円城塔のレビュー一覧

  • シャッフル航法

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     ひと月ほど昔の読書内容が、当該の書籍のページを繰りな押しても全く浮かばないのは、私がぼけたからだろうか。

     「イグノラムス・イグのラビムス」の章に「言葉そのものの問題ではない。まさに『君』が、その発言をするという所が問題なんだ。人間が『自分はキリンだ』といったとしても別に問題は起こらない。キリンが『自分はキリンだ』と言い出したとしてもまあいいだろう。しかし、カバが『自分はキリンだ』といいだしたなら、事態は戦慄的なものとなり、森の仲間も大宴会だ」

     この部分で、大いに笑い納得したはずなのだが、なにも浮かばない。この浮遊感はなんだろう。これが円城君なのだろうか。とわけわからんことをつぶやいて

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    2019年02月03日
  • Self-Reference ENGINE

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    祝芥川賞受賞。

    時間とは何か、言語とは何か、有限と無限、自己同一性などなど、テーマは思い切り直球勝負。けれど直球勝負のテーマの数々をてんこ盛りに盛りすぎているのと、奇をてらった構成や語り口や小道具のせいで、ふざけているようにも見える。ストーリーをこわすギャグが多すぎてストーリーの体をなさなくなった芝居みたいなものでしょうか。

    韜晦が過ぎて物語の持ち味を殺しているような気もする。しかし、こんなお話をまじめな顔でされても困ってしまうかも。粋みたいなものを感じつつ読むのが良いか。

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    2018年11月05日
  • プロローグ

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    ネタバレ

    2018年2月10日第一刷。
    「文學界」連載も楽しみに読んでいた。
    私小説とは概ね徒然なる日常を書くもの。随想からの跳躍ありき。
    本作もまさに徒然なる日常と、その都度考えたことを徒然に書いているらしい。
    が、そこは円城塔。凡人の思考ではない。

    私小説では語り手は単純に「わたしは云々」と書き始めるが、この小説の「わたし」は「小説そのもの」のことだから、不用意に「わたしは云々」と書き出せない。
    そのうちに著者の要素がいろいろなキャラクターに分散、分身、仮託、委託、されていく(?)
    さらには堂々たる「わたし対わたし問答」も生起し、それが詰まらないトートロジーに堕さない。

    私小説を刷新するのか~、

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    2018年05月22日
  • プロローグ

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    『プロローグ』(文春文庫)と『エピローグ』(ハヤカワ文庫JA)の同時刊行という異業(笑)に、つい、手を伸ばしてしまった……。

    あらすじとしては、こうある。

    「小説の書き手である「わたし」は物語を始めるにあたり、日本語の表記の範囲を定め、登場人物となる13氏族を制定し、世界を作り出す。」

    そうして始まるや否や、『千字文』が渦巻く21ページ目にして、笑いが生まれる。
    これは、凄まじい。
    けれど、同時に日本語とは一体どこまでを見通せる可能性を持った言語なのか、と考える。
    私はその、何パーセントを語彙として所持していて、残りは存在さえ知らないのか。

    ストーリーとしては正直、分かりやすくない。

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    2018年02月12日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    読むのにメタフィクションに対する意識とサイエンスやテクノロジーに関する素養が必要になる。混沌としているようで整然としていてある意味で面白いという感じかな。受賞作よりもペン、ペンよりも良い夜が個人的には面白かったかな。テーマの設定は面白い人だなと思うので相性のいい作品を読むことができれば好きそうというのが読んだ印象。面白いテーマ設定をする、できる人が少ないので貴重かなと思う。

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    2017年12月18日
  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    ネタバレ

    5人の作家による公安9課のオリジナルエピソード集。

    うっすらと素子が絡みながら公安9課の面々や関係者、世界観にまつわる話が綴られる。

    1話素子本人が登場する話はあるが基本メインでなく関わっていく所がエピソード集らしくていい。

    勘違いかもしれないがGHOST IN THE SHELLとSTAND ALONE COMPLEXの話が混じり合ってる気がしてちょっと気になる。

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    2017年10月17日
  • バナナ剥きには最適の日々

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    ハイパーな感じで頭の中をわやにしたいとき、円城塔はキく。魔術師の蝶よりもやや宇宙っぽい感じで、もう少し深く考えればもう少し深く読み込めるんだろうがそれを放っておいても読めるし良い。

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    2017年09月09日
  • Self-Reference ENGINE

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    うーん、面白いんだけど、詰め込み過ぎ。意味の分からない単語を読むことだけでもパワーがいる。やっぱり本って、一冊読んだ時の達成感があるじゃない。これは結構苦痛。ランダムに一編取り出して再読するときっともっと楽しめると思う

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    2017年08月29日
  • これで駄目なら

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    狂った社会に暮らす正気な人は、狂って見える。ということは、正気な社会に暮らす狂気な人は正気に見えるってことか

