伊坂幸太郎のレビュー一覧

  • 仙台ぐらし

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    口を付け、飲んでみる。コーラの味が少し、マイルドになり、美味しい。
    うん、美味しい、と内心で呟きながらも、やはりどこか、昔飲んだものとは異なっているようにも感じる。記憶というものは、常に変化し、誇張や嘘が混じるものなのだ。
    今回、このエッセイの序盤に、「仙台という街の大きな流れのようなものが観測できるかもしれない」と大きいことを書いたにもかかわらず、最終的には、小さな喫茶店の、ミルクコーラなどという、強末な話題になってしまい、少々、ばつが悪い気分ではある。
    ただ、様々な物が新しくなり、消えゆく中で、ミルクコーラが残ってたよ、というのもそんなに悪い話ではない。

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    2024年11月10日
  • 魔王 新装版

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    ネタバレ

    面白かった。まさか超能力バトルだとは。2005年の話なのに、憲法改正は割とタイムリーな話でもあり、「おっ」と思った。
    なんていうか、映像的だし読みやすい反面、登場人物がなんかアニメキャラみたいだなーと思った。超能力バトルだからかもしれない。弟の彼女、ふわふわした子だなと思ってたのに実際には結構考えているタイプだったりとか。職場で「っち」付けで呼ばんだろう、しかも「っち」はフルの名前にはつけなくないか。さとっちとか、短縮形+っちをつけるイメージ。まあそんな議論はどうでもいいんだけど。
    あとまさかの途中で終わると思わなかった。読むのを何度も中断しても話がわかりやすいから読みやすかったな。続編も読み

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    2024年10月23日
  • 夜の国のクーパー

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    勇敢で本能的なトムの描写がとにかく愛おしい

    序盤はなんとも恐ろしい、おぞましい展開。
    戦争で攻め込まれて、国王が殺されて、謎の化け物退治に行くために、勇ましくも報われない家族。

    そして何よりそんな人間の畏怖感情とは裏腹にとにかくのんきな猫たち。我を忘れて鼠を追いかける、大事な局面でも忘れぬ毛繕い、ここまで鮮明に猫の修正を描写に入れられる伊坂さんに脱帽。

    それでも要所要所に出てくるトムの活躍と、どんでん返しの物語がとても面白かった。

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    2024年10月20日
  • SOSの猿

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    んーーーわからん笑
    伊坂幸太郎ワールドなのかなぁ。作品によって使わなければいけない頭の場所が違うんだよなぁ。きっと。
    積読から調子に乗って読んじゃおう!ってなったは良いものの、続きを読もうとして毎回のように「で、何だったっけ?えっとー」ってなってしまいました。すいません。流し読みしてしまったので、また気が向いた時にリベンジします。

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    2024年10月15日
  • グラスホッパー

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    伊坂氏の著書に出てくる達観した登場人物は読んでいて清々しい。この作品は今まで私が読んできたものとは世界観は異なりますが、著者らしさは存分に感じられました。それにしても、色んな殺し屋がいるもんだ。

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    2025年10月18日
  • 首折り男のための協奏曲

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    ネタバレ

    ”僕の舟“好き。
    黒澤も好き。
    勝手に最後に怒涛の伏線回収があるかと期待してしまった分ちょっと物足りない終わり方だったけど、ひとつひとつは面白かった。

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    2024年10月12日
  • 火星に住むつもりかい?

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    ようやく読んだ積読本。

    村上春樹作品の十八番と言えば美味しそうな食べ物と性描写、伊坂作品の十八番と言えば最近は生々しい拷問と大きな権力への対抗。

    作者はこの作品で何を問いかけたいんだろうと疑問に思う。

    最初に読んだ「死神の精度」の衝撃が凄すぎて他の作品も色々読んできたが、最近はとてもメッセージ性が強くそれをとてもポップに描いているので逆にモヤモヤする事が結構ある。

    世の中への不満を天邪鬼的に飄々と描かれると逆に重たくなる。

    最初は少し気分が重くなり、中盤は流石伊坂作品と高揚し最後は何だかなあって感じで読み終わった。

    良くも悪くも一気読みしてしまう伊坂作品。

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    2024年10月08日
  • あるキング

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    いつもの伊坂幸太郎作品とは違うと前置きがあったのでそれなりに心づもりして読んだが、多分にもれず「なんだこりゃあ???」と面食らった。伊坂さんが書きたいように書くとこんなテイストになるのかぁ。謎めいた抽象的な表現が多く理解が追いつかず、今は正直おもしろいとは思えなかったが、何年かして読んだら変わりそうです。
    「マクベス」は読んだことないけれど、色んな作家さんに引用されていて、興味深い。 (なかなか食指は動かないんだが)“Fair is foul, and foul is fair.”この作品のキーでもあるが、奥の深い一文。

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    2024年09月27日
  • 夜の国のクーパー

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    読み始めてすぐに思ったことは、この物語は伊坂さんの処女作オーデュボンの祈りを想い起こさせるファンタジー小説なんだろうと言うことだ。

    はじめのほうは物語の展開が全く読めない。かと言って読みにくいかと言うとそうでもなく、どんな展開を見せてくれるのか期待に胸を膨らませて読み進めていった。

    ぼくの視点と、猫のトム君の視点からこの物語が語られる。猫や鼠が喋ったり、鉄国と呼ばれる国が出てきたりで、中盤まではこのストーリーは破綻せずにしっかりと収束することができるのだろうかと心配になるほどだった。

