円城塔のレビュー一覧

  • オブ・ザ・ベースボール

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    オブザベースボールのストーリーを理解するのは難しい。むしろ解釈とか許容が求められる。

    主人公も空から人が降ってくる訳のわからない事態を解釈しようと試みている。

    面白いのは、同じ現象でも、物理学者や数学者とか見ている人によって見え方、解釈の仕方が異なること。

    あと、主人公は空から人が降ってくることに関しては色々考えようとするけど、自分の職とかユニフォームとかバットについて考えることが停止してる。

    自分にもよく当てはまるなーと思う。
    けど、いちいち考えてられないのも事実。
    自分の今していることを全力でこなすのが大事なのかな。

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    2013年01月25日
  • Boy’s Surface

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    表題作「Boy's Surface」を含む数理的恋愛小説と銘打たれた短編集。
    足りない頭を総動員して読んだものの、一読しただけでは文字通り作品の上っ面しかまだ理解できていないように感じる。解説でもある5本目の「What is the Name of This Rose?」を読んだ後には、再度じっくりと頭を使い読み込んでみたいと感じさせられた。「Your Heads Only」が中でも特に印象的で、僕と彼女のやり取りや関係性、生物ネタがお気に入り。

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    2013年01月14日
  • Boy’s Surface

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    読むメビウスの輪、かな。

    完全に揺さぶられました。著者の素敵な罠にはまっていることに気づくのに、意外と時間を要したかな。いや罠なんかじゃなくて、別の何かなのかもしれない。
    見たことのない立体図形。四次元図形が浮かぶ。
    言葉なのだが言葉ではない?これは文章なのか。いやそういう問いがナンセンスなのかな。普段の私のしている読み方では太刀打ちできない類の代物。

    そう言えば、「文学には新しさが必要」って友人が言っていました。“文学が、円城塔に追いついた。”と本書の帯に書かれていますね。

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    2013年05月07日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    表題作と「つぎの著者につづく」の2編を収録したもの。

    1年に1度空から人が降ってくる町の話である「オブ・ザ・ベースボール」は円城塔としては意外にも読みやすい。

    なんで人が降って来るのかとか、なんでその救助隊がバットで降ってくる人を打ち返すのかとか、それはそれとして、町のこと、人が降って来ること、主人公を含めた救助隊の活動のことなど面白く読める。

    解説にもある通り円城塔入門と言える作品で、これはこれで難解だとは思うのだが、がっつり難解さを求めているならちょっと物足りなく感じるかも。

    ただそれも大丈夫で、「つぎの著者につづく」が、「オブ・ザ・ベースボール」がなんだったのかと思うくらい難解な

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    2012年09月12日
  • Boy’s Surface

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    小説というよりは文脈を用いたプログラムのようで難解な感じ。なかなか理解できず、何度も戻って読み返すのだけど、それも意図されたアルゴリズムのような、不思議な本。

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    2012年09月02日
  • Boy’s Surface

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    ネタバレ

    数理恋愛小説がテーマの5編から成る短編集。

    概念や理論を擬人化させ、恋愛を数理的に解釈するというイメージ。

    前作はそれなりに読みやすいと思っていたが、これに手を出して改めて円城塔の難解さを目の当たりにする。

    数学的構造物レフラー球を発見した数学者、レフラーとフランシーヌの恋を描いた表題作「Boy’s Surface」は前回の流れで読み進められたが、それ以降は確かに難しかった。

    作品の雰囲気や流れるような文章で、面白く読めたことは確かなのだが、厳密に理解できたかと問われれば否。

    が他の皆さんも語られている通り、「わからない」は文脈と作者の意図の話で、目の前に展開する異様な光景は、ただそ

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    2012年08月30日
  • Boy’s Surface

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    もちろん癖はありますが、数学も物理学も難しいことはおそらく本当には必要ありません。“白紙地帯”を許せること、それをそのままに置き去りにし、そこに世界の拡がりを感じられること、それさえ出来れば円城先生の世界の出来方を充分に楽しめます。理論で遊んでいるようで、あらゆる理をバットで打ち返す、勢いのある凝ったジョークといった印象です。それも古式ゆかしいインテリが好むエスプリに、今日的な雑味をわざと混ぜたようで、なんとも変な味。それはそれで、好きです。

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    2012年08月26日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    「オブ・ザ・ベースボール」
    ・「何々はこれこれだ。なぜなら何々だからだ。」式の記述。
    ・ポップに不条理で、読後感はほのかな悲哀と決断に伴う勇ましさも残る。なにこの感情。
    ・カム。カムオン。
    ・すべては正しく間違っている。
    ・腹かっ捌く。

    「つぎの著者につづく」
    ・ベコス。
    ・これは手法としては「厭らしい」。

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    2012年10月17日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    表題作では「自分とは何か」どこから来てどこへ行くのかという文学ひいては人間にとっての永遠のテーマを踏まえ最終的に落下する未来をわきまえつつ、いわゆる自分探しの旅に出る姿、つまり作者の姿に期待が持てる。もう一編については大量の予備知識は本質の読解には無用であることを窺わせる。難解。

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    2012年07月11日
  • Boy’s Surface

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    -わたくしという現象は
      仮定された有機交流電燈の
      ひとつの青い証明です-

    『春と修羅』より


    この作品の冒頭部分。
    1ページ目にある言葉。

    宮沢賢治が生前唯一刊行した心象スケッチの一部なのですが、


    私が持っている『春と修羅』では
    -ひとつの青い《照明》-

    とあります。

    証明と照明。


    だいぶ、印象が変わると思いませんか?


