円城塔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
といいつつ、早速辛い評価をしてしまっている訳ですが(苦笑)。「屍者の帝国」は、あくまで伊藤ケイカクの作り上げた世界観があったからこそ、傑作に仕上がったんですね、きっと。もちろん円上塔に、突拍子もない発想を十全に広げる力があるからこそなんでしょうが、少なくとも本作は、そんな期待を満足させてくれる内容とは言い難かったです。正直、難しくて理解出来ていないだけって言われればそれまでなんですが、いかんせん物語が… 読み進めるのがちょっとしんどかったです。ちなみに表題作で力尽きてしまい、もう一方の作品は読めませんでした。当然、ここのコメントも表題作に対してのものです。
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Posted by ブクログ
正直、表紙の糸井さんの言葉がずるい。
「ヴォネガットは目と心にしみる」って言われたら読みたくなるよ笑
僕は知らなかった人なんだけど、小説やら劇やらを書いていた人で、いろいろなところでスピーチしていたらしい。
その人の思う人生について、書かれているので、メモメモ。
金を稼ぐコツは、一生懸命に働くこと。
愛を勝ち得る秘訣は、いい服を着て、微笑むこと。
夫婦喧嘩の種は、金かセックスか主導権の問題。そしてもう一つ、あなただけじゃ孤独は紛れず、十分じゃない時。
大切なものはお金じゃない。あれば良いけどね。本当に大切なものは、隣人からの助言。自分を見てくれているということ。自分は満たされていると認識 -
Posted by ブクログ
うーむ、円城塔は「なんか分からないけど面白い」と言われてることが理解出来ました。
ほんとに分からないものばかりでした(笑)
でも嫌いにもなれない。。。
ほんとに不思議な小説です。
個人的には曲はいいけど歌詞の意味はあんまり分からない音楽を聴いてる気分になりました(笑)
伝わるかどうかは分かりませんが...(^^;)
一つ一つの単語の意味は分かって、でも繋がると分からない。でもなんか文章のリズムが良くて読めてしまう。
その雰囲気を楽しむ小説。
そう割り切って読めば楽しむことが出来る気がします。
正直、この作品を深く考察する勇気はありません。
なかなか興味深い作品に出会えました。 -
Posted by ブクログ
“わたしが計算機室で見出すのは、ループに落ち込み、くるくると虚しく回っている判定プログラム。複数の分岐したルーチンたちが活発に互いを牽制しつつ、分岐の先のどの結論を議決するのか、盛んな言い争いを続けている。計算はそうして続いているが停止をする様子は見えず、結論が導き出される気配はない。健忘症に襲われた登場人物たちが自分たちでは気がつかないまま、堂々巡りの議論を続ける。
抽出された叔父の特徴たちは互いに互いを論駁しながら、どこかの結論へと落ち込むことを拒否し続ける。
ドアを蹴破るようにして登場したわたしが突きつけたプリントアウトを乱雑な机の上に放り出し、教授は降参するように両手を挙げる。
「二十 -
Posted by ブクログ
大好きな時間SFですが、これはちょっと?
時間ループに陥った主人公ユウがある本を頼りにループから脱出しようとする。その本が「SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと 」。主人公が書いた(らしい)本が鍵となり、脱出出来る(らしい)、と何とも曖昧な話。パラドックスを捏ね繰り回してる感があり、SF的高揚感より文学的な趣きが濃厚。
それよりも物語の設定の方が面白い。
スターウォーズが実際に行われた数年後の世界、Lスカイウォーカの息子がタイムマシンを故障させたり、主人公の親戚がデススターの経理部に勤めてたりする。
経理部!確かにあれだけデカいと人事部も総務部もシステム部(忙しそう!)も土木課も水道局も有り -
Posted by ブクログ
僕(チャールズ・ユウ)は電話ボックス大のタイムマシンTM-31で、OSの少女タミー、非実在犬のエドと、タイムマシンの修理工として暮らしている。
タイムマシンを開発した父は失踪、母は一番幸せな1時間をタイムループし続ける生活を送っていた。
ある日、僕は未来からやって来た自分と遭遇し、光線銃で撃ってしまう。
TM-31でその場から逃げ出した僕は、未来の僕から託された本「SF的宇宙で
安全に暮らすっていうこと」を手にタイムパラドックスから逃れる方法を探っていく。
久々に本格SFを読んだ。
module αは面白いけど読みづらくて、どうなるかと思ったけど、それ以降はスイスイ読めた。
予想外な話の展開