円城塔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2020年8月に出されたものなんだけど、あの時、皆どんなことを思って生活していたのかが急に気になって、読んだ。(強いて言うなら、目当てはニコ•ニコルソンさんかな……)
円城塔さんの日記では、高確率で同じ本を読んでいて、なんとなく辿っていっている思考のようなものにまで触れられた気がした。
定期的に来る、母親からの父親一周忌お知らせメールは、笑っていいのかいけないやつなのか、ちょっと難しい。
アメリカやヨーロッパに住んでいる日本人筆者の日記では、自分たちが急に差別の対象となったことへの気持ち悪い違和感が書かれていた。
同時に、星野源のMVに対する怒りのコメントもかなりの割合で入っていることに、驚いた。
私には、どこからどこまでが呑気の範囲で括られるのか、よく分かっていない。
さらに自分に想像力がないなと思ったのは、ワンオペ育児と書いている人の日記だった。
この時期に、新生児を抱えて日々過ごすことの不安や神経質な思いの一端を知った。
振り返ると、マスク不足で不安に思っていたことは、随分前のことのようにも思う。
検温とアルコール消毒はもはや日常で、目の前に立てられたアクリル板のせいで、向かいの人が何を話しているかも、もう聞こえなくなった。
そんな世界でも、相変わらず私は、誰かから見ると呑気な生活を送っていて。
そしてその誰かは、世間を社会を恨んで絶望して、今にも生きることを諦めかけているかもしれない。
見えないことを推量することの意味は、結局、見えることには敵わないのだろうか。
無力にも、ただ問うことを繰り返している。 -
Posted by ブクログ
▼表題作
1+1=2という計算させるのにもプログラムを作らねばならなかった時期だけはようやく脱し、まだみんなハンドアセンブリでマシン語使うかBASICインタプリタを使っていて、かろうじて半角カタカナは使えるマシンが出始めたがひらがなや漢字など全角文字はグラフィックで描かないかぎり存在しなかったパソコン(パソコンという語も生まれたばかりでずっとマイコンと呼ばれていた)草創期、俳句の自動生成プログラムを作ったことがありそれは季語データベース(とりあえず五文字か七文字になるようにしておいたもの)と、五文字語、七文字語のデータベースを作っていき、それらをランダムに組み合わせるだけだったのだが、たまにはけっこうおもろい俳句ができデータベースを増やすにつれバリエーションも増えていったのでデータベースを外部に持たせ(当時は磁気テープが主流でフロッピーディスクですら高額で入手困難だったが)量的な問題をクリアした上で洗練させていけばいつか質量ともに既存及び未来の俳人全てを凌駕していけそうな気もしてた。最終的には俳句採点プログラムを作ろうとか思ってた。ちなみにぼくは俳句に興味がないわけではないのでけっこう読んではいるがちゃんと作ったことはほとんどなくこれまで作った総量で千句ていどかと思う。でもまあ特に囲碁将棋が強くない人でも強いプログラムを作ることは可能なもんやからなんとかなるやろうと。ちなみに試しに作った五目並べプログラムはぼくより強かった。ともあれ次は語句の関係性を考慮できるようにして無駄な句を減らしつつ思いがけなさの面白味は残すようにしたいとか思ってた頃、パソコンが世の中で仕事の道具になり始め玩具としておもろなくなっていったので途中やめになった。なんかその頃を思い出した。
《否定とその否定の否定。叔父の時間はそんな単純なやりかたで駆動されている。》p.28
《自分が切り貼りをしていると承知しながら、全く別の内容を書こうとする輩が一定の割合ででてくるからだ》p.60。学生のときこういうのやったことあるなあ。99%あちこちからの引用で、引用元とは全く異なる内容の論文にした。ぼく的には面白かったけど、誰も評価してくれなかった・・・単にレベルがいまいちやっただけかもしらへんけど。
この本、何が書かれてあるのか一度目で全て理解しながら読んだ人がいたらすごいもんやなあと思う。あるいは眠くならずに読めた人も。
ときおり何も考えず意味もなくほぼ自動筆記したらこんな文章になったような気もする。
作家なら一度はこういう文章を書いておきたいもんやないかなあと思う。
たまに読み返したらなんとなく刺激受けるんやないかなあと思う。電子書籍の形でもいいので持っておきたい一冊。
ある意味メタやけどメタっぽいしらける感じはなくそこはかとなく面白く感じさせるのはえらい力量やなあと思った。
▼良い夜を持っている
記憶の中に都市を構築した父の話。確実ではないが「これはペンです」の叔父の父ということだろう。姪にとっては祖父ってことになる。
記憶は改竄できるものだから、もし完全な記憶力を持っている人間がいるならその人はタイムトラベラーかもしれない。
自分のなかで増殖し続ける迷宮都市をさまよいつづける父の肖像。
無限に入れ子になっていくエミュレータとしての架空の都市群?
ぼくの卒論は大雑把に言えば「文学における記憶というもの」だったのでこの作品を面白がる素地はあった。
卒論の形式は注につぐ注の塊で互いが互いの注であり続け本文量は全体の一割もなかった。発想をきっちり伝えるためにはそうするしかなかった苦肉の策だったが提出した夜、教授から「面白かったよ」とわざわざ電話がかかってきた。
昔のMacにおまけでついてきてたハイパーカードというアプリの機能ロックを外したものに出合ったときこれがあったらもっとうまく構築できたなあとか思った。
【一行目】
叔父は文字だ。文字通り。(これはペンですp.9)
目覚めると、今日もわたしだ。(良い夜を持っているp.119) -
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ネタバレ江戸時代は、だいたい現代?
