森沢明夫のレビュー一覧
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編集者をしている川井淳は奥さんと、中学生の娘春香の3人家族。
春香のひきこもりをきっかけに、奥さんは怪しい霊能者にのめり込み、家族はおかしな方向へ迷走し始める。
自称霊能者の紫音、ネタを提供していた瑠美、春香をいじめていた人達。
「人を傷つけた」「人を騙していた」と言ってしまえばそれまでだけど、裏に隠された純粋な気持ちまでは裁けない。
もちろん、傷つけた事を許すことはできない。
春香の賢さや寛容さによって、家族も周りの人も救われたのではないかな。
千太郎先生の
「人は誰でもそれぞれ事情を抱えているもので、そういう事情を抱えながら右往左往して生きてきた結果、いまのその人がある」 -
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森沢明夫の桜が散ってもを読んだ。
前半は一寸話しに無理があるような気がした。
リゾート開発が反対の友人に言われて、上司に一サラリーマンが工事の中止をお願いするなんてことはまず無いだろう。
土砂崩れに合い心を壊してしまう。
そう云う私も会社に勤めて一ヶ月で8キロ痩せた時がある。
ストレスで食事が喉を通らなく70のパンツもベルトをしないと落ちてしまうくらいだった。
先日昔のベルトが出てきたのだが45年経った今は13キロ太りベルトの端までも届かなかった。^^;
話は戻るが、家族を置いて移住というのも無理があるように思う。
起承転結で最後はタイトルの桜の花が散ってもの意味が分かる内容だった。
この物語 -
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銀杏商店街の古い純喫茶「昭和堂」で、半ば強引に雇われ店長として働くカッキー。
ぶっきらぼうで、いつもビール片手に酔っ払っているオーナーの霧子さんは若干とっつきにくい印象ではあったが、章が進むにつれどんどん惹かれていった。
「相手の欠点を探すのをやめたとき、相手の長所が見つかりはじめるのかも知れない。それが、お互いの幸せのはじまりなんだ。」
「幸せってね、なるものじゃなくて、気づくものなのよ。」
「人の役に立って、喜んでもらえたときは、その人の使命が果たせてるわけ。んで、その使命が果たせたとき、人は自動的に幸せになっちゃうわけ〜。」
「才能っていうのはね、成功するまで絶対に努力 -
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森沢明夫さんも大好きな小説家。なので、物語の出だしはびっくり。森沢明夫さんの本だよね?と一瞬不安になりました。始まりが不穏過ぎて・・・。
一言で言うと、切なかった。
ある瞬間を目撃し、忠彦が失語症になるほどのショックを受けた。でも、それは彼の責任ではなく、会社の責任。それを忠彦は指摘もしていたんだし。
でも、それが彼には重くのしかかり、うつ病になり、結局は会社を辞める。彼を最初のうちは支えていた妻も、彼のある提案で見限り、離婚を突きつける。そして、2人の子どもと妻と別れて出て行く忠彦。そこがどうしてももどかしくて、納得いかなくて。
そしてある日、息子の建斗に父が亡くなったからお -
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大好きな森沢さんのお話
「裕福と幸福は決してイコールではない」柳生のジジィの言葉です。
まさしく
本当にそうだなと思いました。
困った時そっと力になってくれる
頼もしくて素敵な仲間たちがいて
美味しい食べ物があって
それから毎日見惚れるような
素敵な自然の景色があって
こんな心の贅沢ないですよね
反面…そこに住む人は
どんどん人口が減って過疎化してしまう。元気がなくなってしまう
今回は過疎地に住む若者ムーさんが、地域活性化のために地域の人たちを巻き込みながら、奮闘するお話です。
ムーさんの人柄がみんなの心を開き温かく優しい気持ちになり、最初は文句を言っていたり反対していた人も巻き込んで、一 -
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ネタバレ冒頭、小学3年生の息子・心也を残して病で亡くなる母親の想いが綴られていて、その時点で、もう涙腺が崩壊しそうでした。
自分の命が尽きることを受け入れながら、幼い我が子の未来を思って言葉を残す
その深い愛情が、胸に刺さりました。
物語が進むにつれて、心也が中学生になり、母親の遺した日記を読むシーンが出てきます。
個人的にはここがもう少し丁寧に描かれていたら、号泣だったと思います。
母の言葉と、成長した心也の感情が交差するような描写があれば、より深く彼の心に寄り添え涙涙の作品にもっとなってたよなぁ。
心也の家では「子ども食堂」を営んでいて、それが周囲の目や偏見の的になったり、彼自身もそのことで苦