円城塔のレビュー一覧

  • バナナ剥きには最適の日々

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    相変わらずのわからなさ(笑)
    でも、独特の雰囲気とリズムで読まされ、ほんのごく一部わかったような気になっただけで、面白いと思わされてしまう。
    うーん、レビューもわからなさすぎやな。

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    2014年06月22日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ■「これはペンです」
    叔父は文字だ。文字通り。

    ■「良い夜を持っている」
    目覚めると、今日もわたしだ。

    それぞれの書き出しだが、短く端的で膨らみがある。
    そこから始まるのはどちらも物語というよりは、徒然なレポートのようなもの。
    叔父や父といった近親者が、妙に遠く、特殊な存在である。
    自動文章生成の叔父、
    超記憶のため二重写しの街に心漂わせる父。
    飄々と孤高に生きることをしている。
    さらにスポットは語り手自身の意識にも亘る。
    最終的には書くこと考えることについての小説になっている。
    やはりこの作者の書くものは素敵だ。

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    2019年04月23日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    ネタバレ

    「パラダイス行」
    わっかになった裏山の通路。

    「バナナ剝きには最適の日々」
    星間探査球の一部である僕が、旗を置いていく。
    チャッキーとバナナ星人。

    「祖母の記録」★
    失踪する祖父をコマ撮影する僕と弟、と、彼女とその祖母。
    ジョンとは……

    「AUTOMATICA」
    二重括弧、文章自動生成。

    「equal」
    「捧ぐ緑」
    ゾウリムシの研究。

    「Jail Over」★
    赤いソーセージと白いソーセージ。

    「墓石に、と彼女は言う」

    「エデン逆行」★★
    時計の街、わたし=祖母。母=娘。

    「コルタサル・パス」★
    コムの向こう側のクィ。

    詩的論理の力でもって「わたし」を解体してくれる。

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    2019年04月23日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    文庫で再読。
    単行本も持ってるけどボーナストラック入ってるし表紙も素敵だし(後に100%ORANGEと判明)、何より帯のコメントに心を鷲掴みにされてしまった。
    「研ぎすまされた適当」とは、言い得て妙すぎる。
    そんな感じの惹句を自分でも妄想してみたのだけれど、
    「思わせぶりな無意味」とか「回りくどい明快」とか「難解な明解」とか、そんなのしか思い浮かばなかった。

    円城作品を読むときにいつも悩まされるのは、そこに現れる(もしくは表れる、または著される)「わたし」とは一体だれなのか、ということだ。そこが幾重にも重ねられた比喩で覆い隠されている(ような気がする)から、読む「わたし」が読まれる「わたし」

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    2014年03月25日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    単行本も読みました。文庫版ボーナストラックのコルタサル・パスはキャッチーでいかにもなSF、と見せかけて全てをひっくり返す雰囲気を孕んでいてゾクゾクします。捧ぐ緑、バナナ剥き、祖母の記録などは軽快で楽しく、やはり「どちらかというとわかりやすい作品集」だと思います。

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    2014年03月18日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    普通のSFをやってると逆にコメントしたくなってしまう作家。しかし負けずに…「祖母」は舞城王太郎的な馬鹿馬鹿しいグロテスクさが新鮮。「バナナ剥き」は出だしは普通なのに結局論点がどこなのかよくわからないのが最高。「捧ぐ緑」はいちばんわかりやすく面白い。長編楽しみすぎる。

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    2016年01月17日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    中編程度の作品が2本の薄い本だが、読み終わるまでにかなりの時間がかかった。瀬名英明の『デカルトの密室』を思い出したが、円城の方が余計なストーリーが織り込まれていない分、密度が濃い。
    人の心理や慕情や老いへの哀しみやコミュニケーションを扱った文学とは見えない。いや、コミュニケーションの理論を扱ってはいるのだが、それは工学の分野の「情報理論」の定理、法則、仮説などなどを思考実験で小説の体をとって射影したようなものだ。機械学習の分野が急激な発展を遂げている昨今では、情報空間をどのように描写するかが文学のテーマにもなりうるということを円城は示したかったのか。

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    2018年10月14日
  • Boy’s Surface

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    「Boy's Surface」
    盲目の数学者レフラーの恋の物語。しかし、レフラー球なる物体によって変換が何重にも施されているため、何が本当のことなのか分からない。

    「Goldberg Invariant」
    数学的SFとでもいうような物々しい作品。しかし、これを恋愛小説だと理解するのは相当難しい。

    「Your Heads Only」
    「僕」と「彼女」が数年に一回再開する話。本文中にもある通り、「恋愛小説の書き換え」なのだろう。

    「Gernsback Intersection」
    最もSF色が強い作品。しかし、これは誰の恋の物語なのか分からなかった。

    「What is the Na

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    2013年06月28日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    オブザベースボールのストーリーを理解するのは難しい。むしろ解釈とか許容が求められる。

    主人公も空から人が降ってくる訳のわからない事態を解釈しようと試みている。

    面白いのは、同じ現象でも、物理学者や数学者とか見ている人によって見え方、解釈の仕方が異なること。

    あと、主人公は空から人が降ってくることに関しては色々考えようとするけど、自分の職とかユニフォームとかバットについて考えることが停止してる。

    自分にもよく当てはまるなーと思う。
    けど、いちいち考えてられないのも事実。
    自分の今していることを全力でこなすのが大事なのかな。

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    2013年01月25日
  • Boy’s Surface

