伊坂幸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ鈴木、鯨、蝉それぞれの視点から話が進む。
はじめは別々の場所で全く繋がりのない人物たちだと思っていたが、それぞれの思惑が交錯し、1つに繋がっていく。
場面展開の際、ハンコで名前を示しているので分かりやすい。
印象的なのは、鯨が発する「人は誰でも、死にたがっている」。
まるで鯨は死神かのように、出会う人出会う人が死を選ぶ。
その中で唯一、鈴木は直前で思いとどまることができる。
それは亡き妻の言葉が降りてきたからであるが、その時にわたしが感じたことを書く。
人は常に陰と陽、つまり心の中に生きることへの負の感情とプラスの感情が入り混じりながら生きている。
それが、「人は誰でも、死にたが -
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序盤は登場人物や時系列が入り乱れ話に付いて行くのに必死だった。
しかし慣れてくると1つ1つの作戦ややり取りの裏側を明かす真相を知ることができて面白かった。
作中1番の驚きだったシーンはオリオの正体が黒澤だったことだが警察とやり取りをしていたのは隣の家で立て篭りをカモフラージュした今村と中村だったのことにも驚いた。
他にも本物のオリオは死体として隠されていた事など伊坂幸太郎ならではのどんでん返しを喰らうことが出来た。
いかなる場面でも冷静沈着な黒澤がカッコよかった。
綿子が銃を構えた場面で神話とは反対に麻袋の中身は兎田だと悟り天井を打つ場面、天井の穴から夏之目が娘を指指すことを回想する伏 -
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ネタバレ数々の大災害が人類を襲いその原因は人工知能「天軸」の暴走とされ、五十九彦、三瑚嬢、蝶八隗の選ばれし3人は天軸の開発者「先生」が残した絵画「楽園」を手掛かりに天軸を探す旅に出る。巨大樹の麓に残された天軸には先生からのメッセージが残されていた。人類を追い詰めた大災害の原因がAIの暴走ではなく、自然知能(Nature Intelligence(NI))が地球にとっての脅威である人類を排除し始めたことによるものだった。意図せずNIを再稼働させてしまった3人は人類の滅亡を予期しつつ大きな嵐に身動きがとれなくなっていく。
西遊記を思わせる人物設定の大人のための童話。100ページほどの短い物語だが、とぼけ -
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正直に言うと、小学生を主人公にした小説は苦手である。胸が苦しくなる。人生経験が少ないからこその純粋さがまぶしいからでもあり、その純粋さが含み持っている残酷さと傷つきやすさが、安易に物語を楽しむことを許してくれないような気がするのだ。傷つきやすいくせに傷つきやすい、未熟なくせに自分なりに一生懸命考えて頑張る。人間という生き物の危なっかしさを、オブラートに包まずあからさまに掲げているようで、痛々しくも愛おしくなる。
この物語に出てくる少年・少女たちも同じである。作者はそういう子どもたちの姿を、温かく描き出している。どいつもこいつも危なっかしく、平気で傷ついたり傷つけたり、小さな心でたくさん -
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ネタバレ「先入観」がテーマになっているので、「なるほどなぁ」「たしかに」とハッとさせられる部分がちょこちょこあった。
個人的に好きだったのは「スロウではない」「アンスポーツマンライク」。
「スロウではない」の展開は、私自身も先入観で騙された。
もし大人になってから仲良くなった人や結婚を考えている相手が、昔いじめをしていた人だったら。そのいじめによって相手が命を落としてしまっていたとしたら。たとえ本人が改心してその後は真っ当に生きていたとしても、自分は許せるだろうか?と答えの出ない問いをしばらくグルグル考えてしまった。
「アンスポーツマンライク」はシンプルに胸熱展開だったな、と。子どもの頃に言われた