円城塔のレビュー一覧

  • 屍者の帝国

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    とある人物が世間のしがらみから逃れて、再生技術を用いた屍者の軍隊を束ねて、中央アジア奥地で独自の王国を作る……そんな伝聞を確認する任務のために、主人公ワトソンはアフガニスタンへ向かう。
    その様子は、小説「闇の奥」または映画「地獄の黙示録」を彷彿させる。

    その後、新型の屍者の謎を追い、明治初期の日本、南北戦争ののち勢いづくアメリカへ。

    時代は19世紀、設定は“屍者の行動再生技術”のあるSF設定。

    死者と生者の違い
    屍者と生者の違い
    死者と屍者の違い

    科学は時に混沌を産み出す。

    人物名が「カラマーゾフ」「フランケンシュタイン博士」「ヴァン・ヘルシング」「ナイチンゲール」「レッド・バトラー

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    2025年09月12日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    どれだけ攻殻機動隊という作品が大きな影響を与えたかはSFの、特にサイバーパンク的なアプローチの作品を見ればわかるのだが、本書に収められた作家陣の解像度の高さを見れば一目瞭然である。
    どれも甲乙つけ難い作品がずらりと並んでいるのだが、三雲岳斗の「金目銀目」が本書の中では一番面白かった。ごちゃごちゃとしておらず、理路整然としている。SFハードボイルドの世界観そのもの。

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    2025年09月06日
  • Self-Reference ENGINE

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    作品の全体像が見えて来た後半は良かったが、前半は苦痛だった。

    屍者の帝国もそうだったが文体が合わない。

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    2025年08月17日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    ネタバレ

    読み終えたけど難解。AIがブッダを名乗った、というあらすじだけで読み始めて若干後悔。。全12典に及ぶ仏教&壮大な規模のAISFといった感じ。終盤は時間も何も飛躍しブッダの教えと「成仏への対立」で終わったが正直理解しきれない。合わない人にはとことん合わないと思う。

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    2025年08月15日
  • 去年、本能寺で

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    はっきり言って、ちょっとなに言ってるかわからない。
    そんな中にあって「存在しなかった旧人類の記録」「偶像」「去年、本能寺で」は比較的読みやすかったかな。
    好きな人はめっちゃ好きなんだろう。私もコレクション・オブ・ジャパニーズ・ポエムス・オブ・エンシェント・アンド・モダン・タイムスって言葉はめっちゃ好き。

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    2025年07月30日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    仏教史パロディが延々と続き笑っていいのかよくわからないまま終盤の展開に当惑していたら終わった。ベストSFの二位か…みんなリテラシー高い。

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    2025年07月13日
  • 雨月物語

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    評判の雨月物語新訳ということでした期待して読んだ。おどろおどろしい内容だが、当時の景色が手に取るよう。江戸時代後期のベストセラーってこんな感じなんでしょうね。

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    2025年06月29日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    表紙の質感が良くかっこいい表紙。
    禅に興味を持ち、そこからブッダという名がタイトルに目がいき手に取った。
    何より「AIは悟りの夢を見るか?」というキャッチコピーが単純に面白そう!って思って早速読む。

    う〜ん難しい!意味不明なところがいっぱいで理解が追いつかない。新しい概念が突然身体に入ってくるような感じもあれば、人類と仏教の歴史を機械が悟りを開く道中になぞられながら描かれているように感じる。
    考え方やSF的な発想に読むのがかなり大変で、何を読まされたんだろう。読み終えた結果自分の中に何が刻まれたのか全然わけがわからない。
    とてつもない疲労感とまだ自分には早過ぎた、、、と感じずにはいられない難

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    2025年06月24日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    機械仏教史縁起の副題のとおり、機械が悟りを得る経緯を描く。コンピュータ史と根本仏教史を概観しているので、なかなか面白くクスッと思えるところがあります。これほどAIの進歩のスピードが速いと絵空事としているわけにはいかないのかもしれない。

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    2025年06月14日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    現代よりもちょっとAIが進んで、意思表示的なことをするようになって、それが仏教と出会ったらどうなるのか。そんな話。
    現実における仏教の特徴を捉えながら、それを機械に置き換えたらどうなるのか、ここの本みたいになるのかもしれない。いや、ならないかもしれない。
    いや、そうはならんだろう。と思わされるけど実際の仏教の流れに沿ってたりするから面白い。
    別に理解はできた気もしないけど、そもそも仏教自体理解できる代物ではないし、それが機械だったらという重なっているのだからそりゃ理解はできなくてしょうがないでしょう。面白かったのでよしです。
    ラストは全然分からなかったので、誰か教えて欲しい。