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    表題作「Boy's Surface」を含む数理的恋愛小説と銘打たれた短編集。
    足りない頭を総動員して読んだものの、一読しただけでは文字通り作品の上っ面しかまだ理解できていないように感じる。解説でもある5本目の「What is the Name of This Rose?」を読んだ後には、再度じっくりと頭を使い読み込んでみたいと感じさせられた。「Your Heads Only」が中でも特に印象的で、僕と彼女のやり取りや関係性、生物ネタがお気に入り。

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    2013年01月14日
  • Boy’s Surface

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    読むメビウスの輪、かな。

    完全に揺さぶられました。著者の素敵な罠にはまっていることに気づくのに、意外と時間を要したかな。いや罠なんかじゃなくて、別の何かなのかもしれない。
    見たことのない立体図形。四次元図形が浮かぶ。
    言葉なのだが言葉ではない?これは文章なのか。いやそういう問いがナンセンスなのかな。普段の私のしている読み方では太刀打ちできない類の代物。

    そう言えば、「文学には新しさが必要」って友人が言っていました。“文学が、円城塔に追いついた。”と本書の帯に書かれていますね。

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    2013年05月07日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    表題作と「つぎの著者につづく」の2編を収録したもの。

    1年に1度空から人が降ってくる町の話である「オブ・ザ・ベースボール」は円城塔としては意外にも読みやすい。

    なんで人が降って来るのかとか、なんでその救助隊がバットで降ってくる人を打ち返すのかとか、それはそれとして、町のこと、人が降って来ること、主人公を含めた救助隊の活動のことなど面白く読める。

    解説にもある通り円城塔入門と言える作品で、これはこれで難解だとは思うのだが、がっつり難解さを求めているならちょっと物足りなく感じるかも。

    ただそれも大丈夫で、「つぎの著者につづく」が、「オブ・ザ・ベースボール」がなんだったのかと思うくらい難解な

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    2012年09月12日
  • Boy’s Surface

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    小説というよりは文脈を用いたプログラムのようで難解な感じ。なかなか理解できず、何度も戻って読み返すのだけど、それも意図されたアルゴリズムのような、不思議な本。

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    2012年09月02日
  • Boy’s Surface

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    ネタバレ

    数理恋愛小説がテーマの5編から成る短編集。

    概念や理論を擬人化させ、恋愛を数理的に解釈するというイメージ。

    前作はそれなりに読みやすいと思っていたが、これに手を出して改めて円城塔の難解さを目の当たりにする。

    数学的構造物レフラー球を発見した数学者、レフラーとフランシーヌの恋を描いた表題作「Boy’s Surface」は前回の流れで読み進められたが、それ以降は確かに難しかった。

    作品の雰囲気や流れるような文章で、面白く読めたことは確かなのだが、厳密に理解できたかと問われれば否。

    が他の皆さんも語られている通り、「わからない」は文脈と作者の意図の話で、目の前に展開する異様な光景は、ただそ

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    2012年08月30日
  • Boy’s Surface

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    もちろん癖はありますが、数学も物理学も難しいことはおそらく本当には必要ありません。“白紙地帯”を許せること、それをそのままに置き去りにし、そこに世界の拡がりを感じられること、それさえ出来れば円城先生の世界の出来方を充分に楽しめます。理論で遊んでいるようで、あらゆる理をバットで打ち返す、勢いのある凝ったジョークといった印象です。それも古式ゆかしいインテリが好むエスプリに、今日的な雑味をわざと混ぜたようで、なんとも変な味。それはそれで、好きです。

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    2012年08月26日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    「オブ・ザ・ベースボール」
    ・「何々はこれこれだ。なぜなら何々だからだ。」式の記述。
    ・ポップに不条理で、読後感はほのかな悲哀と決断に伴う勇ましさも残る。なにこの感情。
    ・カム。カムオン。
    ・すべては正しく間違っている。
    ・腹かっ捌く。

    「つぎの著者につづく」
    ・ベコス。
    ・これは手法としては「厭らしい」。

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    2012年10月17日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    表題作では「自分とは何か」どこから来てどこへ行くのかという文学ひいては人間にとっての永遠のテーマを踏まえ最終的に落下する未来をわきまえつつ、いわゆる自分探しの旅に出る姿、つまり作者の姿に期待が持てる。もう一編については大量の予備知識は本質の読解には無用であることを窺わせる。難解。

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    2012年07月11日
  • Boy’s Surface

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    -わたくしという現象は
      仮定された有機交流電燈の
      ひとつの青い証明です-

    『春と修羅』より


    この作品の冒頭部分。
    1ページ目にある言葉。

    宮沢賢治が生前唯一刊行した心象スケッチの一部なのですが、


    私が持っている『春と修羅』では
    -ひとつの青い《照明》-

    とあります。

    証明と照明。


    だいぶ、印象が変わると思いませんか?


    円城さん、あえてでしょうか?

    それとも、ただの誤植でしょうか?


    話の本筋より、
    そちらが気になって仕方ありません。

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    2012年02月14日
  • Boy’s Surface

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    凄い歯ごたえのある小説。

    何度もページを行きつ戻りつしつつ、この小説の本当の姿を見極めようと夢中になっていた。

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    久しぶりに読み返したら、より好きになった。楽園に関するくだりが、震えるくらい好きだ。

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    2013年02月12日
  • Boy’s Surface

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    前作「Self-Reference ENGINE」から、さらに数理の側に舞台を振った中篇小説集。言葉が言葉を駆動して物語が展開していく、このドライブ感がいいです。言語の生成アルゴリズム自身による探索の物語「Goldberg Invariant」と、二つの異なる数理空間が直行する時空で出会った二人の恋愛小説「Gernsback Intersection」が私的には好みです。

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    2014年06月08日