円城塔のレビュー一覧
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▼表題作
1+1=2という計算させるのにもプログラムを作らねばならなかった時期だけはようやく脱し、まだみんなハンドアセンブリでマシン語使うかBASICインタプリタを使っていて、かろうじて半角カタカナは使えるマシンが出始めたがひらがなや漢字など全角文字はグラフィックで描かないかぎり存在しなかったパソコン(パソコンという語も生まれたばかりでずっとマイコンと呼ばれていた)草創期、俳句の自動生成プログラムを作ったことがありそれは季語データベース(とりあえず五文字か七文字になるようにしておいたもの)と、五文字語、七文字語のデータベースを作っていき、それらをランダムに組み合わせるだけだったのだが、た -
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ネタバレ江戸時代は、だいたい現代?
治められた4つの小説は、どれも名前は聞いたことがあるかな、というもの。読んでみるとスイスイ読める。古典文学だとちょっと遠巻きにしていたのがもったいない。
「好色一代男」これぞエロの大国日本だな、とか思ってしまう。とことん遊んで最後に船出していく世之介を、嫌える人なんていないだろう。源氏物語のパロディと言われて、なるほどと思う。
「雨月物語」いくつかの話は知っていたが、通読するのは初めて。しっとりと、また少し不思議で、少し怪しい。
「通言総籬」つうげんそうまがき。これは知らなかったけど、『なんとなく、クリスタル』ならぬ『なんとなく、総籬』といういとうせいこう訳 -
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ネタバレが書いてあるのか分からない。分からないんだけど面白い。何なんだこれは。
まるで、宇宙空間に漂っている様な、ふわふわとした浮遊感に包まれた。
多分これは、分かるとか分からないとかそういう話じゃなくて、分からないこと、そして文章のリズムを楽しむのがいいんじゃないだろうか。
私が面白かったのは、表題作と捧ぐ緑、equal。
表題作に関しては、宇宙人の話とかしてるんだけど、全然出てこない。唯一出てくるのが、僕が想像するバナナ星人。皮が3枚に剥けるか4枚に剥けるかで争ってるんだけど、どちらか判明するのは、死んでからという。
読んでいる間は何が何だかさっぱり分からないんだけど、後から考えるとじわじわく -
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謙虚な人たちが考える屍者の世界は、
躍動感と戦争と理論に溢れかえっていて困る。
(以下抜粋)
○原理はあくまで単純だが、自然は入り組む。(P.112)
○進化論はあらゆる事柄に適用できる議論ではない。骨があくまで白いのは白さが種の存続に有利だったからではなく、骨の強度に白さがたまたま伴っていただけにすぎない。白さは強度に随伴しただけだ。(P.164)
○ニュートンの力学やウォレスの進化論は確かに偉大な業績だが、彼らが早死にしていたとして、他の誰かがいつか気づいたことだろう。誰にでも理解できる理屈は、誰にでも発送することが原理的には可能な以上、ザ・ワンは単に時間を早回ししているにすぎないことも -
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・体調不良のなか読んだのでふらふらと夢幻をさまようような気分に陥った。
・独特のわかりにくさはお話の到達しようとする先が見えにくいことと無用な情報がいっぱい付与されていることに由来するか? これは今たまたま並行して読んでいる森博嗣さんの「水柿助教授」シリーズにも共通されるところでいっときの流行りやったのかもしれない。だらだらと低調のまま続いてくヤマなしオチなしイミなしのある意味やおい系? 高校生、大学生の作家志望の人が書くようなうっかりすると独りよがり系の作品ではあるかと。この手のを読むのは慣れてるので意外に抵抗感がなかった。
・Speculative FictionとしてのSF、あるいはあえ