円城塔のレビュー一覧

  • 道化師の蝶

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    文庫化を待ってました。芥川賞受賞の時は難解そうだとスルーしていたが、円城作品にある程度慣れた今ではとても面白く読めた。表題作より「松ノ枝の記」の方が好みかも。中編小説なのにSF大作を読んだかのような余韻が残った。

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    2015年01月19日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ああこんな感じ方もあるのかと、頭の奥で思考がぷちぷちはじけて気持ちよい。数学の概念を理解しようとするときの感覚そのままなので大好きです。
    脈絡なく思いついたものから次々と連ねただけのようにしか見えないのに、グッときたことばを一節抜きだしてみたらそれだけでバラバラになってしまった。ごちゃごちゃと考えてまとまらないことをむりやり要約してみたら意味が全部取れてしまったときみたい。この感覚のことまでうまく言葉にされているので恐れ入ってしまいます。

    理系はロマンチックだ

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    2014年12月31日
  • 屍者の帝国

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    ネタバレ

    2014/11/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2023/12/19〜12/23

    3年半ぶりの伊藤作品は早逝した伊藤計劃氏の第3長編で、亡くなったため中断してしまった作品を円城塔氏が完成させたもの。
    屍者を生み出し、活用した社会を通じて、現代の人間社会を風刺的に描くSF。ホームズの相棒ワトソン博士や、チャールズ・ダーウィンなど有名なキャラクターや人物も登場。

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    2023年12月23日
  • Boy’s Surface

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    ネタバレ

    「Boy's Surface」★★★★★
    「Goldberg Invariant」★★★
    「Your Heads Only」★★★★
    「Gernsback Intersection」★★★
    「What is the Name of This Rose?」★★★

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    2015年03月03日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ネタバレ

    難解といえば難解だけど、文体がしっかりしているから読みやすい。

    ネタバレになるので詳しく書かないけれど、表題作の「これはペンです」と、もうひとつの収録作品「良い夜を持っている」のつながりに、ある場面で気づいたとき、思わず「うわっ」と声が出そうになった(^^ゞ
    勘のいい人なら、もっと早く気づくのかもしれないけどね。

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    2014年09月19日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    難解である。だから面白いのであろう。そこにある知のイメージはとてもエキサイティングで心地良い。今後も何度となく読みたくなるような気がする。

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    2014年07月31日
  • SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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    予想以上に円城塔だった。何回か間をおいてよんだのでラストで何が起こったのか正直よくわかってないのでもう一度読み直した方が良いかもしれない。

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    2014年07月26日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    フリオかオクタビオのどちらでもない『オクタビオ・パス』が1番好き。本の上の波紋から魚が跳ね、白紙のページは白い獣の流れ、八本脚の乗物、対岸を求めて旅立つおじいさん、そして白い宇宙服の細身の女性。イメージも内容も綺麗で面白かった。『捧ぐ緑』ゾウリムシの実験構想を長々と語り合いつつロマンチックだった。『AUTOMATICA』文章にまつわる考察的な話。『エデン逆行』DNAを辿ってルーツを調べる調査からこんな考察的な話が生まれたのかしら?文庫帯がとても素晴らしい。まさに「研ぎすまされた適当」を堪能した。

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    2014年07月17日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    存在の証明。この本を読んでて思い浮かんだ言葉。小説とは何か、についてつらつら述べられているだけではなくて、人が存在するとはどういうことか、をずっと考えさせられる一冊でした。ちょっと読みにくいけど、面白かった。

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    2014年07月13日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    理解しきれていない。長期休暇中にまた挑戦する。言語について掘り下げられた一冊。『良い夜を待っている』の方が好き。言葉にして説明することが難しい、抽象的なことを描写している点がすごい。自分が普段目にしているモノが物事の一面にすぎないことを痛感した。言語についてもっとしっていたらもっと理解しやすかったかもしれない。言葉は記号にすぎないこと。モノで記憶する方法。「無」について考えようとして亡くなった父は最後にどんな世界をみたのか。再読必須。見たことのない世界を見せつけられました。他作品も読みたい。

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    2014年07月01日
  • SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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    科学は理解することはできないが、心を理解することは可能ではないだろうか。この小説はわたしたちの物語です。円城塔さんの翻訳が柔らかく受けとめやすく、その分突き刺さった。もし過去の過ちや後悔していることやその時にすべきことに気付くことが出来たとして、果たしてそれを行う決断がその時の自分にできるのか...いやできないだろうなあ。わたしはわたしでどこまでも繋がっているのだから、繰り返してしまう気がする。願わくば、これから先のある時点ですべてを失うまで少しでも後悔をなくすようにしよう。今を楽しもう。

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    2014年07月01日
  • SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと

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    邦題がまず良い。
    そして読み進めると「これは本当にユウさんが書いたものをトーさんが訳したのだろうか、トーさんが書いたものではないのか。もしくは『松ノ枝の記』のような書かれ方をしたものではないのか」という疑念が頭をよぎる。
    少し物悲しく、しんみりとした空気が漂っているのがまた好みだった。(ある種の)引きこもりからの脱出。過去との決別のお話。