    円城さん、あえてでしょうか?

    それとも、ただの誤植でしょうか?


    話の本筋より、
    そちらが気になって仕方ありません。

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    2012年02月14日
  • Boy’s Surface

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    凄い歯ごたえのある小説。

    何度もページを行きつ戻りつしつつ、この小説の本当の姿を見極めようと夢中になっていた。

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    久しぶりに読み返したら、より好きになった。楽園に関するくだりが、震えるくらい好きだ。

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    2013年02月12日
  • Boy’s Surface

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    前作「Self-Reference ENGINE」から、さらに数理の側に舞台を振った中篇小説集。言葉が言葉を駆動して物語が展開していく、このドライブ感がいいです。言語の生成アルゴリズム自身による探索の物語「Goldberg Invariant」と、二つの異なる数理空間が直行する時空で出会った二人の恋愛小説「Gernsback Intersection」が私的には好みです。

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    2014年06月08日
  • Twitter小説集 140字の物語

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    短い文章だからこそ、
    作家の人間性が
    ここぞとばかりに
    浮き彫りになってて
    びっくり。
    予想以上に面白かったー

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    2011年06月13日
  • Boy’s Surface

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    4つもしくは5つから成る短編集。あちこちにトリックがあるように見えてただのブラフだったり、ネタバレされても難しい伏線だったりと、情報量が多い。
    円城塔作品を読んでいると、創造された世界の傍観者として読み始めるのに、いつの間にか読者も作中に取り込まれてしまい、「本」の領域にすっかり包まれてしまったようになる。
    ゴタク文学としての面白さがまずあるが、この「傍観者を取り込もうとする作品世界」が妙に癖になる。

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    2012年01月19日
  • Boy’s Surface

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    どうにも良く分からないことを知的な口調でこねくり回してる恋愛?小説。
    SREの上を行く意味わからなさ。
    円城氏の手の中でまたもや踊らされた。
    分からないなりに面白いんだけど、理解出来そう…と思った瞬間に笑いながら手をすり抜けて走り去ってしまわれて悔しい。
    収録の短編ではYour Heads OnlyとGernsback Intersectionが多少理解出来たようなそうでないような。

    ★つけるなら3.5、というところだけど0.5がないので四捨五入。
    あと、文庫のカバーが可愛い。“I Love you”にニヤリとした。

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    2011年06月16日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    ネタバレ

    話の中身や言い回しが難しい故か理解しきれてないし、構造上単調なところが多い印象。
    かと言って面白くないか、と問われればそういう訳ではない。ページを捲る手は止まらないんだけど、理解しきれないことに対する一種の諦めを常に持って読んでいた感じの本でした。

    結局"教授"ってなんやったん

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    2025年12月05日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    嫌なことで頭がいっぱいな時に、どうでもいい様などうでもよくない様なことで頭を埋め尽くすせる。

    本棚にこんな本があってもいいなとおもう

    また、考えたくもないことができたら、これを読んで、どうでもいい様などうでもよくない様なことで頭を埋め尽くしたい。

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    2025年11月15日
  • 去年、本能寺で

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    なかなか難しい短編SF。時代背景、及びその周辺を理解していないと面白みがわからない。
    そういう意味では「三人道三」「実朝の首」「去年、本能寺で」辺りは面白かった。
    「三人道三」の中で昭和48年が強調されるが、これはNHKで「国盗り物語」が放映された年だ。コレが判る識者はなかなかいないのでは?斎藤道三は実に興味深い人物だ。2人掛かりで斎藤道三に成り上がったとの説もあるし3人掛かり説もあったかな?源実朝も鎌倉幕府成立時のややこしい話だ。数限りなく信長が存在している設定は正にその通りだからクスリと笑える。トンデモ設定を理解するのに難儀する短編もあるが総じて面白かった。たまにはこーゆーのもいいかな。

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    2025年11月13日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    一体、何を読まされたのか。
    それこそこちらの頭蓋骨をガシッと開かれ、ニューラリンクの電極でも埋め込まれながら、画面に流れるスクリプトを延々流された気分だ。相変わらず、円城塔は分かりにくい。

    これを「芸術だ!」なんて本音では言いたくなくて、悪文も悪文、私だけは裸の王様がヌードであることを大声で叫ぶ人間でありたいのだが、喉の奥に躊躇いがあって身体が震える。イライラとモヤモヤと、よく分からない達成感と。

    明快なストーリーはない。登場人物も、起承転結も、感情的なカタルシスもない。仏教とコード。悟りとアルゴリズム。概念の並走。

    読者は“理解”することを拒まれる。
    その代わりに、“考える”ことを強い

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    2025年11月09日
  • コード・ブッダ 機械仏教史縁起

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    円城塔さんの本、前読んだのは難解すぎて時間がかかり途中でやめてしまったので今回は難解だけど最後まで読んだ。しかし、やはりなかなか進まず必死になって読んだけど感想というのがあまり浮かんでこない。

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    2025年09月12日