あらすじ
人は時折、勇気を試される。
落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。
その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。
勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。
三つの物語を繋ぐものは何か。
読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『PK』『超人』『密使』の3作からなる一冊。共通して流れる幾つかのキーワードやテーマ。ん?え?あぁ?と何度もページを行き来しながらもそれが苦にならない面白さに静かに興奮しながら一気読み。見えない力で誰かに何かを試されてる。抗うか呑み込まれるか。そんな時って確かにある、かも。
Posted by ブクログ
読みながら感じる違和感。
あれ❓と思うことが続きながらも読み進めた。
最後まで読んで全体像がなんとなく見えてくる。そこからページをめくり直し、ひとり、この物語の全体像を考える時間が続く、、、
なんて面白い物語なんだ。
Posted by ブクログ
時間かけて読んだのもあって一回読んだだけでは3つの話のつながりを理解しきれなかった
解説を読んで理解した時、それぞれの話のつながり方がとても面白かった
最初短編3つかと思っていたが長編なのかもしれないと思った
Posted by ブクログ
元は別々の短編であったものを、再編して一つの緩やかな流れを共有する物語とした、と解説を読み、腑に落ちた。「密使」でのSF的なストーリーの繋げ方は個人的にはちょっと違和感あるものの、個人の持つ勇気というか決意、のようなものは通底しているし。
伊坂先生の作品はまだそれほど読んでいないのだが、「魔王」や、中村文則先生の本は、時々、個人の意志を押しつぶし、ないしは、ほんの少しだけ曲げて、誰かや何かの都合の良いように変えようとする力が書かれているように思う。
無力な、あるいはほとんど無力な個人が、それでもなお、と決意する事が勇気であるなら、それを見た人が、誰が一人でも、自分も決意しよう、と思うのなら。世の中は結局、そうでしか変わらないのかも。作中にチャップリンのセリフもあるけれど、加えてStingの「人は集団だと狂気に陥るけれども、一人ずつしか正気に戻ることは出来ない」と言うのも思い出させる。
勇気は伝染する、というのはいい言葉だなあ。モダンタイムスも読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
これは3つの短編(PK、超人、密使)からなるんだけど、全て読み終わった時に『密使』から物語は始まり、『超人』と『PK』がそれぞれ違う過去だった場合(パラレルワールド)という構成になっていて、読み終わった時の繋がり、伏線に感動しました。
みんなの小さな勇気が集まることで、お互いに意識してなくてもある人に影響され、歴史が作られる。
私の何気ない行動で、どっかの誰かの人生が変わってるのかもなと思えた作品でした。
いつになくモヤモヤ
アプリにお薦めされて読みました。
いつものようにグイグイ読み進んだのですが、解説を読むまで三篇とは思いませんでした。
一篇の長編だと思っていたので、読み終わってモヤモヤしてしまったようです。
これまで著者の作品でこんな風に感じたことがなかったので、それはそれで新鮮でした。
解説を読んで、「そうだったかも」と思うところが多数あるので、近いうちにまた読み返すとおもいます。
Posted by ブクログ
一気読みじゃなかったからか、最後まで読んでも完全にストーリーが繋がらなくて、ん?ってなってしまった。複数の登場人物からの目線×複数の時系列×複数の世界線、はちょっと難しかった。解説を読んだらなんとなく納得したけど、難しかった。伊坂幸太郎の、複数の登場人物の目線からの物語が最後に繋がっていく感じはとても好きだが、他の要素が多くてうまく繋げられなかった。それぞれの物語は短編として読んでも面白いぐらいわくわくがあったし、読んでいて決して退屈はしなかった。特に、タイムスリップのジレンマに対して、多くの人を救うために1人だけにその皺寄せを飲んでもらうという、その人にとってはショッキングな結論を淡々と説明していく漢字は面白かった。SFながらもどこか現実味を感じた。
Posted by ブクログ
3つの中編に繋がりがありそうで、メモしながら読んだんだけど、わかりそうで結局ハッキリしなかった。
そもそも作者も、これはもともと独立した話だったと言っていたので、ハッキリしないところがあるのはしょうがないのか。
個人的には、Gが出て大臣の浮気がバレなかったことによる効果?や、大臣が病気を蔓延させる世界線?についてもっと詳しく知りたかった。
Posted by ブクログ
仁美さんからいただいた本。
なるほど未来三部作とはこういうことか。
あと何往復かしないと味わえない面白さを持ったスルメのような本。
勇気は湧かなかった。
Posted by ブクログ
面白いんだけど、理解力が及ばず、わかりそうでわからないことへのフラストレーションが溜まった。
魔王やモダンタイムスに似てるなぁと思ってたら、解説でそのことに触れられていて嬉しかった。