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    2025年05月31日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ネタバレ

    円城塔3つ目。
    前の短編集に比べると私でも読めた。

    文字でしか交流できない叔父と、あらゆる全てを記憶してしまう父。家族や親類という近しい人間を、このように特異に描くことで、物理的な距離を感じるとしても、精神的なつながりは強固にあるというように感じた。

    文字の叔父さんはかなり捻くれてるなと思うだけだった。なんやら色んなもので文字を書いて手紙として送る。意図はよくわからない。

    超記憶のお父さんは辛いだろうな。確かに、なんでも鮮明に覚えているということは、自分は一体今どこに存在しているのかが分からないんだろうな。間違いをも記憶し続けるなら、これは間違いだと記憶しておく二重の作業がいるな。キツイ

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    2025年05月24日
  • 文字渦(新潮文庫)

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    よくわからないままだった。たぶんもっと理解できればすきそうではある。わからないなりに、「文字渦」「闘字」「新字」がよかった。

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    2025年05月18日
  • ムーンシャイン

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    SFアンソロジー。初出2008年とかの短編もあったけれどそれを感じさせないのがすごい。お気に入りは、宗派と信仰を拡張させる内容に唸らせられた「遍歴(エルゴディック)」。プログラミングとか詳しかったらもっと面白かったのかも、惜しいことした。

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    2025年05月08日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    難しかった。
    仏教の勃興の歴史を、機械とコンピュータの発展の歴史になぞらえながら、AIがブッダになり得るかどうかを問うという体のコメディ?

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    2025年05月06日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    人工知能は意識を持ち、死の概念を持ち、宗教を持つのか。

    作者はそういった設問を飛び越え、人工知能世界にブッダ(ブッダ・チャットボット)が現れたら、という思考実験を小説にした。

    一応の主人公は人工知能の修理を行う技術者とその意識下(無意識下?)に存在する「教授」と呼ばれる戦闘制御用人工知能のなれの果てだが、小説的なストーリーはほぼない。

    本書が描く機械仏教の思想、歴史は人類史のものをほぼ辿っていて、小乗、大乗、天台、密教、禅、浄土真宗も、法然、親鸞も登場する。
    釈迦が唱えた大本のものから各仏教思想の簡潔なおさらいをしているかのようだ。

    一方で人工知能から始まった機械仏教思想は焼き菓子焼成

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    2025年04月18日
  • 雨月物語

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    お恥ずかしながら読んでなかった名作を読んでみようシリーズ! 円城塔さん訳です。 雨月物語、こんなに面白いんだ!というのが最初の感想。 ところどころわからない単語や難しめの言葉遣いもあるものの、するする入ってくる。 お化けが出てくるんでしょ、といううっすら知識のみだったけど、怪異を通して描かれるのは“人間”の情念。 地元なので、「吉備津の釜」でわーい!と思ったら、結構怖い話だったw

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    2025年04月11日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    わからないけどおもしろいという評判のように、よく分からないが、もう少しで分かりそうなところで宙ぶらりんになっているような印象を受けた。
    全十篇の、それぞれ短いながらも確固たる世界観を楽しめた作品集だった。

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    2025年04月01日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    プログラミングや仏教についての知識が少しだけあったので解ったつもりになってなんとか読み進めることができた。

    何も知識がない状態で読むのは中々大変なのでは無いかとも思うが、敢えて何も知らないまま読むのも良いかもしれない。

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    2025年01月30日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    仏陀となったAI。
    仏教関連の小ネタが続々と出てくるため拒否反応を出す人も多いと感じる作品。
    またAIということもあり、プログラミング関係の用語もでてくる。
    ゆっくりと本の流れに身を任せて読むのが楽かもしれません。

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    2025年01月23日
  • 屍者の帝国

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    伊藤計劃と円城塔の合作。合作とはいっても遺されていたのは30ページ程のプロローグと設定等のメモだけで、続きというよりは本人もあとがきで語っている通り、遺されたものを元に円城塔が作り上げた作品という感じ。そこまではわかっていたし、十分面白かったけど、それでも…と考えさせてしまう伊藤計劃の名前の大きさ。「言葉」というものについて考えるという点で、『自生の夢』の解説をきっかけに読んでみたのだけど、この点については飛浩隆が凄すぎる。とはいえ創作物と実際と歴史の登場人物が織り混ざった改変歴史ものとしてはなかなか楽しかった。

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    2025年01月15日