    トム君たち猫と人間たちが暮らす街が、鉄国との戦争に負けたことで鉄国の兵士たちに占領されてしまったというの

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    2024年09月22日
  • SOSの猿

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    ネタバレ

    「救急車って、どこに行くの」
    「どこかでね、誰かが、痛い痛い、って泣いてるんだよ。だから、助けに行くんだよ」

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    2024年09月19日
  • 夜の国のクーパー

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    ネタバレ

    猫視点がかわいい!と思って読んだ。
    とある国をめぐる、戦争と統治の話。
    設定は面白かったのに、どうにも入り込めなかった。
    オチが気になって読んだけど、まさかの叙述トリック、しかもサイズ感!!!!

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    2024年09月01日
  • 夜の国のクーパー

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    初読。自分の持ってるのは旧版。けっこうおもしろかった。いろいろ明らかになるところがよかった。終盤でガリバーかよってなって、ちょっとうーんとなってしまった。でも改めてガリバーを検索したら最初からほのめかされてたのがわかったので、うーんが薄まった。自分の知識不足。
    解説でいろいろな作品に触れられてたけど、何でガリバーには触れないのかな?ってちょっと思った。

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    2024年08月25日
  • ジャイロスコープ

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    ネタバレ

    『浜田青年ホントスカ』からはじまる不思議な短編集。まずは謎の相談屋の話。
    『ギア』ではセミンゴがキモすぎて、実在するのかググりながら読み、
    『二月下旬から三月上旬』は不安な気持ちになりながらも先が気になって仕方なく一気読み!
    (でも何が起こっていたのか解説というか、謎が全部繋がるのを期待してしまったけれど、説明はなかったです。。)
    『一人では無理がある』がちょっと粋なサンタシステムのお話で楽しく読めました!
    『彗星さんたち』も市川くんの仮説が面白すぎて最高!
    『後ろの声がうるさい』は全体のかるい受け皿、繋がりの回収って感じでした。

    ちょっと伏線回収を期待しすぎたかもしれない!
    構えずにもっと

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    2024年08月20日
  • バイバイ、ブラックバード<新装版>

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    ネタバレ

    どこかで明かされるであろう「あのバス」の正体と星野のやらかしを楽しみに読み進めたのに、結局そこは明かされず終わってしまったのが残念に感じてしまった...
    私はスッキリ終わる本が好きだな〜と思ったけど、読後の解説とか伊坂さんのインタビューを読んで、そういう小説もある、自分で想像する楽しみ方を学んだ気がする。
    登場人物が泣いている理由は読者しか知らない、って展開素敵だな〜!

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    2024年08月15日
  • バイバイ、ブラックバード<新装版>

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    内容を把握せず、伊坂作品で装丁とネーミングだけで選んだ作品。
    、、まさか5股男が1人ずつ別れを切り出す内容だとは。
    ラーメン大食いのシーンもロープ女もまゆみの性格も、〈あのバス〉の存在も、掴みどころのないしかし強烈な設定が醸し出す空気感がなんだか村上春樹のような世界観に感じた。

    しかしこれは太宰治の「グッドバイ」というオマージュ作品だと解説で知ってなんだか納得。
    伊坂ワールドとレジェンドの合わさった作品というわけか。

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    2024年08月13日
  • PK 新装版

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    何かを決断し行動に移す事は、分岐点として後々に意味のあるものに変わる。
    自分の行動が、自分と関わる誰かにとって有意義なものになれば尚良し。
    そんな気持ちで日々を過ごしていこう。

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    2024年08月13日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    表紙がとても綺麗で手に取りました。

    二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?

    わたしも今回初めて知りました。
    雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
    どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。

    この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。

    思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りま

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    2024年08月05日
  • 火星に住むつもりかい?

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    善と悪をグラデーションで捕らえた作品。

    魔女狩りのような規律化で秩序を維持しようとする平和警察の考えにも頷ける部分はあるが、やはり極端な制御とそれによる反発とは不可分な関係にあると思う。

    楽観的かもしれないが、公権力がそれなりに緩く作用している日本だからこそ保たれている秩序もあるんじゃないかなと。

    SとSを束ねれば極力な磁力を生み出せるがその分反発も大きい。自然界では、両極端にあるSとNが近づくことで安定した状態が保たれている。だからこそ社会の考えも、一つに揃えない(揃わない)のが自然な状態だと私は思う。

    無意志で群れる大衆に強い嫌悪感を抱いていたのに、
    自分もあくまでその一員であ

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    2024年08月04日
  • 魔王 新装版

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    ネタバレ

    能力についてとかバーのマスターについてとか、気になる謎は全て残したままだった。
    選挙や政治の在り方や考え方など今を反映しているなと思った。
    犬養という首相がいると良いと思う反面、みんながみんな犬養を支持することを少し怖いとも思う…。
    今の現代を色々考えさせられる話だった。

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    2024年07月31日
  • PK 新装版

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    1番最後のあとがきを読むまで3話の繋がりを理解できなかった。そうだったのか!という驚きもなかった。東日本大震災の被災者に向けた伊坂幸太郎さんのエールだったという背景を読んで、このすっきりしない感じが少しだけ腑に落ちたような気もした。

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    2024年07月17日