Posted by ブクログ
3.8/5.0
ユーモアを交えた軽快な文体と、少し前向きに希望的に終わる物語構成等、随所に伊坂さんらしさを感じた。
ただ、核になるテーマみたいなものが少し曖昧に感じた。
『密使』に関しては、SF要素が強いことも含めて、物語自体があまりよくわからなかった。
Posted by ブクログ
少しずつリンクしているようで、何かがずれている。
そんな不思議な中編3篇を収録した本。
3遍に共通したゆるやかなつながりがあるので、連作短編として書かれたのかと思っていた。だが、最初はそれぞれ別の単編として書かれたものだと、あとがきで知って、「伊坂さんすごい!!」と感嘆した。
「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する」という心理学者アドラーの言葉が、全編を通して根底にある。
一冊読み終わった後には、自分の中にも勇気がじんわり湧いてくるのを感じた。私にも、しっかり伝染していた。
Posted by ブクログ
最後のお話まで読んで伏線回収できたと思ったのですが、まだなんか消化不良感があって…
伊坂先生の本はすごく好きなので、期待が大きかった分、星3になりました。
読書に解釈を委ねる感じがして、何度か読み返すと印象が変わるかも。
Posted by ブクログ
ささいな事で未来は変わる。
昨日までと今日でがらっと世界が変わる、という経験を最近した事もあり、心にとても響く作品となりました。
私も◯◯を過去に送りたい。
そうしたら緩やかに未来が変わり、また違う今があるかも知れない。
A'の世界も気になるところです。
行けないとは分かっていても、そちらの自分が幸せに暮らしていたらそれはそれで良いかなと思える。
Posted by ブクログ
何かを決断し行動に移す事は、分岐点として後々に意味のあるものに変わる。
自分の行動が、自分と関わる誰かにとって有意義なものになれば尚良し。
そんな気持ちで日々を過ごしていこう。
Posted by ブクログ
1番最後のあとがきを読むまで3話の繋がりを理解できなかった。そうだったのか!という驚きもなかった。東日本大震災の被災者に向けた伊坂幸太郎さんのエールだったという背景を読んで、このすっきりしない感じが少しだけ腑に落ちたような気もした。
Posted by ブクログ
星3か4で悩むところ。
好きな部分もたくさんあるけど、構成が難解で、いまいち作品に入りこめなかった。
個人的には、もう少し読み解くためのヒントがあれば良かったかも。
Posted by ブクログ
臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する。
議員から小学生に伝染した勇気にうるっときた。
解説に一筋縄では行かないドミノ倒しとあったが、それぞれの章のちょこちょこある矛盾がどう収束するのか理解しきれなかったのが残念な感じ。
信念を曲げるかどうかのところも超人の方で大臣が曲げちゃいそうな感じなのがなあ
わたしの理解力の問題
Posted by ブクログ
私たちはどうやったらヒーローになれるのか。
PKを決めるサッカー選手、
落ちてきた子どもを受け止めて助けた政治家、
時間を止めてなんの気なく世界を救ってる戦隊役者、
蔓延菌を防ぐために戦う未来人。
三篇の短篇集なので、最後の章に行くまでは、「これってどんな話なんだ…?」とイマイチ掴めなかった。
後半からいよいよ面白くなってきて、最後の章でしっかり繋がってきた!
とはいえ、解説を読まないとなかなか理解が難しいタイムトラベル系。
ゴキブリ計画と時間スリ計画。「これが、こうなる」。これだけじゃなんのことか分からないけど、この2つが相反しているのがとても面白い。幼き大臣のお家にゴキブリが送られなかったら、一万人もの人が犠牲になるところだった、、、
ゴキブリがなんでこんなにすごいのかって、しっかり伏線張られて語られてるところも。
後半で盛り上がる前に、読むのを途中で諦めかけちゃったから、もう一回読み返したら種明かしがわかった状態でもっと楽しめるかなと。
でも、最後の「密使」をもう少し長く読みたかった!ここで二つの世界の繋がりをもっと伏線回収しまくってくれたらよかったな。
勇気は伝染する。
Posted by ブクログ
勇気は人から人へと伝染する。人は信念を試される時がある。それだけはわかったけど、パラレルワールドやら、サイコキネシスやら意味不明というか、理解不能。二、三回読みたくなる、読むと理解出来るのかな。時期をみて読み直そう。
Posted by ブクログ
2002年ワールドカップアジア最終予選の試合終了間近に、日本代表チームがPKを獲得したことでW杯出場が決まるのですが、その場面での謎を、2011年に大臣をしている男が気にするのです。そういったところから始まる、「PK」「超人」「密使」の三作からなる連作短編です。「PK」「超人」は、同じような場面で事実が異なっているところがあり、そこは大切な注目ポイントなのですが、だからといってあとではっきり解き明かされはしません。そういう投げっぱなし加減も、読み手としての自由度として捉えれば、シンプルに、読み手の読み心地のよさにつながっている要素なんだろうなとしてみても、大きく外れてはいないのだろうと思います。
