伊坂幸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ長らく、本を貸してあげていた元教え子が、自分で本を買うようになったから、もう貸してもらわなくていいと言ってきた。何を買ったのかと聞いたら、この伊坂幸太郎の『アイネクライネナハトムジーク』だという。
この本を選んだ理由は、タイトルがかっこよかったからとのことで、彼は、この本のタイトルが、モーツァルトの作曲した有名な曲名であることを知らなかった。そのため、本当に「アイネクライネナハトムジーク」という響きのかっこよさだけに惹かれて、この本を読もうと思ったらしい。
これが曲名であることを知ってしまっている人間の身からすると、どうしても、あの曲とのつながりや、音楽にまつわる物語を期待して本を開いてしまう -
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事件はおこるが、最初は結びつかない。
段々と家族の秘密が明らかになるに従って、謎が解けていきます。でも兄弟の絆はそのままで、読むに従い、家族の絆もそのままです。
なんだろう、とても安心しました。
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。 -
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1. 20年ぶりの再読と「底知れない悪意」への着目
かつての記憶とは異なり、今回は「人間の底知れない悪意」というテーマが強烈に突き刺さり、そのことばかりを深く考えてしまう読書となった。
それは現在、自分自身が人間関係の悩みに直面していることと無関係ではない。自分が無意識に相手や世界を「理想化」して見ていたのではないか、他者は自分の想像を絶するような全く異なる価値観や考え方を持っているのではないか、という問いとシンクロした。
自分が現実で直面しているものは作中のような極端な悪意ではないにせよ、「自分の見方の歪み(認知のバイアス)」を捉え直す契機として、この物語の悪意がリアルに迫ってきた。
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ネタバレ『春が二階から落ちてきた。』
この小説は、とても印象的かつ有名な書き出しから始まる。
春というのは季節の春のことを指していて、落ちてくるというのは季節に対する何かの比喩だろうか。
そう思った私の予想は、再び物語を読み進めたものの数行でことごとく裏切られる。
この冒頭をはじめとして、物語は私の予想を超えた展開が続いていく。
主人公の泉水とその弟のハル、二人の兄弟の背中を追いかけて追いかけてとうとう追いつくことはできなかったけれど、追いかけている間にたくさんの色彩に満ちた景色を見ることができたと感じている。私にとって、今年に読んだ忘れられない本の一つになった。 -
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気まぐれでコンビニ強盗を起こしてみた男が
閉鎖された島で過ごす話。
未来を知っていて会話ができるカカシ、反対のことしか言わない芸術家、足の曲がった老人、太りすぎて市場のお店から立ち上がることのできない美人。100年以上閉鎖されていた島に自分より少し前に本土からきた男。
そして島に伝わる「この島には欠けているものがある、それを外の人間が持ってくる」という話
果たして欠けているものとはなんなのか。それをもたらすのは誰なのか。
キャラの濃い島の住人たちは皆魅力的。
なかでも、悪いことをした人を銃で打つことを許されている桜という美形な男性にとっても惹かれます。でも島にいたら本当に恐ろしい存在でしょう