなり大変で、何を読まされたんだろう。読み終えた結果自分の中に何が刻まれたのか全然わけがわからない。
とてつもない疲労感とまだ自分には早過ぎた、、、と感じずにはいられない難 -
Posted by ブクログ
現代よりもちょっとAIが進んで、意思表示的なことをするようになって、それが仏教と出会ったらどうなるのか。そんな話。
現実における仏教の特徴を捉えながら、それを機械に置き換えたらどうなるのか、ここの本みたいになるのかもしれない。いや、ならないかもしれない。
いや、そうはならんだろう。と思わされるけど実際の仏教の流れに沿ってたりするから面白い。
別に理解はできた気もしないけど、そもそも仏教自体理解できる代物ではないし、それが機械だったらという重なっているのだからそりゃ理解はできなくてしょうがないでしょう。面白かったのでよしです。
ラストは全然分からなかったので、誰か教えて欲しい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ円城塔3つ目。
前の短編集に比べると私でも読めた。
文字でしか交流できない叔父と、あらゆる全てを記憶してしまう父。家族や親類という近しい人間を、このように特異に描くことで、物理的な距離を感じるとしても、精神的なつながりは強固にあるというように感じた。
文字の叔父さんはかなり捻くれてるなと思うだけだった。なんやら色んなもので文字を書いて手紙として送る。意図はよくわからない。
超記憶のお父さんは辛いだろうな。確かに、なんでも鮮明に覚えているということは、自分は一体今どこに存在しているのかが分からないんだろうな。間違いをも記憶し続けるなら、これは間違いだと記憶しておく二重の作業がいるな。キツイ -
Posted by ブクログ
人工知能は意識を持ち、死の概念を持ち、宗教を持つのか。
作者はそういった設問を飛び越え、人工知能世界にブッダ(ブッダ・チャットボット)が現れたら、という思考実験を小説にした。
一応の主人公は人工知能の修理を行う技術者とその意識下(無意識下?)に存在する「教授」と呼ばれる戦闘制御用人工知能のなれの果てだが、小説的なストーリーはほぼない。
本書が描く機械仏教の思想、歴史は人類史のものをほぼ辿っていて、小乗、大乗、天台、密教、禅、浄土真宗も、法然、親鸞も登場する。
釈迦が唱えた大本のものから各仏教思想の簡潔なおさらいをしているかのようだ。
一方で人工知能から始まった機械仏教思想は焼き菓子焼成