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    2017年03月30日
  • これで駄目なら

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    スピーチをする側はもちろん、聞く側にも教養が求められる。スピーチ文化というのは話し手と聞き手の正のスパイラルで高め合っているのだなと分かる実例。

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    2017年01月21日
  • これで駄目なら

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    コミュニティに属するかぁ。。。そういうのを鬱陶しいと思ってしまうが、確かに家族だけで閉じてしまうとガス抜きができなくてうまくいかない、という事もあるのかもしれないな、とは思った。

    通り一辺倒ではない、ヴォネガットが本当に感じている事を若者にスピーチしているのが分かり、真心の人だな、と。

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    2016年12月27日
  • オブ・ザ・ベースボール

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    といいつつ、早速辛い評価をしてしまっている訳ですが(苦笑)。「屍者の帝国」は、あくまで伊藤ケイカクの作り上げた世界観があったからこそ、傑作に仕上がったんですね、きっと。もちろん円上塔に、突拍子もない発想を十全に広げる力があるからこそなんでしょうが、少なくとも本作は、そんな期待を満足させてくれる内容とは言い難かったです。正直、難しくて理解出来ていないだけって言われればそれまでなんですが、いかんせん物語が… 読み進めるのがちょっとしんどかったです。ちなみに表題作で力尽きてしまい、もう一方の作品は読めませんでした。当然、ここのコメントも表題作に対してのものです。

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    2016年09月21日
  • これはペンです(新潮文庫)

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     頭のいい理系の人が書いた小説だということはすぐわかる。アイディアが斬新で、こんな小説があるのかとびっくりしたのは、私が理系頭ではないせいか。ものを書くとはどういうことなのかと、改めて考えさせられた。
     切り貼りの件では、某大学で、自分で独自に執筆した文章を一字一句たりとも交えてはいけないというレポートが課されたという記事をいつだったか読んだのを思い出し、くすっと笑ってしまった。
     が、私の好みはストーリーテラーなので、星3つでごめんなさい。

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    2016年09月19日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    それぞれ初めて読みました。
    井原西鶴 好色一代男
    上田秋成 雨月物語
    山東京伝 通信総籬
    為永春水 春色梅児誉美

    それぞれ、江戸文化の良さや面白さについていまいち
    理解できないというか、合わない感じがしました。

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    2016年08月12日
  • Self-Reference ENGINE

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    2016/06/04〜2016/06/12
    星3

    計算機屋さんが読むと面白がりそうな内容がたくさん入ったSF小説だった。短編が何話も続く形を取ってはいるが、全体として統一感があるようになっている本だった。

    尚、ハードカバーも出版されていて、そっちの方が初出。

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    2016年06月13日
  • これで駄目なら

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    カート・ヴォネガットは、いろいろな学校で卒業の祝辞を述べていたようです。
    その集大成。20世紀のホープだったヴォネガットの祝辞です。米国と日本の式典での祝辞の雰囲気は、きっとすごく違うんだろうなあ…?

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    2016年03月08日
  • これで駄目なら

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    正直、表紙の糸井さんの言葉がずるい。
    「ヴォネガットは目と心にしみる」って言われたら読みたくなるよ笑

    僕は知らなかった人なんだけど、小説やら劇やらを書いていた人で、いろいろなところでスピーチしていたらしい。

    その人の思う人生について、書かれているので、メモメモ。

    金を稼ぐコツは、一生懸命に働くこと。
    愛を勝ち得る秘訣は、いい服を着て、微笑むこと。
    夫婦喧嘩の種は、金かセックスか主導権の問題。そしてもう一つ、あなただけじゃ孤独は紛れず、十分じゃない時。
    大切なものはお金じゃない。あれば良いけどね。本当に大切なものは、隣人からの助言。自分を見てくれているということ。自分は満たされていると認識

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    2016年02月01日
  • 道化師の蝶

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    「屍者の帝国」も読んだけど、作者は思考が生き物のように人間に宿るってディテールが好きなんだなって感じ。あとがきの人が言う、翻訳への挑戦ってのはわかったけど、挑戦に甘んじちゃって結論が見えてこない気がする。
    あとはなんか文体が説明書きみたいで、もっと、それこそナボコフみたいな文章だったら世界観に酔えるのになぁ。

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    2016年01月18日
  • 道化師の蝶

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    (オリジナルは)初円城。ソースは忘れてしまったんですが、表題作の「道化師の蝶」と伊藤計劃氏との共作『屍者の帝国』は執筆期間が被っていたらしい・・その苦労がそのまま反映されているのかなぁと感じました^^; 兎に角メタファーが多く如何様にも読める作品。読みづらくてホントしんどかった...

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    2016年01月03日
  • これはペンです(新潮文庫)

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    難しいことは考えないようにすると遠回りする家族の話に見えてきて、そう思えてくるとちょっと好きになれそうな話に思えてくる、そんな感じ。

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    2015年11月25日