なんだか、どう書いてもネタバレになってしまいそうなので、とくだん内容には触れませんが、伊坂幸太郎さんらしい、さっぱりした軽さがあって計算されていて軽妙なおかしさがあって、読むことに没入させられる力がほんとに強力な作品だったことは書いておきます。アイデアも、ところどころの発想の飛んでるところも、冗談のセンスも、外さない人だなあと毎度ながら感心してしまいます。時間を忘れて夢中になって楽しんでしまいますからねえ。
「密使」はタイムパラドクスの解説や、タイムパラドクスが起こらない場合に世界が分岐する「パラレルワールド」論について、とてもわかりやすく登場人物が主人公に教えてくれている場面があります。いわば、主世界Aと、そこから分岐した並行世界A'やA"があるとすると、メインの世界はやっぱりAの世界だとこの作品では述べられている。ここを読んでいるときに、「でも、A’の世界を生きている人が、自分が分岐した世界の住人であり、目に見えている世界がメインの世界ではないなんて気づくことなんてできやしないし、A'もA"もそこの住人はその世界こそが唯一無二のメイン世界だと前提して生きているだろうに」と僕は思い始めてしまったのです。そうしたら、なんだか、ほんとうに今の僕がいる世界が分岐していないメインの世界なんだろうか、と強い疑いが生じてきまして。
というのも、「PK」「超人」と読み終えて「密使」にはいっていく前に、一旦『岩田さん』という本に移りました。任天堂社長でニンテンドーDSやWiiを世に出した方の考え方や言葉が詰まっているすばらしい本です。60pくらいまでを読んで、さて、それじゃあ『PK』に戻ろうと、最後の「密使」を開いた一行目が、<きっかけはポータブルゲーム機の予約だった。>でした。「ああ、岩田さん!」と思ってしまった(笑)。もうひとつ、本書の解説の最後、伊坂幸太郎さんのエッセイの文章が引用されて終わるのですけれども、そのほんとうに最後の一文が<仮面ライダーがいてくれて、本当に良かった。>なんですね。僕のユーザーネームは、仮面ライダー555を連想させるものだろうと自分でわきまえているので、ここでも、「ああ、仮面ライダーかい!」と思ってしまいました(笑)。そういうところから、この世界は、主世界であるとするならなんだか嘘くさいと思ったところなのです。……とまあ、ほぼ冗談ですが、それでなくても本作品の内容は不思議なものなのに、そこに奇遇と考えてよさそうなものまですり寄ってこられると、おもしろいもんだなあ、と掃いて捨ててしまわずに、取り上げておいて書き残したくなったのでした。あしからず。
Posted by ブクログ
友達の次郎くんのエピソードは実際にはこんな話を子供にしてはいけないが、何だかホントに効果がありそう。
世界の多くの人が救われる代わりに自分に絶望的な変化が与えられてしまう。自分がそんな状況になったらと、つい考えてしまう。あまりよく考えずに承諾しそうだし、お断りしそうだし。どうだろうか。
今回はちょっとついていくのが難しかったなあ。
Posted by ブクログ
伊坂さんの本初めて読んだ。
正直めちゃくちゃ難しいけど、最後意味が分かってうわあ〜ってなった。読み終わってからもグルグル本のことについて考えてた。ワールドには凄い入れたなあと思うけど、私には少し難しくてあ、この本面白いんだろうな〜という感じだった
Posted by ブクログ
「臆病は伝染する、そして勇気も伝染する」
というフレーズが終始散りばめられている。
大きな選択に迫られた時、私は勇気を持って行動することが出来るだろうか、と考えさせられた。
最後の物語のつながりは鳥肌が立った。
構成は難しい。日を跨いで読むと登場人物と時系列が曖昧になってくる。また暇が出来たらもう一度読みたいと思う。
Posted by ブクログ
非常に複雑で難解。解説を読んでモヤモヤが少しは晴れたがもう一度読まないと全てを理解するのは難しい。ただ、あとから「密使」を加えて先の二篇をまとめあげる構成はさすがとしか言いようがない。
Posted by ブクログ
"勇気は時を超えて伝染する"
タイトル通りの内容だった。個人的にいろんな物語がパラレルに関係するものは結構好きなので面白く読めた。若干文章的にくどいところもあり飛ばし読みした所もあった(笑)
Posted by ブクログ
2回は読みたい本。三中篇からなっており、最後の密使でこの小説の謎が解ける。自分には少し難しかった。
「自分だけでなく、ありとあらゆる人間が、ある日突然に主義や信念を試されるのではないか。誘惑や脅しにより、試される瞬間があるのではないか。」という言葉が出てくる。
僕がこの言葉で感じたことは、
人間は社会の中で生きる生き物だから、一般的な考え方が好まれ、自分勝手な考え方は好ましくないように感じる。でも別に人と違う考え方や主義、信念を持っても良いと思う。その代わり、人と違う考え方というのは孤立しやすいから、その自分の主義、信念を自分でしっかりと保たなくてはいけない。誘惑や脅しがあっても、自分の主義や信念を貫く意思を持つことが、今、個人社会になりつつある世界で楽しく生きれるのではないか。
社会の中で、自分の考えを貫くことは難しい。でも難しいからこそ、自分の主義や信念だけは貫きたい。という矛盾的な考え方に行き着きました。
(個人的な意見です。)