治められた4つの小説は、どれも名前は聞いたことがあるかな、というもの。読んでみるとスイスイ読める。古典文学だとちょっと遠巻きにしていたのがもったいない。
「好色一代男」これぞエロの大国日本だな、とか思ってしまう。とことん遊んで最後に船出していく世之介を、嫌える人なんていないだろう。源氏物語のパロディと言われて、なるほどと思う。
「雨月物語」いくつかの話は知っていたが、通読するのは初めて。しっとりと、また少し不思議で、少し怪しい。
「通言総籬」つうげんそうまがき。これは知らなかったけど、『なんとなく、クリスタル』ならぬ『なんとなく、総籬』といういとうせいこう訳に引っ張られて読んだ。冒頭はもしかしてにほんごであそぼでやってた江戸っ子とはのセリフか。
「春色梅児誉美」これは昔マンガで読んだことがあるので、なんとなくあらすじは覚えていた。どんどんと事件が起き、新たな事実が明らかになり、最後は大団円でご都合主義とは言っても、ぐいぐいと読んでしまう。軽やかな会話、キャラクターたちの「粋」と「あだ」が爽やか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレが書いてあるのか分からない。分からないんだけど面白い。何なんだこれは。
まるで、宇宙空間に漂っている様な、ふわふわとした浮遊感に包まれた。
多分これは、分かるとか分からないとかそういう話じゃなくて、分からないこと、そして文章のリズムを楽しむのがいいんじゃないだろうか。
私が面白かったのは、表題作と捧ぐ緑、equal。
表題作に関しては、宇宙人の話とかしてるんだけど、全然出てこない。唯一出てくるのが、僕が想像するバナナ星人。皮が3枚に剥けるか4枚に剥けるかで争ってるんだけど、どちらか判明するのは、死んでからという。
読んでいる間は何が何だかさっぱり分からないんだけど、後から考えるとじわじわくるんだよなこれ。
初めての円城塔にはぴったりだった。
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Posted by ブクログ
・体調不良のなか読んだのでふらふらと夢幻をさまようような気分に陥った。
・独特のわかりにくさはお話の到達しようとする先が見えにくいことと無用な情報がいっぱい付与されていることに由来するか? これは今たまたま並行して読んでいる森博嗣さんの「水柿助教授」シリーズにも共通されるところでいっときの流行りやったのかもしれない。だらだらと低調のまま続いてくヤマなしオチなしイミなしのある意味やおい系? 高校生、大学生の作家志望の人が書くようなうっかりすると独りよがり系の作品ではあるかと。この手のを読むのは慣れてるので意外に抵抗感がなかった。
・Speculative FictionとしてのSF、あるいはあえてそう見せている偽Speculative Fictionといえる気もする。だからどこか、古臭くも感じる。
・この著者有名作家として名を知ってはいたが読むのはたぶん初めてと思う。
・文庫版p.105はクラフト・エヴィング商會っぽい。
・「墓石に、と彼女は言う」では最近読んだ伴名練『なめらかな世界と、その敵』を思い出したのでするっと入ることができた。 -
購入済み
伊藤計劃原案、円城塔著
こちらの小説は伊藤計劃さんの書かれた物語ではないですが、小説としては前作の「虐殺器官」「ハーモニー」よりエンターテイメント性があります。伊藤計劃さんが書かれていたらどんな物語になっていたのか•••2つの作品が素晴らしいだけに悔やまれます。しかし、ご本人が1番悔しかったと思いますし、円城塔さんも大変な思いをして書かれたと思います。
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ネタバレ2017年発行。あの攻殻機動隊の世界を土台にした、全編書き下ろしのアンソロジー。
このアンソロジーの中では円城塔の「Shadow.net」が一番好きな作品だったけど、これは『年刊日本SF傑作選 プロジェクト・シャーロック』に再録されているので、個人的にはそちらを購入するほうがオススメかなと。
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Shadow.net 円城塔 ★★★★☆
* 相貌失認症を持つ「わたし」は、プライバシーの観点から街の監視を行うシステム一部としての役割を担っている、という設定が、なるほど、と。近年(リアルの世界の近年)のAIによる顔認識技術は監視システムを強化したり、あるいは相貌失認症の人を支援したり、という発想が、普通なら出て来そうなものだけど、円城塔はそこをディストピア的な逆の発想をして話を膨らませている点が面白い。
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金目銀目 Heterochromia 三雲岳斗 ★★★☆☆
* 草薙素子に憧れて全身擬態化した元SP。草薙素子と同スペックの擬態パーツを手に入れる代わりに暗殺業を始める。草薙素子の気を引き、会いたいがために。
* どうやらこの作者はラノベライターらしい。
攻殻機動隊 Soft and White 朝霧カフカ ★★★★☆
* 世界一のリゾート島は全員が脳に幻想を見せることで実現している夢の空間だった。そこにテロリストが現れると聞き、調査員の主人公ヒデは乗り込む。
* 最後にヒデが久世英雄だと判明するがSAC2を見てないので、なんのことやらわからない。
* なんか文章がプロっぽくないなと思うところがいくつかあったけど、この人もシナリオライター/ライトノベル作家の人らしい。
自問自答 秋田禎信 ★★☆☆☆
* ここはどこ私は誰状態の草薙素子の目の前に自分が現れ、自分と対話する。
* (ネタバレ) 襲撃によって意識不明の昏睡状態だった草薙素子が見た夢のような状態だった
スプリンガー 冲方丁 ★★★☆☆
* 内務調査中の一人語り。オリンピック選手用の高性能擬態が強奪された。
* スプリンガー・レイジ・シンドローム(激怒症候群ウィルス)