伊坂幸太郎のレビュー一覧
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陽気なギャングでも思ったけど、大人が四人くらいで未成年の子供の私生活に面白おかしく干渉してくるストーリーが伊坂さんは好きなんだろうな。読んでて面白いから自分も好きだけど。
そんな中でもこの主人公の由紀夫は元来の無感動気質が前面に出てて、大人に可愛がられながらもちゃんと可愛げのないタイプに描かれているし、熱くならない気質の割に友人のピンチへの介入の仕方が限度を超えていたりと若者的な矛盾が多い。
物語の終わり方がとても独特で、状況的にはハッピーエンドなはずなのにとてもそう言えないような、一抹のもの淋しさを与えてくる終わり方をしてて、今までの伊坂作品には無い読後感だった。 -
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読書録「終末のフール」3
著者 伊坂幸太郎
出版 集英社文庫
p249より引用
“「あのさ、地球の環境もコントロールでき
ない人間が、どうして火星の環境を維持でき
るわけ?」”
目次より引用
“終末のフール
太陽のシール
籠城のビール
冬眠のガール
鋼鉄のフール”
終わりゆく世界に生きる人々を描いた、短
編連作群像劇。同社刊行作文庫版。
小惑星の衝突の予測によって、8年後の滅亡
が予告されてしまった地球。予告後の世界の
混乱から5年が経過し、少し落ち着きを見せる
世の中で、人々はそれぞれ残りの時間を過ご
す…。
上記の引用は、地球が駄目なら火星に住め
ばいいじゃない、と -
Posted by ブクログ
ネタバレ伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』
「春が二階から落ちてきた−」
そんな文章から始まるこの小説。春は主人公泉水の弟。性的な暴力に対する嫌悪感が強く、校内で起きようとしていた自分には無関係なレイプ事件も殴り込んで止めたくらい。
仙台に住む泉水と春の一家は、母が過去に未成年から暴行被害を受け、その結果として弟の春が生まれていた。家族は春を深く愛し、父を中心に一家は壊れずに暮らしてきた。兄の泉水はその過去を知りつつ、大人になり、遺伝子を扱う研究職に就く。春は高い身体能力を持ち、類稀な美術の才能を持つなど、どこか常人とは違う感性を持ち、大人になる。
時が流れ、仙台の町で奇妙な落書き(グラフィティ)が -
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登場するのは西遊記を思わせる名前を持つ3人。
五十九彦、三湖嬢、蝶八隗だ。舞台は近未来の地球か?大停電、大地震、感染症の災厄に見舞われている。理由が人工知能「天軸」の暴走かもしれないと考えた開発者が確認しに行ったものの行方不明。ある貨物飛行機事故がきっかけで、位置情報が得られたため、冒頭の3人が派遣された。免疫力が並外れて強く、感染症にもかからないことから選ばれたのだ。果たして3人は目的地にたどり着けるのか?といったお話のようだ。アダムとイブの物語に登場する生命の樹と知恵の樹を思わせる大木にからまるパラシュート。引き返せそうにない楽園。人間の世界の終わりを示唆する、不思議な本だ。