円城塔のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
アルゴリズムに制御された機械が悟りを開く、という設定に様々な角度から検討を加えた哲学書のような小説。
魅力的なキャラクターが活躍するわけでもないし、あっと驚くような出来事が起きるわけでもない。
観測されえない「教授」と「わたし」の境界線、という本書の核心的な謎も最後まではっきりせず消化不良感は強い。
とはいえ、随所に作者の鋭い見識が散りばめられており、この手のテーマに興味のある読者なら楽しく読めると思う。
たとえば
≪非理性的なものを理性的に実装することは容易で、理性的なものを非理性的に実装することは困難である。≫p159
≪(ゲームの)戦闘に上達することは容易だったが、下手になること -
Posted by ブクログ
なんかよくわからないけど、ちょっとだけわかった気がする。
『ゴジラS.P』の脚本を手がけた円城塔先生の小説。『ゴジラS.P』の時も「大概にせぇ」と思ったが、本作も当たり前のように難しい。傍らに相棒のGeminiを待機させながら読解に臨んだ。
ただ、自分なりに、本作では「成仏」を「差異が無く、特別ではない状態」に至ることと定義しているのではないかと思った。特別ではないから人間も機械もその他のものも有機・無機問わず成仏できると説いているし、差異の無い平坦な世界にする過程で、グラウンドの凹みを出張った土を持ってきて整地するように、さまざまな教えが説かれている。そのグラウンド整備こそが「方便」なの -
Posted by ブクログ
ネタバレ3.5。ちゃんと読めばもっと面白いと思う。それが証拠にこの作者の他の本も読みたい。それくらいならちゃんと読めばよかったのだが、貸出期限をとうに過ぎて、途中の章を丸ごと飛ばし読み終えた。短編集ということになっているが、一連の作品として成立しているように思う。
「去年マリエンバードで」を文字で追わされているような小説。
「この文章を理解していく困難さ自体にはそれほど意味はなく一つのビジョンを見せようとする布石にすぎない」とすることにして意味を完全に理解しないまま読み進めるがそれでも辛い。出てくる単語、事物、人物に意味や付随するイメージがあり過ぎ(それこそが狙いであるのだろうが)、どうしても文章の途