伊坂幸太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【2026年10冊目】
弱小プロ野球チーム仙醍キングスのファンである両親の元に生まれた山田王求は、まさに野球選手になるために生を受けたといっても過言ではなかった。才能と努力。だが、その野球人生は決して順風満帆とはいえなくて――君の番が来た。
読書好きの友人から完全版を勧められていたのをうっすら覚えていて、タイトルを見かけて手に取った一作でした。いやこれ、完全版ではないんですが。
主人公である山田王求の人生を見つめる語り手によって、物語は王求が生まれる前からその最後まで紡がれます。終わりは、ハッピーエンド好きとしては大いに不服でした。努力でも才能でもなんともならないことは世の中にいっぱいある、とはわかりつつ、それでも小説の世界では夢を見させてくれても良かったじゃん!と。
単行本から文庫本になるにあたって、加筆修正した結果かなり違った雰囲気になったらしく、友人はそこが面白いと絶賛していたので、機会があれば完全版も手に取ってみようかと思いますが、結末が不服なので、どうしようかなぁと思うところでもあります。 -
Posted by ブクログ
上下巻読み終えての感想を一言。壮大なるファンタジーだったかなと。
5年前の惨事、播磨崎中学校銃乱射事件。
その事件で奇跡の英雄と評された永嶋丈は、
今や国会議員として権力を手中にしていた。
もう一つの検索ワードを追う渡辺拓海は安藤商会の始祖とされる
安藤潤也に辿り着くが、事件との繋がりを見出せないまま追い詰められていく。
大きなシステムに覆われた社会で渡辺は自身の生き方を選び取れるのか。
上巻から更に加速して血生臭い展開が続いていく。
降りかかる悲劇に目を背けたくなる描写も多数。
その辺の緊迫感を含め、恐怖は最大限に煽られていくが
辿り着いた真相含め、壮大すぎたなという印象。
とは言え、それが拍子抜けとかそんな陳腐なものではなく、
それは突きつけられた絶望といったものに近いのかもしれない。
だからなのか、そんな巨大で壮大な事象の中、
散りばめられた何てことない描写が胸に刺さる。
死んでしまったら『あぁ、眠いな。二度寝したいな』なんて気持ちは
もう二度と味わえない。まさにそうだ。
あの大したことないが何にも変え難い思いがもう味わえないなんて。
そういった小さな幸せが一番大事なのかもしれない。
読み終え、そんな思いが頭の中を駆け巡っていた。 -
Posted by ブクログ
恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海はあるサイトの仕様変更を引き継ぐ。
プログラムの一部は暗号化されていて、前任者の先輩は失踪中。
解析を進めていた後輩や上司を次々と不幸が襲う。
彼らは皆、ある特定のキーワードを同時に検索していたのだった。
時代設定は21世紀半ばという近未来。
著者の別作品『魔王』の50年後の世界を描いているらしく、
『魔王』が未読だったので、それがどこまで影響しているのかわからず。
上巻はとりあえず謎を散りばめ、芽が出てきたとこで終わる。
これがどう花開くのか、下巻に期待したい。
伊坂作品特有のキャラクターの良さが今作も光っている。
作者・伊坂幸太郎自身をもじった小説家・井坂好太郎なる人物。
「人生は要約できない」
この井坂好太郎の名言なのか迷言なのかわからぬ発言の数々。
気付けば惹き込まれてしまっている自分が少し悔しい。