伊坂幸太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレなんとも言えないモヤモヤが残る作品でした。
作品としては完成度も高く、面白い話でした。
兄貴が危惧していたことが今のSNSで起きてしまっているのかなと感じました。そう言ったところを考えさせたかった一冊だったのかな。
ただ、兄貴が急死したところに少しモヤモヤしました。
今作の中で1番印象に残ったのは「お前たちがやっていることは検索であって、思索ではない」というセリフです。
Xなどでこう言われているから、偉い人がこう言っているからで決めてしまっていることも身に覚えがあるのでギクリとしてしまいました。
今後は自分で考えて結論を出さなきゃな。
様々なことを考えさせられる一冊でした!
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伊坂幸太郎『魔王』から50年後の世界。
『魔王』から続けて、と思っていたが…
かなり時間が経ってしまい、『魔王』の記憶もあやふやに…
システムエンジニアの渡辺拓海は、行方不明となった五反田の残したあるサイトの仕様変更の仕事を引き継ぐ。
プログラムは暗号化されていて、一向に仕事は進まない。
依頼元・株式会社ゴッシュともうまく連絡が取れず…
『播磨崎中学校事件』、『安藤商会』で検索をした会社の上司、後輩に不幸が…
一方で、渡辺は妻・佳代子から不倫を疑われ…
不倫相手は行方不明に…
渡辺の友人の作家・井坂好太郎も絡んできて…
何がなんだか…が、ここまで…
かなり設定が複雑で…
『検索から監 -
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ネタバレ『フーガはユーガ』を読み始めたときは、双子の“入れ替わり”という不思議な設定がメインで、たしかに面白くはあったものの、物語の目的や盛り上がりどころが見えず、あまり没入できていなかった。正直、どこに向かっている話なんだろう?という気持ちのまま読み進めていたと思う。
でも、物語が終盤に近づくにつれて一気に印象が変わった。双子が本当にやりたかったことが明らかになる場面は、衝撃的というか、言葉を失うような展開だった。そして、作中でたびたびユーガが言っていた「俺の話には嘘や脚色がある」というセリフの意味がわかったとき、その裏にある覚悟や優しさが想像のはるか上をいっていて、一気に引き込まれた。
読み終 -
Posted by ブクログ
2010年発行。
伊坂幸太郎の長篇小説。
あとがきで作者自身が述べている通り、本作が伊坂幸太郎作品の「第一期」最後の作品。
この次の『ゴールデンスランバー』から「第二期」が始まる。
「第一期」は、所謂ポップな雰囲気と伏線回収による読み応えの爽快さを売りにする小説である。
本作もそれに漏れず、終始軽やかな空気で、結構シリアスな事件が起こってもコミカルさがある。
主人公の由紀夫は一人の母親と四人の父親を持つ高校生。
四人の父親はそれぞれ、ギャンブル狂の鷹、博識な大学教授の悟、容姿端麗で女好きの葵、スポーツ万能の中学教師である勲、と非常に個性的である。
由紀夫はそんな父親たちと暮らし、賑やか -
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ネタバレ初伊坂幸太郎作品でした!
内容は結構重エグいというか、私は幸運にも経験したことがありませんでしたが、人によっては思い出したくないことを鮮明に思い出してしまうようなリアルさがありました。ただ双子には特別な能力が使えて、その能力を使って悪逆非道の父親をぶっ倒すんだろうなとは想像していましたが、実際はそれだけじゃありませんでした。ラストはハッピーエンドとは言えない感じがなんとも言えない、、、ずっと過去の話を掘り出して綴られていたのが、突然リアルタイムに引き戻される感じはとてもわくわくしました!
フーガとユーガ、生まれ変わる時はまた
双子でいてほしいと願うばかりです。