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    2014年06月30日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    相変わらずのわからなさ(笑)
    でも、独特の雰囲気とリズムで読まされ、ほんのごく一部わかったような気になっただけで、面白いと思わされてしまう。
    うーん、レビューもわからなさすぎやな。

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    2014年06月22日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ■「これはペンです」
    叔父は文字だ。文字通り。

    ■「良い夜を持っている」
    目覚めると、今日もわたしだ。

    それぞれの書き出しだが、短く端的で膨らみがある。
    そこから始まるのはどちらも物語というよりは、徒然なレポートのようなもの。
    叔父や父といった近親者が、妙に遠く、特殊な存在である。
    自動文章生成の叔父、
    超記憶のため二重写しの街に心漂わせる父。
    飄々と孤高に生きることをしている。
    さらにスポットは語り手自身の意識にも亘る。
    最終的には書くこと考えることについての小説になっている。
    やはりこの作者の書くものは素敵だ。

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    2014年04月02日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    ネタバレ

    「パラダイス行」
    わっかになった裏山の通路。

    「バナナ剝きには最適の日々」
    星間探査球の一部である僕が、旗を置いていく。
    チャッキーとバナナ星人。

    「祖母の記録」★
    失踪する祖父をコマ撮影する僕と弟、と、彼女とその祖母。
    ジョンとは……

    「AUTOMATICA」
    二重括弧、文章自動生成。

    「equal」
    「捧ぐ緑」
    ゾウリムシの研究。

    「Jail Over」★
    赤いソーセージと白いソーセージ。

    「墓石に、と彼女は言う」

    「エデン逆行」★★
    時計の街、わたし=祖母。母=娘。

    「コルタサル・パス」★
    コムの向こう側のクィ。

    詩的論理の力でもって「わたし」を解体してくれる。

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    2019年04月23日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    文庫で再読。
    単行本も持ってるけどボーナストラック入ってるし表紙も素敵だし(後に100%ORANGEと判明)、何より帯のコメントに心を鷲掴みにされてしまった。
    「研ぎすまされた適当」とは、言い得て妙すぎる。
    そんな感じの惹句を自分でも妄想してみたのだけれど、
    「思わせぶりな無意味」とか「回りくどい明快」とか「難解な明解」とか、そんなのしか思い浮かばなかった。

    円城作品を読むときにいつも悩まされるのは、そこに現れる(もしくは表れる、または著される)「わたし」とは一体だれなのか、ということだ。そこが幾重にも重ねられた比喩で覆い隠されている(ような気がする)から、読む「わたし」が読まれる「わたし」

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    2014年03月25日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    単行本も読みました。文庫版ボーナストラックのコルタサル・パスはキャッチーでいかにもなSF、と見せかけて全てをひっくり返す雰囲気を孕んでいてゾクゾクします。捧ぐ緑、バナナ剥き、祖母の記録などは軽快で楽しく、やはり「どちらかというとわかりやすい作品集」だと思います。

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    2014年03月18日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    普通のSFをやってると逆にコメントしたくなってしまう作家。しかし負けずに…「祖母」は舞城王太郎的な馬鹿馬鹿しいグロテスクさが新鮮。「バナナ剥き」は出だしは普通なのに結局論点がどこなのかよくわからないのが最高。「捧ぐ緑」はいちばんわかりやすく面白い。長編楽しみすぎる。

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    2016年01月17日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    中編程度の作品が2本の薄い本だが、読み終わるまでにかなりの時間がかかった。瀬名英明の『デカルトの密室』を思い出したが、円城の方が余計なストーリーが織り込まれていない分、密度が濃い。
    人の心理や慕情や老いへの哀しみやコミュニケーションを扱った文学とは見えない。いや、コミュニケーションの理論を扱ってはいるのだが、それは工学の分野の「情報理論」の定理、法則、仮説などなどを思考実験で小説の体をとって射影したようなものだ。機械学習の分野が急激な発展を遂げている昨今では、情報空間をどのように描写するかが文学のテーマにもなりうるということを円城は示したかったのか。

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    2018年10月14日
  • Boy’s Surface

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    「Boy's Surface」
    盲目の数学者レフラーの恋の物語。しかし、レフラー球なる物体によって変換が何重にも施されているため、何が本当のことなのか分からない。

    「Goldberg Invariant」
    数学的SFとでもいうような物々しい作品。しかし、これを恋愛小説だと理解するのは相当難しい。

    「Your Heads Only」
    「僕」と「彼女」が数年に一回再開する話。本文中にもある通り、「恋愛小説の書き換え」なのだろう。

    「Gernsback Intersection」
    最もSF色が強い作品。しかし、これは誰の恋の物語なのか分からなかった。

    「What is the Na

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    2013年06月28日